くも膜下出血後に無意識行動を忘れる原因と対策

薬の知識・使い方

ゆずまる
ゆずまる
「ねえなぎさ、“無意識にやった行動”を忘れちゃうって、くも膜下出血の後遺症と関係あるのかな?」
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
「あります…!とくに“無意識行動”って、脳の注意記憶の保存の仕組みと相性が悪いので、後遺症があると“抜け”として目立ちやすいです。今日は分かりやすく整理しましょう!」

  1. 無意識の行動が思い出せない…それ、後遺症?不安を整理しよう
  2. そもそも「無意識の行動」が忘れやすい理由(病気がなくても起こる)
    1. 理由①:注意が向いていないと、記憶は保存されにくい
    2. 理由②:無意識行動は「作業記憶」に乗りにくい
    3. 理由③:後から不安が強いほど「思い出せない」が増幅する
  3. くも膜下出血の後遺症として起こり得る?関係するのは「高次脳機能障害」
    1. “無意識の行動”が抜けやすくなるメカニズム(超かみ砕き)
  4. 後遺症っぽい?セルフチェック(生活で出やすいパターン)
  5. “くも膜下出血の後”に忘れっぽさが増える背景(よくある原因を整理)
  6. 受診の目安:見逃したくないサイン(安全第一)
  7. 具体例でわかる:「無意識の行動を忘れる」あるあると対策
    1. ケース1:鍵しめ・火の元「やったか不安」問題
    2. ケース2:服薬「飲んだか分からない」問題(超重要)
    3. ケース3:家事・仕事「段取りが崩れて抜ける」問題
  8. 克服方法の全体像:回復+補償+環境調整の3本柱
  9. 今日からできる「忘れにくくする」実践テク10(チェックリスト付き)
  10. リハビリで“伸びやすい人”の共通点(現実的な期待値)
  11. 制度・支援:困りごとが続くなら“使えるものは使う”
  12. まとめ:無意識の行動を忘れるのは“後遺症の可能性”+“対策でかなり楽になる”
  13. よくある質問
    1. Q. 「無意識の行動を忘れる」=記憶障害で確定ですか?
    2. Q. どこに相談すればいい?
    3. Q. 家族が「何回も確認する」タイプで困っています
    4. Q. 仕事復帰が不安です。何から始めれば?
    5. Q. 後遺症は治りますか?
  14. 参考文献
    1. 📘『薬局長のためのモンスター社員対応マニュアル』発売のお知らせ
      1. 📘 書籍情報

無意識の行動が思い出せない…それ、後遺症?不安を整理しよう

「鍵を閉めたか思い出せない」「薬を飲んだか自信がない」「ガスを止めたか不安」——。
こうした“無意識にやった行動が記憶に残らない”状態は、誰にでも起こります。ですが、くも膜下出血(SAH)後だと、高次脳機能障害(記憶・注意・遂行機能など)が関係して、頻度が増えたり生活に支障が出たりすることがあります。
結論から言うと「後遺症として起こり得る」一方で、睡眠・不安・うつ・薬の影響などでも悪化します。

この記事では、医療者目線で

  • なぜ“無意識の行動”はそもそも忘れやすいのか
  • くも膜下出血後に起こる「忘れっぽさ」の代表パターン
  • 後遺症かどうか見分けるヒント(受診の目安も)
  • 今日からできる克服(補い方)とリハビリの考え方

を、できるだけ具体例たっぷりで解説します。


そもそも「無意識の行動」が忘れやすい理由(病気がなくても起こる)

ゆずまる
ゆずまる
「たしかに…元気なときでも“鍵しめたっけ?”ってなるよね」

ポイントは“無意識=脳が記録モードじゃない”ことです。

理由①:注意が向いていないと、記憶は保存されにくい

記憶は「見た・聞いた」だけで自動保存されるわけではありません。
脳が「今これは大事だ」と判断して注意(アテンション)を向けた情報ほど、後で取り出しやすくなります。逆に、歯みがき・鍵しめ・照明オフのように慣れたルーティンは省エネで処理されるため、“やった事実”が薄くなりやすいのです。

