

年末年始の発熱は、普段より不安が大きくなりやすいです。理由はシンプルで、診療所が休み・薬局も時短・家族の予定が多い、など「いつもの相談先」が機能しにくいから。
この記事では、薬剤師目線で
- 今すぐ救急要請(119)や救急受診が必要なサイン
- 自宅で安全に様子を見るための具体策(水分・休養・解熱薬・感染対策)
- 受診するなら「何を伝えると早いか」
- 子ども・妊婦・高齢者・基礎疾患ありの注意点
を、できるだけ噛み砕いて解説します。

まず最優先:今すぐ救急(119)や救急受診が必要なサイン
熱があると「何度なら危険?」と温度だけで判断しがちですが、実際は“体温+状態(呼吸・意識・循環・脱水)”で考えるのが安全です。
大人:迷わず救急(119)を考える目安
厚生労働省の「こんな時は迷わず119へ」には、突然の高熱や呼吸困難、胸痛など“緊急性が高い症状”が整理されています。以下があれば、躊躇せず救急相談や119を検討してください。
- 急な息切れ・呼吸困難(横になれない、会話がつらい、肩で息をする)
- 意識がもうろう、受け答えがおかしい、ぐったりして起き上がれない
- 胸の強い痛み、冷汗、唇が紫っぽい
- 突然の激しい頭痛、首が硬い、けいれん
- 水分がほぼ取れない・尿が極端に少ない(脱水が疑わしい)
- 吐血、血便、激しい腹痛が続く
参考:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」/総務省消防庁「救急受診ガイド(Q助)」など。

子ども:危険サイン(すぐ受診・相談)
小児は大人より状態が変わりやすいので、“熱の数字より様子”がさらに重要です。日本小児科学会が関わる「こどもの救急(ONLINE-QQ)」でも、ぐったり・呼吸が苦しい・顔色が悪いなどがチェック項目になっています。
- 元気がなく、ぐったり(呼びかけへの反応が弱い)
- 呼吸があらく苦しそう、陥没呼吸、ゼーゼー
- 顔色・唇の色が悪い
- 生後3か月未満で発熱(目安として38℃以上は早めに受診相談)
- 水分が取れず、おしっこが少ない
- けいれん、意識が変、強い頭痛や不自然な不機嫌
子どもは「熱があっても機嫌がよく水分が取れているなら慌てない」一方で、「ぐったり」は早め受診、という考え方が東京都の子ども医療ガイドにも示されています。
次に大事:年末年始の“連絡先”を確保する(救急相談・受診先の探し方)
年末年始は、いきなり病院へ突撃するより、電話相談→受診先案内の流れが安全でスムーズです。
- 緊急なら119
- 迷うなら:自治体の救急相談(地域の#7119等)や、総務省消防庁の「Q助(救急受診ガイド)」で緊急度の目安を確認
- 受診先が分からない:自治体サイトの「休日当番医」「休日急患診療所」を検索

自宅で様子を見るときにやること(安全なホームケア)
ここからは「危険サインはない」「呼吸も会話もできる」「水分は何とか取れる」など、自宅療養が選択肢になるケースを想定して説明します。
1) まずは記録:体温・症状・水分・尿
相談や受診のときに役立つので、メモでOK。厚労省資料でも「体温を測って記録」が推奨されています。
| 記録する項目 | 例 | 理由 |
|---|---|---|
| 体温 | 朝/昼/夜、最高体温 | 経過(上がり方・下がり方)が判断材料 |
| 症状 | 咳、喉痛、鼻水、頭痛、関節痛、下痢/嘔吐 | インフル等の特徴(急な高熱+全身症状など)の把握に |
| 水分 | 何をどれくらい飲めたか | 脱水の予防・評価 |
| 尿 | 回数、量、色 | 脱水のサイン |
2) 水分が最優先:食事は「後から」でOK
発熱時は汗や呼吸で水分が失われやすいです。食欲がなくても、まずは少量ずつ頻回に水分。
- 一気飲みで吐きやすい人は、ひと口をこまめに
- 目安は「口が乾く前」に飲む
- 下痢・嘔吐があるなら、経口補水液など“電解質”も意識
尿が半日以上ほとんど出ない、立つとふらつく、口がカラカラ、涙が出にくい、皮膚が乾く…は脱水が疑われるので、早めに相談・受診を。

