


前書き:今年「B型が目立つ」と感じるのはなぜ?
結論から言うと、今年(2025/26シーズン)にインフルエンザB型が「流行っている/目立つ」と感じやすい背景には、いくつかの要因が重なっています。
ポイントは大きく2つです。
- インフルエンザは“シーズン前半はA型、後半はB型が増えやすい”という構造がもともとある
- そのうえで今年は、A型の大きな波のあとに、B型(主にビクトリア系統)が置き換わるように増えやすい条件がそろった
また、「B型が全国で常に主役」という意味ではなく、“時期・地域・年齢層”によってB型が目立ちやすい局面がある、というのが実態に近いです。厚労省や病原体サーベイランスのデータは週ごとに変化します。だからこそ、仕組みを理解しておくと納得しやすくなります。

本文:今年B型が増えやすい「5つの理由」
理由1:インフルエンザは「Aの波のあとにBが来る」ことがわりとある
インフルエンザにはA型(H1N1pdm09、H3N2など)とB型(主にビクトリア系統、※山形系統は近年ほぼ検出されない状況)があります。
流行の“主役”はシーズンを通して固定ではなく、最初にA型が大きく流行 → その後にB型が増える、という「波の交代」が起きることがあります。
その理由はシンプルで、A型が広がると、社会全体で「A型に対する免疫を持つ人」が増えます(感染やワクチン、あるいは近縁株への既存免疫)。すると、A型が前ほど広がれなくなり、免疫の穴(B型に弱い集団)を突いてB型が広がりやすくなる…という“席替え”が起きやすいのです。

理由2:今年は「病原体データ」でB型(ビクトリア系統)の検出が増えている週がある
“B型が流行ってる”という体感は、医療機関(特に小児や家族の受診が多い現場)で強くなりがちです。
実際、病原体サーベイランス(IASR)では、2025/26シーズンのB型(ビクトリア系統)について、週によって検出報告数がまとまっていることが示されています(例:年明け以降の週で数が増えている週がある)。
ここで大事なのは、「患者数(定点報告)」と「ウイルス検出(病原体サーベイランス)」は別物だという点です。
- 定点報告(厚労省):医療機関が診断した患者数の動き(毎週発表) 2
- 病原体サーベイランス(IASR):検体から検出された型・系統の情報(報告のタイムラグもある)
つまり、現場でB型が目立つのは「B型がゼロから急に来た」というより、時期的にB型が増えやすい局面に入ったところへ、検出も積み上がって“見える化”されてきた、という捉え方が安全です。
理由3:B型は「子ども・学校」を起点に広がりやすく、流行後半に目立ちやすい
B型は、年によっては学童〜思春期での広がりが目立つことがあります。学校・習い事・部活など、接触機会が多い環境では感染連鎖が起きやすいからです。
また、B型の流行は「春先まで続く」こともあり、A型のピークが落ちたあとにB型が残ると、“今はB型が多い”と体感されやすい(検査陽性がB型に寄る)という現象が起きます。

理由4:「免疫の穴」があり得る(抗体保有率が低い層がある)
国の流行予測調査(インフルエンザ感受性調査)では、流行前の抗体保有状況が示されます。
2025年度の速報では、B型(ビクトリア系統)について、年齢階級によってHI抗体保有率が低い層があることが示されています。特に若年層や高齢層で低めの層がある、という読み取りができます(詳細は原資料の図表参照)。
抗体保有が低い層が多いと、そこが感染の“燃えやすい場所”になります。もちろん抗体だけで全ては決まりませんが、「その年に広がりやすい下地」としては重要です。
理由5:B型は「山形系統がほぼ消え、ビクトリア系統中心」になり、波が読みづらい
近年、世界的にB型の山形系統(B/Yamagata)がほとんど検出されなくなっている、とWHOが繰り返し見解を示しています(そのためワクチン推奨でもB/Yamagata成分は不要という整理が進んでいます)。
学術的にも、COVID-19期の行動変容(感染対策など)やウイルス生態の影響で山形系統が“消失した可能性”を議論した研究が出ています。
この状況は、「B型=2系統が交互に来る」時代とは前提が変わっています。ビクトリア系統中心になると、過去の経験則が当たりにくい年が出るので、今年の“B型が目立つ”も、その延長で理解するとスッと腑に落ちます。
ここまでの要点(超まとめ)
| よくある疑問 | 答え(要点) |
|---|---|
| 今年はなぜB型が多いの? | A型の波のあとにB型が増えやすい構造+今年は病原体データでもB/Victoriaの検出が積み上がり、時期・地域で目立ちやすい |
| B型って毎年後半? | “必ず”ではないが、後半に目立つ年はある(特に学校集団が絡むと体感が強い) |
| B型は山形?ビクトリア? | 近年はビクトリア系統中心、山形系統は世界的にほぼ検出されないという整理が進む |
症例・実践例:「B型が多い」と感じたときの考え方(薬局・家庭)

