エアコン嫌いの高齢者にどう伝える?薬剤師目線で解説
「暑いのにエアコンをつけてくれない」
「何度言っても『大丈夫』と言われる」
「熱中症が心配なのに、親が聞いてくれない」
夏になると、薬局の服薬指導でもこの相談は本当に多くなります。
特に高齢の方は、暑さを感じにくかったり、のどの渇きに気づきにくかったりすることがあります。
そのうえ、利尿薬や糖尿病薬など、脱水に注意が必要なお薬を使っている方も少なくありません。
この記事では、「エアコンをつけて!」と強く言うだけでは伝わらない理由と、
薬剤師目線でできるやさしい声かけ、具体例、実践方法を超初心者向けに解説します。
- ① ゆずまるとなぎさの掛け合い
- ② 前書き:エアコン嫌いは「説得」より「安心づくり」が大切
- ③ 本文:まず知ってほしい熱中症の基本
- エアコン嫌いの高齢者は、なぜエアコンを嫌がるのか?
- 薬剤師目線で見る「エアコンを使ってほしい人」
- 「エアコンつけて!」が逆効果になる理由
- 薬剤師がすすめる伝え方の基本ステップ
- ④ 症例・具体例・実践例
- 薬剤師が家族に伝えたい「声かけテンプレート」
- エアコンを使いやすくする環境づくり
- 熱中症警戒アラートが出た日はどうする?
- 薬局でできる実践例
- 受診や救急相談を考えたい危険サイン
- ⑤ まとめ:エアコンは「命を守るやさしい道具」
- ⑥ よくある質問
- ⑦ 参考文献
- 薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ
① ゆずまるとなぎさの掛け合い

ゆずまる先輩……。患者さんのご家族から「父がエアコンを絶対につけてくれないんです」って相談されました。
「熱中症になりますよ」って言っても、「昔はエアコンなんてなかった」って返されるみたいで……。

その相談、薬局でもすごく多いよね。
でもね、ここで大事なのは「正しいことを言う」だけじゃないの。
相手の人生を否定しない伝え方が必要なんだよ。

人生を否定しない……ですか?

うん。高齢の方にとって「エアコンをつけない」は、単なるワガママじゃないことが多いの。
「電気代がもったいない」「冷えると体が痛い」「自分はまだ大丈夫」「昔から我慢してきた」……。
そこには、その人なりの生活の歴史があるんだ。
② 前書き:エアコン嫌いは「説得」より「安心づくり」が大切
高齢者にエアコンを使ってもらうとき、家族や医療者はつい焦ってしまいます。
「危ないからつけて!」
「何回言えば分かるの!」
「倒れたらどうするの!」
もちろん、心配だからこその言葉です。
でも、言われた側はこう感じてしまうことがあります。
「また怒られた」
「自分の生活に口を出された」
「年寄り扱いされた」
「自分の判断を否定された」
その結果、ますます意地になってしまうこともあります。
だから最初に覚えておきたいポイントは、これです。
エアコンを使ってもらう目的は、相手を言い負かすことではありません。大切な人に、明日も元気でいてもらうことです。
厚生労働省の高齢者向け熱中症対策では、熱中症予防には「水分補給」と「暑さを避けること」が大切であり、室内や夜間でも熱中症が起こるため、エアコンを上手に使うことが示されています
【1】。
つまり、エアコンは「ぜいたく品」ではなく、夏の命を守る道具です。
ただし、伝え方を間違えると、正しい情報でも届きません。

正論をぶつけるだけだと、心のシャッターが閉まっちゃうんですね……。

そう。だから薬剤師としては、「なぜ嫌なのか」を聞いて、体調・薬・生活背景をつなげて説明するのが大事だよ。

③ 本文:まず知ってほしい熱中症の基本
熱中症は「暑い場所で倒れる病気」だけではない
熱中症というと、炎天下のグラウンドや屋外作業をイメージしやすいかもしれません。
しかし実際には、家の中でも、夜でも、熱中症は起こります。
消防庁の令和7年5月〜9月の熱中症による救急搬送状況では、全国の搬送人員は100,510人で、年齢区分では高齢者が最も多く約57%、発生場所では住居が約38%と報告されています
【5】。
これはとても大切な数字です。
熱中症は「外に出る人だけの問題」ではありません。
むしろ、家の中でじっと過ごしている方でも、室温や湿度が高い状態が続けば、体に熱がこもります。
本人が「暑くない」と言っていても、体は静かにダメージを受けていることがあります。
熱中症を超初心者向けに一言でいうと?
熱中症をとても簡単に言うと、
体の中に熱がたまり、水分や塩分のバランスが崩れて、体がうまく働けなくなる状態
です。
人の体は、汗をかいたり、皮膚から熱を逃がしたりして体温を調整しています。
ところが、暑さや湿気が強いと、汗をかいても体が冷えにくくなります。
さらに水分が足りなくなると、汗も出にくくなり、体温調整が難しくなります。
その結果、次のような症状が出ることがあります。
| 段階 | よくある症状 | 家族が気づきたいサイン |
|---|---|---|
| 初期 | めまい、立ちくらみ、こむら返り、だるさ | 「なんとなく元気がない」「動きが遅い」 |
| 進行 | 頭痛、吐き気、強い倦怠感、食欲低下 | 「ごはんを残す」「横になってばかり」 |
| 危険 | 意識がぼんやりする、会話がおかしい、けいれん、高体温 | 迷わず救急要請を考える |
日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024でも、熱中症の診療では重症度の判断や早期対応が重要とされています
【6】。
高齢者が熱中症になりやすい理由
高齢者が熱中症になりやすいのは、気合いが足りないからでも、注意不足だからでもありません。
体の仕組みとして、若い頃とは違ってくるからです。
| 理由 | 何が起こる? | 家族の理解ポイント |
|---|---|---|
| 暑さを感じにくい | 室温が高くても「暑い」と感じにくい | 本人の感覚だけに頼らず温湿度計を見る |
| のどの渇きに気づきにくい | 水分不足でも飲む量が少なくなる | 時間を決めて飲む仕組みが大切 |
| 体温調整が苦手になる | 熱を外へ逃がしにくい | エアコンで環境を整える必要がある |
| 持病や薬の影響 | 脱水、ふらつき、腎機能低下に注意が必要 | 薬剤師・医師と連携する |
厚生労働省の資料では、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分を補給すること、1日あたり1.2Lを目安にすること、ただし水分や塩分の摂取量はかかりつけ医の指示に従うことが示されています
【1】。
ここで大切なのは、「水をたくさん飲めば安心」ではないということです。
心不全、腎臓病、肝臓病などで水分制限がある方は、自己判断で水分量を増やすと体調を崩すことがあります。
そのため、持病がある方は、医師や薬剤師に「夏の水分量はどのくらいがよいか」を確認しておくと安心です。

