① ゆずまるとなぎさの掛け合い



② 前書き|朝の腹痛・頭痛は「甘え」ではなくSOSかもしれない
子どもが朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」「気持ち悪い」と言い出すと、親はとても迷います。
「熱はないのに?」
「昨日の夜は元気だったのに?」
「学校に行きたくないだけ?」
「休ませるとクセになるのでは?」
こう感じるのは自然なことです。朝は親も忙しく、登校時間も迫っています。仕事の予定がある保護者さんなら、焦りやイライラが出ても不思議ではありません。
ただし、ここで最初に押さえておきたいのは、子どもの腹痛や頭痛は、本人にとって本当に「痛い」「つらい」と感じていることが多いという点です。
厚生労働省の子どものメンタルヘルス情報では、ひきこもりや不登校で見られる体の症状として、発熱、頭痛、腹痛、吐き気、食欲不振、全身倦怠感、めまいなどが挙げられています【1】。
また、文部科学省の調査では、令和6年度の小・中学校における不登校児童生徒数は353,970人と報告されており、不登校は一部の家庭だけの特別な問題ではなくなっています【2】。
この記事でわかること
- 朝になると腹痛・頭痛が出る子どもに考えられる原因
- 「学校に行きたくないサイン」の見分け方
- 親が朝に言ってよい言葉・避けたい言葉
- 休ませるか登校させるか迷ったときの判断の考え方
- 小児科・学校・相談窓口につなぐ目安
この記事は診断を目的にしたものではありません。強い痛み、繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、血便、頭を打った後の頭痛などがある場合は、家庭で判断せず、早めに医療機関や救急相談を利用してください。日本小児科学会が監修する「ONLINE こどもの救急」も、受診の目安を確認する情報源として参考になります【6】。

③ 本文|朝だけ腹痛・頭痛が出るとき、何が起きている?


1. まず「本当に痛いの?」ではなく「どんな痛み?」と聞く
子どもが朝に腹痛や頭痛を訴えたとき、親が最初に言いたくなるのは「本当に痛いの?」かもしれません。
しかし、この言い方は子どもにとって「疑われている」「信じてもらえない」と感じやすい言葉です。痛みの原因がストレスであっても、痛みそのものは本人にとって現実です。
まずは、次のように聞いてみましょう。
朝に使いやすい声かけ
- 「痛いんだね。どのあたりが痛い?」
- 「ズキズキ?キリキリ?重い感じ?」
- 「吐き気はある?」
- 「トイレに行ったら少し変わる?」
- 「立つとつらい?横になると楽?」
- 「学校のことを考えると強くなる感じはある?」
ポイントは、責める質問ではなく、観察する質問にすることです。
2. 朝の腹痛・頭痛で考えられる原因
朝の不調には、いくつかのパターンがあります。ひとつだけが原因とは限らず、複数が重なっていることもあります。
| 原因の候補 | よくある様子 | 家庭で見るポイント |
|---|---|---|
| 感染症・胃腸炎など | 発熱、嘔吐、下痢、食欲低下、ぐったり | 熱、便、尿、顔色、水分が取れるか |
| 便秘 | お腹が張る、排便が少ない、トイレ後に軽くなる | 便の回数、硬さ、腹部の張り |
| 睡眠不足・生活リズムの乱れ | 朝起きられない、午前中だるい、夜ふかし | 就寝時刻、起床時刻、スマホ・ゲーム時間 |
| 起立性調節障害 | 立ちくらみ、めまい、頭痛、朝の起床困難、午後に楽 | 立つと悪化、横になると楽、午前に強い |
| 不安・緊張・ストレス | 登校前に強くなる、休日は軽い、学校の話を避ける | 友人関係、先生、授業、給食、部活、宿題 |
| いじめ・強い恐怖 | 急に行き渋る、物がなくなる、表情が暗い、SNSを怖がる | 安全確認を最優先。学校と早めに共有 |
