「アバレプト点眼液って、今までのドライアイの目薬と何が違うの?」
「目が冷たく感じるって本当?」
「コンタクトをしたまま使える?よく振る必要がある?」
2026年4月に発売されたアバレプト懸濁性点眼液0.3%は、これまでのドライアイ治療薬とは異なる作用機序を持つ新しい処方薬です。
有効成分はモツギバトレプ。ドライアイに伴う不快感や痛みの感覚にも関わるTRPV1を阻害することで、自覚症状と目の表面の所見の両方を改善すると考えられています。
この記事では、添付文書・PMDA審査資料・メーカー情報をもとに、アバレプトの効果、使い方、副作用、コンタクト装用時の注意、保管方法、既存のドライアイ点眼薬との違いまで薬剤師目線で整理します。
この記事の結論
- アバレプトは2026年4月発売のドライアイ治療薬
- 有効成分はモツギバトレプで、TRPV1を阻害する新しい作用機序
- 通常は1回1滴、1日4回
- 懸濁液なのでキャップを閉じたままよく振ってから点眼
- 他の点眼薬とは5分以上間隔をあける
- コンタクトレンズは原則外して点眼し、メーカーFAQでは5分以上あけて再装用を案内
- 主な副作用は眼部冷感、霧視、冷感
- 一時的に目がかすむことがあるため、運転前は注意
- 開栓前までは上向き・室温保存
- ヒアレイン、ジクアス、ムコスタとは「どこに働くか」が異なる



- アバレプト懸濁性点眼液0.3%とは?
- 検索で多い「アバレプトの効果」は?
- 効果はいつから?何日で効く?
- どんなドライアイに使う薬?「痛い・しみる人専用」ではない
- 臨床試験ではどのくらい改善した?数字で見るアバレプト
- アバレプトの正しい使い方
- 点眼を忘れたらどうする?2回分まとめて使わない
- 「1滴で入った気がしない」ときは追加していい?
- 他の目薬と一緒に使うときは何分あける?
- コンタクトレンズをしたまま点眼できる?
- アバレプトの主な副作用
- 「目が冷たい」「スースーする」のはなぜ?
- 目がかすむ・ぼやけることがある?
- 温度感覚の異常・体温上昇に注意
- アバレプトとヒアレイン・ジクアス・ムコスタの違い
- アバレプトはジクアスと一緒に使える?
- アバレプトは市販で買える?処方箋が必要?
- ジェネリックはある?
- アバレプトミニはある?
- 保存方法|冷蔵庫に入れる?横向きでもいい?
- 保管温度は?冷蔵庫より室温でOK
- 開封後はいつまで使える?
- アバレプトの薬価はいくら?
- 妊娠中・授乳中でも使える?
- 子どもにも使える?
- 新薬の14日処方制限とは?何本まで処方できる?
- 高齢者・肝機能障害がある人は?
- アバレプトでやりがちなNG
- 薬局での服薬指導ポイント
- アバレプトを使う日のイメージ|1日4回をどう組む?
- 「白い目薬」だけど大丈夫?懸濁液の意味
- 振っても混ざりにくいときは?
- 点眼後に喉で薬の味がするのはなぜ?
- 冷感は「メントールが入っている」からではない
- 「冷たい」だけなら使い続けていい?
- アバレプトだけでドライアイは治る?
- よくある質問
- まとめ|アバレプトは「神経の過敏さ」にも着目した新しいドライアイ点眼薬
- 参考にした主な情報
アバレプト懸濁性点眼液0.3%とは?
アバレプト懸濁性点眼液0.3%は、千寿製薬が製造販売し、武田薬品工業が販売する医療用のドライアイ治療薬です。
2025年12月22日に承認され、2026年3月18日に薬価収載、2026年4月に販売開始となりました。
新薬のため、添付文書上は2027年3月末までは1回14日分までの投薬制限があります。
検索で多い「アバレプトの効果」は?
