脳卒中後に頭をぶつけやすくなるのはなぜ?転倒リスクとたんこぶの関係
こんにちは、ゆずまるです。
今回は、脳卒中後の転倒リスクと頭部外傷、特に「たんこぶ」について詳しく解説します。
脳卒中を経験された方やそのご家族、介護に携わる方々にとって、転倒は大きな懸念事項です。
なぜ脳卒中後に転倒しやすくなるのか、その原因と対策を一緒に見ていきましょう。
脳卒中後に転倒しやすくなるのはなぜ?
脳卒中後、多くの方が転倒しやすくなると言われています。その主な理由を以下にまとめます。
1. 片麻痺や半身麻痺
脳卒中の後遺症として、片側の手足が麻痺する「片麻痺」や「半身麻痺」があります。
これにより、歩行時のバランスが取りづらくなり、転倒リスクが高まります。
特に、麻痺側への荷重が難しくなることで、非麻痺側に過度な依存が生じ、姿勢の左右非対称性が増します。
これが転倒の一因となります。
2. 感覚障害
麻痺に伴う感覚障害も転倒リスクを高めます。
足裏の感覚が鈍くなると、地面の状態や足元の変化を感じ取りにくくなり、つまずきやすくなります。
3. 高次脳機能障害
注意力や判断力の低下、空間認知の障害など、高次脳機能障害も転倒の原因となります。
例えば、注意が散漫になり、周囲の障害物に気づかずにぶつかることがあります。
4. 視野障害
脳卒中によって視野が狭くなると、周囲の状況を正確に把握できず、障害物や段差に気づかずに転倒するリスクが高まります。
5. 筋力低下とバランス能力の減退
長期間の入院や活動量の減少により、全身の筋力が低下します。
特に下肢の筋力低下は、立ち上がりや歩行時の安定性を損ない、転倒を引き起こしやすくなります。
6. 非麻痺側への過度な依存
麻痺側の機能低下により、非麻痺側に頼りがちになります。これが続くと、麻痺側の筋力や骨密度がさらに低下し、転倒リスクが増加します。
7. 痙縮(けいしゅく)
筋肉の緊張が高まり、関節が硬くなる痙縮も転倒の原因となります。
足首や膝の動きが制限されることで、歩行時のバランスが崩れやすくなります。
転倒による頭部外傷のリスクとは?
転倒によって頭部を打つと、以下のような外傷が生じる可能性があります。
1. たんこぶ(皮下血腫)
頭部を打った際にできる腫れや内出血です。
一般的には軽傷とされますが、痛みや違和感が続く場合は医療機関を受診しましょう。
2. 頭蓋骨骨折
強い衝撃により頭蓋骨が折れることがあります。骨折の程度や部位によっては、脳への影響も考えられるため、早急な診断と治療が必要です。
3. 急性硬膜下血腫
頭部外傷後、短時間で意識障害が進行する危険な状態です。
受傷直後は会話ができても、その後急激に意識が低下することがあります。
4. 慢性硬膜下血腫
軽い頭部外傷の数週間後に、徐々に頭痛や意識障害が現れることがあります。
高齢者や抗血栓薬を服用している方に多く見られます。
転倒を防ぐための具体的な対策は?
転倒リスクを減らすためには、以下の対策が有効です。
1. 住環境の整備
- 段差の解消:室内の小さな段差をなくし、バリアフリー化を進めましょう。
- 手すりの設置:トイレ、浴室、階段など、必要な場所に手すりを取り付けます。
- 床の滑り止め:滑りやすい床には滑り止めマットを敷くなどの対策を行います。
- 夜間照明の設置:夜中にトイレに行くときなどに転倒しやすいため、足元を照らす照明を設置すると安全です。
- 床の整理整頓:コードやカーペットのめくれ、置きっぱなしの物など、つまずく原因を除去しましょう。
2. 補助具の活用
片麻痺やふらつきがある方には、歩行器や杖、四点杖などの補助具が有効です。
身体機能に合った道具を選ぶことが大切で、専門職(理学療法士や作業療法士)の評価を受けることをおすすめします。
3. 定期的なリハビリテーション
転倒予防には、筋力・バランス感覚・協調性の維持が重要です。
リハビリによってこれらの機能を強化することで、転倒リスクを下げることが可能です。
4. 医薬品の見直し
血圧を下げる薬、睡眠薬、抗不安薬などは、ふらつきやめまいを起こしやすく、転倒の要因となることがあります。
服用中の薬が転倒リスクに影響していないか、かかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。
5. 転倒後の迅速な対応
転倒して頭をぶつけた場合は、すぐに安静にして冷やし、次のような症状がないか注意深く観察してください。
- 意識がもうろうとしている、または失神した
- 繰り返し吐く
- 頭痛が悪化する
- 手足のしびれや麻痺
- けいれんやろれつが回らない
- 耳や鼻からの出血、透明な液体が出る
これらの症状が見られた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

まとめ
脳卒中後は、片麻痺や感覚障害、高次脳機能障害など複合的な理由で転倒のリスクが高まります。転倒によって頭をぶつけてしまうと、たんこぶだけでなく、慢性硬膜下血腫や頭蓋内出血といった深刻な状態を招く可能性もあります。
適切な住環境の整備、リハビリの継続、補助具の活用、薬剤管理を組み合わせることで、転倒リスクは大きく下げられます。ご本人とご家族、介護者が協力して「転ばない生活」を目指しましょう。

参考文献



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