特定薬剤管理指導加算3とは?算定できるケース・薬歴例・NG例を超初心者向けに解説
この記事の結論
特定薬剤管理指導加算3は、ざっくり言うと、「いつもより丁寧な説明が必要な薬」について、薬剤師が患者さんに重点的に説明した場合の加算です。
- イ:5点……RMP資材などを使って、安全性を重点的に説明する場合
- ロ:10点……薬を選ぶための情報を、調剤前に説明する場合
- ロの代表例は、長期収載品の選定療養、供給不安による銘柄変更、バイオ後続品の説明
- 算定では、薬歴に「対象薬」「説明内容」「患者理解」を残すことが重要
検索でこの記事に来た方へ
「特定薬剤管理指導加算3 算定できるケース」「RMP 算定できない」「選定療養 加算3ロ」「薬歴 書き方」で調べている方は、まず下の早見表を見ると全体像をつかめます。
- ① ゆずまるとなぎさの掛け合い
- ② 前書き
- ③ 本文
- 特定薬剤管理指導加算3の超ざっくり早見表
- まず結論:算定できるケースはこの3パターンを押さえる
- 特定薬剤管理指導加算3イとは?RMP資材を使う安全性説明
- 特定薬剤管理指導加算3ロとは?薬を選ぶ前の説明
- 長期収載品の選定療養で加算3ロを算定できるケース
- 供給不安で銘柄変更する場合の加算3ロ
- バイオ後続品の説明で加算3ロを算定できるケース
- ④ 症例・具体例・実践例
- 算定できるケース一覧
- 算定できない・査定リスクがあるケース
- 具体例1:RMP対象薬が初めて処方されたケース
- 具体例2:長期収載品を患者が希望したケース
- 具体例3:供給不安で前回銘柄から変更するケース
- 具体例4:バイオ後続品について説明するケース
- 算定前チェックリスト
- 薬歴で査定リスクを下げる書き方
- ⑤ まとめ
- ⑥ よくある質問
- 関連記事の導線案
- ⑦ 参考文献
① ゆずまるとなぎさの掛け合い




② 前書き
特定薬剤管理指導加算3は、薬局薬剤師にとって非常に重要な対人業務評価のひとつです。
しかし、実際の現場では次のような悩みがよくあります。
- RMP対象薬なら全部算定してよいの?
- 患者向けRMP資材がない薬はどうするの?
- 長期収載品の説明をしたら、必ず加算3ロを算定できるの?
- 供給不安でメーカー変更したら毎回算定できるの?
- バイオ後続品の説明はどこまで必要?
- 薬歴には何を書けばいいの?
- レセプト摘要欄は必要?
この記事では、特定薬剤管理指導加算3を初めて学ぶ方でも理解できるように、「制度の言葉」ではなく「現場でどう判断するか」を中心に解説します。
注意
本記事は、薬局薬剤師・医療事務向けの教育的情報です。実際の請求では、最新の告示・通知・疑義解釈・地方厚生局や審査支払機関の取扱いを必ず確認してください。

③ 本文
特定薬剤管理指導加算3の超ざっくり早見表
| 区分 | 点数 | 一言でいうと | 代表的な算定場面 | 重要ポイント |
|---|---|---|---|---|
| イ | 5点 | 安全性の説明 | RMP患者向け資材を用いた説明、緊急安全性情報・安全性速報への対応 | RMP患者向け資材の有無を確認 |
| ロ | 10点 | 薬の選択に関する説明 | 長期収載品の選定療養、供給不安による銘柄変更、バイオ後続品の説明 | 調剤前の説明が重要 |
特定薬剤管理指導加算3は、服薬管理指導料を算定する際に、通常の服薬指導に加えて、対象医薬品について重点的な説明・指導を行った場合に算定する加算です。
令和8年度改定後の整理では、加算3イは5点、加算3ロは10点です。ロについては、従来の長期収載品の選定療養や供給不安による銘柄変更に加えて、バイオ後続品の品質・有効性・安全性等に関する説明も対象として整理されています。[1]
初心者向けの覚え方
イ=Information for safety、安全性情報
ロ=薬を選ぶ前の説明
このように分けると、かなり整理しやすくなります。
まず結論:算定できるケースはこの3パターンを押さえる
特定薬剤管理指導加算3で検索している方が一番知りたいのは、「結局どんなときに算定できるの?」という点だと思います。
超初心者のうちは、まず以下の3パターンを押さえましょう。
| パターン | 区分 | 算定できる代表例 | 薬歴で残すべきこと |
|---|---|---|---|
| 安全性説明パターン | イ | RMP患者向け資材を使って、副作用・初期症状・受診目安を説明した | 対象薬、説明した副作用、患者理解、対応方法 |
| 選定療養パターン | ロ | 患者が長期収載品を希望し、後発医薬品や特別の料金について調剤前に説明した | 患者希望、説明内容、最終選択、理解状況 |
| 銘柄変更・バイオ後続品パターン | ロ | 供給不安で別銘柄へ変更、またはバイオ後続品の品質等を説明した | 変更理由、説明内容、患者了承、対象薬名 |