アバレプトで最も気になるのは「本当にドライアイに効くのか」という点だと思います。
アバレプトは、これまでのドライアイ治療薬とは異なる仕組みで自覚症状と他覚所見の両方へアプローチします。
TRPV1とは?
TRPV1は、痛みや熱、酸などの刺激を感じることに関係する受容体です。
モツギバトレプは、三叉神経節細胞、角膜上皮細胞、T細胞にあるTRPV1を阻害することで、ドライアイに伴う不快感や目の表面の障害を改善すると考えられています。
つまりアバレプトは、単純に「涙を足す」タイプの薬ではありません。
ポイント:アバレプトは、ドライアイの「乾燥」だけでなく、刺激や不快感に関わる経路へ作用する新しいタイプの治療薬です。
効果はいつから?何日で効く?
「何日で効く」と一律に言うことはできません。
国内第III相比較試験では、ドライアイ患者536例を対象に、アバレプトまたはプラセボを1日4回、8週間点眼しました。
主要評価項目は投与4週後のDEQS(ドライアイQOL質問票)で、アバレプト群はプラセボ群に対して統計学的な優越性が確認されています。
ただし、これは「4週間たたないと効かない」という意味ではありません。臨床試験で主要評価した時点が4週だったということです。
効果の感じ方には個人差があるため、自己判断で数日で中止せず、処方医の指示どおり継続してください。
どんなドライアイに使う薬?「痛い・しみる人専用」ではない
アバレプトは「目が痛い人だけに使う薬」と決められているわけではありません。
承認された効能・効果はシンプルに「ドライアイ」です。添付文書上、特定の症状やドライアイのタイプだけに限定する条件は付いていません。
ただし、アバレプトはTRPV1を介してドライアイに伴う自覚症状と他覚所見の両方を改善すると考えられているため、「検査上の所見だけでなく、乾燥感・異物感・痛み・不快感など自覚症状がつらい」という患者さんで治療選択肢になる可能性があります。
実際にアバレプトを選ぶかどうかは、涙液の状態、角結膜上皮障害、症状の強さ、既存治療への反応、コンタクトレンズ使用状況などを眼科医が総合的に判断します。


臨床試験ではどのくらい改善した?数字で見るアバレプト
国内第III相比較試験では、ドライアイ患者536例が参加し、アバレプト群とプラセボ群で比較されました。
投与4週後のDEQS合計スコアの変化量は、
DEQSは、目の症状や日常生活への影響を評価する15項目の質問票で、スコアが高いほどQOLへの影響が大きい指標です。
ここで注意したいのは、プラセボ群でもスコアが改善していることです。したがって、「アバレプトを使えば誰でも劇的に改善する」と読み替えるのは適切ではありません。
一方で、主要評価項目ではアバレプト群のプラセボ群に対する優越性が統計学的に確認されており、ドライアイの自覚症状に対する新しい治療選択肢として承認されています。
アバレプトの正しい使い方
アバレプトは懸濁性点眼液です。
薬の成分が液体の中に均一に溶けているタイプではないため、使用前の扱いが重要です。
1.キャップを閉じたまま、よく振る
添付文書では、使用時にキャップを閉じたままよく振ってからキャップを開けて点眼するよう記載されています。
「白い液だから異常」というわけではなく、振り混ぜると白色の懸濁性点眼剤になります。
2.1回1滴、1日4回
通常は1回1滴、1日4回です。
自己判断で回数を増やしたり、乾くたびに何度も追加したりしないようにしてください。
3.容器の先を目につけない
容器先端がまぶた・まつ毛・眼球に直接触れると、薬液が汚染される原因になります。
4.点眼後は1〜5分閉眼
添付文書では、点眼後に1〜5分間閉瞼し、涙嚢部を圧迫してから目を開けるよう案内されています。
目頭付近を軽く押さえることで、薬液が鼻や喉へ流れる量を減らすことができます。
点眼を忘れたらどうする?2回分まとめて使わない
PMDAの患者向医薬品ガイドには、使い忘れた場合の対応も明記されています。
- その日のうちに気づいた場合:気づいた時点で1回1滴を点眼
- ただし次の点眼時間が近い場合:忘れた分は飛ばして次の時間に1回1滴
- 翌日に気づいた場合:前日分は使わず、当日分を通常どおり点眼
1回に2滴使ったり、1日の指示回数を超えて帳尻合わせをしたりしないことが大切です。
「1滴で入った気がしない」ときは追加していい?