「水を飲んでください」だけでも、患者さんによっては注意が必要なんですね。

そうだよ。だから薬剤師は「水分」「塩分」「薬」「病気」をセットで見る必要があるんだ。
エアコン嫌いの高齢者は、なぜエアコンを嫌がるのか?
エアコンを嫌がる理由は、人によって違います。
まずは「なぜ嫌なのか」を決めつけずに聞くことが大切です。
理由1:電気代がもったいない
高齢の方の中には、長年「節約」を大切にして生活してきた方がたくさんいます。
戦後の物が少ない時代を経験していたり、家族のために我慢することが当たり前だったりする方もいます。
その方に対して、
「命の方が大事でしょ!」
「電気代くらい払えばいいでしょ!」
と言ってしまうと、相手の価値観を否定されたように感じるかもしれません。
伝えるなら、こうです。
| 避けたい言い方 | 伝わりやすい言い方 |
|---|---|
| 電気代なんて気にしないで | 節約してきたのは本当にすごいよ。だからこそ、倒れて病院に行く方がつらいから、暑い時間だけ一緒に使おう |
| ケチらないで | 一日中じゃなくていいから、まずは昼の2時間だけ試してみよう |
| つけないと危ないよ | 体を守るための保険みたいに、暑い時間だけ使おう |
ポイントは、相手の節約意識を否定しないことです。
「もったいない」を責めず、「大切にしてきた価値観」として受け止めると、会話が進みやすくなります。
理由2:冷えると体がつらい
「エアコンをつけると体が冷える」
「関節が痛くなる」
「風が当たるのが嫌」
「お腹が冷える」
こうした訴えは、単なる思い込みではありません。
冷風が直接当たると不快感が出たり、体が冷えすぎてつらく感じたりする方はいます。
この場合は、エアコンを「強く冷やす道具」として使うのではなく、室温と湿度を整える道具として提案します。
| 困りごと | 工夫 | 声かけ例 |
|---|---|---|
| 風が直接当たる | 風向きを上向きにする、風よけを使う | 風が当たらないようにして、部屋だけ涼しくしよう |
| 寒い | 設定温度を高めにする、除湿を試す | 冷やすんじゃなくて、蒸し暑さを取るだけにしよう |
| 足元が冷える | 薄手の靴下、ひざ掛けを使う | 足は守りながら、頭と体に熱がこもらないようにしよう |
| 音が気になる | 就寝前に部屋を冷やす、静音モードを使う | 寝る前だけ少し整えておこう |
理由3:「自分は大丈夫」と思っている
一番難しいのが、このタイプです。
「昔はエアコンなんてなかった」
「汗をかけば大丈夫」
「私は暑さに強い」
「今まで倒れたことがない」
こう言われると、家族は不安になります。
でも、ここで「それは間違い」と否定すると、相手は身構えてしまいます。
おすすめは、本人の強さを認めたうえで、今の環境の変化を伝えることです。
例:
「お父さんが昔から体が強いのは分かってるよ。だから今まで元気に過ごしてこられたんだと思う。
でも、最近の暑さは昔と違って、家の中でも熱がこもることがあるみたい。
お父さんの体が弱いって話じゃなくて、暑さの方が強くなってるから、道具を使って守ろう。」
この言い方なら、相手の自尊心を傷つけにくくなります。
「あなたが弱いからエアコンを使う」のではなく、「今の暑さが危険だから道具で守る」と伝えるのがコツです。