特定薬剤管理指導加算3イとは?RMP資材を使う安全性説明
加算3イは、特に安全性に関する説明が必要な場合に算定する区分です。
代表的なのは、RMP、つまり医薬品リスク管理計画に基づき、製造販売業者が作成した患者向け資材を活用して説明するケースです。
RMPとは、医薬品ごとに、重要な安全性上の懸念や、不足している情報、リスクを最小化するための活動などをまとめた計画です。PMDAではRMP提出品目一覧や資材情報が公開されています。[4]
加算3イで算定できる主なケース
| ケース | 算定可否 | 理由 |
|---|---|---|
| RMP対象薬が新たに処方され、患者向けRMP資材を用いて説明した | 算定できる可能性あり | RMP資材を活用し、安全性等について重点的に指導しているため |
| 緊急安全性情報や安全性速報が新たに発出され、患者へ説明した | 算定できる可能性あり | 安全性に係る情報提供と十分な指導を行っているため |
| RMP提出品目だが患者向け資材がない | 算定不可 | 疑義解釈で算定不可とされているため |
| RMPの策定・実施が解除された医薬品 | 算定不可 | 疑義解釈で対象外とされているため |
特に注意したいのは、「RMP提出品目一覧に載っている=必ず算定できる」ではないという点です。
疑義解釈では、RMPに係る患者向け資材がない医薬品や、RMPの策定・実施が解除された医薬品は算定不可とされています。さらに、RMP提出品目や資材はPMDAウェブサイトで最新情報を確認した上で指導することとされています。[3]
ここで間違いやすい!
「RMP対象薬だったから算定」では不十分です。患者向けRMP資材があるか、実際に説明したか、薬歴に指導の要点を残したかまで確認しましょう。
加算3イで説明する内容の例
- この薬で特に注意したい副作用
- 副作用を疑う初期症状
- 症状が出たときの対応
- 医療機関へ連絡・受診する目安
- 自己判断で中止・再開しないこと
- 併用薬、市販薬、サプリメントで注意すること
- 妊娠、授乳、運転、飲酒など生活上の注意点
患者さんへの説明例
「このお薬は効果が期待される一方で、まれに注意が必要な副作用が報告されています。こちらの説明資料に、特に注意してほしい症状がまとまっています。たとえば、発熱、息苦しさ、強いだるさ、発疹などが出た場合は、自己判断で様子を見すぎず、医療機関や薬局へ連絡してください。」
特定薬剤管理指導加算3ロとは?薬を選ぶ前の説明
加算3ロは、調剤前に、医薬品の選択に係る情報が特に必要な患者さんへ説明・指導を行った場合に算定する区分です。
ここで重要なのは、「調剤前に説明する」という点です。
薬を用意して交付した後に、「先発品と後発品の違いも説明しました」と記録しても、ロの趣旨から外れやすくなります。
加算3ロで算定できる主なケース
| ケース | 具体例 | ポイント |
|---|---|---|
| 長期収載品の選定療養 | 患者が先発医薬品を希望しているため、後発医薬品の選択肢や特別の料金を説明 | 患者が薬を選ぶ前に説明する |
| 供給不安による銘柄変更 | 前回の銘柄が必要数量確保できず、別銘柄で調剤する必要がある | 変更理由、同成分・同規格、外観差を説明 |
| バイオ後続品の説明 | バイオ医薬品の一般名処方、またはバイオ後続品の銘柄名処方を受けた患者へ説明 | 品質、有効性、安全性等を説明 |
令和8年度改定後の通知では、ロの対象として、長期収載品の選定療養、医薬品供給不安による銘柄変更、バイオ後続品の品質・有効性・安全性等に関する説明が示されています。[2]


長期収載品の選定療養で加算3ロを算定できるケース
長期収載品の選定療養は、後発医薬品がある先発医薬品について、患者さんが医療上の必要性ではなく自身の希望で先発医薬品を選ぶ場合に、特別の料金が発生する制度です。[5]
加算3ロでは、患者さんが選定療養の対象となる先発医薬品を選択しようとする場合に、調剤前に必要な説明を行うことが重要です。
説明する内容の例
- 後発医薬品という選択肢があること
- 患者希望で先発医薬品を選ぶと、特別の料金が発生する場合があること
- 自己負担額が変わる可能性があること
- 後発医薬品と先発医薬品で、有効成分・規格が同じ場合があること
- 剤形、色、添加物、使用感などが異なる場合があること
- 最終的にどちらを希望するか確認すること
患者さんへの説明例
「こちらのお薬は後発医薬品を選ぶこともできます。患者さんの希望で先発医薬品を選ぶ場合、保険の自己負担とは別に特別の料金が発生する場合があります。後発医薬品を選ぶこともできますので、費用や使用感も含めて一緒に確認しましょう。」
説明後に患者が後発医薬品を選んだ場合は?