3) 休養と環境:暖めすぎ・冷やしすぎに注意
- 寒気が強いとき:毛布などで調整
- 汗をかいたら:着替え・室温調整(汗冷えで体力を削らない)
- 氷枕や冷却は「気持ちいい範囲」でOK(無理な冷却は不要)
4) 解熱薬は「熱をゼロにする薬」ではない
解熱鎮痛薬は、熱を下げること自体よりも、つらさ(頭痛・関節痛・眠れない)を和らげて水分を取れる状態にするために使うイメージが安全です。
5) 市販の解熱鎮痛薬:選び方と注意点(大人向け)
年末年始は「家にある薬で何とかしたい」も多いですが、重ね飲み・成分かぶりが事故の元です。
最重要:かぜ薬(総合感冒薬)には、解熱鎮痛成分が入っていることが多いです。
解熱鎮痛薬+かぜ薬を併用すると、同じ成分を二重に飲んでしまう危険があります(例:アセトアミノフェン)。
代表的な選択肢(一般論)
- アセトアミノフェン:胃への負担が比較的少なめ。妊娠中などで選択肢になることが多い(ただし自己判断せず相談を)。
- イブプロフェン/ロキソプロフェン等(NSAIDs):痛み・炎症に効きやすい一方、胃腸障害、腎機能、喘息、抗凝固薬内服中など注意が必要。
厚生労働省関連の通知等でも、アセトアミノフェン以外のNSAIDsが使用可能な旨に触れられていますが、これは「誰でも安全」という意味ではありません。持病・妊娠・併用薬がある人は特に薬剤師へ相談してください。
6) 子どもの解熱薬:自己判断を減らすコツ
子どもは年齢・体重で用量が変わり、製品ごとにも濃度が違うため、“家にあるから同じ量”は危険です。
- 東京都の子ども医療ガイドでも等でも、子どもへの解熱剤は説明がありますが、基本は医師・薬剤師の指示を優先
- 生後3か月未満の発熱は早めに受診相談が基本
感染対策:家族にうつさない・自分も悪化させない
年末年始は集まりが増える時期。発熱があるなら、まずは外出を控えるが原則です(厚労省資料でも、発熱等の風邪症状があるときは外出を控える旨の記載があります)。
- 同居家族とタオル共有を避ける
- 換気(寒い時期は短時間でもOK)
- 手洗い、マスク(咳がある/会話が必要な時)
- 可能なら寝室を分ける/難しければ距離をとる

受診するなら:電話で伝えるとスムーズな情報(テンプレ)
救急相談や医療機関に電話するときは、以下を伝えると案内が早くなります。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 年齢・性別 | 40代男性/3歳 |
| いつから・最高体温 | 昨日夕方から、最高39.2℃ |
| 症状 | 咳、喉痛、頭痛、関節痛、下痢、嘔吐など |
| 危険サインの有無 | 呼吸苦なし/水分は取れる/尿は出ている 等 |
| 持病・妊娠・内服薬 | 喘息、糖尿病、腎臓病、抗凝固薬、免疫抑制薬など |
| 解熱薬の使用状況 | 何を何時にどれだけ飲んだか |
年末年始に多い“勘違い”と、やってはいけないこと
- 解熱剤を飲めば外出してOK → NG。感染拡大・悪化リスク
- 熱を完全に下げるまで追加で飲む → NG。用法用量を超える危険
- 総合感冒薬+解熱鎮痛薬の重ね飲み → NG。成分かぶりに注意
- 水分が取れないのに様子見 → NG。脱水は悪化を早める
- 「インフルっぽいから」家族の抗インフル薬を分けてもらう → NG(処方薬の譲渡は危険)
④症例・具体例:年末年始の“よくある場面”で判断してみる
ケース1:大人(30代)38.8℃、頭痛と関節痛、呼吸は苦しくない
状況:昨日の夜から急に発熱。水は飲めるが食欲なし。尿はいつもより少ない気がする。
考え方:インフルエンザは、38℃以上の発熱と全身症状が急速に出ることがあると厚労省Q&Aでも説明があります。
ただし、ここで大切なのは「インフルかどうか当てる」より、脱水と悪化サインを作らないこと。
- 水分を少量頻回で確保
- つらくて眠れないなら、用法用量を守って解熱鎮痛薬を検討
- 息苦しさ・意識の変化・水分不能が出たら救急相談へ
年末年始ポイント:受診先が分からないなら、救急相談や自治体の当番医をまず確認。電話で上のテンプレを伝える。