「お父さんが弱いんじゃない、暑さが強くなっている」って言い方、すごく優しいですね……。

そう。人は「守られている」と感じると受け入れやすいけど、「責められている」と感じると反発しやすいんだよ。
薬剤師目線で見る「エアコンを使ってほしい人」
薬剤師として特に注意したいのは、薬や病気の影響で脱水や熱中症リスクが高くなる可能性がある方です。
ここでは、家族にも分かるように、難しい言葉をなるべく使わずに整理します。
ただし、最初に大事な注意点です。
暑いからといって、自己判断で薬を中止してはいけません。
薬を止めることで、血圧・血糖・心不全・腎機能などが悪化することがあります。
気になる症状がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
注意したい薬1:利尿薬
利尿薬は、体の余分な水分や塩分を尿として出しやすくする薬です。
心不全、高血圧、むくみなどで使われることがあります。
利尿薬を飲んでいる方は、暑い時期に汗をかいたり、水分摂取が少なかったりすると、脱水や電解質異常に注意が必要です。
家族が確認したいポイントは以下です。
- 尿の回数や量がいつもより極端に少なくないか
- 立ち上がったときにふらつかないか
- 食欲が落ちていないか
- 体重が急に減っていないか
- ぼーっとしていないか
このような変化があるときは、早めに相談が必要です。
注意したい薬2:SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬は、糖尿病などで使われる薬の一つです。
尿に糖を出すことで血糖を下げる働きがあります。
薬の性質上、尿量が増えることがあり、脱水に注意が必要です。
PMDAはSGLT2阻害剤について、高齢者や利尿剤併用患者など脱水を起こしやすい患者への注意、重大な副作用として脱水を追記する使用上の注意改訂を示しています
【7】。
特に、暑い時期に以下がある場合は注意します。
- 口が渇く
- 尿が多い
- ふらつく
- 食事が取れない
- 発熱、下痢、嘔吐がある
「糖尿病の薬を飲んでいるから水分は関係ない」ではなく、糖尿病薬の種類によっては脱水の観察が大切です。
注意したい薬3:メトホルミン
メトホルミンは糖尿病治療でよく使われる薬です。
安全に使われている方も多い一方で、脱水、腎機能低下、感染症、食事摂取不良などが重なると注意が必要です。
PMDAのメトホルミンに関する使用上の注意改訂では、脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがあること、脱水症状があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと、利尿作用を有する薬剤との併用時には特に脱水に注意することなどが示されています
【8】。
ここでも大事なのは、自己判断で止めることではありません。
発熱、下痢、嘔吐、食事が取れない、尿が少ないなどがある場合に、医療者へ相談することが重要です。
注意したい薬4:眠気・ふらつきが出やすい薬
睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、一部の抗ヒスタミン薬などは、眠気やふらつきに関係することがあります。
暑さで体力が落ちているとき、脱水があるとき、食事が取れていないときは、転倒や意識のぼんやりに注意します。
高齢者では、複数の薬を飲んでいることも多く、体調変化が「暑さのせい」なのか「薬の影響」なのか「病気の悪化」なのか分かりにくいことがあります。
だからこそ、薬局では次のように聞くことが大切です。
- 最近、食欲は落ちていませんか?
- 水分はどのくらい取れていますか?
- 夜、エアコンは使えていますか?
- ふらつきや転倒はありませんか?
- 尿の回数や色はいつもと違いませんか?
薬剤師の声かけは、単なる服薬確認ではなく、熱中症を防ぐ見守りにもなります。

