子どもの起立性調節障害とは?朝起きられない・腹痛・頭痛との関係を薬剤師が解説
- ①ゆずまるとなぎさの掛け合い
- ②前書き:朝起きられない子を「怠け」と決めつけないで
- ③本文:起立性調節障害を超初心者向けに解説
- ③本文つづき:受診・診断・治療の流れ
- ④症例や具体例や実践例など
- ⑤まとめ
- ⑥よくある質問
- 起立性調節障害は怠けや甘えですか?
- 朝起きられないだけでも起立性調節障害の可能性はありますか?
- 午後になると元気なら、学校に行きたくないだけではありませんか?
- 腹痛だけでも起立性調節障害と関係しますか?
- 頭痛薬を飲ませてもいいですか?
- 起立性調節障害は何科に相談すればいいですか?
- 薬を飲めばすぐ治りますか?
- 水分や塩分を増やせばよいですか?
- 運動はしたほうがいいですか?
- 学校にはどう説明すればいいですか?
- スマホやゲームをやめさせれば治りますか?
- エナジードリンクやカフェインで朝起こしてもいいですか?
- 親の育て方が悪いから起こる病気ですか?
- どのくらいでよくなりますか?
- 子どもが「消えたい」「死にたい」と言ったらどうすればいいですか?
- ⑦参考文献
- 薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ
①ゆずまるとなぎさの掛け合い




②前書き:朝起きられない子を「怠け」と決めつけないで
子どもが朝になると起きられない。頭が痛い。お腹が痛い。気持ち悪い。立つとふらふらする。学校に行こうとすると体調が悪くなる。
このような様子が続くと、保護者はとても不安になります。
「夜更かしのせいかな?」
「スマホの見すぎかな?」
「学校で何かあったのかな?」
「本当は行きたくないだけなのかな?」
もちろん、睡眠不足、ストレス、学校生活の悩みが関係することもあります。しかし、思春期前後の子どもでは、起立性調節障害という体の不調が背景にあることがあります。
起立性調節障害は、英語では Orthostatic Dysregulation:OD と呼ばれます。簡単にいうと、寝ている姿勢から起き上がったとき、血圧や心拍数をうまく調節できず、脳や体への血流が不安定になり、さまざまな症状が出る状態です。日本小児心身医学会は、ODを「血圧や心拍数など循環器系の自律神経の調節に不調をきたすこと」が原因となる病気として説明しています[1]。
この記事では、薬局薬剤師の視点から、起立性調節障害について、超初心者向けにわかりやすく解説します。
- 起立性調節障害とは何か
- なぜ朝起きられないのか
- 頭痛や腹痛とどう関係するのか
- 受診の目安はどこか
- 家庭や学校でどう支えるとよいか
- 薬剤師が服薬指導で何を見るべきか
この記事は診断を目的としたものではありません。子どもの症状が続く場合、強い場合、失神・胸痛・体重減少・発熱・血便・激しい頭痛などがある場合は、自己判断せず小児科など医療機関へ相談してください。



③本文:起立性調節障害を超初心者向けに解説
起立性調節障害とは?ひとことで言うと「立ち上がる時の自律神経トラブル」
起立性調節障害は、寝ている状態や座っている状態から立ち上がったときに、血圧や心拍数の調節がうまくいかず、頭痛、めまい、立ちくらみ、だるさ、動悸、腹痛、食欲不振、朝の起床困難などが出る病気です。
人の体は、立ち上がると重力の影響で血液が下半身に移動します。通常であれば、自律神経がすばやく働き、血管をキュッと縮めたり、心拍数を調節したりして、脳や心臓への血流を保ちます。
ところが起立性調節障害では、この調節がうまく働きにくくなります。その結果、立ったときに脳や全身への血流が不安定になり、ふらつき、頭痛、だるさ、気持ち悪さなどが出やすくなります。
日本小児心身医学会の一般向け解説でも、ODでは「頭痛、立ちくらみ、めまい、朝の起床困難、怠さ、食欲低下、失神」などがみられ、症状は午前中に強く午後に軽くなる傾向があると説明されています[1]。
初心者向けイメージ
起立性調節障害は、体の中の「自動調整システム」が朝や起立時にうまく働きにくい状態です。
本人の気合いや根性だけで解決できる問題ではありません。
なぜ思春期の子どもに多いの?
起立性調節障害は、小学校高学年から中学生、高校生くらいの思春期に目立ちやすいとされています。思春期は、体が急に成長し、ホルモンバランスや自律神経の働きも変化しやすい時期です。
日本小児心身医学会は、ODは思春期に発症しやすく、軽症例を含めると中学生の約10%にみられると説明しています。また、不登校の子どもの約3〜4割にODが併存するとされ、家庭だけでなく学校の理解も重要とされています[1]。
| ポイント | 初心者向けの説明 |
|---|---|
| 多い年代 | 小学校高学年〜中学生・高校生に目立ちやすい |
| 症状が出やすい時間 | 朝〜午前中に強いことが多い |
| 午後の様子 | 午後や夕方に少し元気になることがある |
| 誤解されやすい点 | 「朝だけつらい」「午後は元気」なので、怠けや仮病と誤解されやすい |
| 大切な視点 | 体の病気として理解し、責めずに支える |


起立性調節障害でよくみられる症状
起立性調節障害の症状は、とても幅広いです。名前だけ見ると「立ちくらみの病気」と思われがちですが、実際には、頭痛、腹痛、吐き気、倦怠感、食欲不振、朝の起床困難など、日常生活に大きく関わる症状が出ることがあります。
日本小児心身医学会は、診断を疑う症状として、立ちくらみ、失神、気分不良、朝の起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪い、などを挙げています[1]。
| 症状 | 家庭での見え方 | 薬局で聞きたいこと |
|---|---|---|
| 朝起きられない | 何度起こしても起き上がれない | 夜は眠れていますか?午後は動けますか? |
| 頭痛 | 朝に頭が痛い、起き上がると悪化する | 立つと悪化しますか?横になると楽ですか? |
| 腹痛 | 登校前にお腹が痛くなる、吐き気がある | 便秘・下痢・食欲不振はありますか? |
| 立ちくらみ | 立つとふらつく、目の前が暗くなる | 失神したことはありますか? |
| 動悸 | 心臓がドキドキする | 胸痛や運動中の失神はありませんか? |
| 倦怠感 | 午前中にぐったりしている | 発熱、体重減少、強い眠気はありませんか? |
| 食欲不振 | 朝食が食べられない | 水分はどれくらい取れていますか? |
薬局で重要なのは、「頭痛薬を売るかどうか」だけでなく、症状のパターンを確認することです。朝に強い、立つと悪い、横になると楽、午後に回復する、という流れがある場合は、起立性調節障害の可能性も考えて受診勧奨につなげる視点が必要です。
なぜ朝起きられないの?
