

前書き

本記事は調剤・服薬指導・フォローアップに役立つよう、添付文書/RMP(適正使用ガイド)/審査報告書など一次情報を中心にまとめます。
重要:本記事の医学情報は医療従事者向けです。実際の処方設計は最新の添付文書・公的情報を必ず参照し、個々の患者背景(年齢、併用薬、肝腎機能、循環器既往など)を踏まえて判断してください。
本文
1)製剤・適応・機序の要点
- 有効成分:グアンファシン塩酸塩(徐放錠)1mg/3mg(国内規格)。薬効分類:ADHD治療剤(選択的α2A作動薬)。
- 適応:ADHD(AD/HD)。6歳未満は有効性・安全性未確立。
- 機序:前頭前野におけるα2A受容体刺激を介し、神経ネットワークのノイズ低減・ワーキングメモリ/実行機能の改善に関与するとされます(薬効薬理)。

2)用法・用量(小児・成人)
1日1回・経口投与。徐放錠のため割らず・砕かず・すりつぶさずそのまま服用(14.適用上の注意)。同時刻投与でアドヒアランスを整えます。
■ 18歳未満(体重別)
| 体重 | 開始用量 | 維持用量 | 最高用量 |
|---|---|---|---|
| 17~<25 kg | 1 mg | 1 mg | 2 mg |
| 25~<34 kg | 1 mg | 2 mg | 3 mg |
| 34~<38 kg | 1 mg | 2 mg | 4 mg |
| 38~<42 kg | 1 mg | 3 mg | 4 mg |
| 42~<50 kg | 1 mg | 3 mg | 5 mg |
| 50~<63 kg | 2 mg | 4 mg | 6 mg |
| 63~<75 kg | 2 mg | 5 mg | 6 mg |
| 75 kg以上 | 2 mg | 6 mg | 6 mg |
※1週間以上の間隔で1 mgずつ漸増。
■ 18歳以上
- 開始:2 mg/日 → 1週間以上の間隔で1 mgずつ漸増し、維持4~6 mg/日へ(最大6 mg/日)。
- CYP3A4/5阻害薬併用、重度の肝・腎機能障害では1 mg/日から開始(7.用量に関連する注意)。

3)有害事象とモニタリング
- 重大な副作用:低血圧(約20%)、徐脈(約15%)、失神(頻度不明)、房室ブロック(0.5%未満)。
- その他頻度:傾眠(約50%)、頭痛、不眠、めまい、口渇、便秘、体重増加など。
| タイミング | 評価項目 | ポイント |
|---|---|---|
| 開始前 | 既往歴・併用薬、血圧/脈拍、心電図(徐脈・房室ブロック疑い) | 第2・第3度房室ブロックは禁忌。降圧薬や徐脈化薬併用リスクを確認。 |
| 開始~増量期 | 血圧/脈拍(少なくとも1~2週ごと) | めまい・ふらつき・失神前駆を聴取。起立性低血圧に注意。 |
| 維持期(定期) | 日中の眠気、学業/就労への影響、体重 | 過度の鎮静なら投与時刻の見直しや用量調整。 |
| 中止・減量時 | 血圧/脈拍、焦燥・頭痛 | 反跳に備え漸減。患者へのセルフモニタリング指導。 |

添付文書上は食事の影響や服用時刻の指定はありませんが、傾眠が多いため、生活リズムに合わせて(多くは夕方~就寝前)の運用が現場では実践的です。個々の患者の眠気・日中活動性を聴取し調整しましょう。
4)相互作用(実務で押さえる要点)
- CYP3A4/5阻害薬(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル等):血中濃度↑ → 1 mg/日から開始を検討(7.用量に関連する注意)。
- CYP3A誘導薬(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等):濃度↓→効果減弱の可能性。効果不十分時は原因評価。
- 降圧薬・徐脈化薬(β遮断薬、Ca拮抗薬等):低血圧・徐脈リスク増加に注意。
5)メリットと適応場面(薬剤師の視点)
- 非刺激薬:食欲低下・入眠困難が課題の患者で選択肢となる。
- チック合併:刺激薬でチック悪化が懸念される場合の選択肢。
- 攻撃性・易刺激性・情動調整の問題に一定の有用性が期待される(臨床経験・薬理からの合理性)。
- 1日1回の利便性。徐放で日内変動をならす設計。
- 併用療法:アトモキセチン/メチルフェニデート等で残存する不注意・情動不安定にアドオンする設計も臨床で使われる(相互作用・循環器系副作用の累積には注意)。
6)服薬指導の実践トーク(現場テンプレ)