ケース2:子ども(2歳)39.0℃、でも機嫌はそこそこ・水分は飲める
状況:咳と鼻水。遊ぶ時間もあるが、夕方は少しグズる。
考え方:東京都の子ども医療ガイドでも「機嫌がよく食欲もあるなら慌てない」一方、ぐったりなら受診、といった整理があります。
このケースは“様子見の条件を満たす可能性”があります。
- 水分を確保(ゼリー・スープでもOK)
- 夜間に呼吸が苦しくないか観察
- おしっこが極端に減る・ぐったりが出たら受診相談へ
ケース3:高齢者(70代)38.0℃、持病あり、食事も水分も進まない
高齢者や基礎疾患がある方は、同じ発熱でも悪化しやすいことがあります。水分が取れない時点で相談・受診の優先度は上がります。
年末年始は「明日まで待つ」がリスクになることがあるので、救急相談を活用して受診先を確保しましょう。
⑤まとめ:年末年始の発熱は「危険サイン → 水分 → 相談先確保」
- 救急(119)レベルは、呼吸困難・意識変容・強い胸痛・けいれん・急激な悪化
- 自宅療養の柱は、水分(脱水予防)と休養
- 解熱薬は「熱をゼロ」にするより、つらさを下げて水分を取るために
- 成分かぶり(かぜ薬+解熱薬)に注意
- 迷ったら救急相談(#7119等)や「Q助」を活用し、受診先を案内してもらう

⑥よくある質問
Q. 何度の熱から病院に行くべき?
体温だけで一律に決めるより、呼吸・意識・水分・尿で判断するのが安全です。突然の高熱に加え、息苦しさや意識の異常があれば救急レベルを検討してください。
Q. 解熱剤は飲んだほうが治りが早い?
解熱剤は「治す薬」というより、つらさを減らして休養・水分を取りやすくする目的で使うイメージです。用法用量を守り、成分の重複に注意してください。
Q. かぜ薬と解熱鎮痛薬を一緒に飲んでもいい?
おすすめしません。総合感冒薬に解熱鎮痛成分が含まれていることが多く、二重に服用してしまう危険があります。成分表示を確認し、不安なら薬剤師に相談を。
Q. 子どもが熱だけで元気。夜はどう見守る?
夜は特に、呼吸が苦しくないか、ぐったりしていないか、水分が取れているか、おしっこが出ているかを確認。危険サインが出たら早めに受診相談へ。
Q. コロナやインフルの検査は受けたほうがいい?
検査が必要かは、症状・基礎疾患・周囲の流行状況・治療方針で変わります。年末年始は受診先が限られるため、まず救急相談や当番医に電話し、受診の要否を確認するのがおすすめです。
⑦参考文献(最終確認日:2025-12-31)
- 厚生労働省|こんな時は迷わず119へ
- 厚生労働省|インフルエンザQ&A
- 総務省消防庁|全国版救急受診ガイド「Q助」
- 総務省消防庁|救急受診ガイド(PDF)
- こどもの救急(ONLINE-QQ)|発熱(38℃以上)
- 東京都こども医療ガイド|熱が出た
- 厚生労働省|発熱時の対応(保育現場向け資料・PDF)
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薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ


