BBB(血液脳関門)の役割と影響されやすい薬
脳は非常にデリケートな器官であり、有害物質や不要な成分が簡単に侵入しないように血液脳関門(BBB: Blood-Brain Barrier)という特殊なバリアが備わっています。
このバリアは、必要な物質だけを選択的に脳へ届ける一方で、薬の効果にも大きな影響を与えます。
たとえば、精神疾患や神経変性疾患の治療薬はBBBを通過する必要がありますが、ほとんどの抗生物質や大きな分子の薬は脳に届きにくいのが現状です。そのため、BBBを考慮した薬剤設計が重要になります。
本記事では、BBBの役割とその仕組み、通過しやすい薬・通過しにくい薬の違い、病態による影響について詳しく解説します。
薬剤師や医療従事者の方はもちろん、薬の仕組みに興味がある方にもわかりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
BBB(血液脳関門)とは?
血液脳関門(Blood-Brain Barrier: BBB)は、脳の毛細血管の内皮細胞が密着結合(tight junction)を形成し、特定の物質が血流から脳へ移行するのを防ぐ仕組みです。これにより、神経毒や有害物質が脳内に侵入するのを防ぎ、脳の恒常性を維持します。
BBBを通過しやすい薬・通過しにくい薬
BBBを通過しやすい薬
- 脂溶性の高い薬
- 小分子の薬(分子量500以下)
- 輸送体を利用する薬
薬剤名 | 主な作用・用途 |
---|---|
ベンゾジアゼピン系(ジアゼパムなど) | 抗不安、催眠作用 |
バルビツール酸系(フェノバルビタールなど) | 抗てんかん、鎮静作用 |
三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど) | うつ病治療 |
β遮断薬(プロプラノロールなど) | 高血圧、狭心症 |
BBBを通過しにくい薬
- 水溶性の高い薬
- P-糖タンパク(P-gp)により排出される薬
薬剤名 | 主な作用・用途 |
---|---|
ペニシリン系抗生物質 | 細菌感染症 |
モルヒネ | P-gpにより排出、鎮痛薬 |

P-糖タンパク(P-gp)とは、「薬物の細胞外排出を担う膜輸送タンパク質」です。主に腸管、肝臓、腎臓、血液脳関門などに存在し、薬物の吸収・分布・排泄に影響を与えます。
BBBの透過性が変化する要因
血液脳関門(BBB)は通常、一定の機能を維持していますが、さまざまな病態や生理的要因によって透過性が変化することがあります。
これにより、通常は脳に到達しにくい薬剤が移行しやすくなったり、逆に移行しにくくなったりします。
透過性が亢進する場合(BBBがゆるくなる)
以下の条件では、BBBの構造が変化し、薬剤や有害物質の移行が増加します。
- 脳炎・髄膜炎: 炎症により血管透過性が亢進し、一部の抗生物質が脳内に移行しやすくなる
- 脳梗塞・外傷: 血管の損傷によりバリア機能が低下し、一部の薬剤が脳内に移行しやすくなる
- 新生児・未熟児: BBBが未発達であり、薬剤の影響を受けやすい
- 高齢者: 加齢によりBBBの機能が低下し、薬剤の脳移行性が変化する
✅ 影響を受ける薬
- 髄膜炎治療薬
- 免疫抑制薬
透過性が低下する場合(BBBが強化される)
一方で、特定の条件下ではBBBの透過性が低下し、薬剤の脳内移行が阻害されることがあります。
糖タンパク(P-gp)の過剰発現: P-gpは薬剤を血流側へ排出するポンプであり、その活性が高まると特定の薬が脳に届きにくくなる
- 慢性疾患(糖尿病、高血圧): 長期間の血管ダメージによりBBBの構造が変化し、薬の移行性が低下する
❌ 影響を受ける薬
- 抗てんかん薬
- 抗がん剤など
このように、BBBの透過性は一定ではなく、疾患や生理的変化によって大きく影響を受けます。
特に、治療薬の効果や副作用を考慮する際には、この点を十分に理解しておくことが重要です。
まとめ
BBBは脳を守る重要なバリアですが、薬剤の脳内移行性に大きな影響を与えます。
脂溶性の高い薬や輸送体を利用する薬はBBBを通過しやすく、水溶性の高い薬やP-gpに排出される薬は通過しにくくなります。
よくある質問(Q&A)
Q1. なぜL-ドーパは脳に移行できるの?
L-ドーパはBBBを通過するLAT1(アミノ酸輸送体)を利用できるため、脳内に移行できます。ドーパミンそのものはBBBを通過できません。
Q2. モルヒネは鎮痛薬なのにBBBを通過しにくいの?
モルヒネはP-糖タンパク(P-gp)によって排出されるため、脳内移行が制限されます。より脂溶性の高いフェンタニルのほうが中枢移行性が高いです。
Q3. 髄膜炎ではなぜ抗生物質が脳に移行しやすくなるの?
髄膜炎では血液脳関門の透過性が亢進し、一部の抗生物質が脳内に移行しやすくなります。
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