厚生労働省は、こころのSOSは睡眠、食欲、体調、行動の4つの面に出やすいと説明しています【8】。つまり、腹痛や頭痛だけを見るのではなく、「眠れているか」「食べられているか」「元気があるか」「いつもと違う行動があるか」を合わせて見ることが大切です。
3. 起立性調節障害という可能性もある
朝の頭痛、めまい、立ちくらみ、だるさ、起床困難が目立つ場合は、起立性調節障害も候補になります。
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は立ち上がったときに頭痛、めまい、倦怠感などが出る病気で、思春期に発症しやすく、午前に症状が強いため学校生活に支障をきたすことがあります【5】。
起立性調節障害で見られやすいサイン
- 朝、なかなか起きられない
- 立つと頭痛・めまい・気持ち悪さが強くなる
- 横になると少し楽になる
- 午前中がつらく、午後から元気になる
- 夜になると目がさえて寝つきにくい
- 雨の前や気圧の変化で悪くなる
この場合、本人は「行きたくない」のではなく、体が思うように動かない状態かもしれません。根性論で起こそうとすると、親子関係が悪化しやすくなります。
4. 睡眠不足は朝の不調を強くする
子どもの朝の腹痛・頭痛を考えるうえで、睡眠はとても重要です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、米国睡眠医学会の推奨として、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間の睡眠時間が目安と紹介されています【7】。
もちろん個人差はありますが、寝る時間が遅い、スマホやゲームで脳が興奮している、朝食を抜きがち、休日に昼まで寝る、といった生活が続くと、朝の体調不良が出やすくなります。
睡眠チェック
- 平日の睡眠時間は足りている?
- 寝る直前までスマホ・ゲーム・動画を見ていない?
- 朝に光を浴びている?
- 朝食を少しでも食べられている?
- 休日だけ極端に起床時刻が遅くなっていない?
ここで注意したいのは、「生活リズムが乱れている=本人が悪い」と決めないことです。学校への不安が強くて眠れない、体調不良で活動量が落ちて夜眠れない、スマホだけが安心材料になっている、ということもあります。
生活リズムは叱って直すより、安心感と小さな習慣で整えるほうがうまくいきやすいです。
5. 「学校に行きたくないサイン」は体に出ることがある
子どもは大人のように、「人間関係がつらい」「先生の言葉が怖い」「教室に入ると緊張する」「失敗が不安」と言葉で説明できるとは限りません。
その代わり、体が先に反応することがあります。
- 朝だけお腹が痛くなる
- 学校の準備を始めると頭が痛くなる
- 玄関に行くと気持ち悪くなる
- 制服やランドセルを見ると泣きそうになる
- 日曜の夕方から不機嫌になる
- 月曜の朝に特に不調が強い
- 休日や長期休みは比較的元気
こうした様子がある場合、単なるわがままではなく、「学校に行くエネルギーが足りない」「学校に怖いものがある」サインとして見る必要があります。
文部科学省の不登校支援に関する通知では、不登校児童生徒への早期支援、学校と家庭・関係機関の連携、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の活用が重要とされています【3】。
6. 親が朝にやりがちなNG対応


朝の対応で避けたいのは、子どもの痛みや不安を否定する言葉です。
| 避けたい言葉 | 子どもが受け取りやすい意味 | 言い換え例 |
|---|---|---|
| また?昨日は元気だったでしょ | 信じてもらえない | 昨日と違って今つらいんだね |
| 学校に行きたくないだけでしょ | 本音を言うと責められる | 学校のことで気になることもある? |