今日は、特徴をわかりやすく整理しつつ、読んでくださる方が自分の働き方を見つめ直しやすいようにまとめていきましょう。
働く中で、ふと立ち止まる瞬間は誰にでもあります
薬剤師として日々働いていると、忙しさの中で気持ちに余裕が少なくなり、
「最近ちょっと疲れているかも…」と感じる瞬間が出てくることがあります。
- 店舗からの連絡に、少し身構えてしまう
- 休憩中も頭の中が業務のことでいっぱいになっている
- 気づけば仕事中心の生活になっている
こうした感覚は、必ずしも「今の職場が嫌い」というわけではなく、
「これからの働き方を考えてもよいタイミングかもしれない」というサインであることもあります。
無理に変える必要はありませんが、少し気持ちが揺れたときに情報を整理しておくと、
自分に合った選択肢を考えるきっかけになることがあります。
薬剤師向け転職サービスの比較表
ここでは、薬剤師向けの主な転職サービスについて、それぞれの特徴を簡潔に整理しました。
各サービスの特徴(概要)
ここからは、上記のサービスごとに特徴をもう少しだけ詳しく整理していきます。ご自身の希望と照らし合わせる際の参考にしてください。
・薬剤師向けの転職支援サービスとして、調剤薬局やドラッグストアなどの求人を扱っています。
・面談を通じて、これまでの経験や今後の希望を整理しながら話ができる点が特徴です。
・「まずは話を聞いてみたい」「自分の考えを整理したい」という方にとって、利用しやすいスタイルと言えます。
・全国の薬局・病院・ドラッグストアなど、幅広い求人を取り扱っています。
・エリアごとの求人状況を比較しやすく、通勤圏や希望地域に合わせて探したいときに役立ちます。
・「家から通いやすい範囲で、いくつか選択肢を見比べたい」という方に向いているサービスです。
・調剤薬局の求人を多く扱い、条件の調整や個別相談に力を入れているスタイルです。
・勤務時間、休日日数、年収など、具体的な条件について相談しながら進めたい人に利用されています。
・「働き方や条件面にしっかりこだわりたい」方が、検討の材料として使いやすいサービスです。
・調剤系の求人を取り扱う転職支援サービスです。
・職場の雰囲気や体制など、求人票だけではわかりにくい情報を把握している場合があります。
・「長く働けそうな職場かどうか、雰囲気も含めて知りたい」という方が検討しやすいサービスです。
・薬剤師に特化した職業紹介サービスで、調剤薬局・病院・ドラッグストアなど幅広い求人を扱っています。
・公開されていない求人(非公開求人)を扱っていることもあり、選択肢を広げたい場面で役立ちます。
・「いろいろな可能性を見比べてから考えたい」という方に合いやすいサービスです。
・調剤薬局を中心に薬剤師向け求人を取り扱うサービスです。
・研修やフォロー体制など、就業後を見据えたサポートにも取り組んでいる点が特徴です。
・「現場でのスキルや知識も高めながら働きたい」という方が検討しやすいサービスです。
気持ちが揺れるときは、自分を見つめ直すきっかけになります
働き方について「このままでいいのかな」と考える瞬間は、誰にでも訪れます。
それは決して悪いことではなく、自分の今とこれからを整理するための大切なサインになることもあります。
転職サービスの利用は、何かをすぐに決めるためだけではなく、
「今の働き方」と「他の選択肢」を比較しながら考えるための手段として活用することもできます。
情報を知っておくだけでも、
「いざというときに動ける」という安心感につながる場合があります。


「転職するかどうかを決める前に、まずは情報を知っておくだけでも十分ですよ」ってお伝えしたいです。
自分に合う働き方を考える材料が増えるだけでも、少し気持ちがラクになることがありますよね。
無理に何かを変える必要はありませんが、
「自分にはどんな可能性があるのか」を知っておくことは、将来の安心につながることがあります。
気になるサービスがあれば、詳細を確認しながら、ご自身のペースで検討してみてください。


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