


- 前書き
- パキロビッドの作用機序
- 適応と対象患者
- 投与タイミング
- 用法・用量(詳細)
- 禁忌薬(薬効別分類)
- 副作用
- 妊娠・授乳・小児
- 服薬指導の実践ポイント
- 症例で学ぶ禁忌対応(薬効別)
- 疑義照会トーク例(薬剤師→医師)
- まとめ
- 理解度チェッククイズ
- よくある質問
- 参考文献
- 薬剤師の転職、いきなりじゃなくてOK!まずは無料登録だけで「非公開求人」をチェックしよう
- ファーマキャリアの特徴と登録メリットは?
- ヤクジョブの特徴と登録メリットは?
- ファルマスタッフの特徴と登録メリットは?
- お仕事ラボの特徴と登録メリットは?
- ファゲットの特徴と登録メリットは?
- どれを選べばいい?おすすめ順の比較は?
- 1分クイック診断:あなたはどれから登録すべき?
- まとめ:登録だけでもOK。今日の「小さな一歩」で十分!
- よくある質問
前書き
パキロビッド(Paxlovid)は、ニルマトレルビル(抗ウイルス薬)とリトナビル(薬物動態ブースター)の組み合わせで構成された新型コロナ治療薬です。
2021年に海外で緊急使用が始まり、その後日本でも承認されました。
臨床試験(EPIC-HR試験)では、未接種の重症化リスク因子を持つ患者に投与すると入院や死亡を89%減少させたと報告されました。
ただし、実際の薬局業務においては次のような難点があります。
- 腎機能に応じた用量調整が必要
- リトナビルによる相互作用が膨大
- 妊娠・授乳中や小児ではデータが限られる
- 服薬完遂が求められる(1日2回×5日間)
したがって薬剤師は単に処方監査を行うだけでなく、患者背景・腎機能・併用薬を総合的にチェックし、安全に投与できる環境を整える必要があります。
パキロビッドの作用機序
ウイルスはヒト細胞に侵入すると、自らの酵素を使ってタンパク質を分解・成熟させ、増殖します。その中心となるのが「メインプロテアーゼ(Mpro)」です。
ニルマトレルビルはこの酵素を阻害し、ウイルスの複製をブロックします。
一方でリトナビルはHIV治療薬としても使われてきましたが、今回は「ブースター」としての役割に特化。CYP3Aを強力に阻害し、ニルマトレルビルの血中濃度を長時間維持することで抗ウイルス作用を最大化します。
適応と対象患者
添付文書上の効能・効果は「SARS-CoV-2による感染症」です。実臨床では以下の条件を満たす患者に投与されます。
- 軽症~中等症I
- 入院を要しない外来患者
- 重症化リスク因子あり(高齢・糖尿病・心疾患・慢性肺疾患・肥満・免疫抑制状態など)
- 発症から5日以内
重症化リスクがない若年者や、すでに中等症II以上に進行している患者には投与しません。
投与タイミング
パキロビッドの効果は「早期開始」に依存します。
臨床試験でも発症から3日以内の開始が最も効果的で、5日以内なら有効性が確認されています。
薬剤師は服薬指導時に必ず「発症日」を確認し、処方の適正を見極める必要があります。
用法・用量(詳細)
患者背景 | ニルマトレルビル | リトナビル | 投与期間 |
---|---|---|---|
成人・12歳以上・体重≧40kg | 300mg(150mg×2錠) | 100mg(1錠) | 1日2回×5日 |
中等度腎障害(eGFR30〜60) | 150mg(1錠) | 100mg(1錠) | 1日2回×5日 |
重度腎障害(eGFR<30) | 投与不可 |
飲み方:2種類の錠剤を同時に服用。かまずに、水でそのまま飲みます。割ったり砕いたりすることは禁止です。
禁忌薬(薬効別分類)
パキロビッドの併用禁忌薬は非常に多いため、薬効ごとに分類して整理しました。禁忌に該当する場合は必ず処方医へ疑義照会してください。
循環器系
- 抗不整脈薬:アミオダロン、ベプリジル、フレカイニド、プロパフェノン、キニジン
- 冠血管作動薬:ラノラジン
- 心不全治療薬:イバブラジン
- ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬:エプレレノン、フィネレノン
血液・抗凝固薬
- 抗凝固薬:リバーロキサバン、チカグレロル
神経・精神科領域
- 抗精神病薬:ルラシドン、ピモジド
- 睡眠薬・鎮静薬:スボレキサント、トリアゾラム、経口ミダゾラム
- 抗不安薬・睡眠薬:ジアゼパム、エスタゾラム、フルラゼパム
- 抗てんかん薬:カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、プリミドン
感染症治療薬
- 抗結核薬:リファンピシン、リファペンチン
- 抗真菌薬:ボリコナゾール
代謝・内分泌
- 脂質異常症治療薬:ロバスタチン、シンバスタチン
- 家族性高コレステロール血症治療薬:ロミタピド
免疫抑制・腫瘍関連
- 免疫抑制薬:ボクロスポリン
- 抗がん薬:ベネトクラクス(用量漸増期)、アパルタミド、エンザルタミド
神経・鎮痛関連
- 片頭痛治療薬:エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、メチルエルゴメトリン
- トリプタン系:エレトリプタン
- 鎮痛補助薬:アナモレリン
泌尿器・呼吸器
- 排尿障害治療薬:シルドナフィル(PAH用途)、タダラフィル(アドシルカ)、バルデナフィル
消化器・その他
- コルヒチン(腎障害・肝障害併用時)
- セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品