ここは現場でかなり迷いやすいポイントです。
疑義解釈では、患者さんが先発医薬品を希望していたものの、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合でも算定可能とされています。[3]
つまり
「最終的に先発品を選んだか」ではなく、「患者が選ぶために必要な説明を調剤前に行ったか」が重要です。
供給不安で銘柄変更する場合の加算3ロ
医薬品の供給不安が続く中で、前回と同じ銘柄を必要量確保できず、別の銘柄で調剤するケースがあります。
この場合、単に「メーカーが変わります」と伝えるだけでは不十分です。
加算3ロの対象として考える場合は、前回調剤された銘柄の必要数量が確保できず、別銘柄に変更して交付する必要がある患者に対して、調剤前に説明を行うことがポイントです。[2]
説明する内容の例
- 前回と同じ銘柄が供給不安で必要数確保できないこと
- 今回は別銘柄で調剤すること
- 有効成分・規格・用法用量は同じであること
- 錠剤やカプセル、シートの見た目が変わること
- 服用方法は変わらないこと
- 不安や体調変化があれば相談してよいこと
レセプト摘要欄に注意
医薬品の供給状況を踏まえて説明を行った場合は、調剤報酬明細書の摘要欄に、調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載する必要があります。[2]
バイオ後続品の説明で加算3ロを算定できるケース
令和8年度改定では、バイオ後続品の使用促進に係る服薬指導の評価として、加算3ロの対象にバイオ後続品の説明が追加されています。[1]
具体的には、バイオ医薬品の一般名処方による処方箋を受けた患者、またはバイオ後続品の銘柄名処方による処方箋を受けた患者に対して、バイオ後続品の品質、有効性、安全性等について説明した場合が対象として示されています。[2]
患者さんに説明する内容の例
- バイオ後続品とは何か
- 先行バイオ医薬品と比較して品質、有効性、安全性が確認されていること
- 自己注射製剤の場合、デバイスや使用方法に違いがある場合があること
- 保管方法、注射手技、廃棄方法
- 切り替え後に気になる症状があれば相談すること
患者さんへの説明例
「バイオ後続品は、先に使われているバイオ医薬品と品質、有効性、安全性について比較確認されたお薬です。使い方や保管方法、注射器の形が違う場合もあるため、今日は実際の使い方も一緒に確認しましょう。」
ここまでのまとめ
- 加算3イは、安全性に関する重点説明
- 加算3ロは、医薬品の選択に関する調剤前説明
- RMP、選定療養、供給不安、バイオ後続品が頻出テーマ
- 算定のカギは「説明した事実」ではなく「要件に沿った説明と記録」
④ 症例・具体例・実践例


算定できるケース一覧
| ケース | 区分 | 算定可否 | 理由 | 薬歴のポイント |
|---|---|---|---|---|
| RMP対象薬が新規処方され、患者向けRMP資材を使って副作用・初期症状・受診目安を説明した | イ | 算定できる可能性あり | RMP資材を活用し、安全性に関する重点的指導を行っている | 対象薬、説明内容、患者理解を記録 |
| 緊急安全性情報・安全性速報が新たに発出された薬について説明した | イ | 算定できる可能性あり | 安全性情報の提供と十分な指導を行っている | 発出情報、説明内容、対応指導を記録 |
| 患者が長期収載品を希望し、後発医薬品や特別の料金について調剤前に説明した | ロ | 算定できる可能性あり | 選定療養の対象となる先発医薬品を選ぶ前に必要情報を説明している | 患者希望、説明内容、最終選択を記録 |
| 説明後、患者が先発品ではなく後発品を選択した | ロ | 算定可能 | 疑義解釈で算定可能とされている | 説明前の希望と説明後の選択を記録 |
| 供給不安で前回銘柄を必要数量確保できず、別銘柄へ変更する説明を調剤前に行った | ロ | 算定できる可能性あり | 供給状況により別銘柄の交付が必要な患者への説明に該当 | 変更理由、変更前後の薬剤、患者了承を記録 |
