
点検とかも不安で、よく先生に聞き直すんですけど、イマイチ流れが掴めなくて…。

でも実は、ちゃんとした基本を押さえると一気に楽になるんだよ✨
今日は「なぜレセプトが大事なのか」「何から始めたらいいのか」を丁寧に教えるね!
月末が近づくと、薬局でも病院でも慌ただしくなる業務のひとつが「レセプト作成」です。
レセプトとは、患者さんの診療内容を記録し、健康保険組合などに医療費を請求するための明細書のこと。
言わば、医療機関の「お仕事の報告書」とも言える存在です。
しかし、このレセプト作業。医療事務さんや薬剤師、看護師、医師など多職種が関わるうえに、記載のルールも細かく、ミスがあると「返戻」や「査定」といった収益への影響を招くこともあります。
この記事では、そんなレセプト作成の基礎について、これから業務を覚える方にもわかりやすく、流れやチェックポイント、そしてよくあるトラブルへの対応策までを丁寧に解説していきます。
「レセプトって何?」
「とりあえず点検はしてるけど、何を見ればいいの?」
そんなお悩みを一緒に解決していきましょう!
レセプトとは何?レシートとの違いは?
医療現場でよく耳にする「レセプト」という言葉。
これは正式には「診療報酬明細書」や「調剤報酬明細書」と呼ばれ、患者さんに提供した医療サービスに対して、医療機関が保険者(健康保険組合や市区町村など)に診療報酬を請求するための明細書です。
患者さんが窓口で支払う自己負担(1〜3割)以外の残り(7〜9割)を、国や保険者に請求するために作成されるもので、医療機関の収益を支える非常に重要な書類なのです。
レセプトとレシートの違い
名前が似ていますが、「レセプト」は患者さんには渡さない、保険請求用の公的文書です。一方「レシート」は会計時に発行される領収書や明細のことです。
レセプトに記載される主な内容
- 患者の氏名・性別・生年月日・保険情報
- 傷病名(病名)
- 診療年月日
- 診療内容(処置、検査、注射、投薬など)
- 各診療項目の点数
レセプトの提出先と役割
作成したレセプトは、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険団体連合会など)に提出され、審査を受けたのちに診療報酬が支払われます。
提出の際には、正確性が重視され、内容に不備があると「返戻(返却)」や「査定(減額)」の対象になります。
調剤レセプトと医科レセプトの違い
薬局で扱うレセプトは「調剤レセプト」と呼ばれ、処方箋調剤に対する報酬請求に特化しています。
一方、病院やクリニックで使用されるものは「医科レセプト」「歯科レセプト」などと呼ばれ、それぞれ扱う診療内容に応じた様式とルールがあります。

点数や様式は複雑だけど、基本を押さえればバッチリ対応できるよ!
レセプト作成の流れは?5つの基本ステップで解説
レセプト業務は、ただ診療記録を打ち込むだけではありません。実は以下の5つのステップを正確にこなす必要があり、それぞれがとても重要です。
ステップ | 内容 |
---|---|
① 入力 | レセコンに患者情報、保険情報、診療・処方内容などを正確に入力 |
② 出力 | 診療報酬点数表に基づき、1か月ごとのレセプトを自動集計・出力 |
③ 点検 | 保険証、病名、処置、薬剤などに誤りがないかをチェック |
④ 医師確認 | 記載内容の整合性を医師が最終確認・必要に応じて修正 |
⑤ 提出 | 支払基金または国保連へ提出。電子レセプトが主流 |
① レセプト入力は日々の積み重ねがカギ
診療や処方のたびに、レセコンに正確な情報を入力します。
患者情報や保険証内容を間違えると、請求が通らず返戻されてしまうので注意が必要です。
② 月末にまとめてレセプトを出力
毎月10日前後に、患者ごとに1枚のレセプトが完成するようレセコンが集計します。
診療科ごとに区分され、外来・入院・調剤などで異なる様式が使われます。
③ 点検が最重要!ミス防止にはダブルチェックを
重要なポイント:
・保険証の記号・番号・有効期限に誤りはないか?
・診療行為と病名が一致しているか?
・投薬日数や回数は適正か?
ミスがあると査定や返戻の原因になるため、レセプトチェックの精度がとても大切です。
④ 医師確認で最終精査
矛盾のある記載や記載漏れがあった場合は、必ず医師に確認します。
医師の了解がないまま提出すると責任問題になることもあるため、連携が大切です。
⑤ 電子レセプトでオンライン提出
現在は電子レセプト(オンライン請求)が主流です。
提出後、審査支払機関で審査が行われ、不備があれば「返戻(再提出)」や「査定(減額)」が発生します。