薬局で「エアコン使ってますか?」って聞くの、生活に踏み込みすぎかなと思ってました……。

聞き方が大切だね。
「ちゃんと使ってますか?」だと責められている感じになるけど、
「暑い日が続きますが、夜は眠れていますか?エアコンの風が苦手な方も多いですよね」
なら、相談しやすくなるよ。
「エアコンつけて!」が逆効果になる理由
家族が心配しているのに、本人が聞いてくれない。
これは本当に苦しいことです。
でも、伝え方によっては、相手の心が閉じてしまうことがあります。
| 家族の言葉 | 本人の受け取り方 | 起こりやすい反応 |
|---|---|---|
| なんでつけないの? | 責められている | 言い返す、黙る |
| 倒れたら迷惑だよ | 邪魔者扱いされた | 悲しくなる、反発する |
| 年なんだから無理しないで | 年寄り扱いされた | 意地を張る |
| 言うこと聞いて | 支配されている | 自分で決めたい気持ちが強くなる |
特に高齢者にとって、「自分で決める力」はとても大切です。
年齢を重ねると、運転をやめる、仕事をやめる、体力が落ちる、人に頼る場面が増えるなど、少しずつ自分の自由が減っていく感覚を持つ方もいます。
そんな中で、家の中のエアコンまで「つけなさい」と命令されると、たとえ家族の愛情からの言葉でも、本人にはつらく響くことがあります。
人は、命令されるより、自分で選べたときに動きやすくなります。
そのため、声かけは「命令」ではなく「選択肢」に変えます。
| 命令の言い方 | 選択肢の言い方 |
|---|---|
| エアコンつけて! | 冷房と除湿、どっちが楽そう? |
| 暑いんだから我慢しないで! | 昼の2時間だけ試すのと、寝る前だけつけるの、どっちがよさそう? |
| 水を飲んで! | お茶と水、どっちなら飲みやすい? |
| 温度計を見て! | この数字が上がったら一緒にエアコンを考えるルールにしない? |
薬剤師がすすめる伝え方の基本ステップ
ここからは、実際に高齢者へエアコンをすすめるときの流れを紹介します。
家族でも、薬剤師でも、介護職でも使いやすい方法です。
ステップ1:まず否定せずに理由を聞く
最初の一言は、説得ではなく質問です。
例:
- 「エアコン、苦手なところありますか?」
- 「冷える感じが嫌ですか?」
- 「電気代が気になりますか?」
- 「風が当たるのがつらいですか?」
このとき、相手の答えにすぐ反論しないことが大切です。
「でも危ないですよ」ではなく、
「そうなんですね。冷えるのが嫌なんですね」
「電気代、気になりますよね」
「昔から我慢してこられたんですね」
と一度受け止めます。
受け止めることは、同意することではありません。相手が話せる空気を作ることです。
ステップ2:体感ではなく数字を見る
高齢者は、暑さを感じにくいことがあります。
そのため、「暑いでしょ?」と聞いても「暑くない」と返ってくることがあります。
この場合、体感ではなく温湿度計を使います。
伝え方の例:
「お母さんが暑くないと感じているのは分かったよ。
でも体の中に熱がこもることがあるから、これからは“感覚”じゃなくて“数字”で一緒に見よう。」
環境省は、暑さ指数WBGTについて、気温だけでなく湿度、日射・輻射なども取り入れた熱中症予防のための指標として説明しています
【2】。
室内では、まず温湿度計を見える場所に置くことがおすすめです。
- リビングの見える場所
- 寝室の枕元
- 台所
- トイレ近く
特に寝室は大切です。
夜間は寝ている間に水分を失いやすく、暑さに気づきにくいことがあります。
ステップ3:「全部変える」ではなく「少し試す」
いきなり「今日から毎日エアコンを使って」と言うと、抵抗感が大きくなります。
最初は小さく始めます。
- 昼の一番暑い時間だけ使う
- 寝る30分前だけ部屋を冷やす
- 除湿から試す
- 風向きを上にして使う
- 隣の部屋のエアコンをつけて、ゆるく冷気を入れる
人は、一度「これなら大丈夫」と感じると、次から受け入れやすくなります。
最初の目標は完璧な熱中症対策ではなく、「エアコンを使っても嫌なことが起きなかった」という成功体験を作ることです。
ステップ4:本人の役割を残す
高齢者にとって、自分で決めることは尊厳につながります。
だから、家族が全部決めるのではなく、本人に役割を残します。
例:
- 温度計を見る係になってもらう
- 何時からつけるか本人に決めてもらう
- 冷房か除湿か選んでもらう
- 風向きや服装を一緒に調整してもらう
- 水分を飲んだらカレンダーに印をつけてもらう
伝え方の例:
「お父さんにお願いがあるんだけど、この温度計を見て、30度を超えたら教えてくれない?
お父さんが気づいてくれると、みんな安心できるんだ。」
この言い方は、「管理される側」ではなく「家族を守る側」として関わってもらえます。
ステップ5:第三者の言葉を使う
家族の言葉は、近すぎるからこそ届きにくいことがあります。
親子だと、どうしても感情がぶつかりやすくなります。
そんなときは、薬剤師、医師、看護師、ケアマネジャーなど第三者の言葉を使うとよいです。
例:
「薬剤師さんが、今のお薬だと夏は脱水に気をつけた方がいいって言ってたよ」
「先生が、夜も室温に注意してねって言ってたよ」
「ケアマネさんが、寝室に温度計を置くと安心って教えてくれたよ」
ポイントは、脅すために使わないことです。
「先生に怒られるよ」ではなく、
「先生も心配していたよ」
「薬剤師さんが、お父さんに元気でいてほしいって言ってたよ」
という形にします。
第三者の言葉は、家族の愛情を“押しつけ”ではなく“根拠ある心配”に変えてくれます。
④ 症例・具体例・実践例