目に入ったか不安だからといって、毎回2滴・3滴と追加するのは避けます。
結膜嚢に保持できる液量には限りがあり、多く入れてもあふれてしまいます。
点眼後にあふれた液は清潔なティッシュなどで拭き取り、処方された回数・滴数を守りましょう。
他の目薬と一緒に使うときは何分あける?
アバレプトと他の点眼薬を併用する場合は、少なくとも5分以上間隔をあけます。
続けて点眼すると、先に入れた薬が後から入れた薬で流され、十分な効果が得られない可能性があります。
コンタクトレンズをしたまま点眼できる?
ここは検索されやすく、実際の服薬指導でも重要なポイントです。
千寿製薬の医療関係者向けFAQでは、ハード・ソフトを問わずコンタクトレンズを外してアバレプトを点眼し、5分以上あけてから再装用するよう案内されています。
コンタクトレンズ装着中での有効性・安全性が確認されていないためです。


アバレプトの主な副作用
国内第III相比較試験では、アバレプト群269例中15例、5.6%に副作用が認められました。
主な副作用は、
- 冷感:2.2%
- 眼部冷感:1.1%
- 霧視:1.1%
でした。
添付文書では、1〜5%未満の副作用として眼部冷感、霧視、冷感が記載されています。
「目が冷たい」「スースーする」のはなぜ?
アバレプトの特徴的な副作用が眼部冷感です。
TRPV1は熱や痛みの感覚にも関わる受容体なので、その働きを抑えることで、点眼後に目が冷たく感じたり、全身に冷感を感じたりすることがあります。
軽く一時的な場合もありますが、症状が強い、長く続く、普段と違う温度感覚の異常がある場合は医師・薬剤師へ相談してください。
目がかすむ・ぼやけることがある?
あります。
添付文書では霧視が副作用として記載され、点眼後に一時的に目がかすむことがあるため、機械操作や自動車運転に注意するよう記載されています。
点眼直後に視界がぼやけた場合は、視界が戻るまで運転しないようにしてください。
温度感覚の異常・体温上昇に注意
アバレプトの成分モツギバトレプはTRPV1拮抗薬です。
この系統の薬では、血中濃度に依存して体温上昇や熱痛知覚閾値の上昇などの温度覚異常を起こす可能性があります。
特に小児など低体重の患者では、血中濃度が上がる可能性があるため注意が必要です。
温度感覚が鈍くなると、熱いものに気づきにくくなり、低温熱傷を含むやけどにつながる可能性があります。
相談したい症状
- いつもより熱さを感じにくい
- 強い冷感や熱感が続く
- 体温が上がる
- 普段と違う温度感覚がある
こうした症状がある場合は、処方医や薬剤師へ相談してください。
アバレプトとヒアレイン・ジクアス・ムコスタの違い
患者さんから質問されやすいのが「既存のドライアイ点眼薬との違い」です。
同じドライアイ治療薬でも、作用する場所や目的が異なります。
アバレプト(モツギバトレプ)
特徴:TRPV1を阻害
考え方:ドライアイに伴う自覚症状と他覚所見の改善を狙う、新しい作用機序
ジクアス/ジクアスLX(ジクアホソル)
特徴:水分・ムチン分泌を促す
考え方:涙液層を安定させる方向からドライアイを改善
ムコスタ点眼液UD(レバミピド)
特徴:ムチン産生などを介して眼表面を改善
考え方:涙液・眼表面の環境改善を狙う
ヒアレイン(ヒアルロン酸)
特徴:保水性を利用して眼表面を保護
考え方:角結膜上皮障害や乾燥への保護・保水
どの薬が「一番強い」「一番良い」という単純な関係ではありません。
ドライアイのタイプ、症状、目の表面の状態、コンタクト使用、既存治療への反応などを見て医師が選択します。
関連記事:ヒアレインとジクアスの違い|薬剤師が使い分けを解説
アバレプトはジクアスと一緒に使える?