点検の大切さ、あらためて実感しました✨
レセプト作成時に気をつけるポイントは?
レセプト業務において、ちょっとしたミスが「返戻」や「査定」に直結することがあります。
スムーズに請求を通すためには、以下のような注意点を事前にチェックすることが重要です。
① 保険証情報の記載ミス
患者の保険証に記載されている「保険者番号」「記号・番号」「有効期限」「負担割合」は正確に入力しましょう。
1桁のミスでも返戻になります。
② 病名と診療内容の整合性
「病名の記載なしで処方」「症状と検査内容が合わない」などは、審査で弾かれやすい典型パターンです。
必ず病名と処置、処方内容に一貫性があるか確認を。
③ 診療行為の重複請求
同一日に同じ処置を2回入力していないか、類似コードが重複していないかを点検しましょう。
算定漏れと同じくらい「重複請求」は査定の大きな原因になります。
④ 処方内容と用法・日数の適正性
例えば「5日分処方なのに用法が1日1回1錠 × 10日分」など、日数や量に整合性があるかを確認。
薬剤料・調剤料の算定誤りも要注意です。
⑤ コメント記載の不足
特別な処置・検査や、同一月内での再算定項目には、補足コメントが必要です。
記載がないと保険者に疑義を持たれ、査定や返戻の対象となります。
⑥ 医科・歯科・調剤レセプトで様式が異なる
診療科によって記載形式・算定ルール・点数表が異なります。
特に薬局の調剤レセプトでは「調剤基本料」「加算」「薬剤情報提供料」など、独自のルールがあるため注意が必要です。
⑦ 点検は“人の目”でも行う
レセコンには自動チェック機能がありますが、最終的には人の目で確認することが重要です。
特にコメント・病名・日付の整合性は自動では拾えません。

私も必ず「出す前の手動チェック」は忘れないようにしてるよ✨
ミスを減らすための見直しの工夫とは?
レセプト作成は正確さが命。でも忙しい業務の中で、ミスをゼロにするのは簡単ではありません。
効率よく、かつミスを最小限に抑えるためには「見直しの仕組みづくり」がポイントです。
① チェックリストを活用する
点検時に「見るべきポイント」が明確になっていると、見落としを防ぎやすくなります。
たとえば以下のようなチェック項目をリスト化しておくのがおすすめです:
- 病名は必ず記載されているか
- 処置・投薬・検査の整合性があるか
- 同月内での重複請求がないか
- コメントが必要な項目に記載漏れがないか
② レセプト点検を複数人で分担
ひとりで全件チェックすると疲労から見落としが起こりやすくなります。
2人以上のダブルチェック体制を整えることで、精度が向上します。
③ ソフトのチェック機能も活用
レセコンには誤入力や算定ミスをアラートで知らせる機能があるものも。
「病名がないまま投薬」「点数超過」「コメント未記載」などの警告を見逃さないようにしましょう。
④ 頻出ミスのデータベースを作成
過去の返戻・査定内容をまとめておくことで、同じミスの再発を防げます。
「この診療行為にはこのコメントが必要」など、事例集としてチームで共有しましょう。
⑤ 日々の入力を丁寧にする
月末にまとめて作成すると、思い出しながらの入力になりミスが増えがちです。
その場でこまめに入力・確認しておくことで、後のレセプト出力・点検がぐっとラクになります。
⑥ 提出前に“タイムラグチェック”をする
提出の1日前にはいったん離れて、翌日に再チェックするのも有効です。
同じ目で続けて見るより、時間を置くことでミスに気づきやすくなります。

