薬剤師のための否定しない伝え方|アサーション・Iメッセージ・DESC・Yes,andで患者安全と信頼を高める完全ガイド

薬剤師の働き方・転職

否定せずに意見を言う方法とは?薬剤師が今日から使えるアサーション完全ガイド

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
「先輩、相手を否定せずに意見を伝えるコツってありますか?つい『でも…』って言ってしまいます。」
ゆずまる
ゆずまる
「アサーションを使えば大丈夫!相手を尊重しながら、自分の意見も丁寧に伝えられるよ。薬局でもすぐ使える形で解説するね✨」

否定せずに意見を言うとは?なぜ薬剤師に必要なの?

薬局では、患者さん、医師、看護師、同僚、介護スタッフなど、多職種・多様な価値観の人と協働します。

そこで重要なのが、相手を否定せずに、別の視点や提案を“追加”していく話し方です。

これにより、対立を避けつつ安全で効率的な医療を実現できます。特にチーム医療では、情報共有と合意形成が安全文化の基盤となり、日々の小さなコミュニケーションが医療安全に直結します。

  • ポイント①: まず受け止める(共感・要約)→ その後に自分の意見を「一方で…」「加えて…」で添える。
  • ポイント②: 主語を「私」にする(Iメッセージ)ことで、非難になりにくい。
  • ポイント③: 具体的な提案(DESC法のS)と選択肢(C)で、会話を前に進める。
ゆずまる
ゆずまる
重要なポイントは“反論”ではなく“追加”。受け止め→追加の順番で、会話の温度が一気に下がるよ!」

アサーションって何?定義と非アサーティブとの違いは?

アサーション(アサーティブ・コミュニケーション)は、自分の権利と相手の権利を同じように尊重しながら、誠実・率直・対等に伝えること。次の3タイプを区別して考えるとわかりやすいです。

  1. 攻撃的(Aggressive):相手を圧倒・否定。短期的には通るが、関係を損ないやすい。
  2. 受け身(Passive):自分を抑え込みがち。不満・疲弊・エラー報告の遅れにつながる。
  3. アサーティブ(Assertive):配慮と言語化のバランス。安全・信頼・効率を底上げ。

医療現場では、情報の非対称性や時間的制約から攻撃的・受け身に偏りがち。だからこそ、共通言語としてのアサーションが役立ちます。

ゆずまる
ゆずまる
「“否定しない=迎合”じゃないよ。相手も自分も大事にするのがアサーション!」

正式名称は何?どんなフレームワークがあるの?

Iメッセージってなに?

「私は〜と感じます」「私は〜を心配しています」のように、主語を自分にする伝え方。非難語を避け、感情・要望・根拠を順に述べるのがコツです。
例:
❌「あなた、用法を守ってないですよ」 → ⭕「私は、飲み忘れが続くと効果が出にくくなるのが心配です毎食後のタイミングに合わせる方法を一緒に考えませんか?」

DESC法ってどう使うの?

Describe(状況)→ Express(気持ち)→ Specify(提案)→ Choose/Consequences(合意・結果)の順に、丁寧に合意形成します。

  • D:本日の血圧は上がっていて、服薬状況に抜けがありました。
  • E:私も改善のお手伝いをしたい気持ちです。
  • S:一包化と服薬カレンダーの併用をご提案します。
  • C:まず2週間 試して、次回来局で効果と使い勝手を一緒に確認しませんか?

Yes, and…って何に効くの?

即興演劇の原則を会話に応用したもの。

相手の発言を受け止め(Yes)、自分の視点を「そして」で追加(And)。反射的な「No, but…」を避けるだけで、会話の空気が変わります。

ゆずまる
ゆずまる
特に大事なポイント:Iメッセージ=主語を“私”。DESC=順番。Yes, and=空気を壊さない受け止め+追加!」

どんなフレーズが効果的?言い換え辞典を教えて!

NG(対立を生む) OK(アサーティブ) 狙い
「でも、それは違います」 「確かに一理あります。一方で〜」 受け止め→追加
「無理です」 「その案は良いですね。代替案として〜」 代替提示
「間違ってます」 「私の経験ではこういうケースもありました」 主語を自分に
「なんでやってないの?」 「どこがやりにくかったか、教えてもらえますか?」 原因探索
「それは規則です」 「安全のため、この手順が必要です。最短で済む方法を一緒に考えます」 目的の共有
  • クッション言葉:「おっしゃる通りです」「たしかに」「一理あります」
  • 接続詞の工夫:「一方で」「加えて」「別の観点では」
  • 質問で開く:「どの点が一番気になりますか?」「優先したいのは価格・効果・副作用のどれでしょう?」
ゆずまる
ゆずまる
重要なポイントは“置き換え辞典”を持つこと。迷いなく言い換えられると会話が止まらないよ!」

薬局シーン別の実践スクリプトは?(患者・医師・同僚)

患者さん:ジェネリックが不安?