注意すべき薬
- スタチン:ロバスタチン、シンバスタチン → 横紋筋融解症リスク
- 免疫抑制薬:シクロスポリン、タクロリムス → 濃度上昇リスク
- 抗菌薬:クラリスロマイシン → 濃度上昇
- 鎮静薬:ベンゾジアゼピン系 → 過鎮静
副作用
- よくある副作用:味覚異常(苦味・金属味)、下痢、頭痛、倦怠感
- 重大な副作用:肝機能障害、SJS/TEN、アナフィラキシー
特に味覚異常はよく見られる副作用ですが、一時的であり治療完遂が推奨されます。
妊娠・授乳・小児
- 妊婦:有益性>危険性の場合に限り投与
- 授乳婦:母乳移行あり、授乳継続/中止を個別判断
- 小児:12歳以上かつ体重40kg以上で使用可能
服薬指導の実践ポイント
- 発症日・服薬開始日を確認(5日以内か?)
- 腎機能(eGFR)を確認し、パック600/300を選択
- 併用薬・サプリを聴取(禁忌薬がないか?)
- 飲み方(同時服用、砕かない)を説明
- 飲み忘れ時の対応(気づいた時点で1回分、倍量不可)
- 副作用の説明と受診目安
- 妊娠・授乳中ならリスク説明と同意
症例で学ぶ禁忌対応(薬効別)
薬効ごとに症例を整理しました。禁忌に該当したら即・疑義照会を徹底しましょう。
循環器系(抗不整脈・心不全薬など)
- 症例:70歳男性、心不全でアミオダロン服用中
- 問題:アミオダロンは併用禁忌(致死的不整脈リスク)。
- 対応:処方医へ連絡し、他の抗ウイルス薬へ切替を提案。
- 症例:高血圧+心不全でエプレレノン内服
- 問題:エプレレノンは併用禁忌。
- 対応:代替薬(スピロノラクトン等)に変更可能かを医師へ確認。
血液・抗凝固薬
- 症例:70代男性、非弁膜症性心房細動でリバーロキサバン内服中
- 問題:リバーロキサバンは併用禁忌(出血リスク増大)。
- 対応:DOAC切替または中止を医師と相談。
神経・精神科領域
- 症例:不眠でスボレキサント就寝前内服
- 問題:スボレキサントは併用禁忌。
- 対応:短期的にゾルピデムなどへ切替を提案。
- 症例:統合失調症でルラシドン服用
- 問題:ルラシドンは併用禁忌。
- 対応:主治医と連携し、抗ウイルス薬を別剤へ変更検討。
感染症治療薬
- 症例:肺MAC症でリファンピシン内服中
- 問題:リファンピシンは強力なCYP3A誘導薬 → パキロビッド効果減弱。
- 対応:パキロビッドは禁忌。他治療(モルヌピラビル等)へ切替。
代謝・内分泌
- 症例:脂質異常症でシンバスタチン内服中
- 問題:シンバスタチンは併用禁忌(横紋筋融解症リスク)。
- 対応:短期間中止または代替薬に変更。
免疫抑制・腫瘍関連
- 症例:CLL患者、ベネトクラクス用量漸増期
- 問題:ベネトクラクス漸増期は禁忌。
- 対応:血液内科と連携し、抗ウイルス薬切替を検討。
鎮痛・片頭痛
- 症例:片頭痛でエレトリプタン頓用
- 問題:エレトリプタンは禁忌(CYP3A代謝)。
- 対応:代替トリプタン(リザトリプタンなど)の検討を依頼。
腎・肝障害+コルヒチン
- 症例:痛風でコルヒチン内服+eGFR40
- 問題:腎障害+コルヒチン併用は禁忌。
- 対応:交付不可を明確にし、処方医へ即時報告。