アバレプトの添付文書上、ジクアスなど他のドライアイ点眼薬との併用を一律に禁止する記載はありません。
複数の点眼薬を使用する場合は、少なくとも5分以上間隔をあけます。
どの薬を先に使うかは、処方内容や製剤特性によって医師・薬剤師が指示する場合があります。
自己判断で薬を追加・中止せず、処方どおり使用してください。
アバレプトは市販で買える?処方箋が必要?
アバレプトは処方箋医薬品です。
ドラッグストアやネット通販で自由に購入する市販の目薬ではありません。ドライアイの状態を眼科で診断し、医師の処方に基づいて使用します。
「今まで使っていた市販の人工涙液からアバレプトへ自分で切り替える」といった使い方はできません。
ジェネリックはある?
2026年9月時点で、アバレプトは発売されたばかりの新薬です。
同じ有効成分モツギバトレプのジェネリック医薬品はありません。
また、ヒアレインやジクアスなどは「ドライアイに使う薬」という点では同じでも、有効成分も作用機序も異なるため、アバレプトのジェネリックではありません。
アバレプトミニはある?
PMDAで承認されている販売名はアバレプト懸濁性点眼液0.3%で、包装は5mLのプラスチック点眼容器です。
2026年9月時点で、PMDA上に「アバレプトミニ」という使い切り製剤は確認できません。
保存方法|冷蔵庫に入れる?横向きでもいい?
アバレプトは上向き・室温保存です。
特に重要なのは「上向き」です。
添付文書では、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるため、開栓前までは上向きに保管するよう記載されています。
冷蔵保存が必須の薬ではありません。
保管温度は?冷蔵庫より室温でOK
PMDAの患者向医薬品ガイドでは、直射日光と湿気を避け、室温(1〜30℃)で上向きに保管するよう案内されています。
冷蔵庫に入れなければならない薬ではありません。
また、子どもの手の届かない場所に保管します。
開封後はいつまで使える?
添付文書には製品全体の有効期間として3年と記載されていますが、開封後の衛生管理は別問題です。
点眼薬は開封後に容器先端がまつ毛・目・手などへ触れると汚染リスクが高まります。
処方時に薬局や医師から指示された使用期間を守り、見た目の異常、汚れ、容器の破損などがあれば使用せず相談してください。
関連記事:目薬の開封後はいつまで使える?処方薬・市販薬の期限と保存方法
アバレプトの薬価はいくら?
2026年3月18日の薬価収載時、アバレプト懸濁性点眼液0.3%は5mL 1瓶577.50円です。
これは保険適用前の薬価で、実際の自己負担額は保険負担割合、処方日数、調剤料などによって変わります。
厚生労働省の薬価算定資料では、比較薬としてジクアスLX点眼液3%が用いられています。
妊娠中・授乳中でも使える?
妊娠中
妊婦または妊娠している可能性がある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。
授乳中
治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続または中止を検討します。
妊娠・授乳中は自己判断せず、必ず処方医へ伝えてください。
子どもにも使える?
小児を対象とした臨床試験は実施されていません。
さらに、低体重の患者では血漿中モツギバトレプ濃度が上昇する可能性があり、温度覚異常や体温上昇のリスクを考慮する必要があります。
小児に処方された場合は、保護者が体温や温度感覚の変化、熱源への接触などに注意するよう添付文書で求められています。
新薬の14日処方制限とは?何本まで処方できる?
アバレプトは新医薬品のため、添付文書では2027年3月末日までは投薬は1回14日分が限度とされています。
これは「薬が14日で劣化する」という意味ではありません。新医薬品に対する保険給付上の投薬期間制限です。
何本処方されるかは、両眼・片眼の使用状況、1日4回という用法、受診間隔などによって医師が判断します。「必ず○本」と一律には言えません。
高齢者・肝機能障害がある人は?