👤 患者「ジェネリックはちょっと不安で…」
👩‍⚕️ 薬剤師「不安に思われる点、よくわかります。一方で、国の承認基準を満たし、成分・効果は原則同等です。費用面のメリットもあるので、まず1ヶ月試して合わなければ先発に戻すのはいかがでしょう?」

患者さん:副作用が怖い?

👤 患者「以前ふらついたから、もう飲みたくない」
👩‍⚕️ 「その体験は怖かったですね。私も安全を第一に考えています。就寝前に変更減量の選択肢を主治医に確認します。2週間だけ様子をみて、無理なら別の方法を一緒に考えましょう。」

医師:処方変更に慎重?

👨‍⚕️ 医師「処方はこのままで」
👩‍⚕️ 「現状で効果が出ているのは安心です。一方で、eGFRが低下傾向でして、減量や代替薬の選択肢もあります。本日の目的(安全優先か症状優先か)をそろえられると助かります。」

同僚:OTCの提案に抵抗?

👩‍⚕️ 同僚「売り込みっぽくて嫌」
👩‍⚕️ 「わかる。押し売りはしないのが前提。症状・予算・生活を聞いた上で選択肢を提示し、決めるのは患者さんに任せる形にしよう。」

ゆずまる
ゆずまる
「スクリプトは“そのまま使える”言い回しで用意。抽象 → 具体 → 選択肢の順で!」

NG→改善例を一覧で見たい?(ミスコミュニケーション対策)

状況 NG例 改善例(アサーション)
待ち時間の不満 「忙しいので」 「お待たせしてすみません。安全確認に時間をいただいています。あと10分以内にお渡しできます」
会議での反論 「それは違う」 「狙いは理解しました。一方で在庫回転の観点からは〜」
後輩への指摘 「なんで確認しないの」 「ここが抜けやすいポイントだよ。チェックリストに1行追加しよう」
家族の不安 「大丈夫です」 「心配になりますよね。副作用サインはこの3つ。出たらすぐ連絡を」
ゆずまる
ゆずまる
重要なポイント:NGの“逆”を言うのではなく、目的(安全・納得・選択)を満たす言い換えに!」

ロールプレイはどう進める?(トレーニング手順)

  1. 目標設定:例「疑義照会で『No』を言わずに減量を提案したい」
  2. 台本作成:受け止め文Iメッセージ提案選択肢
  3. 3分ロール:会話を録音。被せず傾聴を意識。
  4. 振り返り:言い換え候補を3つ追加。
  5. 再演:スピードと声のトーンもチェック。

評価の観点:(1)相手の要約が入っているか(2)主語が“私”か(3)具体提案があるか(4)選択肢で閉めているか

ゆずまる
ゆずまる
練習は“短く回数”がコツ。1セット5分×毎日で、現場の言い回しが体に染み込むよ!」

よくある落とし穴は?どう避ける?

  • 受け止めが形骸化:「そうですね」だけで要約が無い → 要約+感情語を1文入れる。
  • Iメッセージの誤用:「私はあなたが悪いと思う」YOU責め。→ 事実・感情・要望を分離。
  • 提案が抽象的:「気をつけましょう」手順・期限・連絡先まで具体化。
  • 選択肢がない:「これで」A/Bの二択で合意形成。
ゆずまる
ゆずまる
「“言ったつもり”を脱出するには、事実・感情・提案・選択の4点セットを忘れないこと!」

学習計画はどう立てる?1日15分のロードマップは?

週3日×4週間のミニプログラム例。

  1. Week1:言い換え辞典づくり(10フレーズ)。現場で1日1つ使う。
  2. Week2:Iメッセージの型(事実→感情→要望→理由)で3文作成。
  3. Week3:DESCミニロールを3セット。録音してセルフレビュー。
  4. Week4:Yes, andで否定せず合意形成。会議で2回実践。

アウトプット先(朝礼・終礼・日誌)を決めると継続しやすいです。

ゆずまる
ゆずまる
「学びは“使ってなんぼ”。翌日すぐ使う場面を先に決めよう!」

クイズで確認!

クイズ1:次のうち最もアサーティブなのは?

A:それは間違っています/B:確かにそうですね。一方で〜/C:あなたに任せます(自分の意見なし)


正解はB。受け止め→追加が基本。主語を“私”にするとなお良い。

クイズ2:Iメッセージの正しい構成は?

A:感情→責め→結論/B:事実→感情→要望→理由/C:理由→結論のみ


正解はB。YOU責め(「あなたが」)は避け、事実と感情を分けて表現。

クイズ3:DESCのCで適切なのは?