起立性調節障害で「朝起きられない」のは、単に眠いからとは限りません。朝は、寝ている姿勢から起き上がり、体を活動モードへ切り替える時間です。このとき自律神経がうまく働かないと、血圧や心拍数の調節が不安定になり、起き上がるだけで強いだるさ、頭痛、吐き気、ふらつきが出ることがあります。
さらに、ODでは夜に目がさえて寝られず、起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転に近い生活になることもあると説明されています[1]。つまり、「朝起きられない」背景には、起立時の血流調節の問題と、睡眠リズムの乱れが重なっていることがあります。
朝起きられない流れのイメージ
- 寝ている間は横になっているので症状が目立ちにくい
- 朝、起き上がると血液が下半身へ移動しやすい
- 自律神経の調節が追いつかない
- 脳や体への血流が不安定になる
- 頭痛、めまい、吐き気、腹痛、だるさが出る
- 起き上がるのがつらくなり、登校準備ができない
「起きない」のではなく「起き上がると体調が崩れる」子がいます。


午後になると元気になるのはなぜ?
起立性調節障害の特徴として、午前中に症状が強く、午後になると軽くなることがあります。これは、午後に体の循環調節が少し安定してきたり、横になって休んだことで症状が軽くなったりするためと考えられます。
ただし、ここで誤解が生まれます。午前中は頭痛や腹痛で学校に行けなかったのに、午後にはゲームをしたり、会話ができたりする。保護者や学校から見ると、「本当は行けたのでは?」と感じてしまうことがあります。
しかし、ODでは「午前に悪く、午後に回復する」というパターン自体がよくみられます[1]。そのため、午後に元気だからといって、朝の不調が嘘だったとは言えません。
| 誤解されやすい見方 | 起立性調節障害の視点 |
|---|---|
| 午後は元気だから仮病では? | ODでは午後に軽くなることがある |
| 学校の日だけ具合が悪いのでは? | 朝の起立、緊張、登校準備が重なると症状が出やすい |
| 休日は起きられるのでは? | 予定の時間、睡眠リズム、心理的負荷で変動する |
| ゲームはできるのに勉強はできない? | 起立姿勢、集中力低下、頭痛、疲労が影響することがある |
もちろん、学校でのストレス、不安、いじめ、学業負担、家庭環境などが関わる場合もあります。ODは体の病気ですが、心理社会的ストレスによって症状が悪化することもあります。日本小児心身医学会も、学校や家庭のストレスなど心理社会的ストレスの関与を成因の一つとして挙げています[1]。
大切なのは、体か心かを二択で分けないことです。起立性調節障害は、体の不調に心理的・環境的要因が重なって悪循環になることがあります。
頭痛との関係:ODの頭痛は「起き上がる」「午前中」「立位」で悪くなりやすい
起立性調節障害では、頭痛がよくみられます。日本小児心身医学会の解説でも、ODの症状として頭痛が挙げられています。また、併存症として片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛も挙げられています[1]。
ODに関連する頭痛では、次のような訴えが聞かれることがあります。
- 朝起きると頭が痛い
- 起き上がると頭痛が強くなる
- 立っていると頭が重くなる
- 横になると少し楽になる
- 午前中がつらく、午後に軽くなる
- 頭痛と一緒にめまい、だるさ、吐き気がある
ただし、頭痛があるから必ず起立性調節障害というわけではありません。片頭痛、緊張型頭痛、副鼻腔炎、感染症、視力の問題、薬剤の使用過多による頭痛、まれには緊急性の高い病気など、ほかの原因もあります。
特に、今までにない激しい頭痛、急に始まった強い頭痛、発熱や首の硬さを伴う頭痛、意識がおかしい、けいれん、手足の麻痺、頭部外傷後の頭痛などは、ODと決めつけず早急な医療機関受診が必要です。
薬剤師の確認ポイント:頭痛相談
- 頭痛は朝に強いか
- 起き上がると悪化するか
- 横になると軽くなるか
- めまい、立ちくらみ、動悸、腹痛、吐き気を伴うか
- 鎮痛薬を何日くらい使っているか
- 発熱、意識障害、けいれん、麻痺、頭部外傷がないか
鎮痛薬だけで様子を見続けると、原因の確認が遅れることがあります。


腹痛との関係:ODでは胃腸症状も起こり得る
起立性調節障害では、腹痛や吐き気、食欲不振がみられることがあります。日本小児心身医学会の解説でも、診断を疑う症状の中に腹痛や食欲不振が含まれています[1]。
また、ODの身体面の併存症として、機能性消化管障害、つまり胃腸の動きの問題による吐き気、腹痛、便秘、下痢などが挙げられています[1]。
腹痛があると、「胃腸炎かな?」「便秘かな?」「ストレスかな?」と考えます。もちろんそれらも大切な鑑別です。しかし、腹痛が朝に強い、起き上がると気持ち悪い、頭痛や立ちくらみもある、午後に軽くなる、というパターンでは、ODが関係している可能性もあります。
| 腹痛のパターン | 考えたいこと |
|---|---|
| 朝の登校前にお腹が痛い | OD、便秘、過敏性腸症候群、不安などを確認 |
| 起き上がると吐き気がある | 起立時の自律神経症状が関係することがある |
| 午後になると食べられる | ODで午前中に症状が強いパターンと一致することがある |
| 便秘や下痢をくり返す | 機能性消化管障害の併存も考える |
| 発熱、血便、体重減少、強い持続痛がある | 早めに医療機関へ |
薬局では、腹痛に対して整腸剤や便秘薬を相談されることがあります。その際、腹痛だけを見るのではなく、頭痛、立ちくらみ、朝の起床困難、食欲不振、午後の回復などを合わせて確認すると、受診勧奨の判断に役立ちます。
腹痛相談で確認したい一言