ここからは、実際にどんな声かけをすればいいのか知りたいです。
家族の方って、本当に困って薬局に相談されますよね……。

うん。じゃあ、よくある場面ごとに見ていこう。
言葉を少し変えるだけで、相手の反応が変わることがあるよ。
具体例1:「昔はエアコンなんてなかった」と言う父
状況:
80代男性。高血圧と心不全で通院中。利尿薬を服用。日中もエアコンを使わず、扇風機だけで過ごしている。
家族が「エアコンをつけて」と言うと、「昔はそんなものなかった」「汗をかけばいい」と言う。
避けたい声かけ:
「昔と今は違うんだから、いい加減にして!」
「倒れたらこっちが困るんだよ!」
「年なんだから無理しないで!」
この言い方は、家族の不安から出ているものです。
でも本人には、責められたように聞こえることがあります。
おすすめの声かけ:
「お父さんが昔から暑さに強いのは分かってるよ。ずっと働いて、家族を守ってきたもんね。
でも今飲んでいる薬は、体の水分のバランスに関係する薬だから、夏だけは少し用心したいんだ。
お父さんが弱いってことじゃなくて、薬と暑さの組み合わせに気をつけたいの。
まずは昼の一番暑い時間だけ、風が当たらないようにして使ってみない?」
薬剤師からの補足:
利尿薬を服用している方では、脱水や電解質バランスの乱れに注意します。
「エアコンを使いましょう」だけでなく、「今のお薬と夏の暑さの組み合わせが心配です」と説明すると、薬剤師の専門性が伝わりやすくなります。
本人の過去の頑張りを認めてから、今の体と薬に合わせた対策を提案するのがポイントです。
具体例2:「冷房は体に悪い」と言う母
状況:
78歳女性。糖尿病で内服治療中。エアコンをつけると「冷える」「足が痛くなる」と言って消してしまう。
寝室は夜も蒸し暑い。
避けたい声かけ:
「冷房が体に悪いなんて思い込みだよ」
「暑い方がもっと悪いよ」
「わがまま言わないで」
これでは、「自分のつらさを分かってもらえない」と感じてしまいます。
おすすめの声かけ:
「冷えるのがつらいんだね。足が痛くなるのは嫌だよね。
じゃあ、冷たい風が体に当たらないように、風向きを上にして、温度も下げすぎないようにしよう。
冷やすためじゃなくて、部屋に熱がこもらないようにするだけ。
足元は靴下とひざ掛けで守ろう。」
薬剤師からの補足:
糖尿病の方では、脱水や食欲低下、感染症などが重なると体調が崩れやすくなることがあります。
SGLT2阻害薬やメトホルミンなどを服用している場合は、脱水症状、発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良があるときに早めの相談が重要です
【7】
【8】。
「エアコン=冷やす」ではなく、「エアコン=体に熱をためない」と言い換えると受け入れやすくなります。
具体例3:「電気代が心配」と言う一人暮らしの高齢者
状況:
一人暮らしの82歳女性。年金生活で、電気代をとても気にしている。
薬局で「暑い日はエアコンを使っていますか?」と聞くと、「もったいないから我慢している」と話す。
避けたい声かけ:
「電気代より命が大事ですよ」
「我慢しないでください」
「つけないと危ないですよ」
正しい内容でも、本人には「節約を否定された」と感じられることがあります。
おすすめの声かけ:
「ずっと節約を大切にされてきたんですね。
ただ、熱中症で病院に行くことになると、体もしんどいですし、生活も大きく崩れてしまいます。
一日中つけるのではなくて、まずは午後の暑い時間だけ、体を守るために使う方法もあります。
温度計を見て、決めた数字を超えたら使う、というルールにしてみませんか?」
薬剤師からの補足:
このケースでは、経済的不安を否定しないことが重要です。
また、地域によっては高齢者向けの暑さ対策、見守り、福祉制度、避暑スペースなどが利用できる場合があります。
自治体、地域包括支援センター、ケアマネジャーと連携できると安心です。
「全部つけましょう」ではなく、「必要な時間だけ使う」という落としどころを一緒に探すことが大切です。
薬剤師が家族に伝えたい「声かけテンプレート」
ここでは、そのまま使いやすい言葉をまとめます。
ご家族向けの説明や、薬局での指導に活用できます。
| 場面 | 声かけ例 |
|---|---|
| エアコンを拒否する | 「無理につけろって言いたいんじゃなくて、体に熱がこもらないように一緒に方法を考えたいんだ」 |
| 暑くないと言う | 「暑く感じていなくても、体の中に熱がたまることがあるから、温度計の数字で一緒に見よう」 |
| 冷えるのが嫌 | 「冷やしすぎないように、風向きと温度を調整しよう。足元は守りながら使おう」 |
| 電気代が心配 | 「一日中じゃなくていいから、午後の暑い時間だけ体を守るために使おう」 |
| 昔は平気だったと言う | 「昔から強いのは分かってるよ。今は暑さが厳しいから、道具を使って守ろう」 |
| 夜につけない | 「寝ている間は暑さに気づきにくいから、寝る前だけ部屋を整えておこう」 |
エアコンを使いやすくする環境づくり
言葉だけでなく、環境を整えることも大切です。
本人が「これなら大丈夫」と感じられるように、生活に合わせて調整しましょう。
1. 温湿度計を置く
感覚ではなく数字で判断できるようにします。
文字が大きく、見やすいものがおすすめです。
置く場所は、本人がよく過ごす場所にします。
エアコンの真下や直射日光が当たる場所は避け、生活空間に近い場所に置きます。
2. 風が直接当たらないようにする
エアコン嫌いの方は、冷風が直接当たることを嫌がることが多いです。
風向きを上にする、風量を弱くする、サーキュレーターや扇風機で空気をやわらかく動かすなどの工夫をします。
ただし、扇風機だけで十分とは限りません。
室温や湿度が高い環境では、熱い空気を回すだけになってしまうことがあります。
3. カーテンやすだれで日差しを遮る
厚生労働省の高齢者向け熱中症対策でも、すだれやカーテンを活用して直射日光を遮ること、換気をして涼しい空気を入れること、エアコンのフィルターをこまめに手入れすることなどが紹介されています
【1】。
部屋に入る熱を減らすと、エアコンの効きも良くなり、冷やしすぎを防ぎやすくなります。
4. 寝る前に部屋を整える
夜間の熱中症対策も重要です。
寝る前に寝室の温度を確認し、必要に応じてエアコンや除湿を使います。
「夜中ずっとつけるのが嫌」という方には、まず寝る前だけ部屋を整える方法を提案します。
タイマーを使う場合も、夜間や明け方に室温が上がりすぎないか注意します。
5. 家族の見守りルールを作る
一人暮らしや日中ひとりになる方は、見守りの仕組みを作ると安心です。
- 朝と夕方に電話する
- 温度計の数字を聞く
- 水分を取ったか確認する
- 食事が取れているか聞く
- 返事がいつもと違うときは早めに訪問する
会話例:
「今日の体調どう?」だけだと、「大丈夫」で終わることがあります。
そこで、
- 「朝ごはんは食べられた?」
- 「尿はいつも通り出ている?」
- 「温度計は何度?」
- 「夜は眠れた?」
のように具体的に聞くと、体調変化に気づきやすくなります。
熱中症警戒アラートが出た日はどうする?
環境省や気象庁は、熱中症の危険性が高いと予測される日に熱中症警戒アラートを発表します。
気象庁は、アラートが発表されている日は、室内等のエアコン等により涼しい環境で過ごし、こまめな休憩や水分補給・塩分補給を行うこと、高齢者などは特に注意し周囲も声がけすることを示しています
【4】。
環境省の熱中症警戒情報でも、屋内ではエアコン等を適切に使用し、涼しい環境で過ごすこと、こまめな休憩や水分補給・塩分補給をすること、高齢者やこども等への見守り・声かけが示されています
【3】。
アラートが出た日は、本人の感覚ではなく、家族や支援者が積極的に環境を整える日と考えましょう。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 朝 | 天気予報、暑さ指数、アラートを確認する |
| 午前 | カーテンやすだれで日差しを遮る |
| 昼 | エアコンや除湿を使い、室温を確認する |
| 夕方 | 食事、水分、尿量、ふらつきを確認する |
| 夜 | 寝室の温度を確認し、寝る前に環境を整える |
熱中症警戒アラートの日は、「本人が暑いと言ったら対策」では遅いことがあります。
家族や支援者が先回りして、涼しい環境を作ることが大切です。
薬局でできる実践例
薬局薬剤師は、処方内容を見ながら、夏の生活リスクに気づける立場にあります。
特に高齢者では、薬を渡すだけでなく、生活状況を短く確認するだけでも予防につながります。
服薬指導での聞き方
いきなり「エアコン使っていますか?」と聞くより、体調から入ると自然です。
| 聞き方 | 意図 |
|---|---|
| 暑い日が続きますが、食欲は落ちていませんか? | 脱水や体調不良の入口を確認 |
| 夜は眠れていますか?寝室は暑くないですか? | 夜間の室温確認 |
| 水分はどのくらい取れていますか? | 飲水量の確認 |
| 尿の色が濃い、量が少ないことはありませんか? | 脱水サインの確認 |
| エアコンの風が苦手な方も多いですが、使いにくさはありますか? | 拒否理由の把握 |
薬剤師から家族への説明例
「お薬の中には、夏場に脱水へ注意したいものがあります。
特に食欲が落ちる、下痢や嘔吐がある、尿が少ない、ふらつく、ぼーっとするなどがあれば早めに相談してください。
エアコンは冷やしすぎるためではなく、体に熱をためないために使うものです。
ご本人が嫌がる場合は、温度を下げすぎず、風が当たらないようにして、短時間から始めるとよいです。」
この説明では、薬・症状・環境調整をセットで伝えています。
薬局で渡せるチェックリスト
以下は、そのまま家族に伝えやすいチェックリストです。
| チェック項目 | 確認 |
|---|---|
| 温湿度計が見える場所にある | □ |
| 午後の暑い時間にエアコンや除湿を使えている | □ |
| 風が直接体に当たらないよう調整している | □ |
| 寝室の温度を確認している | □ |
| 水分摂取の目安を医師・薬剤師に確認している | □ |
| 食欲低下、ふらつき、尿量低下がないか確認している | □ |
| 熱中症警戒アラートの日は家族が声かけしている | □ |
受診や救急相談を考えたい危険サイン
熱中症は、早めに気づけば悪化を防げる可能性があります。
一方で、重症化すると命に関わることがあります。
次のような場合は、迷わず医療機関や救急相談を検討してください。
- 呼びかけへの反応がおかしい
- 会話がかみ合わない
- ぐったりしている
- 自力で水分を飲めない
- けいれんがある
- 体が異常に熱い
- 尿が極端に少ない
- 下痢・嘔吐・発熱があり、食事や水分が取れない
このような状態では、家庭で様子を見るより、早く専門的な対応につなげることが大切です。
応急的には、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首・わき・足の付け根などを冷やします。
ただし、意識がはっきりしない方に無理に飲ませるのは危険です。
「いつもと違う」は、家族にしか分からない大切なサインです。
迷ったときは、早めに相談しましょう。