| バイオ医薬品の一般名処方を受け、バイオ後続品の品質・有効性・安全性を説明した | ロ | 算定できる可能性あり | 令和8年度改定後、ロの対象として整理されている | 説明内容、患者の不安、理解状況を記録 |
算定できない・査定リスクがあるケース
| ケース | 算定可否 | なぜ注意? | 対応 |
|---|---|---|---|
| RMP提出品目だが、患者向けRMP資材がない | 算定不可 | 疑義解釈で算定不可 | PMDAで資材の有無を確認 |
| RMPの策定・実施が解除された医薬品 | 算定不可 | 対象外とされている | PMDAの最新情報を確認 |
| RMP資材を渡しただけで説明していない | 算定不可になりやすい | 重点的な服薬指導とは言いにくい | 副作用、対応、受診目安まで説明 |
| 薬歴に「RMP説明済み」とだけ記載 | 査定リスクあり | 指導の要点が不明 | 何を説明し、患者がどう理解したか記録 |
| 選定療養の説明を調剤後に行った | 算定不可になりやすい | ロは調剤前の説明が重要 | 薬を選ぶ前に説明する |
| 供給不安ではなく、薬局都合で在庫銘柄を変えただけ | 慎重判断 | 必要数量確保困難の要件を満たすか不明 | 供給状況と変更理由を明確化 |
| 同じ対象薬で毎回同じ説明をして算定 | 原則不可 | 当該医薬品に関して最初に処方された1回に限る | 初回性を確認 |
具体例1:RMP対象薬が初めて処方されたケース
処方例
RMP対象医薬品A錠 1日1回 朝食後 14日分
患者さんはこの薬を初めて服用します。薬剤師はPMDAのRMP提出品目一覧で対象薬であることを確認し、患者向けRMP資材を用いて説明しました。
説明内容は以下の通りです。
- 重大な副作用として注意すべき症状
- 副作用を疑う初期症状
- 症状が出た場合の医療機関への連絡目安
- 自己判断で中止・再開しないこと
- 併用薬、市販薬、サプリメントの確認
判定
加算3イを算定できる可能性があります。
ただし、患者向けRMP資材が存在すること、RMPが解除されていないこと、指導の要点を薬歴に記載することが必要です。
薬歴記載例
【特薬3イ】A錠について、患者向けRMP資材を用いて説明。重大な副作用として注意すべき症状、初期症状、症状出現時の医療機関への連絡目安、自己判断で中止しないことを説明。患者は「発熱や息苦しさ、強いだるさがあれば連絡する」と理解。併用薬確認し、現時点で問題となる併用なし。
具体例2:長期収載品を患者が希望したケース
状況
一般名処方の処方箋を受け付けた。患者さんが「前と同じ先発品がいいです」と希望した。
薬剤師は、調剤前に以下を説明しました。
- 後発医薬品を選択できること
- 患者希望で先発医薬品を選ぶ場合、特別の料金が発生する場合があること
- 費用負担の違い
- 後発医薬品の有効成分・規格
- 最終的にどちらを希望するか
判定
加算3ロを算定できる可能性があります。
説明の結果、患者さんが後発医薬品を選んだ場合でも、要件を満たせば算定可能です。
薬歴記載例:先発品を選んだ場合
【特薬3ロ】患者より先発医薬品希望あり。調剤前に後発医薬品の選択可否、長期収載品を患者希望で選択した場合の特別の料金、自己負担の違いを説明。患者は費用負担を理解した上で先発医薬品を希望。説明内容に納得あり。
薬歴記載例:説明後に後発品を選んだ場合
【特薬3ロ】患者より当初先発医薬品希望あり。調剤前に後発医薬品の選択肢、長期収載品を患者希望で選択した場合の特別の料金、負担額の考え方を説明。説明後、患者は後発医薬品を希望。変更に不安がないか確認し、外観差と服用方法を説明。理解良好。
具体例3:供給不安で前回銘柄から変更するケース
状況
前回は後発医薬品A社で調剤。今回は供給不安によりA社製品を必要数量確保できず、同成分・同規格のB社製品で調剤する必要がある。
薬剤師は調剤前に、患者さんへ以下を説明しました。
- 前回と同じA社製品が供給不安で必要量確保できないこと
- 今回はB社製品で調剤すること