| 休み癖がつくよ | 休む自分はダメなんだ | 今日は体調を確認して、次を一緒に考えよう |
| みんな頑張ってるよ | 自分だけ弱い | 今のあなたに必要な方法を考えよう |
| とにかく行きなさい | 逃げ場がない | 保健室から、遅刻から、先生に相談からでも考えよう |
特に、いじめや強い恐怖が隠れている場合、「とにかく行きなさい」は危険なことがあります。安全確認ができないまま無理に登校させることは避けましょう。
7. 朝の対応は「受け止める→確認する→選択肢を出す」
朝の対応は、シンプルに3段階で考えると落ち着きやすくなります。
朝の3ステップ
- 受け止める:「痛いんだね」「つらいんだね」
- 確認する:熱、嘔吐、下痢、顔色、意識、水分、痛みの強さ
- 選択肢を出す:休む、遅刻、保健室登校、先生に相談、受診
たとえば、こんな流れです。
親:「お腹が痛いんだね。まず熱を測ろう。吐き気や下痢はある?」
子:「吐き気はないけど、お腹がキリキリする」
親:「そっか。学校のことを考えると強くなる感じはある?」
子:「うん……教室に行くのが嫌」
親:「教えてくれてありがとう。今日は無理に教室へ行く前に、先生に相談して、保健室や別室も選べるか聞いてみよう」
このように、子どもが「話しても怒られない」と感じると、少しずつ本音が出やすくなります。
8. 休ませる?登校させる?迷ったときの考え方
保護者さんが一番悩むのが、「今日は休ませていいのか」という判断です。
結論から言うと、強い体調不良や安全面の不安がある日は、休ませる判断も必要です。ただし、休ませることがゴールではなく、「休んだ後にどう回復し、どうつながるか」を考えます。
| 状況 | 対応の目安 |
|---|---|
| 発熱、繰り返す嘔吐、強い下痢、ぐったり | 登校より体調確認を優先。必要に応じて受診 |
| 強い腹痛、血便、意識がぼんやり、頭を打った後の頭痛 | 早めに医療機関や救急相談を検討 |
| 立つとめまい・頭痛が強く、横になると楽 | 起立性調節障害なども考え、小児科に相談 |
| 学校の話で腹痛・頭痛が強くなる | 原因探しと学校への相談を優先。無理な登校は慎重に |
| 本人が「保健室なら行けそう」「遅刻なら行けそう」と言う | 小さな登校ステップとして検討 |
| いじめ、脅し、暴力、SNSトラブルが疑われる | 安全確保を最優先。学校・相談窓口・必要時は関係機関へ |
日本小児科学会などが監修する「ONLINE こどもの救急」では、発熱、腹痛・便秘、頭痛、意識がおかしいなど、症状別に受診の目安を確認できます【6】。
9. 「休む日」の過ごし方で大切なこと
学校を休むことになった日、親は「休ませたからには勉強させなきゃ」「ゲームは禁止しなきゃ」と考えることがあります。
もちろん、生活リズムを大きく崩さない工夫は大切です。ただ、子どもが本当に疲れ切っている場合、まず必要なのは回復です。
休む日の基本ルール
- 朝は一度起きて、体調を確認する
- 水分と食事を少しでも取る
- 午前中に寝すぎる場合は体調を観察する
- ゲームや動画は「ゼロ」より「時間を決める」
- 学校への連絡は親が淡々と行う
- 夕方に責める反省会をしない
- 翌日の作戦を短く相談する
避けたいのは、「休んだのに元気じゃない」「休んだのに勉強していない」と責めることです。
休んだ日は、子どもが少し落ち着いたタイミングで、次のように聞くと話しやすくなります。
- 「今日は何が一番しんどかった?」
- 「明日、学校に行くとしたら何が一番不安?」
- 「先生に伝えてほしいことはある?」
- 「教室、保健室、別室、遅刻ならどれが一番マシ?」
- 「朝の準備で減らせる負担はある?」
休ませること自体よりも、休んだあと孤立させないことが大切です。
10. 学校へ相談するときの伝え方


