調剤報酬の薬剤料計算を完全解説!
調剤報酬の計算は、薬剤師にとって毎日の業務ですが、実は薬剤料の算定ルールはかなり奥深く、制度的にも細かい決まりがあります。
特に、単位薬剤料の計算順序や15円ルール、五捨五超入の丸め方を誤ると、薬価改定のたびに金額が変わってしまい、査定リスクも高まります。
本記事では、薬局薬剤師が押さえておくべき薬剤料の算定ルールを、公式ルールに基づいてわかりやすく解説します。
薬価改定時の注意点や、現場で混乱しやすい丸め処理の考え方も取り上げ、最後には症例別の計算例や小テストで理解を深められる構成にしました。
新人薬剤師はもちろん、ベテランでも「そうだったのか!」となるようなポイントを盛り込みましたので、ぜひ最後まで読んでください。



薬剤料の基本ルール(公式15円ルール)
薬剤料は、薬価基準で決められた以下の方法で計算します。
1日薬価 | 薬剤料(単位薬剤料) |
---|---|
15円以下 | 1点 |
15円超 | 10円またはその端数を増すごとに1点 |
計算手順:
- 薬価(円/単位) × 1日使用量 = 1日薬価(円)
- 1日薬価が15円以下 → 1点固定
- 1日薬価が15円を超える → 10円ごとに1点(端数は+1点)
- 薬剤料 = 単位薬剤料(点) × 投与日数

丸めのルール(五捨五超入)
単位薬剤料の端数処理は五捨五超入です。つまり、小数点以下第1位が5円未満なら切捨て、5円以上なら切上げます。
患者自己負担額の端数処理も原則10円単位の五捨五超入ですが、別ルールとして扱います。
薬価改定の影響
薬価改定(4月、臨時で10月)で1円単位の薬価が変わると、単位薬剤料の丸め結果が変わることがあります。
そのため、必ず1日薬価→単位薬剤料→日数の順で計算します。
計算例(薬価改定時の誤差)
薬価:24.6円/日、投与日数30日
- 正しい方法:24.6円→10円ごとに1点、残り4.6円は切捨て → 2点×30日=60点
- 誤った方法:総額738円→73.8点→切上げ→74点
→ 同じ処方でも14点(140円)差が生じます。
症例で学ぶ:公式ルールでブレない薬剤料計算
以下の症例はすべて、次の順で計算しています。
①1日薬価 → ②単位薬剤料(15円ルール/10円ごと1点、端数は+1点)→ ③日数乗算 → ④他点数を合算 → ⑤金額化 → ⑥患者負担 → ⑦五捨五超入で端数処理。
※点数・薬価は例示。実務では最新薬価・自局届出・保険者ルールで置換してください。
症例1:外来・再来、残薬なし(用法統一・28日)
処方:アムロジピンOD錠5mg 1錠 1×朝 28日分(薬価例:42円/錠)
- 1日薬価:42円
- 単位薬剤料:15円超 → 10円につき1点 → 42円=4点(端数2円は+1点対象外)
- 薬剤料:4点 × 28日 = 112点
- その他:調剤基本料1 45点、薬剤調製料(内服1剤)24点、服薬管理指導料(再来)45点
- 合計点:45 + 24 + 45 + 112 = 226点 → 2,260円
- 患者3割:2,260×0.3=678円 → 五捨五超入=680円
ポイント:用法・日数が同じなら1剤。ODと普通錠は同剤形扱い。
症例2:外来・残薬あり→処方変更(同用法2剤、日数差あり)
処方:メトホルミン500mg 1錠 2×朝夕 30日分(残薬10日分あり→20日分に変更)、シタグリプチン50mg 1錠 1×朝 30日分
(薬価例:メトホルミン12円/錠、シタグリプチン233円/錠)
- 1剤判断:定期薬。同用法でも日数違いの成分同士は「長い日数に吸収」して1剤カウントを判断。ただし本ケースは成分が別なので内服2剤。
- 単位薬剤料:
・メトホルミン:12円×2錠=24円/日 → 15円超 ⇒ 10円=1点、残り4円は+1点対象外 → 2点/日 → 2×20日=40点
・シタグリプチン:233円/日 → 10円ごとに23点、端数3円は+1点対象外 → 23点/日 → 23×30日=690点 - 薬剤料合計:730点
- その他:調剤基本料1 45点、薬剤調製料(内服2剤)48点、調剤管理料(残薬調整+処方変更)40点、服薬管理指導料(再来)45点
- 合計点:45+48+40+45+730=908点 → 9,080円