「見逃しやすい薬効」を重点的に意識してみよう。
疑義照会トーク例(薬剤師→医師)
禁忌薬を発見した場合は、具体的に「薬効」「リスク」「提案」を伝えることが大切です。以下の例文を参考にしてください。
抗不整脈薬(アミオダロン)の場合

睡眠薬(スボレキサント)の場合

抗凝固薬(リバーロキサバン)の場合

スタチン(シンバスタチン)の場合

痛風治療(コルヒチン+腎障害)の場合

まとめ
- パキロビッドは発症初期の重症化予防薬
- 腎機能による用量調整と相互作用チェックが必須
- 服薬指導では「飲み切る」「飲み忘れ対応」「相互作用注意」を徹底
- 症例ベースで実務に即した対応力を養う
理解度チェッククイズ
クイズ1: eGFR 45 mL/min の患者に適切なのはどれ?(単一選択)
- パック600(通常量)で投与する
- パック300(減量)で投与する
- 投与不可とする
【答え】 2. パック300(減量)
【解説】 eGFR 30〜<60 はニルマトレルビルを半量に減量(パック300)。eGFR <30 は原則推奨されません。
クイズ2: 併用禁忌に該当するのはどれ?(単一選択)
- アセトアミノフェン
- アミオダロン
- ロキソプロフェン
【答え】 2. アミオダロン
【解説】 リトナビルはCYP3Aを強力に阻害し、アミオダロンの血中濃度上昇→致死的不整脈リスク。アセトアミノフェンは併用可。
クイズ3: 飲み忘れ時の正しい対応はどれ?(単一選択)
- 次回に2回分まとめて服用する
- 気づいた時点で1回分のみ服用し、次回が近ければスキップ
- 以後の内服を全て中止する
【答え】 2
【解説】 倍量は禁忌。気づいた時に1回分のみ。次回が近い場合は1回飛ばし、通常スケジュールへ戻す。
クイズ4: 服用期間に避けるべき食品はどれ?(単一選択)
- グレープフルーツジュース
- 牛乳
- 麦茶
【答え】 1. グレープフルーツジュース
【解説】 グレープフルーツはCYP3Aを阻害し相互作用リスクを高める。牛乳・麦茶は問題なし。
クイズ5: 授乳中の患者への説明として適切なのはどれ?(単一選択)
- 母乳移行がないため制限不要
- 必ず授乳中止が必要
- 母乳移行があるため継続/中止を個別判断(医師と相談)
【答え】 3
【解説】 母乳移行は報告されており、母体の重症化リスク・乳児利益を踏まえて継続/中止を共有意思決定する。
よくある質問
妊婦に使える?
有益性が危険性を上回る場合に限り投与可能。胎児への影響リスクを説明し、同意を得る。
授乳中は?
母乳移行あり。授乳継続/中止を個別に判断。
ワクチン接種歴があると効果は?
接種歴があっても重症化リスクがあれば投与を検討。
粉砕は可能?
不可。そのまま服用。
どのくらいで効果が出る?
症状改善は数日で見られることもあるが、効果の本質は重症化予防。
在宅療養中の交付は?
オンライン服薬指導や配送を活用し、発症から5日以内に開始できる体制を整える。
参考文献



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