- 有効成分・規格・用法用量は同じであること
- 錠剤やシートの見た目が変わること
- 服用方法は変わらないこと
判定
加算3ロを算定できる可能性があります。
この場合、調剤報酬明細書の摘要欄に、調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載する点にも注意が必要です。
薬歴記載例
【特薬3ロ】前回調剤A社製品について、供給不安により今回必要数量を確保できず。調剤前にB社製品へ変更して調剤する旨を説明。同成分・同規格であり、用法用量は変更ないこと、錠剤外観・PTPデザインが異なることを説明。患者了承。摘要欄へ必要数量確保困難薬剤名を記載。
具体例4:バイオ後続品について説明するケース
状況
バイオ医薬品の一般名処方を受け付けた。患者さんは「バイオ後続品ってジェネリックと同じですか?」と不安そうに質問した。
薬剤師は、患者さんの理解度に合わせて以下を説明しました。
- バイオ後続品の基本的な考え方
- 品質、有効性、安全性について確認されていること
- 先行バイオ医薬品と全く同一ではないが、同等性・同質性を確認して承認されること
- 注射製剤の場合、デバイスや操作方法が異なることがあること
- 保管方法、使用方法、廃棄方法
- 使用後に気になる症状があれば相談すること
判定
加算3ロを算定できる可能性があります。
バイオ後続品は患者さんが不安を感じやすいため、費用面だけでなく、品質・有効性・安全性、使い方の違いを丁寧に説明することが重要です。
薬歴記載例
【特薬3ロ】バイオ医薬品一般名処方に対し、バイオ後続品の品質・有効性・安全性について説明。先行バイオ医薬品との関係、使用方法、保管方法、注射デバイスの操作手順、使用後に注意すべき症状を確認。患者より「使い方が分かれば大丈夫」と発言あり。手技確認し理解良好。
算定前チェックリスト
| 確認項目 | チェック |
|---|---|
| 服薬管理指導料の算定対象である | □ |
| イ・ロのどちらに該当するか明確である | □ |
| 患者1人につき当該医薬品で最初に処方された1回か確認した | □ |
| イの場合、患者向けRMP資材が存在するか確認した | □ |
| イの場合、RMP解除品目でないか確認した | □ |
| ロの場合、調剤前に説明した | □ |
| 供給不安の場合、前回銘柄の必要数量が確保できない事実がある | □ |
| 供給不安の場合、摘要欄へ薬剤名記載が必要か確認した | □ |
| 薬歴に対象薬・説明内容・患者理解を記録した | □ |
薬歴で査定リスクを下げる書き方
特定薬剤管理指導加算3で薬歴に残したいのは、単なる「説明済み」ではありません。
以下の4点を意識すると、指導内容が伝わりやすくなります。
薬歴に残す4点
- 対象医薬品名
- なぜ加算3の対象になる説明が必要だったか
- 具体的に何を説明したか
- 患者さんがどう理解・選択・了承したか
弱い薬歴例
RMP説明済み。副作用説明。理解あり。
この記載では、どの薬について、何を、どの程度説明したのかが分かりにくいです。
改善した薬歴例
【特薬3イ】A錠について患者向けRMP資材を用いて説明。注意すべき副作用として発熱、息苦しさ、発疹、強い倦怠感を説明。症状出現時は自己判断で継続せず、処方医または薬局へ連絡するよう指導。患者は「症状が出たら連絡する」と理解。
薬歴は「算定のため」だけでなく、次回以降のフォローにつながる記録です。次に見る薬剤師が読んでも分かる書き方を意識しましょう。
⑤ まとめ


- 特定薬剤管理指導加算3は、重点的な説明・指導を評価する加算
- イは5点で、安全性に関する説明が中心
- ロは10点で、医薬品の選択に関する調剤前説明が中心
- イではRMP患者向け資材の有無をPMDAで確認する
- RMP患者向け資材がない薬、RMP解除品目は算定不可
- ロでは長期収載品の選定療養、供給不安による銘柄変更、バイオ後続品説明が重要
- 供給不安のケースでは摘要欄記載にも注意
- 薬歴には「対象薬」「説明内容」「患者理解・選択」を必ず残す