「お腹の痛みは、朝や起き上がった時に強いですか?頭痛、立ちくらみ、気持ち悪さ、食欲不振も一緒にありますか?」
この一言で、単なる胃腸症状だけでなく、起立性調節障害の可能性にも気づきやすくなります。
「心の問題」と決めつけてはいけない理由
起立性調節障害は、学校に行けない、朝起きられない、午後は元気に見える、検査で大きな異常が見つからないことがある、という特徴から、本人の気持ちの問題と誤解されやすい病気です。
しかし、日本小児心身医学会は、ODが身体の病気であることを親子に丁寧に説明することで、親子の不安を軽減できるとしています。また、家族が症状を精神的なもの、怠けと捉えることは、子どもにとって心理的ストレスとなり、自律神経を介して症状を悪化させる可能性があると説明しています[1]。
もちろん、心理的なストレスや学校生活の問題が無関係という意味ではありません。むしろ、体の不調が続くことで学校に行きづらくなり、周囲に理解されず、さらに不安が強くなり、症状が悪化することがあります。
大切な考え方
起立性調節障害は「体か心か」ではなく、「体の不調に心と環境が影響し合う病気」と考えると理解しやすいです。


起立性調節障害で起こりやすい悪循環
起立性調節障害では、体調不良そのものに加えて、生活リズムの乱れ、活動量の低下、学校への不安、周囲の誤解が重なり、悪循環になることがあります。
日本小児心身医学会は、日常活動量の低下により、筋力低下と自律神経機能の悪化、下半身への過剰な血液貯留、心拍出量低下、脳血流低下という悪循環が形成されると、症状がさらに増悪すると説明しています[1]。
悪循環のイメージ
- 朝起きると頭痛・腹痛・だるさがある
- 学校に行けない日が増える
- 横になる時間が増える
- 体力や筋力が落ちる
- 立った時にさらに血流調節がつらくなる
- もっと起き上がりにくくなる
- 周囲から誤解され、不安やストレスが増える
休むことも必要ですが、長期的には「無理のない範囲で体を慣らす」視点も必要です。
家庭でできる観察:まずは「症状の時間割」を作る
起立性調節障害が疑われる場合、家庭では「気合いで起こす」よりも、症状の時間割を作ることが役立ちます。医師に相談するときも、症状のパターンがわかると診療に役立ちます。
| 記録する項目 | 具体例 |
|---|---|
| 起床時刻 | 7時に声かけ、実際に起き上がれたのは10時 |
| 症状 | 頭痛、腹痛、吐き気、立ちくらみ、動悸 |
| 姿勢との関係 | 立つと悪化、横になると楽 |
| 時間帯の変化 | 午前中は不調、15時以降は会話可能 |
| 食事・水分 | 朝食なし、水分少なめ、夕方は食べられる |
| 睡眠 | 寝つきが悪い、夜中にスマホ、昼寝が長い |
| 学校との関係 | 登校日前に悪化、休日も朝はつらい |
| 薬の使用 | 鎮痛薬、整腸剤、便秘薬、処方薬、サプリ |
この記録は、本人を責めるためではありません。体調の波を見える化して、適切な受診・治療・学校調整につなげるための記録です。
薬剤師から保護者へ伝えやすい一言
「朝起きられないことを叱る前に、何時にどんな症状が出るかを3〜7日ほどメモして、小児科で相談してみてください。頭痛や腹痛だけでなく、立ちくらみや午後の回復も大切な情報になります。」
③本文つづき:受診・診断・治療の流れ


起立性調節障害はどうやって診断するの?
起立性調節障害は、症状の聞き取りだけで決めるものではありません。症状のパターン、日常生活への影響、ほかの病気の除外、起立時の血圧・脈拍の変化などを組み合わせて判断されます。
日本小児心身医学会の一般向け解説では、立ちくらみ、失神、気分不良、朝の起床困難、頭痛、腹痛、動悸、午前中に調子が悪く午後に回復する、食欲不振、車酔い、顔色が悪いなどのうち、3つ以上、または2つ以上でも症状が強い場合に起立性調節障害を疑うと説明されています[1]。
ただし、似た症状を起こす病気もあります。そのため、起立性調節障害らしい症状があっても、まずは貧血、心疾患、てんかん、甲状腺疾患などを除外する視点が大切です[1]。
診断の流れを超初心者向けにいうと
- どんな症状があるかを確認する
- 朝・昼・夕方で症状がどう変わるかを確認する
- 立つと悪くなるか、横になると楽になるかを確認する
- 貧血、心臓、神経、内分泌など別の病気がないか調べる
- 新起立試験などで血圧・脈拍の変化を見る
- 学校生活や家庭生活への影響を確認する
「朝起きられない=起立性調節障害」と自己判断するのではなく、医師の評価を受けることが大切です。
診断でよく聞かれる症状チェック
受診時には、医師から症状について詳しく聞かれます。保護者や本人が事前に整理しておくと、診察で伝えやすくなります。
| 確認項目 | 具体的に伝える内容 | なぜ大事? |
|---|---|---|
| 朝の状態 | 何時に声をかけ、何時に起き上がれるか | 起床困難の程度がわかる |
| 症状の種類 | 頭痛、腹痛、吐き気、めまい、動悸、失神など | ODらしさや鑑別の手がかりになる |
| 姿勢との関係 | 立つと悪化、横になると楽になるか | 起立による循環変化を疑う手がかりになる |
| 時間帯の差 | 午前中が悪く、午後に回復するか | ODでよくみられるパターンを確認できる |
| 学校生活 | 遅刻、欠席、保健室利用、体育参加の可否 | 重症度や支援内容の判断に関係する |
| 睡眠 | 寝つき、夜更かし、昼寝、昼夜逆転の有無 | 症状の悪循環を考える材料になる |
| 食事・水分 | 朝食、水分摂取量、塩分摂取、体重変化 | 生活指導や脱水傾向の確認につながる |
| 服薬・サプリ | 処方薬、OTC、漢方、サプリ、カフェイン飲料 | 薬剤性の症状や相互作用を考える |


新起立試験とは?
