

前書き:この記事でわかること
シダキュア(一般名:スギ花粉エキス)は、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法(減感作療法)の舌下錠です。毎日少量のアレルゲンに体を慣らしていくことで、将来的な症状を軽くし、薬の使用量を減らすことも期待されます。
ただし、シダキュアは「症状が出たら飲む薬」ではなく、長期で続ける治療です。さらに、アレルゲンそのものを含むため、アレルギー反応(まれにアナフィラキシー)に注意が必要です。

シダキュアの特徴:何が「普通の花粉症治療」と違う?
1)シダキュアは「体質に働きかける」治療
抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイドは、症状(くしゃみ・鼻水など)を抑える対症療法です。
一方シダキュアは、原因アレルゲン(スギ)を少量ずつ体に入れることで、免疫反応の偏りを整えていく原因治療に近い位置づけの治療です。
そのため、効果が出るまでに時間がかかる(すぐ効く薬ではない)一方で、年単位で継続すると症状の軽減や薬の使用量減少が期待されます。
2)治療は「毎日1回」+「長期継続」が前提
シダキュアは原則として毎日服用し、継続的に免疫を慣らしていく治療です。ガイドでは免疫療法は年単位で継続する意義が述べられています。

シダキュアの基本的な使い方(用法・用量)
1)用量スケジュール(増量→維持)
添付文書上、シダキュアは最初の1週間が2,000 JAU、2週目以降は5,000 JAUで維持します。
| 期間 | 規格 | 回数 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 開始〜1週目 | シダキュア 2,000 JAU | 1日1回 1錠 | 舌下で1分保持→飲み込む |
| 2週目〜 | シダキュア 5,000 JAU | 1日1回 1錠 | 舌下で1分保持→飲み込む |
服用後は5分間、うがい・飲食を控えることが明記されています。
2)舌下錠の「正しいやり方」(手順)
- 服用前に、体調(喘息症状・発熱・強い口内炎など)をチェック
- 錠剤を舌の下に置く
- 舌下に1分間保持する(なるべく動かさない)
- 1分後に飲み込む
- その後5分は飲食・うがいを避ける
「舌下に置いてすぐ噛む」「すぐ水で流し込む」は、治療としての前提が崩れやすく、口腔内症状の出方も変わる可能性があります。基本は上の手順を守ってください。
3)初回は医療機関で実施(観察が必要)
添付文書では、初回投与は医師の監督下で行い、投与後少なくとも30分間は安静にして観察することが明記されています。

スギ花粉の時期(飛散期)でも使っていい?【重要】
結論:飛散期は「新規開始しない」。継続中は医師判断で続けることが多い
添付文書には、「スギ花粉飛散時期は新たに投与を開始しないこと」と明確に記載されています。理由として、飛散期は過敏性が高まっている場合が多い、とされています。
また、日本アレルギー学会の手引き(2025)でも、SLIT(舌下免疫療法)は症状不安定期、およびスギ花粉症では花粉飛散時期には開始しない旨が述べられています。
ここが混乱ポイントなので、整理します。
| 状況 | 飛散期にどうする? | 理由・考え方 |
|---|---|---|
| これから始める | 開始しない(NG) | 飛散期は過敏性が高く、反応が強く出るリスクが上がるため |
| すでに継続中 | 基本は継続(ただし体調・副作用で医師判断) | 添付文書でも飛散期は注意が必要とされ、問診等で継続可否を判断 |
飛散期については、添付文書の「患者への指導」として、服用後30分・投与開始初期・スギ花粉飛散時期はアナフィラキシー等に特に注意という注意喚起があります。
つまり、飛散期は「開始NG」だけでなく、継続している人も“普段より注意深く”が基本です。

副作用と注意点:よくある症状/危険なサイン
1)よくある副作用(特に開始初期)
添付文書では、投与開始初期(およそ1か月)に副作用(主に口腔内症状)が多いので注意する、とされています。
- 口の中のかゆみ・違和感
- 舌の下の腫れぼったさ
- のどの刺激感
- 軽い耳のかゆみ(関連痛のように感じる人も)
多くは軽度で、時間とともに落ち着くことが多いですが、「いつもより強い」「長引く」「悪化している」場合は自己判断せず医療機関へ連絡してください。
2)アナフィラキシーが疑われるサイン(緊急)
シダキュアはアレルゲンを含むため、アナフィラキシー等のリスクが注意点として明記されています。
次のような症状が出たら、すぐに服用を中止し、緊急受診(救急要請を含む)を検討してください(特に短時間で複数症状が出る場合)。
- 息苦しさ、ゼーゼー、咳が止まらない
- 全身のじんましん、強いかゆみ、顔や唇の腫れ
- 声が出しにくい、のどが詰まる感じ
- 強い腹痛、嘔吐、下痢
- ふらつき、意識が遠のく感じ
3)服用前後で避けたいこと(吸収や副反応リスク)
添付文書では、服用前後の行動について具体的な指導があります。
服用前、および服用後2時間は「激しい運動・アルコール・入浴」を避ける、とされています。
飲み忘れ・体調不良・口の中のトラブル:どうする?
1)飲み忘れたら?
原則は「毎日」ですが、現実には忘れる日もあります。対応は個別性があるため、基本は主治医の指示に従ってください。
一般論としては、まとめ飲みはしない、いつも通りの用量・用法に戻す、という考え方になります(増量させて帳尻を合わせるのは危険)。
2)風邪・発熱・喘息症状が強い日は?
添付文書上、喘息発作時や喘息症状が激しいとき、また急性感染症や体調が悪い場合は、服用可否を医師に相談するよう記載されています。
自己判断で「気合で飲む」はしないでください。特に喘息が不安定な方はリスク管理が重要です。
3)口内炎・抜歯・歯科治療のあと
添付文書では、抜歯後など口腔内の術後や、口腔内に傷・炎症がある患者は、口腔内の状態を観察して投与可否を判断する、とされています。
舌下投与は「口の粘膜」から吸収される前提があるため、傷があると刺激が増えたり、反応の出方が変わる可能性があります。歯科受診予定がある場合は、前もって主治医に共有しておくのがおすすめです。