「いつもと違う」って、医学用語じゃないけど、すごく大事な情報なんですね。

そうだよ。家族の違和感は、医療者にとっても大切な手がかりになるんだ。
「なんとなく変」は、遠慮せず伝えていいんだよ。
⑤ まとめ:エアコンは「命を守るやさしい道具」
エアコン嫌いの高齢者に伝えるとき、一番大切なのは、正論で押し切らないことです。
高齢者がエアコンを嫌がる背景には、電気代への不安、冷えへのつらさ、昔からの価値観、自分で決めたい気持ちがあります。
それらを無視して「危ないからつけて」と言っても、心には届きにくいことがあります。
大切なのは、次の流れです。
- まず理由を聞く
- 相手の価値観を否定しない
- 体感ではなく温湿度計などの数字を見る
- 短時間から試す
- 冷やしすぎない工夫をする
- 薬や持病に合わせて医師・薬剤師と相談する
- 熱中症警戒アラートの日は周囲が積極的に声かけする
エアコンは、ぜいたく品ではありません。
夏の命を守る道具です。
でも、その道具を使ってもらうには、相手の心に届く言葉が必要です。
「あなたが弱いから使う」のではありません。
「あなたに、明日も元気でいてほしいから使う」のです。
その一言が、頑固に見えた高齢者の心を少しだけやわらかくすることがあります。
そして、その小さな変化が、熱中症から大切な人を守る一歩になります。

