

薬剤調整料ってそもそも何?改定でどう変わった?
2024年6月に施行された令和6年度調剤報酬改定では、薬剤師の「調剤技術」への評価方法が大きく見直されました。中でも注目すべきは、「調剤料」が「薬剤調整料(正式には薬剤調製料)」として再編された点です。
この制度は、薬剤師が行う対物業務(薬の取り揃え・監査・一包化など)に特化して評価するもので、1調剤あたりの薬剤数や薬剤の種類ごとに点数が設定されています。
ただし、点数の取り方や「1剤とは?」「頓服はどう数える?」といった細かいルールが多いため、現場の薬剤師でも混乱しがちです。
本記事では、制度の基本から改定内容、算定のコツまでわかりやすく解説していきます。

薬剤調調製料の算定要件と点数
内服薬の算定要件(24点/剤、最大3剤まで)
内服薬の薬剤調製料は、1剤につき24点、処方箋受付1回あたり最大3剤まで算定可能です。
また、「服用時点が同じ薬は1剤とする」といった定義に注意が必要です。
具体的に、以下のような場合は別剤として扱われます:
- 配合不適等で個別調剤が必要になった薬剤
- 固形剤と液剤(錠剤とシロップなど)を併用する場合
- 内服錠とチュアブル錠・舌下錠など服用方法が異なる場合
同一有効成分・同一剤形で複数の薬剤が処方された場合でも、1剤として扱われるため、複数の後発品が混在していても1剤算定にとどまります。
頓服薬(21点/処方箋受付1回につき)
頓服薬については、調剤回数や数量にかかわらず、処方箋受付1回につき21点で固定算定されます。
浸煎薬(190点/調剤、最大3調剤まで)
浸煎薬とは、生薬を調剤薬局で浸煎して液剤としたもので、1調剤につき190点、処方受付あたり最大3調剤まで算定可能です。
ただし、内服薬や湯薬と同時に調剤した場合は、浸煎薬の調剤数に内服薬や湯薬の分も含まれるため注意が必要です。
湯薬(投与日数に応じて変動:190点~400点、最大3調剤まで)
湯薬とは、複数の生薬を混合・煎じて提供するもので、7日分以下なら190点、8~28日分は190点+10点/日分、29日以上だと400点が上限となります。算定は最大3調剤までです。
注射薬(26点/処方箋受付1回につき)
注射薬は、処方箋受付1回につき26点で固定算定されます。処方日数や種類の多さにかかわらず同じ点数です。注射薬のみの処方ではなく、注射薬と併処方される必要があります。
外用薬(10点/調剤、最大3調剤まで)
外用薬は、1調剤につき10点、処方受付あたり最大3調剤まで算定可能です。なお、同一有効成分かつ同一剤形の製剤が複数処方された場合は、あくまで1調剤として扱う仕様です。
内服用滴剤(10点/調剤)
内服用滴剤は、1回の調剤分全体を1単位として扱い、10点で固定算定されます。日数・用量にかかわらず同じ点数です。
実践例:ケーススタディ
例1:内服薬+頓服薬の組み合わせ
処方例:
- 錠剤A:朝・夕(同一服用時点=1剤)
- 錠剤B:昼(一日一回=別剤)
- 頓服C:処方受付単位で1回算定
計算:内服薬2剤(24点×2)+頓服薬21点=69点
例2:浸煎薬+内服薬+湯薬の混合処方
処方例:
- 浸煎薬―1調剤(190点)
- 内服薬A―朝昼夕1剤(24点)
- 湯薬―10日分(190点+10点×3日=220点)
注意:浸煎薬及び湯薬の調剤数には内服薬の剤数も含めて算定されるルールがあります。
計算:浸煎薬190点+内服薬24点+湯薬220点=434点
なぜ薬剤調製料が導入されたの?制度の背景と目的
従来の調剤報酬では、「調剤料」として薬剤師の業務全体を一括して評価していました。
しかし、服薬指導などの「対人業務」と、薬を正確に取り揃える「対物業務」の評価が曖昧であり、現場では以下のような課題が指摘されていました。
- 患者対応(服薬指導・フォローアップ)が適切に評価されない
- 薬剤師が行う調剤作業(監査・分包など)の手間が可視化されにくい
- 薬局ごとに業務の質の差があっても点数が一律
こうした背景から、2022年度改定で「薬剤調製料」という概念が初めて導入され、2025年度(令和6年度)の改定でさらに精緻化・細分化されました。

制度の狙いは?
厚生労働省の通知でも明記されているように、制度導入の目的は次の3点です:
- 薬剤師の専門性を可視化・評価し、医療チーム内の役割を明確化
- 地域包括ケアや多職種連携の中で、薬剤師の「服薬支援力」を活かす
- 在宅医療やフォローアップなどの「対人業務」への移行を促進
そのため、薬剤調製料は単なる「作業手当」ではなく、薬剤師が医療の中で果たす責任ある役割を報酬として明示するための制度でもあるのです。