学校へ相談するときは、次の3点を整理すると伝わりやすくなります。
- 事実:いつ、どんな症状が、どれくらい続いているか
- 本人の言葉:子どもが話した不安や困りごと
- お願い:学校で確認してほしいこと、配慮してほしいこと
学校への連絡例
「ここ1週間、登校前になると腹痛と頭痛を訴えています。発熱や嘔吐はありませんが、学校の話をすると症状が強くなるようです。本人は『教室に入るのが不安』と言っています。学校での様子や友人関係、授業中の様子について、気になる点がないか教えていただけますか。可能であれば、保健室や別室で過ごす選択肢も相談したいです。」
文部科学省は、不登校対策として「チーム学校」での支援、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用、教育支援センターなど多様な学びの場の確保を進める方針を示しています【2】。
家庭だけで抱え込まず、担任、養護教諭、スクールカウンセラー、学年主任、管理職、教育相談窓口などに早めにつなぐことが大切です。
11. 小児科に相談したほうがよい目安
朝の腹痛・頭痛が続く場合、心理的な要因だけと決めつけず、まず小児科で体の病気がないか確認することが大切です。
特に次の場合は、早めに相談しましょう。
早めに医療機関へ相談したいサイン
- 腹痛や頭痛が何日も続く
- 痛みがだんだん強くなる
- 食欲低下、体重減少がある
- 発熱、嘔吐、下痢が続く
- 血便がある
- 頭を打った後に頭痛がある
- 意識がぼんやりする、ぐったりしている
- 朝起きられない、めまい、立ちくらみが強い
- 市販薬を何度も使っている
- 学校生活や日常生活に支障が出ている
腹痛や頭痛に市販薬を使う場合も、年齢・体重・症状によって適切な選択が変わります。特に、原因不明の強い腹痛、脱水が疑われるとき、繰り返す嘔吐があるときは、自己判断で痛み止めを重ねるより、医療機関や薬剤師に相談してください。
「薬で痛みを消して登校させる」ことが正解とは限りません。痛みは、体や心からの大事なサインだからです。
12. 親自身の限界にも気づく
子どもの朝の不調が続くと、親も疲れます。
毎朝のように腹痛・頭痛を訴えられる。仕事に遅れそうになる。学校への連絡がつらい。家族内で意見が割れる。親のほうが泣きたくなる。
これは珍しいことではありません。
子どもを支えるためには、親も孤立しないことが大切です。文部科学省の「子供のSOSの相談窓口」では、子ども本人や保護者が相談できる窓口が紹介されています【4】。こども家庭庁も、子どもや子育て当事者が相談できる自治体窓口を掲載しています【9】。
親が相談してよい相手
- 担任の先生
- 養護教諭
- スクールカウンセラー
- スクールソーシャルワーカー
- 小児科
- 教育相談センター
- 自治体の子育て相談窓口
- 児童相談所相談専用ダイヤルなど地域の相談先
親が誰かに相談することは、子どもを見捨てることではありません。むしろ、家庭だけで抱え込まないことが、子どもを守る力になります。
④ 症例・具体例・実践例


ケース1:小学生|月曜の朝だけお腹が痛くなる
状況:小学3年生。日曜の夜から表情が暗くなり、月曜の朝に「お腹が痛い」と言う。熱はなく、嘔吐や下痢もない。休むと昼頃には元気になる。
考え方:まず、便秘や胃腸炎など体の原因を確認します。そのうえで、月曜に特に強いなら、学校生活への不安が関係している可能性があります。
親の対応例:
- 「月曜の朝が特につらいんだね」と受け止める
- 「学校で苦手な時間はある?」と具体的に聞く
- 給食、体育、席替え、友人関係、先生の注意などを一緒に整理する
- 担任や養護教諭に「月曜朝の腹痛が続いている」と共有する
- いきなり通常登校ではなく、遅刻・保健室・別室などを相談する
