


薬局業務の中でも、患者さんからの希望が多い「一包化調剤」。
服薬管理をサポートできる大事な手段ですが、調剤報酬上は明確な算定要件が設けられています。
2024年度の診療報酬改定では「外来服薬支援料2」として一包化加算が再編されました。正しく算定するためには、対象薬剤・服用パターン・医師の了解・記録内容など、細かいポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、現場薬剤師が迷わず対応できるように、最新のルールをもとに丁寧に解説していきます。実例や表も交えて、わかりやすくまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください!

一包化とは?どんな患者に必要なの?
「一包化」とは、複数の内服薬を1回分ずつ服用時点ごとにまとめて包装する調剤のことです。
たとえば、「朝食後にA錠・B錠・Cカプセルを服用する」といった処方の場合、それらを1包にまとめて渡します。
この方法により、患者が薬の種類や服用時間を迷うことなく、確実な服薬につなげることができます。
特に次のような患者にとって有効です:
- 認知機能が低下している高齢者
- 服薬数が多く、整理が困難な患者
- 視力が低下している方や手指の動きが不自由な方
- 介護施設や訪問看護の対象者
一包化調剤は、ただ便利なだけでなく、服薬コンプライアンスの向上、服薬ミスの予防、重複投与や飲み忘れの削減など、多くのメリットを持ちます。


一包化加算(外来服薬支援料2)の算定要件は?
2024年度診療報酬改定により、「一包化加算」は外来服薬支援料2として整理されました。
これは、薬剤師が患者の服薬状況を把握し、服薬管理支援の一環として一包化を実施した場合に評価される加算です。
以下の5つの算定要件をすべて満たすことが必要です:
① 対象薬剤は「内服用固形剤」のみ
液剤・散剤・頓服・外用薬などは算定対象外です。
② 一包化の要件(次のいずれか)
- 服用時点が異なる2剤以上
- 同じ服用時点に3剤以上
※服用時点が異なる2種類以上の内服用固形剤を一包化する場合は、服用時点が重なる必要があります。
例:A錠 朝、B錠 朝・夕→ OK / 朝食後にAカプセル・B 錠→ 2剤だけならNG
③ 薬剤師による判断と医師の了解
治療上の必要性と服薬支援の必要性を薬剤師が判断し、医師の了解を得た場合に限ります。
④ 服薬支援の内容を薬歴等に記録
患者の服薬状況・理由・医師了解の有無などを明記し、調剤録や薬剤服用歴に記録する必要があります。
⑤ 処方受付1回につき1回の算定
外来での処方1回につき1回のみ算定可。施設入所者の場合は別途ルールあり。
点数と日数による算定方式
投与日数 | 点数 |
---|---|
1~42日 | 7日につき34点 |
43日以上 | 一律240点 |


一包化加算の算定要件:服用時点が異なる2剤以上の正しい解釈
一包化加算(外来服薬支援料2)の「服用時点が異なる2剤以上」の要件について、単に服用時点が異なるだけでは算定できません。服用時点が重なる薬剤が必要です。
✅ 加算できるケース(服用時点が異なる2剤以上+重なりあり)
処方内容 | 理由 |
---|---|
朝食後:アムロジピン 朝夕食後:メトホルミン(1日2回) |
朝の時点で2剤が同時に服用されている かつ、メトホルミンは夕にも服用 → 服用時点が異なる2剤以上+重なりあり → 加算OK(要件①) |
朝:アムロジピン 朝昼夕:レバミピド(1日3回) |
朝と昼で夕でそれぞれ薬剤が服用され、レバミピドが重なりを持つ → 条件①を満たす → 加算OK |
❌ 加算できないケース(服用時点に重なりがない)
処方内容 | 理由 |
---|---|
朝:アムロジピン+メトホルミン(2剤) 夕:抗生剤(1剤) |
朝に2剤、夕に1剤でも、薬剤の用法が重なっていない → 時点が異なるだけではNG → 加算不可 |
朝:A錠 昼:B錠 夕:C錠(各1剤) |
各時点1剤 → すべて1剤扱い → 条件未満 → 算定不可 |
🔍 解説ポイント
- 薬剤数ではなく、「服用時点における組み合わせ」で判定
- 異なる時点でも、同一薬剤が複数時点に登場する必要あり
- 服用支援の必要性、医師の了解、薬歴記載も併せて必須

一包化加算は「時点」と「用法」の重なりが要。補足の必要性も記載を
一包化加算は、単に薬剤が複数出たから計算できるものではありません。
- 異なる時点にわたって同一薬剤が重なる、または
- 同時点に3剤以上の内有用固形薬があること
これらがなければ「計算要件未満」として承認されず、たとえ実際に補足していたとしても、採算されません。
補足の必要性も、薬歴に明確に記載することで、操作の合理性が確保されます。