理由②:無意識行動は「作業記憶」に乗りにくい

“今やっていること”を一時的に保持するのが作業記憶(ワーキングメモリ)
無意識行動は作業記憶に乗らず、長期記憶に「タグ付け」されにくいため、後から検索しても出てきません。

理由③:後から不安が強いほど「思い出せない」が増幅する

「思い出せない=やってないかも」と脳が誤解し、不安が上がると、さらに注意や記憶が乱れます。
不安→確認→さらに不安のループに入りやすいのも特徴です。


くも膜下出血の後遺症として起こり得る?関係するのは「高次脳機能障害」

くも膜下出血の後に、身体の麻痺が目立たなくても、注意・記憶・遂行機能などの認知機能が低下することは珍しくありません。
国立障害者リハビリテーションセンターも、高次脳機能障害の主要症状として記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害を挙げています。

また、海外レビューでは、動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)後に注意・遂行機能・記憶など複数領域の障害が高頻度で見られることがまとめられています。

“無意識の行動”が抜けやすくなるメカニズム(超かみ砕き)

「鍵を閉めたか思い出せない」は、単なる“物忘れ”というより、次の組み合わせで起こりがちです。

  • 注意障害:そもそも行動に注意が向かず、記録されない
  • 記憶障害:記録しても保存・保持が弱く、時間が経つと消える
  • 遂行機能障害:段取り・確認・自己チェックがうまくいかない
  • 展望記憶(予定記憶)の弱さ: “あとで確認する/薬を飲む”が抜ける
  • ソースモニタリングの弱さ: “実際にやった”のか“想像した”のか区別が難しい

つまり、「無意識の行動が忘れやすい」=“記憶の入り口(注意)”と“検索”の問題が合体しているケースが多いです。


後遺症っぽい?セルフチェック(生活で出やすいパターン)

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
「“後遺症かも”っていうと重く感じますけど、ポイントは頻度生活への影響です!」

以下に当てはまるほど、単なる“うっかり”より認知機能の影響が疑われます(ただし自己判断で断定はしません)。

よくある場面 起こる困りごと 関係しやすい機能
鍵・ガス・電気 やったのに不安で何度も確認/逆に確認を忘れる 注意+遂行機能+不安
服薬 飲んだか分からない/二重内服が不安 展望記憶+作業記憶
会話 話の途中で何を言うか飛ぶ/聞いた内容が残らない 注意+作業記憶
買い物・家事 必要な物を忘れる/段取りが崩れて疲れる 遂行機能+注意
仕事 マルチタスクでミス増/指示の抜け・漏れ 注意配分+遂行機能

ポイント:
「たまに不安になる」より、“毎日のように起こる”“家族や職場が困る”“事故リスクがある(火・運転・薬)”場合は、評価と対策を急ぐ価値があります。


“くも膜下出血の後”に忘れっぽさが増える背景(よくある原因を整理)

くも膜下出血後の認知の問題は、脳の損傷そのものだけでなく、合併症や体調要因でも左右されます。

  • 脳そのもののダメージ(出血、手術、微小梗塞など)
  • 遅発性脳虚血(DCI)などの二次障害
  • 水頭症(反応が遅い・注意が続かない、などで気づかれることも)
  • 睡眠障害(眠りが浅いと注意と記憶が落ちやすい)
  • 抑うつ・不安(記憶の検索力が下がる+不安ループ)
  • 薬の影響(眠気が強い薬、抗不安薬などで注意が落ちることも)

さらに、aSAHでは長期的に身体面だけでなく認知・行動・QOLの課題が残り得るため、退院後も早期からスクリーニングし、リハビリを設計する重要性が述べられています。


受診の目安:見逃したくないサイン(安全第一)

次のような場合は、“後遺症の範囲”と決めつけず、主治医(脳外科/神経内科)やリハビリ科、必要に応じて救急へ相談を。

  • 以前より急に悪化した(数日〜数週間でガクッと)
  • 歩きにくい、転びやすい、尿のトラブルが増えた(※水頭症のサインになることあり)
  • 頭痛・吐き気・意識のぼんやりが増えた
  • 火・薬・運転に関わる重大ミスが出た
  • 家族から「性格が変わった」「怒りっぽい」「危なっかしい」と言われる