A:提案の断定/B:合意・選択肢の確認/C:感情の再表明のみ


正解はB。Cでは相手の選択や行動計画を一緒に決める。
ゆずまる
ゆずまる
「クイズで型を確認!“瞬発力”が上がると現場でサッと出てくるよ」

よくある質問

Q:アサーションは誰でも身につく?

A:身につきます。短時間×反復のロールプレイが最短ルート。日常で1日1フレーズ置き換えるだけでも効果が出ます。

Q:医師に失礼になりませんか?

A:前提は相手の尊重。目的(患者安全)を共有し、事実・提案・選択肢で合意形成すれば、むしろ信頼が高まります。

Q:トラブル時に最初に言うべき一言は?

A:「ご不安なお気持ち、伺いました」。受け止め→要約→提案の順で落ち着きを取り戻せます。

Q:学ぶ順番は?

A:言い換え辞典→Iメッセージ→DESC→Yes,andの順が定着しやすいです。


まとめ

  • 重要なポイント: “否定しない”は迎合ではなく、受け止め+追加の技術。
  • 特に大事なポイント: Iメッセージ/DESC/Yes,and を場面で使い分ける。
  • 現場では言い換え辞典+ロールプレイで瞬発力を作る。
ゆずまる
ゆずまる
「今日の一言は『一方で』。明日から“でも”を“一方で”に置き換えてみて!」

参考文献


📘『薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル』発売のお知らせ

 

薬局で働いていると、どうしても避けられないのが「人間関係のストレス」
患者対応、スタッフ教育、シフト調整……。
気がつけば、薬局長がいちばん疲れてしまっている。

そんな現場のリアルな悩みに向き合うために、管理薬剤師としての経験をもとにまとめたのが、この一冊です。

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
薬局長、あの先輩がまた“シフト入れません”って言ってました…
ゆずまる
ゆずまる
あぁ、それね。焦らなくて大丈夫。タイプ別に整理してみると、意外と対処法が見えてくるんだよ
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
タイプ別…?そんな分類があるんですか?
ゆずまる
ゆずまる
あるんだ。自己流ベテラン型、タイパ新人型、逆ギレ型、隠れサボり型……15タイプも!
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
15タイプもあるんですか!?…うちの薬局だけでも、なんか3タイプくらい思い当たります…(笑)
ゆずまる
ゆずまる
でしょ? 本書ではそれぞれの対応法と“パワハラにならない注意の仕方”まで具体的に書いてるんだ

『薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル』
― 現場で困る前に身につける 実務 × 法対応 × 会話例 ―

薬局で起こりやすい“モンスター社員”を15タイプに分類し、
それぞれの特徴・対応法・指導会話例を紹介。
パワハラにならない注意方法や、円満退職・法的リスク回避の実務ステップも具体的に解説しています。

  • 現場によくある「人のトラブル」15パターンと対応のコツ
  • パワハラにならない“安全な指導”の伝え方
  • 円満退職を導くための面談・記録・法的ポイント
  • 薬局長自身を守るマネジメント思考

薬局で人に悩まないための「実践マニュアル」として、
日々の業務の支えになれば幸いです。

「薬局長が守られれば、薬局全体が守られる」
現場の“声にならない悩み”を形にしました。


📘 書籍情報

    • 書名:薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル
    • 著者:ゆずまる薬局長
    • 発行:YUZUMARU WORKS
    • フォーマット:Kindle電子書籍
    • シリーズ:薬局マネジメント・シリーズ Vol.2

 

📕 シリーズ第1弾はこちら
👉 『薬局長になったら最初に読む本』

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
薬局長〜、この本読んでみましたけど…“タイパ新人型”とか“逆ギレ型”とか、めちゃくちゃリアルですね!
ゆずまる
ゆずまる
どこの薬局にも一人はいるんだよ、ああいうタイプ。
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
“パワハラにならない指導の仕方”とか、“円満退職の進め方”まで書いてあって、これ…薬局長のバイブルですね。
ゆずまる
ゆずまる
そうそう。『怒らずに伝える』がポイントなんだ。現場のリアルを詰めたから、薬局長が一番ラクになると思うよ。
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
これ、うちのバックヤードに1冊置いておきましょう!トラブル起きた時の“お守り本”に!
ゆずまる
ゆずまる
ぜひそうしてください(笑)。“薬局長を守るマネジメント”は、現場でこそ役立つからね。

 

今の働き方に迷っている薬剤師の方へ

転職を急ぐ必要はありません。まずは勤務時間、収入、人間関係など、変えたい条件を整理してみましょう。

薬剤師の働き方・転職記事をまとめて見る

コメント