患者さんに「運動してください」と伝えるとき、具体的に何を勧めれば良い?
医療現場で患者さんに「運動をしてください」とアドバイスする場面は非常に多いですよね。
糖尿病や高血圧といった生活習慣病をはじめ、筋力低下、うつ病、認知症、整形外科的なリハビリなど、運動が推奨される疾患は多岐にわたります。
しかし実際には、「運動」と言われても、患者さんの多くは「何を、どれくらい、どうやってやればいいの?」と戸惑ってしまいがちです。
指導が曖昧だと、継続率も低くなってしまいます。
この記事では、薬剤師や医療従事者が患者さんに運動を勧める際に役立つ「目的別・具体的な運動の提案方法」を紹介します。
科学的根拠に基づき、実践しやすく、継続できる内容を目指しています。患者さんのQOL向上と疾患管理に、ぜひお役立てください。

運動強度の指標「METS(メッツ)」とは?
METS(Metabolic Equivalents of Task、代謝当量)は、運動や身体活動の強度を表す単位。
安静時のエネルギー消費量を1METSとして基準化したものです。たとえば「3METS」といえば、安静時の3倍の代謝量を意味します。
以下にMETSの分類と主な活動例をまとめます。
METS | 運動強度 | 活動例 |
---|---|---|
1.0 | 安静 | 座位、寝ている状態 |
2.0〜2.9 | 軽い運動 | ゆっくりした散歩、家事(皿洗い、洗濯) |
3.0〜5.9 | 中程度の運動 | 速歩、自転車(ゆっくり)、ラジオ体操 |
6.0〜8.9 | やや強い運動 | ジョギング、階段昇降、軽いダンス |
9.0以上 | 強い運動 | ランニング、水泳(速く)、登山 |

METSの使い方は?
患者さんに運動の目安を伝える際、METSを使うと「どのくらいの強さの運動をどれだけ行えばよいか」が明確になります。
例えば、健康維持には「3〜6METSの活動を週150分」が推奨されています(厚労省の身体活動ガイドラインより)。

生活習慣病予防・改善のための運動は?
生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)の予防・改善には、有酸素運動が基本です。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、以下のような運動が推奨されています。
- ウォーキング:1日30分以上、週5日(計150分以上)、3〜5METSの中強度が目安
- 自転車:1回30〜60分程度、やや息が弾む程度の強度
- 水中歩行:週2〜3回、20〜30分から開始
METS換算で150〜300METS・分/週を目標にしましょう。
歩数の目安は1日8000〜10000歩が推奨されます。
筋力低下予防(サルコペニア・ロコモティブシンドローム対策)には?
高齢者の筋力低下予防には、軽負荷の筋力トレーニングが効果的です。以下は家庭で安全に行える例です。
- 椅子スクワット:椅子の前に立ち、背筋を伸ばして座る→立つを10回×2セット(週2〜3回)
- つま先立ち:手すりにつかまり、かかとを上げる→下げる動作を10回×2セット
- ペットボトル腕上げ:500mlボトルを持って、肘を伸ばして上下させる(左右10回ずつ)
正しい姿勢で無理せず行い、息を止めないよう注意しましょう。
精神面のケア(うつ病・認知症予防)には?
運動は気分の改善や認知機能の維持に役立つとされており、心理的ストレス軽減やセロトニン分泌の促進が確認されています。以下の運動が推奨されます:
- ウォーキング:自然の中で40分×週3〜5回(軽〜中程度の強度)
- ラジオ体操:朝のルーティンに、全身のリズム運動として
- 軽いダンス:音楽と組み合わせることで脳の活性化に寄与
米国精神医学会の報告では、運動が軽度〜中等度うつ病に対して抗うつ薬と同等の効果を示すことも報告されています。
リハビリ目的(整形疾患や脳卒中後)には?
疾患により推奨されるリハビリ運動は異なります。以下に例を示します:
- 脳卒中後:歩行訓練、上下肢の関節可動域訓練、座位・立位バランス訓練(毎日短時間でも継続)
- 変形性膝関節症:椅子に座ったままの膝伸ばし運動、タオルを挟んだ太もも締め運動(週3回)
- 骨折後:ギプス除去後は理学療法士の指導で段階的な荷重・可動域訓練を
痛みを避け、無理のない範囲で行いましょう。運動前後にバイタルサインの確認も重要です。
患者へのアプローチはどうする?
患者さんに運動を提案する際には、「押しつけ」にならないコミュニケーションが重要です。
以下のようなステップでアプローチすると、納得感が得られやすく、実行率も高まります。
- 傾聴:まずは現在の生活習慣、体調、運動に対する気持ちを聞き出す
- 共感:「それは大変ですね」「無理せずできることから始めましょう」と共感する
- 提案:生活に取り入れやすい、軽い運動から提案する
- 確認:「この運動ならできそうですか?」と確認し、無理のない範囲で合意する
- フォロー:次回来局時に「運動どうでしたか?」と継続をサポート

服薬指導の中で運動をどう伝える?
以下は疾患別の服薬指導における運動アドバイスの例です。
例1:糖尿病患者への服薬指導
「このお薬は血糖を下げる作用がありますが、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れると、より効果が安定しますよ。1日15分からでもいいので、できそうな日だけでもやってみませんか?」
例2:高血圧患者への服薬指導
「血圧を安定させるためには、食事の塩分に気をつけることと、適度な運動が大切です。例えば毎朝10分の速歩などでも効果があるとされています。お身体の調子を見ながら続けてみてくださいね。」
例3:骨粗鬆症患者への服薬指導
「骨に刺激を与える運動が、薬の効果を助けることがあります。つま先立ちや椅子スクワットなど、転倒しにくい運動から始めてみてはいかがでしょうか?」
まとめ
「運動してください」という一言では患者さんに具体的な行動を促すのは難しいですが、疾患や目的に応じた適切な運動をMETSなどの指標とともに提示することで、実行力が高まり、服薬指導との相乗効果も期待できます。
薬剤師ができる運動アドバイスは、患者さんのQOL向上に直結する大切な一歩です。
この記事で紹介した内容を参考に、患者さん一人ひとりに合わせた実践的なサポートをしていきましょう。

よくある質問(Q&A)
- Q. 運動ができない高齢者にはどうしたらいい?
A. 椅子に座ったままできる体操や、足踏み運動、呼吸に合わせたストレッチから始めましょう。特に安全性を重視し、理学療法士の助言を仰ぐのも有効です。 - Q. 有酸素運動と筋トレ、どちらを優先すべき?
A. 疾患や年齢によりますが、一般には有酸素運動から始めて、週に2回程度筋トレを加えるのがバランス良いです。METS換算での組み合わせも有効です。 - Q. 運動のモチベーションが続かないときは?
A. 音楽をかける、家族や友人と一緒に行う、達成記録をつけるなど「楽しい工夫」が効果的です。また、薬局で応援の声かけをすることも継続の後押しになります。
参考文献
- 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 – 厚生労働省
- サルコペニア 診療ガイドライン 2022 – 日本内科学会雑誌
- うつ病の運動療法に関するレビュー – 日本リハビリテーション医学会誌
- Exercise treatment for depression: Efficacy and dose response – American Journal of Preventive Medicine

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