具体例でわかる:「無意識の行動を忘れる」あるあると対策

ゆずまる
ゆずまる
「“具体的にどうすればいいか”がいちばん知りたい!今日からできるやつ!」

ここからは、生活で多い3パターンを例に、克服(=完全にゼロにするより“事故を防ぎ、困りごとを減らす”)の方法を紹介します。

ケース1:鍵しめ・火の元「やったか不安」問題

起きていること:行動がルーティン化しすぎて“記憶のタグ”が付かない+不安で検索できない。

対策(コツは「記憶」ではなく「仕組み」):

  • 指差し確認+声出し:「鍵、閉めた!」と短く言う(注意のスイッチが入る)
  • 1動作=1ルール:鍵を閉めたら“ドアノブを2回触る”など、終了サインを固定
  • チェックリスト化:玄関に「鍵・ガス・薬・スマホ」
  • 写真を撮る:ガス栓や鍵をスマホで撮影(あとで確認できる)
  • 機器で補う:オートロック、スマートロック、IH、消し忘れ防止器具

“思い出す訓練”より、思い出さなくても安全な設計が最強です。

ケース2:服薬「飲んだか分からない」問題(超重要)

薬は二重内服・飲み忘れが事故につながりやすいので、ここは“仕組み化”を最優先にします。

  • ピルケース(曜日×時間)を使う
  • 一包化(薬局で相談。可能な薬・できない薬があります)
  • 服薬カレンダー(壁掛け)
  • アラーム+実行したらチェック(アラームだけだと“止めただけ”が起こる)
  • “飲んだら必ずコップを裏返す”など行動とセット

国立障害者リハビリテーションセンターの情報でも、高次脳機能障害では記憶障害への訓練・対応を計画的に行うことが示されており、外的補助手段(道具)をうまく使う発想が重要です。

※薬の種類によっては「飲み忘れたかも」と思ったときの対応が異なります。
自己判断で追加で飲まず、薬剤師や主治医に「その薬のルール」を確認してください。

ケース3:家事・仕事「段取りが崩れて抜ける」問題

起きていること:遂行機能(計画・順序・自己チェック)が弱ると、マルチタスクで崩れます。

対策:

  • “同時進行”をやめて“直列化”(1つ終えてから次)
  • 手順書を作る(料理なら「①米 ②味噌汁 ③主菜」みたいに固定)
  • 時間の見える化:キッチンタイマー、ポモドーロ(25分集中+5分休憩)
  • 途中メモ:「今どこまでやった?」を1行で残す
  • 環境を片付けて刺激を減らす(注意が散るものを少なく)

克服方法の全体像:回復+補償+環境調整の3本柱

「克服」は気合いではなく、戦略です。大枠はこの3つ。

狙い 具体例
回復(リハビリ) 脳の機能そのものを鍛える 注意訓練、記憶訓練、遂行機能トレーニング
補償(道具・工夫) 弱い機能を外部で補う メモ、スマホ、写真、チェック表、ピルケース
環境調整 ミスが起きにくい仕組みにする 家の動線、物の定位置、火の安全設計、仕事の業務分担

国立障害者リハビリテーションセンターの「医学的リハビリテーションプログラム」でも、高次脳機能障害の症状ごとに評価と訓練・対応が整理されています。


今日からできる「忘れにくくする」実践テク10(チェックリスト付き)

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
「ここ大事です!“記憶力を上げる”より、忘れても困らない形にするのが上手な克服です!」
  • ① 指差し+声出し(注意を入れる)
  • ② ルーティンを固定(順番を毎回同じに)
  • ③ 定位置管理(鍵・薬・財布は“住所”を決める)
  • ④ チェック表を貼る(玄関・キッチン・寝室)
  • ⑤ “やった証拠”を残す(写真、チェック、ピルケースの空欄)
  • ⑥ 1タスク化(同時進行を減らす)
  • ⑦ タイマーで区切る(集中と休憩のリズム)
  • ⑧ スマホは“アラーム+完了チェック”(通知だけだと抜ける)
  • ⑨ 不安が強い日は睡眠・疲労を優先(脳の燃料切れを疑う)
  • ⑩ 家族/職場に“支援の形”を共有(口頭より紙・チャットが合うことも)