【補足】一包化加算の計算例と薬歴テンプレート
■ 加算為の点数計算例
外条件:計算は「補足された薬の日数」で行われます。
- 実際の例:14日分の一包化がなされた場合
→ 8日〜 14日 = 68点 - 補足の対象が7日の抗生剤のみの場合
→ 1 〜7日 = 34点
■ 日数が異なる場合の定義
一包化する薬剤の日数が異なる場合、計算できるのは「条件を満たす日数切り」となります。最も粗算に要求できるのは、同じ時点に同じ用法で補足された日数です。
■ 補足理由の記載は必須
一包化加算を計算するためには、以下の要件を薬歴に明記することが採算回避に絡わります。
- 定性の明示 (高齢者、記憶障害、覚醒欠如 など)
- 計算要件の明示 (異なる時点に2剤以上など)
- 医師の理解の有無 (確認方法と同時に)
■ 薬歴テンプレート
[補足理由] 高齢と記憶障害のため、自己服薬に難しい。PTPの分別も不安定のため補足必要。[計算要件] 朝にアムロジピンとメトホルミンの合わせ服用あり、夜にメトホルミンの服用あり。異なる時点に2剤以上の条件を満たす。 [医師の理解] 処方時に補足の意図を確認し、認識されている。

一包化できない薬の扱いは?
一包化できない薬(湿気に弱い、他剤との物理的相性が悪い、溶けやすい等)は、一包化対象から外しても加算算定可能です。
✅ 根拠:疑義解釈資料より
「一包化加算は、服用時点が一致し、かつ2種類以上の内服用固形剤を一包化した場合に算定可能。やむを得ない理由で一部の薬剤を一包化しない場合でも、条件を満たす薬剤が2剤以上あれば加算可能。」
🔍 具体例
- 朝食後:アムロジピン(錠)、メトホルミン(錠)、ロスバスタチン(錠)、エリスロマイシン(腸溶錠)30日分
➡ 腸溶錠のエリスロマイシンは湿気や衝撃に弱く、一包化不適。
➡ アムロジピンとメトホルミン、ロスバスタチンのみを一包化したうえで、朝の一包化加算(30日分)は可能。
💡 ポイント
- 一包化不可の薬剤がある場合も、残り3剤以上で時点が一致していれば加算OK
- 必ず薬歴に「一包化不可理由(腸溶錠、崩壊性等)」を記載する
- 医師の了解または事前確認があることが望ましい
まとめ
- 一包化加算は「用法」の重なりがある2剤以上が異なる時点にわたって要使されていることが条件
- 時点が異なってても、同じ薬が一日にわたって重なっていなければ計算は不可
- 補足理由や医師の理解、薬歴記載は必須
- 日数が異なる場合は、条件を満たす補足に対して「取得可能な最大日数」を基準に計算

一包化加算クイズ
問題1:次の処方は一包化加算の要件を満たしますか?
- 朝食後:アムロジピン+ メトホルミン
- 昼食後:メトホルミン
- 夕食後:メトホルミン+ 抗生剤 (5日分)
答え:加算可
メトホルミンが異なる時点にわたって使用され、他剤と重なる時点が存在するため
問題2:次の処方は一包化加算可能?
- 朝食後:ロスバスタチン
- 夕食後:ロスバスタチン
答え:計算不可
同じ薬が異なる時点にあるのみで、他剤との重なりがなく、条件を満たさない
問題3:次の処方は一包化加算可能?
- 朝食後:アトルバスタチン、メチコバール
- 昼食後:メチコバール
答え:加算可
異なる時点で同じ薬が重なり、他の薬との組み合わせもあるため
問題4:次の処方は一包化加算の要件を満たす?
- 朝食後:アムロジピン
問題5:次の処方は一包化加算の要件を満たす?
- 朝食後:エナラプリル、メトホルミン
- 夕食後:メトホルミン
答え:加算可
朝食後にエナラプリルとメトホルミンの2剤が併用され、服用時点が一致する2剤以上の内服用固形剤の一包化という条件を満たしているため、一包化加算は可能。
問題6:以下の処方で一包化加算が算定できるのは何日分か?
- 朝食後(30日分):アムロジピン、メトホルミン、シタグリプチン
- 昼食後(30日分):メトホルミン
- 夕食後(14日分):レボフロキサシン
- 就寝前(30日分):ロスバスタチン
また、一包化は就寝前を除く3時点すべてで行っている。
答え:30日分加算可
朝食後に服用するアムロジピンとメトホルミンが加算要件を満たしており、しかもその組み合わせは30日分継続。
抗生剤(14日分)や就寝前の薬は加算要件とは無関係で、一包化の対象時点に含まれていなければ算定に影響しない。
そのため、朝の2剤で30日分の一包化加算が認められる。
よくある質問
Q. 一包化するとなぜ加算が取得できるのですか?
A. 応用範囲の中で、補足理由や時点別の条件を満たした場合に、薬店薬剤師が手間をかけて行うとして加算が計算されます。
Q. 1剤のみを一包化するのは意味ありますか?
A. 原則として意味がありませんが、定時服用の明確化や服薬録装置の理由があれば認められる場合もあります。
Q. 日数の異なる薬を一包化した場合の計算は?
A. 条件を満たしている補足剤の最大日数を基準にして計算します。
Q. 医師の補足許可を明確にしていない場合は?
A. 医師の理解は必要ですが、処方時の会話や書面通知などの記録があれば認められます。
Q. 一包化の理由が一見してわからないところは計算できますか?
A. 必ず薬歴に明記し、格評者が見ても明確にわかるようにしておくことが大切です。
参考文献
- 【疑義解釈対応】一包化加算の算定要件を具体例で徹底解説
- 一包化加算の算定要件|管理薬剤師.com
- 調剤報酬点数ガイド:外来服薬支援料(旧一包化加算)|メドピアかかりつけ薬剤師.jp
- 一包化加算と他加算の併算定制限について|ヤクヨミ


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