②「最初は少量から始め、1週間以上あけて1 mgずつ増やします」
③「めまい・ふらつき・動悸があればすぐ連絡。自己判断の急な中止はダメ」
7)よくある鑑査ポイント
- 処方:用量(体重・年齢・併用薬)と増量間隔の妥当性。
- 心血管リスク:房室ブロック(禁忌)、重度の低血圧・徐脈の既往。必要に応じ心電図確認。
- 併用薬:CYP3A阻害・誘導、降圧薬、鎮静性薬剤(眠気増強)。
- 服薬操作:粉砕・一包化の可否は原則不可。服用困難時は剤形・適応の再検討を処方医へ。
症例・具体例・実践例

ケース1:体重32 kgの小学生
- 開始:1 mg/日 夕食後
- 1週後:傾眠軽度、血圧/脈拍安定→2 mg/日へ
- 2~4週:授業中居眠りあり→投与時刻を就寝前へ。副作用改善し集中持続が向上
ケース2:成人・併用例(職場での易刺激性・衝動性が課題)
- 開始:2 mg/日 就寝前
- 2週後:効果部分的→3 mg/日へ
- 4~6週:4 mg/日で情動の波が安定。降圧薬(ARB)併用のため、家庭血圧も共有しながら緩徐増量。
ケース3:CYP3A阻害薬併用
- 真菌症でイトラコナゾール併用予定→1 mg/日開始にダウントリミング。眠気・低血圧を密にチェック。
まとめ

- 1日1回の非刺激薬。チック合併や不眠・食欲低下が課題のケースで価値。
- 小児は体重別、成人は2 mg開始で週1 mgずつ漸増(最大6 mg)。
- 低血圧・徐脈・失神に注意し、開始~増量2週はとくにこまめに測定。
- CYP3A阻害薬・誘導薬、降圧薬との相互作用を忘れない。
よくある質問(FAQ)
Q1. 何時に服用するのがベスト?
規定はありませんが、臨床上は夕方~就寝前の運用が多いです。日中傾眠が強いなら投与時刻調整を検討します。
Q2. 粉砕・半割・一包化はできますか?
原則不可。徐放錠であり、割る/砕く/すりつぶすと放出性が破綻します(14.適用上の注意)。
Q3. 急にやめたらどうなる?
反跳性の血圧上昇・頻脈があり得ます。3日以上の間隔で1 mgずつ漸減し、血圧・脈拍を測定します(7.用量に関連)。
Q4. 妊娠・授乳中は?
妊婦・妊娠可能性は禁忌(動物で催奇形性)。授乳は有益性と母乳栄養の利点を秤にかけて検討(乳汁移行報告あり)。
Q5. どんな患者に向いていますか?
刺激薬で不眠・食欲低下が強い場合、チック合併例、情動の波が激しい場合などで検討されます。
参考文献
- PMDA. インチュニブ錠1mg/3mg 添付文書(HTML). 2024年7月改訂. 最終確認日:2025-11-10. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/400256_1179057G1021_2_02
- PMDA. インチュニブ® 適正使用ガイド(RMP資材). 最終確認日:2025-11-10. PDF
- PMDA. 審査報告書(2019年6月18日). 最終確認日:2025-11-10. PDF
- PMDA. 審査報告書(2017年3月30日). 最終確認日:2025-11-10. PDF
- JAPIC PINS. グアンファシン塩酸塩徐放錠(インチュニブ) 新医薬品情報. 最終確認日:2025-11-10. PDF
- 日本小児神経学会. Q69:注意欠如・多動症(ADHD)にはどの様な治療法がありますか? 最終確認日:2025-11-10. https://www.childneuro.jp/general/6536/
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薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ


今日は、特徴をわかりやすく整理しつつ、読んでくださる方が自分の働き方を見つめ直しやすいようにまとめていきましょう。
働く中で、ふと立ち止まる瞬間は誰にでもあります
薬剤師として日々働いていると、忙しさの中で気持ちに余裕が少なくなり、
「最近ちょっと疲れているかも…」と感じる瞬間が出てくることがあります。
- 店舗からの連絡に、少し身構えてしまう
- 休憩中も頭の中が業務のことでいっぱいになっている
- 気づけば仕事中心の生活になっている
こうした感覚は、必ずしも「今の職場が嫌い」というわけではなく、
「これからの働き方を考えてもよいタイミングかもしれない」というサインであることもあります。
無理に変える必要はありませんが、少し気持ちが揺れたときに情報を整理しておくと、
自分に合った選択肢を考えるきっかけになることがあります。
薬剤師向け転職サービスの比較表
ここでは、薬剤師向けの主な転職サービスについて、それぞれの特徴を簡潔に整理しました。
各サービスの特徴(概要)
ここからは、上記のサービスごとに特徴をもう少しだけ詳しく整理していきます。ご自身の希望と照らし合わせる際の参考にしてください。
・薬剤師向けの転職支援サービスとして、調剤薬局やドラッグストアなどの求人を扱っています。
・面談を通じて、これまでの経験や今後の希望を整理しながら話ができる点が特徴です。
・「まずは話を聞いてみたい」「自分の考えを整理したい」という方にとって、利用しやすいスタイルと言えます。
・全国の薬局・病院・ドラッグストアなど、幅広い求人を取り扱っています。
・エリアごとの求人状況を比較しやすく、通勤圏や希望地域に合わせて探したいときに役立ちます。
・「家から通いやすい範囲で、いくつか選択肢を見比べたい」という方に向いているサービスです。
・調剤薬局の求人を多く扱い、条件の調整や個別相談に力を入れているスタイルです。
・勤務時間、休日日数、年収など、具体的な条件について相談しながら進めたい人に利用されています。
・「働き方や条件面にしっかりこだわりたい」方が、検討の材料として使いやすいサービスです。
・調剤系の求人を取り扱う転職支援サービスです。
・職場の雰囲気や体制など、求人票だけではわかりにくい情報を把握している場合があります。
・「長く働けそうな職場かどうか、雰囲気も含めて知りたい」という方が検討しやすいサービスです。
・薬剤師に特化した職業紹介サービスで、調剤薬局・病院・ドラッグストアなど幅広い求人を扱っています。
・公開されていない求人(非公開求人)を扱っていることもあり、選択肢を広げたい場面で役立ちます。
・「いろいろな可能性を見比べてから考えたい」という方に合いやすいサービスです。
・調剤薬局を中心に薬剤師向け求人を取り扱うサービスです。
・研修やフォロー体制など、就業後を見据えたサポートにも取り組んでいる点が特徴です。
・「現場でのスキルや知識も高めながら働きたい」という方が検討しやすいサービスです。
気持ちが揺れるときは、自分を見つめ直すきっかけになります
働き方について「このままでいいのかな」と考える瞬間は、誰にでも訪れます。
それは決して悪いことではなく、自分の今とこれからを整理するための大切なサインになることもあります。
転職サービスの利用は、何かをすぐに決めるためだけではなく、
「今の働き方」と「他の選択肢」を比較しながら考えるための手段として活用することもできます。
情報を知っておくだけでも、
「いざというときに動ける」という安心感につながる場合があります。


「転職するかどうかを決める前に、まずは情報を知っておくだけでも十分ですよ」ってお伝えしたいです。
自分に合う働き方を考える材料が増えるだけでも、少し気持ちがラクになることがありますよね。
無理に何かを変える必要はありませんが、
「自分にはどんな可能性があるのか」を知っておくことは、将来の安心につながることがあります。
気になるサービスがあれば、詳細を確認しながら、ご自身のペースで検討してみてください。



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