起立性調節障害の評価では、医療機関で「新起立試験」が行われることがあります。これは、横になった状態から立ち上がったあと、血圧や脈拍の変化、症状の出方を確認する検査です。
起立性調節障害は、単に「血圧が低い病気」というより、立ち上がったときの血圧・心拍・血流の調節がうまくいかない状態です。そのため、寝た状態の血圧だけで判断するのではなく、起立後の変化を見ることが重要になります。
日本小児心身医学会の解説では、新起立試験により、起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、血管迷走神経性失神、遷延性起立性低血圧などのサブタイプを判定すると説明されています[1]。
| サブタイプ | 超初心者向けのイメージ |
|---|---|
| 起立直後性低血圧 | 立ち上がった直後に血圧が下がり、ふらつきや気分不良が出やすいタイプ |
| 体位性頻脈症候群 | 立っていると心拍数が上がりやすく、動悸、だるさ、ふらつきが出やすいタイプ |
| 血管迷走神経性失神 | 立位や緊張などをきっかけに、気分不良から失神につながることがあるタイプ |
| 遷延性起立性低血圧 | 立ってしばらくしてから血圧低下が目立つタイプ |
サブタイプは治療方針を考えるうえで参考になります。ただし、専門的な判定が必要なため、家庭や薬局で無理に分類する必要はありません。
ここで大切なこと
薬剤師や保護者が行うべきことは、サブタイプを決めることではありません。
「どんな場面で悪くなるか」「どんな姿勢で楽になるか」「学校生活にどれくらい影響しているか」を整理して医師に伝えることが大切です。
早めに受診したほうがよいサイン
朝起きられない、頭痛、腹痛、立ちくらみがある場合でも、すべてが緊急というわけではありません。しかし、次のような症状がある場合は、起立性調節障害だけで説明せず、早めの受診が必要です。
| 症状 | 考えたいリスク | 対応 |
|---|---|---|
| 運動中の失神 | 心疾患などの可能性 | 早急に受診 |
| 胸痛、強い動悸、息切れ | 心臓・呼吸器疾患など | 早急に受診 |
| 今までにない激しい頭痛 | 神経疾患、感染症など | 早急に受診 |
| 発熱、首の硬さ、意識がおかしい | 髄膜炎など重い感染症の可能性 | 救急受診も検討 |
| けいれん、手足の麻痺、ろれつが回らない | 神経疾患など | 救急受診 |
| 血便、黒色便、体重減少、強い腹痛 | 消化器疾患など | 早めに受診 |
| 水分が取れない、尿が少ない | 脱水 | 早めに受診 |
| 死にたい、消えたいなどの発言 | 強い心理的危機 | 保護者だけで抱えず、医療・相談機関へ |
起立性調節障害は思春期に多い病気ですが、似た症状を起こす別の病気を見逃さないことが重要です。薬局で市販薬を希望された場合でも、上記のようなサインがあれば、販売より受診勧奨を優先します。
治療の基本は「説明・生活調整・学校連携・必要に応じた薬」
起立性調節障害の治療は、薬だけで完結するものではありません。日本小児心身医学会は、治療として、疾病教育、非薬物療法、学校との連携、薬物療法、環境調整、心理療法を組み合わせると説明しています[1]。
つまり、治療の柱は次のように考えるとわかりやすいです。
| 治療の柱 | 具体的な内容 | 薬剤師が関われること |
|---|---|---|
| 疾病教育 | 本人・家族がODを体の病気として理解する | 怠けと決めつけない説明を補助する |
| 生活調整 | 水分、塩分、起立動作、運動、睡眠リズム | 無理のない実践方法を一緒に整理する |
| 学校連携 | 遅刻、別室登校、体育、試験、課題量の調整 | 医師の指示や診断書の必要性を説明する |
| 薬物療法 | ミドドリンなどが使われることがある | 用法、副作用、飲み忘れ、血圧変化を確認する |
| 環境調整 | 家庭・学校で責めない対応を作る | 保護者の不安を受け止め、受診継続を支える |
| 心理的支援 | 不安、焦り、孤立感への支援 | 必要時に医師・相談機関へつなぐ |


非薬物療法:まず大切な生活の工夫
起立性調節障害では、生活の工夫がとても重要です。日本小児心身医学会の一般向け解説では、非薬物療法として、頭を下げながらゆっくり立つ、静止した起立を長く続けない、足をクロスする、水分を1日1.5〜2L、塩分を普段の食事に加えて3g程度、毎日30分程度歩く、規則正しい生活リズムを心がける、などが紹介されています[1]。
ただし、これをそのまま厳しいノルマにすると、本人が追い詰められることがあります。特に症状が強い時期は、「完璧にできたか」ではなく「昨日より少しできたか」を見ることが大切です。
| 生活の工夫 | 具体例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 起き上がり方 | 急に立たず、布団の中で足を動かしてからゆっくり起きる | 無理に立たせると悪化することがある |
| 水分 | 朝、昼、夕方に分けて少しずつ飲む | 心臓・腎臓の病気がある場合は医師に確認 |
| 塩分 | 医師の指示に沿って食事で調整する | 自己判断で極端に増やさない |
| 長時間立位を避ける | 朝礼、満員電車、立ちっぱなしを避ける工夫 | 学校との調整が必要なことがある |
| 足のクロス | 立っている時に足を交差して筋肉を使う | 転倒しない場所で行う |
| 運動 | 短時間の散歩、座位での足踏み、軽いストレッチ | 最初から激しい運動をしない |
| 睡眠リズム | 起床後にカーテンを開ける、昼寝を長くしすぎない | 叱責より環境作りを優先 |
家庭で実践しやすい朝の流れ
- いきなり立たせず、声かけはやさしく短くする
- 布団の中で足首を動かす
- 横向きからゆっくり座る
- 座ったまま水分を少し取る
- 頭を少し下げるようにして、ゆっくり立つ
- 無理なら一度休み、再チャレンジする
「早く起きなさい!」より、「体を起こす準備を一緒にしよう」のほうが、本人の負担を減らしやすいです。
水分と塩分はなぜ大切?
起立性調節障害では、立ち上がったときに血液が下半身にたまりやすく、脳や上半身への血流が不安定になりやすいと考えられます。そのため、体の中の循環血液量を保つ目的で、水分と塩分の摂取が重要になります。
水分摂取は、朝に一気に飲むより、1日を通して少しずつ取るほうが続けやすいです。学校に水筒を持参できるか、授業中に水分摂取が許可されるかなど、学校との相談が必要なこともあります。
塩分については、医師から具体的な指示が出ることがあります。ただし、高血圧、腎疾患、心疾患などがある場合は注意が必要です。塩分を増やす工夫は、持病や医師の指示を確認してから行うようにしましょう。
| 場面 | 工夫 | 薬剤師のひとこと |
|---|---|---|
| 朝 | 起き上がる前後に少量の水分 | 吐き気がある日は少量ずつで大丈夫です |
| 登校前 | 水筒を準備する | 学校で飲めるタイミングを確認しましょう |
| 昼 | 昼食時に水分を確保する | 食欲がない日はゼリーや汁物も相談材料です |
| 夕方 | 活動後に水分補給 | カフェイン飲料に偏らないよう注意します |
| 就寝前 | 飲みすぎない | 夜間頻尿で睡眠が乱れる場合があります |
運動は必要?休ませたほうがいい?