ポイント:「休んだら元気=仮病」ではありません。不安の原因から離れると症状が軽くなることはあります。
ケース2:中学生|朝起きられず頭痛とめまいがある
状況:中学1年生。朝起きられず、立つと頭痛とめまいが強い。午後になると少し元気になる。夜はなかなか寝つけない。
考え方:起立性調節障害など、自律神経に関連する体の不調が隠れている可能性があります。日本小児心身医学会も、起立性調節障害では午前に症状が強く、学校生活に支障をきたすことがあると説明しています【5】。
親の対応例:
- 「起きなさい!」と怒鳴る前に、症状の出方を記録する
- 立つと悪化するか、横になると楽かを見る
- 小児科に相談し、必要に応じて検査や生活指導を受ける
- 学校に「午前中の症状が強い」ことを伝える
- 遅刻登校、オンライン課題、別室対応などを相談する
ポイント:午後に元気だから怠けている、とは判断できません。症状の時間帯に特徴がある病気もあります。
ケース3:高学年|頭痛を訴え、学校の話を避ける
状況:小学6年生。最近、朝に頭痛を訴える。学校の話をすると黙る。スマホを見たあと表情が暗くなる。持ち物がなくなることが増えた。
考え方:友人関係、いじめ、SNSトラブルなどの可能性があります。頭痛だけでなく、表情、持ち物、スマホへの反応、会話の減少などを合わせて見る必要があります。
親の対応例:
- 「何があったの?」と詰めず、「話せるところからでいいよ」と伝える
- 「あなたが悪いと決めつけないよ」と明言する
- 学校に安全確認を依頼する
- 必要に応じてスクールカウンセラーや相談窓口へつなぐ
- 危険がある場合は登校より安全確保を優先する
ポイント:いじめや脅しが疑われる場合、本人の安全確認が最優先です。無理に登校させる前に、大人同士で情報共有を行いましょう。
家庭で使える「朝の観察メモ」
朝の不調が続く場合、メモを取ると小児科や学校に相談しやすくなります。
| 記録する項目 | 例 |
|---|---|
| 日付・曜日 | 6月23日 月曜 |
| 症状 | 腹痛、頭痛、吐き気、めまい |
| 痛みの強さ | 10段階で6くらい |
| 体温・便・食事 | 36.7℃、便なし、朝食半分 |
| 睡眠 | 23時就寝、7時起床、夜中に起きた |
| 学校との関連 | 体育の日、テストの日、苦手な子と同じ班 |
| 休んだ後の様子 | 昼から軽快、夕方は元気 |
メモは子どもを監視するためではなく、原因を一緒に探すための道具です。親の記憶だけに頼るより、学校や医療機関に具体的に説明しやすくなります。
⑤ まとめ|朝の腹痛・頭痛は「行きたくない理由」を探す入口


子どもが朝になると腹痛や頭痛を訴えると、親は不安になります。
でも、最初から「仮病」「甘え」「サボり」と決めつけると、子どもは本当の困りごとを話しにくくなります。
朝の腹痛・頭痛には、感染症、便秘、睡眠不足、起立性調節障害、不安、学校でのストレス、いじめなど、さまざまな原因があります。
この記事の要点
- 「本当に痛いの?」より「どんな痛み?」と聞く
- 発熱、嘔吐、血便、意識の異常などがあれば医療機関を優先する
- 朝だけ不調でも、体の病気や自律神経の問題が隠れていることがある
- 学校の話で症状が強くなる場合、学校生活の困りごとを確認する
- 無理に登校させる前に、安全確認をする
- 休む日は「孤立させない」「責めない」「次の作戦を短く相談する」
- 家庭だけで抱えず、小児科、学校、相談窓口につなぐ
親ができる一番大事な対応は、完璧な判断をすることではありません。
子どもの痛みを信じ、体の安全を確認し、学校や医療・相談機関と一緒に支えることです。
「今日はどうすれば登校できるか」だけではなく、「この子が安心して学び、生活するために何が必要か」という視点で考えていきましょう。

⑥ よくある質問
Q1. 朝だけ腹痛や頭痛があり、昼には元気になります。仮病ですか?