高齢者
添付文書では、高齢者について「一般に生理機能等が低下している」と注意喚起されています。
温度覚の異常、体温変化、点眼後のかすみなど普段と違う症状があれば相談してください。
肝機能障害がある人
肝機能障害がある患者へ投与した場合の薬物動態は検討されていません。
肝臓の病気で通院している場合は、眼科受診時にも必ず伝えてください。
アバレプトでやりがちなNG
NG1.振らずにそのまま点眼する
懸濁液なので、キャップを閉じたままよく振ってから使用します。
NG2.コンタクトをつけたまま自己判断で点眼する
メーカーFAQでは、ハード・ソフトとも外して点眼し、5分以上あけて再装用するよう案内されています。
NG3.他の目薬をすぐ続けてさす
少なくとも5分以上あけます。
NG4.かすんでいるのに運転する
霧視が出ることがあるため、視界が戻るまで運転を避けます。
NG5.横向きに適当に保管する
開栓前は上向きに保管します。
NG6.目が冷たいから勝手に中止する
眼部冷感は既知の副作用です。強い・長く続く場合は相談し、自己判断で中止する前に処方医・薬剤師へ確認してください。
薬局での服薬指導ポイント
薬剤師側では、アバレプトを初回交付するときに最低限、次を確認すると実用的です。
- 懸濁液なので使用前に振る
- 1回1滴、1日4回
- 他剤と5分以上あける
- コンタクトの扱い
- 点眼直後の霧視
- 眼部冷感・冷感
- 温度覚異常・体温上昇への注意
- 開栓前は上向き保存
「新薬です」だけで終わらず、患者さんが実際に困りやすい振る・コンタクト・かすみ・冷感・保管を具体的に伝えるのがポイントです。
アバレプトを使う日のイメージ|1日4回をどう組む?
アバレプトは通常1日4回です。
添付文書では「朝・昼・夕・寝る前」と具体的な時刻までは決められていません。実際の使用時刻は、処方医・薬剤師の指示に従って生活の中で続けやすいタイミングを決めます。
大切なのは、自己判断で「今日は乾くから6回」「忙しいから2回」と増減せず、指示された回数を継続することです。
複数の点眼薬がある場合
緑内障点眼薬、抗アレルギー点眼薬、別のドライアイ点眼薬などを併用している場合は、それぞれを少なくとも5分以上あけます。
点眼薬が3種類、4種類と多いと、朝の忙しい時間帯に全部使うのが難しくなることがあります。薬局では、具体的な生活時間を聞きながら順番と間隔を整理してもらうと続けやすくなります。
「白い目薬」だけど大丈夫?懸濁液の意味
アバレプトは振り混ぜると白色になる懸濁性点眼液です。
有効成分モツギバトレプは水にほとんど溶けない性質があり、細かい粒子として液体中に分散させた製剤になっています。
そのため、保管中に粒子が沈むことがあり、点眼前に振って均一にする必要があります。
この「振る」という操作を忘れると、毎回同じ濃度で点眼できない可能性があるため、アバレプトの服薬指導では特に重要なポイントです。
振っても混ざりにくいときは?
添付文書では、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるとされています。
そのため、開栓前までは上向きに保管することが重要です。
いつもと違って固まりが残る、振っても均一にならない、容器や薬液の状態がおかしいと感じた場合は、無理に使用せず処方元や薬局へ相談してください。
点眼後に喉で薬の味がするのはなぜ?