起立性調節障害では、症状が強い時期に無理をさせる必要はありません。しかし、横になっている時間が長くなると、筋力低下や自律神経機能の悪化につながり、さらに起き上がりにくくなることがあります。日本小児心身医学会も、活動量低下による筋力低下、自律神経機能の悪化、下半身への血液貯留などの悪循環を説明しています[1]。
そのため、運動は「根性で体育に出る」という意味ではなく、体調に合わせて、横になる時間を少しずつ減らし、体を慣らすという意味で考えます。
| 症状の強さ | 運動の考え方 | 具体例 |
|---|---|---|
| かなり強い | まずは起き上がる練習 | ベッド上で足首回し、座位保持を短時間 |
| 少し座れる | 座ったまま筋肉を動かす | 足踏み、軽いストレッチ、深呼吸 |
| 短時間歩ける | 短い散歩から開始 | 家の中、玄関先、近所を数分 |
| 午後は動ける | 午後の調子がよい時間に活動 | 買い物同行、軽い家事、散歩 |
| 学校に一部参加できる | 体育や部活は段階的に | 見学、短時間参加、強度調整 |
運動は本人の努力だけでなく、保護者と学校の理解が必要です。特に体育では、立ちっぱなし、長距離走、暑い環境、朝の運動で悪化しやすいことがあります。
学校との連携:遅刻・欠席を責めるより、参加方法を調整する
起立性調節障害では、学校との連携がとても大切です。午前中に症状が強い子どもにとって、毎朝同じ時間に登校することは大きな負担になることがあります。
学校側がODを知らないと、「午後は元気なのに」「授業をさぼっているのでは」と誤解されることがあります。その結果、本人が傷つき、登校への不安が強まり、さらに症状が悪化することもあります。
日本小児心身医学会も、学校関係者にODの理解を深めてもらい、受け入れ態勢を整えることが大切だと説明しています[1]。
| 学校での困りごと | 調整例 | ポイント |
|---|---|---|
| 朝の登校が難しい | 遅刻登校、午後登校、オンライン活用 | 「毎日ゼロか百か」にしない |
| 朝礼で立っていられない | 座って参加、保健室待機 | 長時間立位を避ける |
| 体育がつらい | 見学、軽いメニュー、午後の参加 | 体調に応じて段階的に |
| テストが午前中で難しい | 別時間、別室、追試の相談 | 集中力低下も考慮する |
| 欠席で勉強が遅れる | 課題量の調整、補習、教材共有 | 焦りを減らす |
| 友人に説明しづらい | 本人の希望に沿って先生から説明 | 病名をどこまで共有するか本人と相談 |
学校に相談するときの伝え方例
「朝の時間帯に血圧や自律神経の調節がうまくいかず、頭痛や腹痛、立ちくらみが出やすい状態です。午後は比較的動けることがありますが、朝の症状が嘘というわけではありません。医師と相談しながら、遅刻登校や保健室利用など、本人が参加できる形を考えたいです。」


薬物療法:ミドドリンなどが使われることがある
起立性調節障害では、生活調整や学校連携を行ったうえで、症状や重症度に応じて薬物療法が検討されることがあります。日本小児心身医学会の一般向け解説では、非薬物療法を行ったうえで、ミドドリンなどの薬を処方すると説明されています[1]。
ミドドリン塩酸塩は、本態性低血圧、起立性低血圧を効能・効果とする医療用医薬品です。添付文書情報では、小児には通常1日4mgを2回に分けて経口投与し、症状により適宜増減するが、1日最高量は6mgとされています[3]。
ミドドリンは血管を収縮させ、血圧を上げる方向に働く薬です。そのため、薬剤師は「効いたかどうか」だけでなく、血圧上昇、動悸、頭痛、排尿症状、服用タイミングなども確認します。
| 薬剤師が確認したいこと | 確認例 | 理由 |
|---|---|---|
| 服用タイミング | 朝・昼など医師の指示通り飲めているか | 症状が出やすい時間帯との関係を見るため |
| 飲み忘れ | 休日や午後登校の日に飲み忘れていないか | 効果判定が難しくなるため |
| 血圧変化 | 家庭血圧の記録があるか | 血圧が上がりすぎていないか確認するため |
| 頭痛・動悸 | 服用後に頭痛やドキドキが強くならないか | 薬の影響も考えるため |
| 排尿症状 | 尿が出にくい、残尿感がないか | 注意すべき副作用の確認 |
| 併用薬 | かぜ薬、鼻炎薬、漢方、カフェイン、サプリ | 交感神経刺激作用や血圧への影響を見るため |
| 寝る前の服用 | 夜に飲んでいないか | 臥位高血圧などに注意するため |
ミドドリン服薬指導の重要ポイント
- 医師の指示どおりに服用する
- 自己判断で増量しない
- 頭痛、動悸、血圧上昇感、尿が出にくいなどがあれば相談する
- 市販のかぜ薬や鼻炎薬を使う前に薬剤師へ相談する
- 症状が改善しても、自己判断で中止しない
薬は「生活調整の代わり」ではなく、「生活調整を支える選択肢のひとつ」です。
薬を飲んでもすぐ治らないことがある
起立性調節障害では、薬を飲み始めても、すぐに朝起きられるようになるとは限りません。症状には、自律神経、睡眠リズム、活動量、学校環境、心理的ストレスなど、さまざまな要因が関係するためです。
日本小児心身医学会の解説では、日常生活に支障のない軽症例では適切な治療で2〜3か月で改善する一方、学校を長期欠席する重症例では社会復帰に2〜3年以上を要することもあると説明されています[1]。
そのため、服薬指導では、短期的な変化だけで判断せず、次のような点を確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 朝の起床 | 完全に起きられなくても、起き上がれる時間が少し早くなったか |
| 頭痛・腹痛 | 強さ、頻度、持続時間が変わったか |
| 立ちくらみ | 失神や転倒が減ったか |
| 水分摂取 | 1日を通して飲めているか |
| 活動量 | 横になる時間が少し減ったか |
| 学校参加 | 午後登校、保健室登校、短時間参加ができたか |
| 本人の気持ち | 責められていないか、孤立していないか |
「薬を飲んだのに学校に行けない=効いていない」と単純に判断しないことが大切です。症状の変化を細かく見て、医師と相談しながら治療を調整します。