エアコンをすすめるって、ただの生活指導じゃないんですね。
その人の人生を尊重しながら、命を守る声かけなんだって思いました。

うん。薬剤師の仕事は、薬を渡すだけじゃない。
薬を飲んでいる人の暮らしを見て、危険に気づいて、やさしく橋をかけること。
その声かけで、守れる命があるんだよ。

⑥ よくある質問
Q1. 高齢者が「暑くない」と言っていれば大丈夫ですか?
大丈夫とは限りません。
高齢者では、暑さやのどの渇きを感じにくくなることがあります。
本人の感覚だけで判断せず、温湿度計や暑さ指数、食欲、尿量、ふらつき、会話の様子なども確認しましょう。
Q2. エアコンの設定温度は何度がよいですか?
一律に「この温度なら絶対安全」とは言えません。
大切なのは、エアコンの設定温度だけでなく、実際の室温、湿度、日差し、風の当たり方、本人の体調を見ることです。
冷えが苦手な方は、風向きを上にする、除湿を使う、薄手の羽織りや靴下を使うなど、冷えすぎない工夫をしましょう。
Q3. 扇風機だけではダメですか?
室温や湿度が高いと、扇風機だけでは熱中症対策として不十分な場合があります。
扇風機は空気を動かす道具ですが、部屋自体の温度や湿度を下げる力は限定的です。
暑さが厳しい日は、エアコンや除湿と組み合わせることが大切です。
Q4. 水分はたくさん飲ませればよいですか?
水分補給は大切ですが、心不全、腎臓病、肝臓病などで水分制限がある方は注意が必要です。
また、塩分制限がある方もいます。
持病がある方は、夏の水分量や塩分補給について、かかりつけ医や薬剤師に確認しましょう。
Q5. 経口補水液を毎日飲ませた方がよいですか?
経口補水液は、脱水時などに役立つことがありますが、塩分や糖分を含みます。
高血圧、心不全、腎臓病、糖尿病などがある方では、日常的に飲む前に医師や薬剤師へ相談した方が安心です。
Q6. エアコンを嫌がる親に、最初に何と言えばいいですか?
まずは「なんでつけないの?」ではなく、「エアコンのどんなところが苦手?」と聞いてみてください。
冷えるのが嫌なのか、電気代が心配なのか、風が不快なのかで対策は変わります。
相手の理由を受け止めたうえで、短時間から試す提案をすると受け入れやすくなります。
Q7. 薬を飲んでいると熱中症になりやすいですか?
薬の種類や体調によります。
利尿薬、SGLT2阻害薬、メトホルミン、眠気やふらつきが出やすい薬などでは、暑い時期の脱水、食欲低下、ふらつき、体調変化に注意が必要な場合があります。
ただし、自己判断で薬を止めてはいけません。
必ず医師や薬剤師に相談してください。
Q8. 夜だけエアコンを消したがる場合はどうすればよいですか?
寝ている間は暑さやのどの渇きに気づきにくいことがあります。
寝る前に寝室の温度を確認し、必要に応じて部屋を冷やす、除湿を使う、風が直接当たらないようにするなどの工夫をしましょう。
タイマーを使う場合も、夜間や明け方に室温が上がりすぎないか確認が必要です。
Q9. どんなときに救急車を呼ぶべきですか?
呼びかけへの反応がおかしい、会話がかみ合わない、ぐったりしている、自力で水分が飲めない、けいれんがある、体が異常に熱いなどの場合は、救急要請を考えてください。
「いつもと違う」と感じたら、早めに相談することが大切です。
Q10. 薬局で相談してもいい内容ですか?
もちろん相談できます。
薬剤師は、薬の内容を見ながら、脱水に注意したい薬や、夏場の体調変化について一緒に確認できます。
「親がエアコンを使ってくれない」「水分をどのくらい取ればよいか不安」「薬を飲んでいて暑さが心配」など、遠慮なく相談してください。
⑦ 参考文献
- 厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」
URL:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/heatillness_leaflet_senior_2022.pdf
最終確認日:2026年6月9日 - 環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について」
URL:https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
最終確認日:2026年6月9日 - 環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症警戒情報とは」
URL:https://www.wbgt.env.go.jp/about_alert.php
最終確認日:2026年6月9日 - 気象庁「熱中症警戒アラート」
URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/heat_alert.html
最終確認日:2026年6月9日 - 総務省消防庁「令和7年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」
URL:https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r7/heatstroke_nenpou_r7.pdf
最終確認日:2026年6月9日 - 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」
URL:https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
最終確認日:2026年6月9日 - PMDA「SGLT2阻害剤の『使用上の注意』の改訂について」
URL:https://www.pmda.go.jp/files/000198406.pdf
最終確認日:2026年6月9日 - PMDA「メトホルミン含有製剤の使用上の注意改訂関連資料」
URL:https://www.pmda.go.jp/files/000229960.pdf
最終確認日:2026年6月9日
📘『薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル』発売のお知らせ