無菌製剤処理加算・自家製剤加算の扱い
無菌製剤処理加算
注射薬や特殊な混合調剤など、無菌処理が必要な場面では、無菌製剤処理加算が算定可能です。
令和6年度改定で、麻薬注射薬を含む無菌製剤でも対象となる点が明記されました。
算定要件には、無菌的環境・記録管理・手技の標準化などが含まれ、施設基準を満たす必要があります。
自家製剤加算
薬価収載品の供給不足時などに、薬局が自家製剤を調製する場合に算定できるのが自家製剤加算です。
令和6年度改定で柔軟性が高まり、供給不足時の使用でも加算要件を満たせば対応可能になりました。
医薬品衛生管理・調製記録・公開説明など、薬局としての体制構築が重要な要件です。
注意すべきポイントと制度の今後の展望
- 剤数の算定ミスに注意:内服薬の1剤カウントや同一成分の外用薬まとめ扱いなど、誤入力による点数漏れのリスク。
- タスクシフトの影響:非薬剤師による調剤補助作業が進む中、この制度における薬剤師の「対物業務」がいつ見直されるか注視が必要です。
- 他の加算との連動:地域支援体制加算・在宅医療関連加算等との要件調整により、薬剤調製料の組合わせ判断が重要です。


まとめ
薬剤調製料(薬剤調整料)は、薬剤師の対物業務(監査・調製・取り揃えなど)を正当に評価するための調剤報酬の仕組みです。
内服・頓服・外用・滴剤・注射薬・浸煎薬・湯薬など、種類ごと・数量ごとに点数が定められ、正確な算定には細かい制度理解が求められます。
また、無菌製剤処理加算や自家製剤加算なども活用することで、薬局の専門性と医療貢献を制度上でアピールできます。
今後は、より「対人業務」への評価を重視する方向性や、タスクシフトに伴う制度的見直しの可能性もあるため、最新の調剤報酬改定情報へのキャッチアップが不可欠です。
薬剤調製料クイズにチャレンジ!
問題1:内服薬の薬剤調製料について正しいのはどれ?
- A. 処方されたすべての薬が自動的に3剤として計算される
- B. 朝・昼・夜に服用する薬はそれぞれ別剤としてカウントされる
- C. 同じ成分でも剤形が違えば同一剤とみなされる
- D. 1処方あたり4剤まで算定可能
正解:B
内服薬の薬剤調製料では、服用時点ごとに「1剤」としてカウントされます。
したがって、朝・昼・夜に服用する場合、それぞれ別剤として最大3剤まで算定可能です。
Aは誤り:剤数は服用時点により決定されます。
Cは誤り:剤形が異なれば別剤になる可能性があります(例:錠剤とチュアブル)。
Dは誤り:上限は「3剤まで」です。
問題2:外用薬の薬剤調製料に関する正しい記述は?
- A. 有効成分が異なれば、すべて別調剤として扱われる
- B. 外用薬は剤数に関係なく合算で10点
- C. 同一成分・同一剤形の複数規格は1調剤とみなされる
- D. 点数は処方日数に比例して加算される
正解:C
外用薬では、同一成分・同一剤形であれば、規格が異なっても1調剤として扱われ、10点のみ算定されます。
Aは誤り:有効成分が違えば別調剤だが、必ずではない。
Bは誤り:3調剤まで10点ずつ算定可能。
Dは誤り:処方日数は外用薬の点数に影響しません。
問題3:頓服薬の薬剤調製料について正しいのはどれ?
- A. 1包ごとに点数が加算される
- B. 同時に2種類処方された場合は42点
- C. 処方箋1回ごとに21点で固定
- D. 頓服薬は調製料の対象外
正解:C
頓服薬は、処方受付1回あたり21点の固定算定です。
包数や種類に関係なく、まとめて1点数になります。
Aは誤り:1包ごとではない。
Bは誤り:2種あっても21点で固定。
Dは誤り:対象です。
よくある質問(Q&A)
Q:内服薬の「1剤」はどのように数えますか?
A:同一の服用時点(例:朝・昼・夕)で複数の薬剤を服用する場合、それらはすべて「1剤」としてまとめてカウントします。ただし、剤形の違いや服用方法が異なる場合は別剤となります。
Q:頓服薬が複数処方されてもすべて21点ですか?
A:はい。頓服薬は処方箋受付1回あたり21点で固定されます。何種類あってもまとめて1単位の算定です。
Q:外用薬の調剤点数は日数で変わりますか?
A:外用薬の点数は処方日数には関係なく、1調剤につき10点です。同一成分かつ剤形が同じ製剤なら、複数あっても1調剤=10点で算定されます。
Q:無菌製剤処理加算はどんな場合に算定できますか?
A:中心静脈栄養用輸液、抗悪性腫瘍剤、麻薬注射薬などを無菌環境で処理した場合に加算可能です。施設基準の遵守、手技記録、無菌室の整備が要件となります。
Q:自家製剤加算はどのような状況で使えますか?
A:薬価収載品が供給不足の際、代替薬を用いて製剤した場合に算定可能です。調剤明細書の摘要欄への記載(一部薬名と理由)が必要です。令和6年度から条件が柔軟になりました。
Q:加算や時間外割増との重複算定は可能ですか?
A:薬剤調製料には、時間外加算・休日加算・深夜加算があります。ただし、無菌製剤処理加算や麻薬加算、自家製剤加算とは重複できない場合もありますので、所定のルールに従って計算してください。
参考文献
- 厚生労働省/令和4年度の調剤医療費の内訳と薬剤調製料の割合
- 厚生労働省/令和6年度診療報酬改定の概要(調剤分)
- MedPeer/令和6年度版 薬剤調製料の解説と行政資料
- m3.com/調剤報酬改定に関する算定項目解説


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