市販薬・OTC相談で注意したいこと
起立性調節障害の子どもは、頭痛、腹痛、吐き気、便秘、下痢、眠れない、朝がつらいなど、さまざまな症状で薬局に相談に来ることがあります。薬剤師は、OTC販売の前に、症状の背景と受診の必要性を確認します。
| 相談内容 | 注意点 | 薬剤師の対応例 |
|---|---|---|
| 頭痛薬がほしい | 頻回使用、朝だけ強い頭痛、危険な頭痛を確認 | 使用日数を確認し、続く場合は小児科へ |
| 腹痛薬がほしい | 血便、発熱、体重減少、強い持続痛を確認 | 赤旗症状があれば販売より受診優先 |
| 整腸剤がほしい | ODに伴う機能性消化管症状の可能性も考える | 頭痛・立ちくらみ・朝の不調も確認 |
| 便秘薬がほしい | 脱水、食事量低下、運動不足も関係する | 水分・食事・受診歴も確認 |
| 眠れない | 昼夜逆転、スマホ、精神的負担、服薬状況を確認 | 小児への睡眠改善薬の自己判断使用は避け、受診相談 |
| かぜ薬がほしい | 交感神経刺激成分やカフェイン配合に注意 | 処方薬、血圧、動悸を確認して選択 |
| 栄養ドリンクがほしい | カフェインで動悸や睡眠悪化の可能性 | 常用しないよう説明し、生活全体を確認 |
薬局での声かけ例
「頭痛や腹痛だけでなく、朝起きられない、立つとふらつく、午後になると少し楽になる、ということはありますか?もし続いているなら、市販薬だけで様子を見るより、小児科で相談したほうが安心です。」
カフェイン・エナジードリンクに注意
朝起きられない子どもが、眠気対策としてカフェイン飲料やエナジードリンクを使うことがあります。しかし、カフェインは動悸、手の震え、胃部不快感、不眠などにつながることがあり、起立性調節障害の子どもでは症状の見え方を複雑にする可能性があります。
特に、夜にカフェインを取ると寝つきが悪くなり、翌朝さらに起きにくくなる悪循環につながります。
| よくある行動 | 起こり得る問題 | 代わりに考えたいこと |
|---|---|---|
| 朝にエナジードリンクを飲む | 動悸、胃部不快感、頭痛が強くなることがある | 水分補給、朝の起き上がり方の工夫 |
| 夜にカフェイン飲料を飲む | 寝つきが悪くなり、朝の不調が悪化する | 夕方以降は控える |
| 眠気をカフェインでごまかす | 根本的な睡眠リズムの調整が遅れる | 睡眠記録をつけて医師に相談 |
| 頭痛薬+カフェイン飲料 | カフェイン過多、頭痛の評価が難しくなる | 薬剤師に成分確認を依頼 |
「起きられないからカフェインで無理やり起こす」という対応は、かえって睡眠と自律神経のリズムを乱すことがあります。
漢方薬やサプリは使っていい?
起立性調節障害の相談では、漢方薬やサプリメントについて聞かれることもあります。体質や症状に応じて医師が漢方薬を使うことはありますが、自己判断で複数の漢方薬やサプリを重ねるのは注意が必要です。
特に、甘草を含む漢方薬では偽アルドステロン症によるむくみ、血圧上昇、低カリウム血症などが問題になることがあります。また、サプリメントや健康食品の中には、カフェイン様作用、利尿作用、血圧への影響があるものもあります。
| 確認したいもの | 注意点 |
|---|---|
| 漢方薬 | 複数併用で甘草量が増えることがある |
| サプリメント | 成分が不明確なもの、血圧や睡眠に影響するものに注意 |
| 健康茶 | 利尿作用で水分不足につながる可能性 |
| ダイエット系製品 | 食事量低下、脱水、動悸につながることがある |
| 海外製品 | 成分量や品質が確認しにくいことがある |
薬剤師は、処方薬だけでなく、OTC、漢方、サプリ、健康食品、エナジードリンクまで含めて確認します。「薬ではないから安全」とは限りません。


家庭でやってはいけない対応
起立性調節障害では、家族の理解が治療に大きく関わります。良かれと思って行った対応が、本人を追い詰めたり、症状を悪化させたりすることがあります。
| 避けたい対応 | なぜ注意? | 代わりにしたい対応 |
|---|---|---|
| 何度も大声で叱る | 不安や罪悪感が強くなる | 短く穏やかな声かけにする |
| 無理やり立たせる | ふらつき、転倒、失神の危険 | 段階的に起き上がる |
| 午後元気なことを責める | ODの特徴を誤解している可能性 | 午前と午後の波を記録する |
| 学校に行けない日を失敗扱いする | 自己肯定感が下がる | できたことを確認する |
| 薬を自己判断で増減する | 血圧や副作用に影響する | 医師・薬剤師に相談する |
| サプリを大量に試す | 成分や相互作用が不明なことがある | 使用前に薬剤師へ相談する |
保護者に伝えたい大切なこと
起立性調節障害の子どもは、「起きたくない」のではなく、「起き上がると体調が崩れる」ことがあります。
叱るより、症状の波を記録し、医師・学校・薬剤師と一緒に支える体制を作ることが大切です。
薬剤師ができる支援:5つの役割
起立性調節障害の治療では、医師、本人、家族、学校の連携が重要です。薬剤師は診断をする立場ではありませんが、薬局での相談対応、服薬支援、受診勧奨、生活上の注意点の確認などで関わることができます。
| 薬剤師の役割 | 具体的にできること |
|---|---|
| 症状の整理 | 朝、立位、横になる、午後の変化を確認する |
| 受診勧奨 | ODが疑われる場合や赤旗症状がある場合に小児科へつなぐ |
| 服薬支援 | ミドドリンなどの用法、副作用、飲み忘れを確認する |
| OTC適正使用 | 頭痛薬、腹痛薬、かぜ薬、睡眠改善薬、サプリの使用を確認する |
| 家族支援 | 怠けと決めつけず、症状記録と学校連携を提案する |
薬局で使える聞き取りテンプレート
- 症状は朝に強いですか?
- 立つと悪くなり、横になると楽になりますか?
- 午後や夕方になると少し動けますか?
- 頭痛、腹痛、吐き気、動悸、立ちくらみはありますか?
- 失神や転倒はありますか?
- 水分はどのくらい取れていますか?
- 処方薬、市販薬、サプリ、カフェイン飲料は使っていますか?
- 学校生活で困っていることはありますか?