実践例1:家族内でA型が流行った後に、別の家族がB型になることはある?
あります。A型とB型は別物なので、A型にかかった=B型にかからないとは限りません。
ただし、同じ家庭内で連続すると「同時流行(地域で両方が回っている)」「診断時期(検査感度)」「受診タイミング」など、背景は色々です。
- 高熱・強い倦怠感・咳などが続くなら、型に関係なく早めに受診
- “家族がA型だったから自分もA型だろう”と決めつけない
実践例2:薬局での説明テンプレ(患者さん向け・やさしめ)
患者さんに聞かれたら、以下くらいの言い方が誤解を生みにくいです。
説明例
「インフルエンザは、シーズンの前半はA型が多くて、後半にB型が増える年があります。
今年も年明け以降にB型が目立つ地域があるようです。流行状況は週ごとに変わるので、最新の発表も見ながら対策しましょう。」
ここでのコツは、“全国で断定しない”こと。厚労省の週報や病原体情報は更新されるため、言い切りは避けつつ「仕組み」を伝えるのが安全です。
実践例3:家庭でできる「B型っぽい時期」の現実的な対策
- 手洗い+換気+咳エチケット(基本だけど一番効く)
- 家族内で「タオル共有」「食器の回し飲み」を避ける
- 発熱・症状が強い日は無理に登校・出勤しない(拡大防止)
- リスクが高い人(高齢者、基礎疾患、妊婦、乳幼児)は早めに医療相談
まとめ:今年B型が流行って見える“納得ポイント”
- A型の波のあとにB型が増えるという「流行の交代」は起こりうる
- 2025/26シーズンは、病原体サーベイランスでB型(ビクトリア系統)の検出が積み上がっている週がある
- B型は学校集団などで目立ちやすく、医療現場の体感に反映されやすい
- 抗体保有状況(感受性調査)から、年齢によって“弱い層”があり得る
- 世界的に山形系統がほぼ検出されない整理が進み、B型の見通しが変化している

よくある質問(FAQ)
Q. 今年のB型は「全国で」大流行しているの?
「全国で常にB型が主役」とは限りません。時期・地域・年齢層で“B型が目立つ局面”があるというのが現実的です。最新の患者発生状況(定点報告)は厚労省が毎週公表しています。
Q. B型はA型より軽いって本当?
一概に言えません。B型でも高熱・強い倦怠感・脱水などでつらくなることはあります。年齢や基礎疾患、合併症(肺炎など)で重症化リスクは変わります。“型で油断しない”のが大切です。
Q. ワクチン打ったのにB型にかかるのはなぜ?
ワクチンは「感染を100%防ぐ」ではなく、主に重症化や入院などのリスクを下げる目的で使われます。また流行株との一致度や、接種時期・免疫のつき方でも効果の見え方が変わります。
Q. B型はいつまで流行するの?
年によりますが、B型はシーズン後半〜春先まで残る年があります。厚労省の週報で地域の状況を確認するのが確実です。
Q. B型(山形系統)はもういないの?
「完全にゼロ」と断言はできませんが、WHOは山形系統をワクチンに入れる必要性が低い(検出が極めて少ない)という整理を継続しています。
参考文献(最終確認日:2026-02-19)
- 厚生労働省「インフルエンザに関する報道発表資料(2025/2026シーズン)」
インフルエンザに関する報道発表資料 2025/2026シーズンインフルエンザに関する報道発表資料について紹介しています。 - 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト「インフルエンザウイルス分離・検出速報(IASR)」
インフルエンザウイルス分離・検出速報|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト - 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト「IASR 速報グラフ:インフルエンザ(B型含む)」
IASR 速報グラフ ウイルス インフルエンザ|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト - 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「インフルエンザ抗体保有状況-2025年度速報(感受性調査)」
インフルエンザ抗体保有状況-2025年度速報第1報|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト - World Health Organization (WHO)「Recommendations announced for influenza vaccine composition for the 2026 southern hemisphere influenza season(B/Yamagataは不要という見解を継続)」
Recommendations announced for influenza vaccine composition for the 2026 southern hemisphere influenza seasonThe World Health Organization (WHO) today announced its recommendations for the viral composition of influenza vaccines ... - World Health Organization (WHO)「Recommended composition of influenza virus vaccines for use in the 2026 southern hemisphere influenza season」
Recommended composition of influenza virus vaccines for use in the 2026 southern hemisphere influenza seasonRecommended composition of influenza virus vaccines for use in the 2026 southern hemisphere influenza season - Han W, et al. Nature Communications (2025)「B/Yamagata系統“消失”の要因を議論した研究」
Unraveling the mechanism behind the probable extinction of the B/Yamagata lineage of influenza B viruses - Nature CommunicationsInfluenza B/Yamagata lineage has rarely been detected since COVID-19 non-pharmaceutical interventions were introduced, w...
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薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ


今日は、特徴をわかりやすく整理しつつ、読んでくださる方が自分の働き方を見つめ直しやすいようにまとめていきましょう。
働く中で、ふと立ち止まる瞬間は誰にでもあります
薬剤師として日々働いていると、忙しさの中で気持ちに余裕が少なくなり、
「最近ちょっと疲れているかも…」と感じる瞬間が出てくることがあります。
- 店舗からの連絡に、少し身構えてしまう
- 休憩中も頭の中が業務のことでいっぱいになっている
- 気づけば仕事中心の生活になっている
こうした感覚は、必ずしも「今の職場が嫌い」というわけではなく、
「これからの働き方を考えてもよいタイミングかもしれない」というサインであることもあります。
無理に変える必要はありませんが、少し気持ちが揺れたときに情報を整理しておくと、
自分に合った選択肢を考えるきっかけになることがあります。
薬剤師向け転職サービスの比較表
ここでは、薬剤師向けの主な転職サービスについて、それぞれの特徴を簡潔に整理しました。
各サービスの特徴(概要)
ここからは、上記のサービスごとに特徴をもう少しだけ詳しく整理していきます。ご自身の希望と照らし合わせる際の参考にしてください。
・薬剤師向けの転職支援サービスとして、調剤薬局やドラッグストアなどの求人を扱っています。
・面談を通じて、これまでの経験や今後の希望を整理しながら話ができる点が特徴です。
・「まずは話を聞いてみたい」「自分の考えを整理したい」という方にとって、利用しやすいスタイルと言えます。
・全国の薬局・病院・ドラッグストアなど、幅広い求人を取り扱っています。
・エリアごとの求人状況を比較しやすく、通勤圏や希望地域に合わせて探したいときに役立ちます。
・「家から通いやすい範囲で、いくつか選択肢を見比べたい」という方に向いているサービスです。
・調剤薬局の求人を多く扱い、条件の調整や個別相談に力を入れているスタイルです。
・勤務時間、休日日数、年収など、具体的な条件について相談しながら進めたい人に利用されています。
・「働き方や条件面にしっかりこだわりたい」方が、検討の材料として使いやすいサービスです。
・調剤系の求人を取り扱う転職支援サービスです。
・職場の雰囲気や体制など、求人票だけではわかりにくい情報を把握している場合があります。
・「長く働けそうな職場かどうか、雰囲気も含めて知りたい」という方が検討しやすいサービスです。
・薬剤師に特化した職業紹介サービスで、調剤薬局・病院・ドラッグストアなど幅広い求人を扱っています。
・公開されていない求人(非公開求人)を扱っていることもあり、選択肢を広げたい場面で役立ちます。
・「いろいろな可能性を見比べてから考えたい」という方に合いやすいサービスです。
・調剤薬局を中心に薬剤師向け求人を取り扱うサービスです。
・研修やフォロー体制など、就業後を見据えたサポートにも取り組んでいる点が特徴です。
・「現場でのスキルや知識も高めながら働きたい」という方が検討しやすいサービスです。
気持ちが揺れるときは、自分を見つめ直すきっかけになります
働き方について「このままでいいのかな」と考える瞬間は、誰にでも訪れます。
それは決して悪いことではなく、自分の今とこれからを整理するための大切なサインになることもあります。
転職サービスの利用は、何かをすぐに決めるためだけではなく、
「今の働き方」と「他の選択肢」を比較しながら考えるための手段として活用することもできます。
情報を知っておくだけでも、
「いざというときに動ける」という安心感につながる場合があります。


「転職するかどうかを決める前に、まずは情報を知っておくだけでも十分ですよ」ってお伝えしたいです。
自分に合う働き方を考える材料が増えるだけでも、少し気持ちがラクになることがありますよね。
無理に何かを変える必要はありませんが、
「自分にはどんな可能性があるのか」を知っておくことは、将来の安心につながることがあります。
気になるサービスがあれば、詳細を確認しながら、ご自身のペースで検討してみてください。





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