仮病と決めつけないほうがよいです。学校への不安や緊張が強いとき、朝の登校前に症状が強くなり、安心できる環境では軽くなることがあります。また、起立性調節障害のように午前中に症状が強く、午後に楽になる病気もあります【5】。
Q2. 休ませると休み癖がつきませんか?
休ませるかどうかだけで判断するより、「なぜ行けないのか」「休んだあと誰とつながるのか」を考えることが大切です。強い体調不良や安全面の不安がある日は、休ませる判断も必要です。一方で、休んだまま孤立しないよう、学校や相談先とつながることが重要です。
Q3. 子どもに学校の理由を聞いても「わからない」と言います。どうすればいいですか?
子ども自身も理由を言葉にできないことがあります。「なんで?」と詰めるより、「教室、先生、友だち、勉強、給食、休み時間の中で、しんどいものはある?」のように選択肢を出すと答えやすくなります。答えられないときは、無理に聞き出さず、学校での様子を先生に確認しましょう。
Q4. 市販の痛み止めを飲ませて登校させてもいいですか?
症状や年齢、体重、持病、脱水の有無によって判断が変わります。特に原因不明の強い腹痛、繰り返す嘔吐、ぐったりしている場合は、痛み止めで様子を見るより医療機関に相談してください。市販薬を使う場合も、薬剤師や医師に確認しましょう。
Q5. 学校に相談すると大げさだと思われませんか?
朝の腹痛・頭痛が続いているなら、早めに共有してよいです。文部科学省も、不登校児童生徒への支援では、学校と家庭、関係機関の連携や早期支援が重要としています【3】。相談するときは、「いつ」「どんな症状が」「どれくらい続くか」「本人が何と言っているか」を具体的に伝えると話が進みやすいです。
Q6. いじめがあるかもしれないと感じたら、まず何をすべきですか?
まず子どもの安全確認を優先してください。「あなたが悪いと決めつけない」「話してくれてありがとう」と伝え、無理に登校させる前に学校へ状況確認を依頼します。必要に応じて、文部科学省の子供のSOS相談窓口や自治体の相談窓口も利用してください【4】。
Q7. 何日続いたら小児科に行くべきですか?
強い痛み、発熱、嘔吐、下痢、血便、意識の異常、頭を打った後の頭痛などがある場合は、日数に関係なく早めに相談してください。軽い症状でも、何日も続く、繰り返す、学校生活に支障がある、市販薬を何度も使っている場合は小児科に相談しましょう。受診の緊急度に迷うときは、日本小児科学会等が監修する「ONLINE こどもの救急」も参考になります【6】。
Q8. 親だけで相談してもいいですか?
はい、親だけで相談しても大丈夫です。子どもが相談に行きたがらない場合でも、親が学校、スクールカウンセラー、教育相談窓口、小児科、自治体の相談窓口に相談することで、次の対応が見えてくることがあります。こども家庭庁も、子ども本人や子育て当事者が相談できる窓口情報を掲載しています【9】。
⑦ 参考文献
- 厚生労働省「『ひきこもりや不登校』というサイン|子どものSOSサイン」(最終確認日:2026年6月23日)
- 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(最終確認日:2026年6月23日)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(最終確認日:2026年6月23日)
- 文部科学省「子供のSOSの相談窓口」(最終確認日:2026年6月23日)
- 一般社団法人 日本小児心身医学会「起立性調節障害」(最終確認日:2026年6月23日)
- 厚生労働省研究班/公益社団法人 日本小児科学会 監修「ONLINE こどもの救急」(最終確認日:2026年6月23日)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「こどもの睡眠」(最終確認日:2026年6月23日)
- 厚生労働省「こころのSOSサインに気づく」(最終確認日:2026年6月23日)
- こども家庭庁「相談窓口」(最終確認日:2026年6月23日)


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