④症例や具体例や実践例など


症例1:朝起きられず、頭痛と腹痛をくり返す小学6年生
ケース
小学6年生の女の子。春ごろから朝に起きられない日が増えました。母親が何度起こしても布団から出られず、「頭が痛い」「お腹が痛い」「気持ち悪い」と言います。
最初は風邪や胃腸炎かと思いましたが、熱はありません。午後になると少し元気になり、夕方には食事も取れます。休日も朝は弱いものの、昼以降は比較的動けます。
薬局には、保護者が「子ども用の頭痛薬と整腸剤をください」と相談に来ました。
| 確認した内容 | わかったこと |
|---|---|
| 症状の時間帯 | 朝から午前中に強い |
| 姿勢との関係 | 起き上がると頭痛・吐き気が強くなる |
| 午後の様子 | 午後は少し会話や食事ができる |
| 随伴症状 | 立ちくらみ、食欲不振、腹痛がある |
| 危険サイン | 発熱、血便、激しい頭痛、けいれんはなし |
このケースでは、頭痛や腹痛だけでなく、朝の起床困難、起立時の気分不良、午後の回復がそろっています。薬剤師としては、起立性調節障害の可能性も考え、市販薬だけで様子を見るのではなく、小児科受診を勧める場面です。
薬剤師の説明例
「頭痛や腹痛が朝に強く、起き上がるとつらく、午後に少し楽になる場合は、胃腸や頭痛だけでなく、自律神経や血圧調節の問題が関係していることがあります。数日分の症状メモを持って、小児科で相談してみると安心です。」
朝の頭痛・腹痛を、市販薬だけで長く様子見しないことが大切です。
症例2:午後は元気に見えるため、仮病と誤解された中学2年生
ケース
中学2年生の男の子。朝は強いだるさと立ちくらみがあり、学校に行けません。母親は最初、「夜更かしが原因」と考えていました。
ところが、午後3時ごろになると会話ができ、ゲームも少しできます。その様子を見た家族は、「午後に遊べるなら朝も起きられるはず」と感じ、本人を強く叱るようになりました。
本人は「本当に朝はつらいのに、誰も信じてくれない」と話し、学校や家族との会話を避けるようになりました。
| 家族の見え方 | 起立性調節障害の視点 |
|---|---|
| 午後は元気だから仮病では? | ODでは午前中に悪く、午後に軽くなることがある |
| ゲームができるなら学校も行けるのでは? | 座位・短時間・好きな活動と、朝の登校負荷は同じではない |
| 叱れば起きるのでは? | 不安や緊張が強まり、症状が悪化することがある |
| 学校に行かないのは甘えでは? | 体調不良に学校不安が重なっている可能性がある |
このケースで大切なのは、午後に元気な時間があることを責めないことです。午後に動ける時間は、回復への足がかりになります。
家庭での言い換え例
| 避けたい声かけ | 言い換え例 |
|---|---|
| 午後は元気なのに、なんで朝は無理なの? | 朝と午後で体調が違うんだね。どの時間が一番つらいか一緒に記録しよう。 |
| 学校に行きたくないだけでしょ? | 体のつらさと学校の不安、どちらも一緒に整理していこう。 |
| 早く普通に戻りなさい。 | 今日は昨日より何が少しできたかを見てみよう。 |
| ゲームはできるのに勉強はできないの? | 短い時間から、できる勉強方法を先生と相談しよう。 |
午後に元気な時間があることは、仮病の証拠ではなく、体調の波を理解する手がかりです。
症例3:ミドドリンが処方された高校1年生への服薬支援
ケース
高校1年生の女の子。小児科で起立性調節障害と診断され、生活指導に加えてミドドリン塩酸塩が処方されました。
本人は「薬を飲めばすぐ朝から学校に行ける」と期待していましたが、1週間たっても朝のつらさは残っています。保護者は「薬が効いていないのでは」と不安になっています。
薬局で確認すると、休日は服用を忘れることがあり、水分摂取量も少なく、朝食はほとんど食べられていませんでした。
| 薬剤師が確認したこと | 対応のポイント |
|---|---|
| 飲み方 | 医師の指示どおりの時間・回数で飲めているか確認 |
| 飲み忘れ | 休日や午後登校の日も指示どおりか確認 |
| 副作用 | 頭痛、動悸、血圧上昇感、尿が出にくいなどを確認 |
| 生活調整 | 水分、塩分、起き上がり方、運動量を確認 |
| 効果判定 | 完全登校だけでなく、起き上がれる時間や症状の強さを記録 |
ミドドリンは、起立性低血圧などに使われる低血圧治療薬です。小児にも用量設定がありますが、自己判断で増量したり中止したりせず、医師の指示に従う必要があります[4][5]。
服薬指導で伝えたいこと
- 薬は生活調整とセットで効果を見ていく
- 「学校に行けたか」だけでなく「起き上がれる時間」「頭痛・腹痛の強さ」も記録する
- 頭痛、動悸、血圧上昇感、尿が出にくいなどがあれば相談する
- 市販のかぜ薬、鼻炎薬、カフェイン飲料を使う前に薬剤師へ相談する
- 自己判断で中止・増量しない
薬だけで一気に解決しようとせず、症状の変化を医師・薬剤師と一緒に確認することが大切です。
症例4:薬局で「エナジードリンクを飲ませてもいい?」と聞かれたケース
ケース
中学生の保護者から、「朝起きられないので、エナジードリンクを飲ませてもいいですか?」と相談がありました。
本人は朝がつらく、夜は寝つきが悪い状態です。日中の眠気をカフェインでごまかそうとしていました。
カフェインを過剰に摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などが起こることがあります[7]。また、カフェインを多く含む清涼飲料水は、小児や妊婦等に飲用を控える旨の表示が行われるよう取組がなされています[8]。
| 目的 | カフェインで起こり得る問題 | 代わりに考えること |
|---|---|---|
| 朝に無理やり起こしたい | 動悸、胃部不快感、頭痛、不安が強まることがある | 起き上がり方、水分摂取、医師への相談 |
| 眠気を飛ばしたい | 夜の寝つきが悪くなり、翌朝さらに悪化することがある | 睡眠記録、昼寝時間の調整、朝の光 |
| 学校に間に合わせたい | 一時的に動けても悪循環になる可能性 | 遅刻登校、午後登校、学校連携 |
薬剤師の説明例
「朝起きられない原因が、眠気だけでなく起立性調節障害のような体調不良である場合、カフェインで無理に起こそうとすると、動悸や不眠で悪循環になることがあります。続いているなら、小児科で相談し、学校への調整も含めて考えたほうが安心です。」
子どもの朝の不調に、エナジードリンクで対応するのは基本的におすすめしにくいです。
実践例:家庭で使える「1週間の症状メモ」