症例・具体例:現場でよくある相談と答え方
ケース1:2月(花粉シーズン真っ最中)に「今日から始めたい」
状況:毎年つらいので今年こそシダキュアを…と受診。
ポイント:
花粉飛散時期は新規開始しないのが添付文書上の原則です。
そのため、当面は対症療法(内服・点鼻・点眼など)でシーズンを乗り切り、飛散が落ち着いた時期に開始計画を立てる流れになります。
ケース2:すでに昨年から継続中。「花粉の時期も飲んでいいの?」
ポイント:
“新規開始はNG”だが、継続中は医師判断で続けることが多い、が整理として大切です。
ただし添付文書では飛散期はアナフィラキシー等に特に注意、とされるため、服用タイミング・体調確認・異変時の連絡を再確認します。
ケース3:服用後に口の中がピリピリ。「やめたほうがいい?」
ポイント:
開始初期に口腔内症状が多いことは注意喚起されています。
軽度なら経過観察になることもありますが、「強い」「悪化」「長時間続く」は必ず主治医へ。
“自己判断で中断→再開”を繰り返すと、再開時に反応が強く出るリスクも考えられるため、独断での調整は避けます。
まとめ:シダキュアで押さえるべき核心
- シダキュアはスギ花粉症の舌下免疫療法(減感作療法)
- 用量は1週目2,000JAU→2週目以降5,000JAU、舌下1分保持
- 花粉飛散時期は“新規開始しない”
- 初回は医療機関で、服用後30分観察
- アナフィラキシーを疑う症状は緊急対応(息苦しさ、全身じんましん、ふらつき等)

よくある質問(FAQ)
Q. シダキュアは、飲んだその日から花粉症が楽になりますか?
いいえ。シダキュアは即効性の薬ではなく、免疫反応を長期的に整える治療です。症状が強い時期は、必要に応じて対症療法(内服薬・点鼻薬など)を併用することがあります。
Q. スギ花粉が飛んでいる時期でも、すでに飲んでいる人は続けていい?
添付文書上、「飛散時期に新規開始しない」は明確です。
継続については、体調や副作用の状況を踏まえて医師が判断します。飛散期は注意が必要とされるため、異変があれば早めに相談してください。
Q. 服用後に飲食やうがいをしてしまいました。どうすれば?
基本は添付文書どおり、服用後5分は控えるのが望ましいです。
1回のミスで慌てて追加服用するのは危険なので、次回から守るようにし、頻繁に起きる場合は医療者に相談してください。
Q. お酒や運動は本当にダメ?
添付文書で、服用前および服用後2時間は激しい運動・アルコール・入浴を避けるよう注意があります。
体が温まる・循環動態が上がることで副反応が出やすくなる可能性があるため、守るのが安全です。
Q. 抜歯や口内炎がある時はどうする?
口腔内の傷や炎症、抜歯後などは投与可否を判断する必要があるとされています。
自己判断で無理に続けず、主治医へ相談してください。
参考文献(一次情報中心)
- PMDA:シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU/5,000JAU 添付文書(PDF)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/480306_4490035F1027_1_08
最終確認日:2026-01-20 - 鳥居薬品:シダキュアを服用される患者さんへ(資材)
https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/material/cdc_onomi.pdf
最終確認日:2026-01-20 - 日本アレルギー学会:アレルゲン免疫療法の手引き 2025(PDF)
https://www.jsaweb.jp/uploads/files/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%B3%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%952025.pdf
最終確認日:2026-01-20 - 日本アレルギー学会:スギ花粉症における アレルゲン免疫療法の手引き(改訂版)(PDF)
https://www.jsaweb.jp/uploads/files/sugi_tebiki16_honmon.pdf
最終確認日:2026-01-20 - JAPIC:シダキュア 添付文書情報(PDF)
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00067169.pdf
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