自分のミスってすぐだと見逃しがちなので、私も明日からやってみます♪
都道府県による返戻の差はある?【最新事情】
「審査は都道府県によって厳しさが違う」そんな声を聞いたことがある方も多いかもしれません。
ここでは2025年時点での最新事情をもとに、都道府県ごとの返戻差の有無について解説します。
■ ① 全国6拠点に再編された審査センター
かつては各都道府県に審査支払基金支部があり、それぞれが独自に判断していた時代がありました。
しかし、2019年以降の改革により、全国47都道府県は「6つの中核審査センター」に再編されました。
これにより、地域ごとの判断差は大きく縮小され、現在は全国共通の基準でAI・クラウドによる審査が行われています。
■ ② 統計的にも「差」は縮小傾向に
支払基金が公表する審査統計(令和5〜6年度)でも、都道府県間での査定率や返戻率に顕著な差はなく、全国的に一定基準で運用されていることが分かります。
■ ③ 過去には差があった
2010年頃までは、都道府県ごとの返戻件数や査定率に違いが見られました。
特に医療機関の運用差や、審査者の判断基準のばらつきが影響していたとされています。
現在はDXによってそのような「ローカル判断」は減少しています。
■ ④ 今後も地域差は基本的に発生しにくい
2025年時点では、「都道府県によって返戻されやすい・されにくい」は基本的に存在しません。
ただし、個別指導や監査などは都道府県単位で行われるため、「行政の重点チェック対象」が地域ごとに異なる可能性はあります。
■ ✅ 結論
- 審査支払は全国共通基準で審査されている
- 都道府県ごとの返戻差は2025年現在ほぼ解消
- 個別指導や監査は都道府県での判断があるため要注意

今は全国統一なら、ルール通りしっかりやってれば安心ですね✨
薬局で多い返戻理由ランキング(返戻率上位5)
最新データによると、薬局では保険証の不備が全体の約7割を占め、特に「資格喪失」「記号・番号の誤り」などが頻出です。
ここでは上位5項目と対策を解説します。
★ 第1位:資格喪失(保険適用外請求)
内容:
患者の保険資格が喪失しているにもかかわらず、旧保険証で調剤・請求していた。
対策:
窓口でオンライン資格確認を実施し、有効期限切れや資格喪失の可能性を即時にチェック。月初・来局回数に注意しましょう。
★ 第2位:内容疑義(記載内容の不一致)
内容:
処方内容や患者情報に疑義があると判断され、確認が必要な状態。
対策:
薬歴・処方箋・患者情報を照合し、疑義がある場合は医師や患者に確認してから請求。
★ 第3位:記号・番号の誤り
内容:
保険証の「記号・番号」や枝番を誤って入力。
対策:
記号・番号はオンライン資格確認または保険証原本で正確に読み取り、システムに反映しましょう。
★ 第4位:負担割合の不備
内容:
保険証に記載されている負担割合(1~3割)が正しく処理されていなかった。
対策:
受付時に負担割合を確認し、電子レセコン上での設定に反映させましょう。
★ 第5位:生年月日の誤り
内容:
患者の生年月日が誤って入力されていた。
対策:
患者確認時に保険証と照合して生年月日を確認し、入力ミスがないようにしましょう。
まとめ
薬局におけるレセプト返戻は、ヒューマンエラーと制度の理解不足が主な原因です。
特に、保険証情報の入力ミスや、薬歴未記録による個別指導リスクには要注意です。
また、最新ではオンライン資格確認の普及や電子処方箋対応、リフィル処方の運用など、ルール変更に伴う返戻・査定リスクも増加傾向にあります。
返戻を減らすためには:
- 日々の入力を正確に
- レセプト作成時にチェックリスト活用
- 医療制度改定や通知の情報を定期的に確認
個別指導では、処方箋の押印忘れや薬歴記載漏れなど「書類の管理不備」が多く指摘されています。
普段から整備された業務体制を作っておくことが、薬局全体の信頼にもつながります。

いつも通りの流れでも、こまめな確認が一番の予防だね✨
よくある質問(Q&A)
Q:薬歴を書いていないと、必ず返戻になりますか?
A:いいえ。薬歴は審査支払機関では確認されませんので返戻にはなりません。ただし、個別指導や監査で記録がないと不適切請求として指摘される可能性が高いです。
Q:返戻理由が「資格喪失」となっていた場合、どう対応すればいい?
A:まず患者さんに最新の保険証情報を確認してもらいましょう。必要があれば「資格取得証明書」などを添付して再請求します。
Q:保険証確認って、月に1回だけでいいんですか?
A:原則は月初めに確認ですが、保険証が切り替わる可能性のある患者(75歳到達など)には毎回確認するのが望ましいです。
Q:レセプトの返戻と査定の違いは?
A:
・返戻:審査支払機関が「この内容では審査できない」と判断し、内容の修正または確認を求めて返送される。
・査定:一部が「不適切」と判断され、請求額が減額されて支払われる。
Q:レセプトソフトのチェック機能だけで大丈夫?
A:便利ですが完全ではありません。特にコメント記載や保険証の手入力などは人の目による確認も必要です。
参考文献








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