薬局で働いていると、どうしても避けられないのが「人間関係のストレス」。
患者対応、スタッフ教育、シフト調整……。
気がつけば、薬局長がいちばん疲れてしまっている。
そんな現場のリアルな悩みに向き合うために、管理薬剤師としての経験をもとにまとめたのが、この一冊です。






『薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル』
― 現場で困る前に身につける 実務 × 法対応 × 会話例 ―
薬局で起こりやすい“モンスター社員”を15タイプに分類し、
それぞれの特徴・対応法・指導会話例を紹介。
パワハラにならない注意方法や、円満退職・法的リスク回避の実務ステップも具体的に解説しています。
- 現場によくある「人のトラブル」15パターンと対応のコツ
- パワハラにならない“安全な指導”の伝え方
- 円満退職を導くための面談・記録・法的ポイント
- 薬局長自身を守るマネジメント思考
薬局で人に悩まないための「実践マニュアル」として、
日々の業務の支えになれば幸いです。
「薬局長が守られれば、薬局全体が守られる」
現場の“声にならない悩み”を形にしました。
📘 書籍情報
-
- 書名:薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル
- 著者:ゆずまる薬局長
- 発行:YUZUMARU WORKS
- フォーマット:Kindle電子書籍
- シリーズ:薬局マネジメント・シリーズ Vol.2
📕 シリーズ第1弾はこちら
👉 『薬局長になったら最初に読む本』







薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ


今日は、特徴をわかりやすく整理しつつ、読んでくださる方が自分の働き方を見つめ直しやすいようにまとめていきましょう。
働く中で、ふと立ち止まる瞬間は誰にでもあります
薬剤師として日々働いていると、忙しさの中で気持ちに余裕が少なくなり、
「最近ちょっと疲れているかも…」と感じる瞬間が出てくることがあります。
- 店舗からの連絡に、少し身構えてしまう
- 休憩中も頭の中が業務のことでいっぱいになっている
- 気づけば仕事中心の生活になっている
こうした感覚は、必ずしも「今の職場が嫌い」というわけではなく、
「これからの働き方を考えてもよいタイミングかもしれない」というサインであることもあります。
無理に変える必要はありませんが、少し気持ちが揺れたときに情報を整理しておくと、
自分に合った選択肢を考えるきっかけになることがあります。
薬剤師向け転職サービスの比較表
ここでは、薬剤師向けの主な転職サービスについて、それぞれの特徴を簡潔に整理しました。
各サービスの特徴(概要)
ここからは、上記のサービスごとに特徴をもう少しだけ詳しく整理していきます。ご自身の希望と照らし合わせる際の参考にしてください。
・薬剤師向けの転職支援サービスとして、調剤薬局やドラッグストアなどの求人を扱っています。
・面談を通じて、これまでの経験や今後の希望を整理しながら話ができる点が特徴です。
・「まずは話を聞いてみたい」「自分の考えを整理したい」という方にとって、利用しやすいスタイルと言えます。
・全国の薬局・病院・ドラッグストアなど、幅広い求人を取り扱っています。
・エリアごとの求人状況を比較しやすく、通勤圏や希望地域に合わせて探したいときに役立ちます。
・「家から通いやすい範囲で、いくつか選択肢を見比べたい」という方に向いているサービスです。
・調剤薬局の求人を多く扱い、条件の調整や個別相談に力を入れているスタイルです。
・勤務時間、休日日数、年収など、具体的な条件について相談しながら進めたい人に利用されています。
・「働き方や条件面にしっかりこだわりたい」方が、検討の材料として使いやすいサービスです。
・調剤系の求人を取り扱う転職支援サービスです。
・職場の雰囲気や体制など、求人票だけではわかりにくい情報を把握している場合があります。
・「長く働けそうな職場かどうか、雰囲気も含めて知りたい」という方が検討しやすいサービスです。
・薬剤師に特化した職業紹介サービスで、調剤薬局・病院・ドラッグストアなど幅広い求人を扱っています。
・公開されていない求人(非公開求人)を扱っていることもあり、選択肢を広げたい場面で役立ちます。
・「いろいろな可能性を見比べてから考えたい」という方に合いやすいサービスです。
・調剤薬局を中心に薬剤師向け求人を取り扱うサービスです。
・研修やフォロー体制など、就業後を見据えたサポートにも取り組んでいる点が特徴です。
・「現場でのスキルや知識も高めながら働きたい」という方が検討しやすいサービスです。
気持ちが揺れるときは、自分を見つめ直すきっかけになります
働き方について「このままでいいのかな」と考える瞬間は、誰にでも訪れます。
それは決して悪いことではなく、自分の今とこれからを整理するための大切なサインになることもあります。
転職サービスの利用は、何かをすぐに決めるためだけではなく、
「今の働き方」と「他の選択肢」を比較しながら考えるための手段として活用することもできます。
情報を知っておくだけでも、
「いざというときに動ける」という安心感につながる場合があります。


「転職するかどうかを決める前に、まずは情報を知っておくだけでも十分ですよ」ってお伝えしたいです。
自分に合う働き方を考える材料が増えるだけでも、少し気持ちがラクになることがありますよね。
無理に何かを変える必要はありませんが、
「自分にはどんな可能性があるのか」を知っておくことは、将来の安心につながることがあります。
気になるサービスがあれば、詳細を確認しながら、ご自身のペースで検討してみてください。


コメント