⑥ よくある質問
Q. 特定薬剤管理指導加算3は毎回算定できますか?
原則として、患者1人につき当該医薬品に関して最初に処方された1回に限ります。毎回算定する加算ではありません。[2]
Q. RMP対象薬なら必ず加算3イを算定できますか?
いいえ。RMP対象薬であっても、患者向けRMP資材がない場合は算定できません。また、RMPの策定・実施が解除された医薬品も対象外です。PMDAで最新情報を確認しましょう。[3]
Q. RMP資材を薬歴に添付する必要はありますか?
患者向けRMP資材を薬剤服用歴に添付したり、資材名を記載したりすることは不要とされています。ただし、指導の要点は薬剤服用歴等に記載する必要があります。[3]
Q. 長期収載品の説明後、患者が後発品を選んだ場合も加算3ロを算定できますか?
算定可能です。疑義解釈では、患者が先発医薬品を希望していたものの、説明の結果、後発医薬品を選択して選定療養とならなかった場合も算定可能とされています。[3]
Q. 供給不安でメーカーが変わったら必ず加算3ロを算定できますか?
必ずではありません。医薬品の供給状況が安定しておらず、前回調剤された銘柄の必要数量が確保できず、別銘柄で交付する必要があり、その説明を調剤前に行った場合が対象として考えられます。[2]
Q. 供給不安のケースではレセプト摘要欄に何を書きますか?
通知では、医薬品の供給状況を踏まえ説明を行った場合、調剤報酬明細書の摘要欄に、調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名を記載することとされています。[2]
Q. バイオ後続品の説明は加算3ロの対象ですか?
令和8年度改定後、バイオ医薬品の一般名処方を受けた患者、またはバイオ後続品の銘柄名処方を受けた患者に対して、バイオ後続品の品質・有効性・安全性等について説明した場合がロの対象として示されています。[2]
Q. 同じ処方箋にイ対象薬とロ対象薬がある場合、両方算定できますか?
疑義解釈では、1回の処方でイに該当する医薬品とロに該当する医薬品が同時に処方されている場合、必要事項を満たした説明を行うのであれば算定可能とされています。[3]
Q. 1つの医薬品がイとロの両方に該当した場合、重複算定できますか?
疑義解釈では、そのような事例は想定されないとしつつ、それぞれの観点で必要な説明をしているのであれば算定可能とされています。ただし、令和8年度の通知では、複数項目に該当する場合でも重複して算定できない旨の記載もあるため、実務では最新通知や審査上の取扱いを必ず確認してください。[3][2]
Q. 薬歴には「患者理解あり」だけで大丈夫ですか?
おすすめしません。「患者理解あり」だけでは、何を説明したのか分かりにくいためです。対象薬、説明内容、副作用や選択肢、患者の理解・選択・了承を具体的に記録しましょう。
関連記事の導線案
内部リンク候補
- RMP資材とは?薬局での探し方と服薬指導のポイント
- 長期収載品の選定療養を薬局向けにわかりやすく解説
- 薬歴の書き方テンプレート集|査定されにくい記録のコツ
- バイオ後続品とは?患者説明で使えるやさしい言い換え集
公開後は、自サイト内の関連記事URLに差し替えると回遊率改善を狙えます。
⑦ 参考文献
- 令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】|厚生労働省(最終確認日:2026年6月9日)
- 別添3 調剤報酬点数表に関する事項|厚生労働省(最終確認日:2026年6月9日)
- 疑義解釈資料の送付について その1 令和6年3月28日|厚生労働省(最終確認日:2026年6月9日)
- RMP提出品目一覧|PMDA(最終確認日:2026年6月9日)
- 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について|厚生労働省(最終確認日:2026年6月9日)
- 医薬品リスク管理計画(RMP)|PMDA(最終確認日:2026年6月9日)
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