- 患者3割:9,080×0.3=2,724円 → 五捨五超入=2,720円
注意:残薬聴取→疑義照会→医師同意→処方変更の記録(残量根拠・同意・変更指示)を薬歴・レセ電に残す。
症例3:在宅(居宅)訪問・14日(2×/日)、1割負担
処方:フェニトイン100mg 1C 2×朝夕 14日分(薬価例:15円/カプセル)
- 1日薬価:15円×2=30円 → 15円超 ⇒ 10円=1点×3=3点/日 → 3×14日=42点
- その他:在宅患者訪問薬剤管理指導料(居宅)650点、調剤基本料(在宅届出)45点、薬剤調製料(内服1剤)24点
- 合計点:650+45+24+42=761点 → 7,610円
- 患者1割:7,610×0.1=761円 → 五捨五超入=760円
注意:訪問計画・訪問記録・服薬評価の3点セット必須。
症例4:1日薬価が15円以下の超低薬価(30日、15円ルール適用)
処方:ビタミン剤A 1錠 1×朝 30日分(薬価例:14円/錠)
- 1日薬価:14円(≤15円) ⇒ 単位薬剤料=1点/日
- 薬剤料:1点×30日=30点
- その他:調剤基本料1 45点、薬剤調製料(内服1剤)24点、服薬管理指導料(再来)45点
- 合計点:45+24+45+30=144点 → 1,440円
- 患者3割:1,440×0.3=432円 → 五捨五超入=430円
ポイント:15円以下は迷わず1点/日。小数処理は不要。
症例5:長期処方90日・一包化あり(ロサルタン)
処方:ロサルタン50mg 1錠 1×朝 90日分(薬価例:15円/錠)
- 1日薬価:15円(≤15円) ⇒ 単位薬剤料=1点/日 → 薬剤料=1×90=90点
- その他:調剤基本料1 45点、薬剤調製料(内服1剤)24点、一包化加算 42点(処方1回単位)、服薬管理指導料(再来)45点
- 合計点:45+24+42+45+90=246点 → 2,460円
- 患者3割:2,460×0.3=738円 → 五捨五超入=740円
注意:一包化は所定点(処方1回)。長期でも回数加算ではない点に留意。
小テスト(1問1答)
問題1:薬剤料の算定で正しいのはどれ?
- A. 錠数×薬価の総額を10で割る
- B. 1日薬価→単位薬剤料(15円ルール/10円ごと1点、端数は+1点)→ 日数
解答:B
解説:診療報酬は1日単位で点数化。総額から点数換算は誤差の元。
問題2:1日薬価が14.9円の内服薬(30日分)の単位薬剤料は?
A. 1点/日 B. 2点/日
解答:A
解説:15円以下は固定で1点/日。四捨五入等は不要。
問題3:1日薬価が24.6円の単位薬剤料は?
A. 2点/日 B. 3点/日
解答:A
解説:15円超えは10円=1点、端数は+1点判断。24.6円は2点/日(20円で2点、残4.6円は+1点対象外)。
問題4:同一用法・同一剤形で日数14日と7日の2成分は?
A. 別剤 B. 14日に吸収して1剤
解答:B
解説:同一用法・同一剤形・同一投与経路では日数差は長い方に吸収。
問題5:患者自己負担額の端数処理(医療保険の原則)は?
A. 1円単位四捨五入 B. 10円単位の五捨五超入
解答:B
解説:自己負担額は基本10円単位の五捨五超入(公費等の例外あり)。
まとめ
- 薬剤料の鉄則:1日薬価→単位薬剤料(15円≤1点、15円超は10円ごと1点・端数は+1点)→ 日数。
- 丸め:患者自己負担額は基本五捨五超入(10円単位)。
- ブレない運用:症例も全て同じルールで統一。疑義照会・記録・届出・掲示をセットで。
よくある質問
1日薬価が15円ちょうどの場合はどう扱う?
「15円以下」に該当するため、単位薬剤料は1点/日です。
1日薬価が25円の場合の単位薬剤料は?
10円で1点×2点+残り5円は+1点扱い → 3点/日です。
同一用法・同一剤形で日数が異なる2成分は?
長い日数に短い日数が吸収され、1剤扱いが原則です(頓用・抗菌薬などの例外は要確認)。
自己負担の丸めはいつ適用する?
合計点を金額化し負担割合を掛けた最後に、10円単位の五捨五超入で処理します。
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