点眼薬は目の表面だけにとどまるわけではなく、涙の通り道を通って鼻や喉へ流れることがあります。
アバレプトに限らず、点眼後に「口の中で薬っぽい感じがする」と訴える人がいます。
アバレプトの患者向医薬品ガイドでは、点眼後に1〜5分目を閉じ、目頭付近を軽く押さえるよう案内されています。
この方法は、薬液が鼻や喉へ流れる量を減らす意味でも重要です。
冷感は「メントールが入っている」からではない
アバレプトを使って目が冷たく感じても、「クールタイプの市販目薬のようにメントールが入っている」とは限りません。
アバレプトの特徴的な冷感は、主にTRPV1という温度・刺激感覚に関わる受容体を阻害する作用との関連が考えられています。
そのため、患者さんへ説明するときは「清涼成分でスースーする目薬」と表現するより、薬の作用に伴って冷たく感じることがあると伝える方が適切です。
「冷たい」だけなら使い続けていい?
眼部冷感は臨床試験でも確認された副作用ですが、症状の程度には個人差があります。
一時的で軽い場合でも、気になるときは次回受診時や薬局で相談できます。
一方で、全身の温度感覚がおかしい、体温が高い、熱いものを熱いと感じにくいなどの変化がある場合は、単なる「点眼した瞬間の冷たさ」と区別して早めに相談してください。
アバレプトだけでドライアイは治る?
ドライアイは、涙液の不安定化、眼表面の障害、環境、瞬目の減少、コンタクトレンズ、長時間の画面作業など、さまざまな要因が関係します。
薬物治療は重要ですが、アバレプトだけですべてのドライアイが解決するとは限りません。
必要に応じて、室内の乾燥対策、画面作業時の休憩、コンタクト装用時間の見直しなども組み合わせます。
また、目の痛みや異物感が続く場合には、ドライアイ以外の眼疾患が隠れていないか眼科で確認することも大切です。
よくある質問
Q1.アバレプトは何の薬?
ドライアイの治療に使う処方薬です。有効成分モツギバトレプがTRPV1を阻害し、自覚症状と他覚所見の改善を目指します。
Q2.アバレプトは1日何回?
通常は1回1滴、1日4回です。
Q3.使う前に振る?
はい。キャップを閉じたままよく振ってからキャップを開けて点眼します。
Q4.コンタクトをしたまま使える?
メーカーFAQでは、ハード・ソフトとも外して点眼し、5分以上あけて再装用するよう案内されています。
Q5.他の目薬と何分あける?
少なくとも5分以上あけます。
Q6.目が冷たく感じるのは副作用?
はい。眼部冷感は添付文書に記載された副作用です。強い・長く続く場合は相談してください。
Q7.目がかすむことはある?
あります。霧視が副作用として報告されており、点眼後に一時的にかすむことがあるため運転などに注意します。
Q8.ヒアレインやジクアスより強い?
単純な強弱では比較できません。作用機序が異なるため、ドライアイのタイプや症状に応じて使い分けます。
Q9.薬価はいくら?
5mL 1瓶577.50円です。実際の自己負担額は保険負担割合や調剤料などで変わります。
Q10.いつから効果が出る?
「何日で効く」と一律には言えません。国内第III相比較試験では4週後のDEQSを主要評価項目として有効性が確認されています。

まとめ|アバレプトは「神経の過敏さ」にも着目した新しいドライアイ点眼薬
- 2026年4月発売のドライアイ治療薬
- 有効成分はモツギバトレプ
- TRPV1阻害という新しい作用機序
- 通常1回1滴、1日4回
- 使用前によく振る
- 他の目薬とは5分以上あける
- コンタクトは原則外して点眼
- 眼部冷感、霧視、冷感に注意
- 点眼後にかすむ場合は運転を避ける
- 開栓前は上向き・室温保存
ゆずまるのまとめ
アバレプトは「涙を足すだけ」の点眼薬ではなく、TRPV1という感覚・炎症に関わる経路へ作用する新しいドライアイ治療薬です。初回は「振る・5分あける・コンタクト・かすみ・冷感・上向き保存」をセットで覚えておくと使いやすいです。
参考にした主な情報
※この記事は2026年9月時点の添付文書・公的資料をもとに作成しています。処方薬の使用方法は、実際に処方した医師・薬剤師の指示を優先してください。


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