リハビリで“伸びやすい人”の共通点(現実的な期待値)

回復の仕方は個人差があります。ただ、臨床的には次がそろうほど伸びやすいです。

  • 評価(神経心理検査など)で困りごとの正体が見えている
  • 訓練が生活場面に直結している(机上課題だけで終わらない)
  • 家族・環境が“責めない仕組み”になっている
  • 睡眠・抑うつ・不安のケアも同時にしている

コツ:「できない自分を直す」より、「できる形に作り替える」。これが最短ルートです。


制度・支援:困りごとが続くなら“使えるものは使う”

高次脳機能障害は外見では分かりにくく、周囲の理解が得にくいことがあります。
国立障害者リハビリテーションセンターは、高次脳機能障害で生活に制約がある場合、精神障害者保健福祉手帳の申請対象になり得ることを案内しています(診断書は精神科医に限らず、脳外科・神経内科などでも可とされています)。

また厚生労働省は、精神障害者保健福祉手帳の等級判定の考え方(活動制限等を含む総合判断)を示しています。

「手帳=重い」ではなく、生活を守るための道具です。主治医・医療ソーシャルワーカー・地域の支援拠点に相談すると整理しやすいです。


まとめ:無意識の行動を忘れるのは“後遺症の可能性”+“対策でかなり楽になる”

ゆずまる
ゆずまる
「つまり…“気のせい”って切り捨てなくていいし、仕組み化で守れるんだね!」
  • 無意識行動は、健康な人でも忘れやすい(注意が向かないから)
  • くも膜下出血後は、注意障害・記憶障害・遂行機能障害などで“抜け”が増えることがある
  • 急な悪化や事故リスクがあるなら、早めに医療者へ
  • 克服のコツは、記憶力に頼らず「仕組み」で補うこと(チェック・写真・道具・環境調整)
  • 必要なら制度や支援も使える(手帳など)

よくある質問

Q. 「無意識の行動を忘れる」=記憶障害で確定ですか?

確定ではありません。誰でも起きますし、睡眠不足や強い不安でも増えます。
ただし、くも膜下出血後は高次脳機能(注意・記憶・遂行機能)の影響で頻度が上がることがあるため、生活に支障があるなら評価の価値が高いです。

Q. どこに相談すればいい?

まずは主治医(脳神経外科/神経内科)に「生活で困っている具体例」を伝え、必要に応じてリハビリ科(作業療法・言語聴覚)高次脳機能外来、地域の支援拠点につなげてもらうのが現実的です。制度面は国立障害者リハビリテーションセンターの案内も参考になります。

Q. 家族が「何回も確認する」タイプで困っています

確認行動は、記憶の問題に加えて不安が絡むことが多いです。
“やめさせる”より、確認が1回で済む仕組み(写真、チェック表、スマートロックなど)を作ると落ち着きやすいです。

Q. 仕事復帰が不安です。何から始めれば?

「どの場面で抜けるか」を作業単位に分解し、手順書・チェック・タスクの直列化で補えるか検討します。
就労支援やリハビリと連携するとスムーズです(記憶障害への支援技法の報告もあります)。11

Q. 後遺症は治りますか?

回復する部分もあれば、残る部分もあります。大事なのは“治す”だけでなく“困らない形にする”こと。道具・環境調整・支援で、生活の安定度は大きく上がります。12


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後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
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ゆずまる
ゆずまる
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後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
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ゆずまる
ゆずまる
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後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
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ゆずまる
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後輩薬剤師なぎさ
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ゆずまる
ゆずまる
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後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
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ゆずまる
ゆずまる
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後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
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ゆずまる
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