【腸内フローラ】脳腸相関と腸内環境

腸内フローラ

みなさまこんにちは

薬局薬剤師のゆずまるです。

【薬剤師歴】 8年目
【管理薬剤師歴】4年目
【勤務場所】調剤&ドラッグストア
【実績】地域支援体制加算・後発3・健康サポート薬局を無実績状態から3年以内に達成
【目指す薬局】地域に根ざした薬局

今回は腸内フローラについてお話したいと思います。

少し長くなるお話のため今回は総論お話から記載していき徐々に専門的にしていきたいと思います。

数話に分けて記載したいと思っております

腸内フローラとは

腸には約100兆個、重さにして1.5kgほどの腸内細菌がいると言われています。

ヒトの腸を広げるとテニスコート1面分ほどの広さになります

腸の表面に1000種類程の細菌が群れをなして生息しているためその様子を花畑にたとえ「腸内フローラ」と呼ばれています。

その細菌の働きによる体の影響力は大きく、「1つの臓器」に匹敵するのではないかと言われています。

脳腸相関

脳と腸は自律神経系やホルモンやサイトカインなどの液性因子を介して密に関連しあっていることが知られています。

この双方向的な関係性のことを「脳腸相関」といいます。

脳で感じたストレスが腸の失調として現れる事もあれば、腸に起きた変化が脳に影響を与えることもあります。

腸は脳とは独立して活動する臓器ですが、最近は腸内細菌が脳へ影響を与えているのではとも言われています。

セロトニンの関与の可能性も?

体内のセロトニンは腸に約90%、血液に8%。残りの2%がに存在します。

セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を経てセロトニンが合成されます。

トリプトファンから5-HTPに変換するときに必要なビタミンB6は食品からも摂取できますが主に腸内細菌が作ります。

基本的には脳には血液脳関門(BBB)があるため腸で作られたセロトニンが直接脳内に取り込まれることはありません

5-HTPがBBBを通過し脳内で5-HTPからセロトニンが合成されると言われています。

脳でのセロトニンの働き
  • 睡眠や覚醒
  • 気分の調節
  • 記憶
  • 自律神経 など

腸でのセロトニンの働き
  • 腸のぜん動運動
  • 血管収縮
  • 痛覚の閾値の調整機能
  • 血液凝固  など

セロトニンは受容体の数も多く、セロトニン=この作用と一言で言えないのがもどかしい所ではあります。

ただ、脳内を含めた体内のセロトニンの合成には腸内細菌が重要な働きをしているとは言えそうです。

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腸内細菌の働き

では腸内細菌の働きは主には何でしょうか。

一般的な働きですが簡単に書きます

食べ物を消化

  • 糖分を分解する
  • 小腸で消化しきれなかったたんぱく質や食物繊維を分解する
  • ガスを発生させる

腸を病原菌から守る

  • 外来菌の感染を防ぐ
  • 外来菌の増殖を防ぐ

ビタミンを生成

  • B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸などのビタミンを腸内で生成する

有機酸(腸内細菌が作る酸)の産生

  • 食べ物から乳酸やコハク酸などの有機酸を産生する。
  • 有機酸の一部の短差脂肪酸は腸のエネルギー源となり、ぜん動運動をするのに役立っている

有毒物質の増加や軽減

  • 善玉菌などは発がん性物質などの毒性低減
  • 悪玉菌は硫化水素やアミンなどを生成

腸内環境が良い状態

腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は腸内環境を酸性に保ちます。

腸内を酸性に保つことが有害な菌が増殖するのを抑制する効果が期待されています。

近年、腸内環境を整えることは病気の予防にもつながると言われています。

腸内細菌が良いと
  • 快便
  • 痩せやすい
  • 肌の調子が良くなる
  • 花粉症やアトピーなどのアレルギー症状が和らぐ
  • 心身安定
  • 感染症予防

腸内環境が悪い状態

腸内環境は生活習慣の乱れなどからバランスが崩れてしまうことがあります。

その状態は体の至るところに不調をもたらします。

腸内環境が悪い状態
  • 便秘
  • 下痢
  • お腹が張る
  • 太りやすい
  • 肌荒れ
  • 気分の落ち込み
  • 疲れやすい など
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ディスバイオーシス

腸内細菌バランスが崩れてしまう状態をディスバイオーシスと呼びます。

生活習慣の乱れや食事の内容、その人の生活環境によって変化します。

また母親からの遺伝、その他にも感染症やその治療による抗生物質投与なども考えられています。

様々な要因がディスバイオーシスを引き起こす原因となり得ます。

腸内環境に悪影響を与える因子
  • 加齢
  • ストレス
  • 運動
  • 睡眠
  • 食事
  • 抗生物質
  • 飲酒
  • 喫煙 など

ディスバイオーシスが起こると腸内菌叢の変化により様々な事が起こります。

腸内環境の乱れからその不調は全身にまで及びます。

菌が産生する代謝物の量が変化し、免疫機能の乱れから腸内粘膜の透過性が亢進すると考えられています。

最近では花粉症やアトピーなどのアレルギー症状、リウマチなどの炎症性疾患、肥満や高血圧など様々な疾患とも関連性があるのではないかとまで言われています

まとめ

腸内フローラはどういったものかを理解していただけましたでしょうか

腸と脳がお互いに干渉しあってるということは無視できないことの一つになります。

 

次編などから少しずつ詳しく菌の種類の話を出しますのでふわっとだけでも良いので覚えて頂けると幸いです。

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