起立性調節障害が疑われるときは、症状を言葉だけで説明しようとすると難しくなります。そこで、まずは1週間だけでも記録をつけると、受診時に役立ちます。
| 日付 | 起床できた時刻 | 朝の症状 | 立つと悪化? | 午後の状態 | 水分 | 学校参加 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 10:30 | 頭痛、腹痛、吐き気 | あり | 15時から少し会話 | 少ない | 欠席 |
| 火 | 9:40 | 頭痛、立ちくらみ | あり | 午後は宿題少し | 普通 | 午後登校 |
| 水 | 11:00 | 腹痛、だるさ | 不明 | 夕方に食事 | 少ない | 欠席 |
| 木 | 9:20 | 頭痛軽め | 少しあり | 午後は外出少し | 普通 | 保健室登校 |
| 金 | 10:10 | 吐き気、だるさ | あり | 15時以降回復 | 少ない | 欠席 |
記録の目的は、本人を管理したり責めたりすることではありません。症状の波を見える化し、医師や学校と相談する材料にすることです。
記録するときのコツ
- 完璧に書こうとしない
- 症状を責める言葉で書かない
- 「できなかったこと」だけでなく「できたこと」も書く
- 午前と午後の違いを記録する
- 水分、食事、睡眠、薬の使用も簡単に書く
記録は「叱る材料」ではなく、「支援につなげる材料」です。
実践例:学校に相談するときのメモ
学校に相談するときは、感情的に伝えるよりも、医師の診断や症状の特徴、必要な配慮を簡潔にまとめると伝わりやすくなります。
学校へ相談するときのメモ例
現在、起立性調節障害の可能性について小児科で相談しています。朝から午前中にかけて、頭痛、腹痛、吐き気、立ちくらみが強く、登校準備が難しい日があります。
午後になると比較的動けることがありますが、朝の症状が嘘という意味ではありません。
医師と相談しながら、以下のような対応をお願いできないか相談したいです。
- 遅刻登校や午後登校の許可
- 朝礼や長時間立位を避ける配慮
- 保健室や別室で休める体制
- 体育の見学や軽い運動からの段階的参加
- 欠席時の課題量や提出期限の調整
- テスト時間や別室受験の相談
不登校や登校困難がある場合、文部科学省は「誰一人取り残されない学びの保障」に向けた不登校対策を進めており、相談窓口や情報提供も整備されています[9]。学校に相談しづらい場合は、教育相談、自治体の相談窓口、医療機関など複数の支援先を使うことも大切です。
実践例:薬局での受診勧奨フレーズ
薬剤師は診断をする立場ではありません。しかし、症状を整理して、適切な受診につなげることはできます。
| 相談内容 | 薬剤師の声かけ例 |
|---|---|
| 朝起きられない | 「眠気だけでなく、起き上がると頭痛や吐き気、立ちくらみが出ることはありますか?」 |
| 頭痛薬がほしい | 「頭痛は朝に強いですか?立つと悪くなり、横になると楽になりますか?」 |
| 腹痛薬がほしい | 「腹痛のほかに、朝のだるさ、立ちくらみ、食欲不振はありますか?」 |
| 午後は元気 | 「起立性調節障害では、午前中に悪く午後に軽くなることがあります。仮病と決めつけず、症状を記録して相談しましょう。」 |
| 学校に行けない | 「体調の波を医師に相談し、学校とも遅刻登校や保健室利用などを話し合うとよいです。」 |
| 薬が効かない | 「完全登校だけでなく、起き上がれる時間や症状の強さも記録して、次回受診時に相談しましょう。」 |


⑤まとめ
起立性調節障害は、思春期の子どもにみられやすい、自律神経による循環調節の不調です。立ち上がったときに血圧や心拍数の調節がうまくいかず、頭痛、腹痛、吐き気、立ちくらみ、動悸、倦怠感、食欲不振、朝の起床困難などが出ることがあります[1]。
特に大切なのは、「朝起きられない=怠け」と決めつけないことです。ODでは午前中に症状が強く、午後になると軽くなることがあります。そのため、午後に元気な時間があるからといって、朝の不調が嘘とは言えません。
頭痛や腹痛だけを見ると、片頭痛、胃腸炎、便秘、ストレスなどに見えることもあります。しかし、朝に強い、起き上がると悪化する、横になると楽、立ちくらみや動悸を伴う、午後に回復する、という流れがあれば、起立性調節障害も視野に入れて小児科受診を考えます。
治療は、薬だけで完結するものではありません。疾病教育、生活調整、水分・塩分、運動、睡眠リズム、学校との連携、必要に応じた薬物療法、心理的支援を組み合わせて進めます[1][2]。
この記事の重要ポイント
- 起立性調節障害は、子どもの朝の不調に関係することがある
- 頭痛、腹痛、吐き気、立ちくらみ、だるさ、食欲不振がセットで出ることがある
- 午前中に悪く、午後に軽くなることがある
- 午後に元気だから仮病とは言えない
- 市販薬だけで長く様子を見るより、症状が続く場合は小児科へ相談する
- 診断では、ほかの病気の除外や起立時の血圧・脈拍の評価が重要
- 治療は、生活調整・学校連携・必要に応じた薬物療法を組み合わせる
- 薬剤師は、服薬支援、OTC確認、受診勧奨、家族支援で関わることができる
保護者にとって、子どもが朝起きられない日が続くことは、とても不安で、時には怒りや焦りにつながります。しかし、本人もまた、「起きたいのに起きられない」「信じてもらえない」「学校に遅れてしまう」という苦しさを抱えています。
起立性調節障害の支援で大切なのは、本人を責めることではなく、体調の波を理解し、医療・家庭・学校で支えることです。



⑥よくある質問
起立性調節障害は怠けや甘えですか?
いいえ、怠けや甘えと決めつけるのは適切ではありません。起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数などの調節がうまくいかず、頭痛、めまい、倦怠感、朝の起床困難などが出る病気です[1]。
ただし、心理的ストレスや学校生活の不安が症状に影響することもあります。大切なのは、体か心かを二択で考えるのではなく、体の不調に心と環境が影響し合う状態として支えることです。
朝起きられないだけでも起立性調節障害の可能性はありますか?
可能性はあります。ただし、朝起きられない原因は、睡眠不足、睡眠相後退、うつ、不安、貧血、甲状腺疾患、感染症、薬の影響など多くあります。
朝起きられないことに加えて、立ちくらみ、頭痛、腹痛、吐き気、食欲不振、動悸、午前中の不調、午後の回復がある場合は、起立性調節障害も考えて小児科で相談しましょう。
午後になると元気なら、学校に行きたくないだけではありませんか?
午後に元気になることは、起立性調節障害でみられるパターンの一つです。ODでは午前中に症状が強く、午後に軽くなることがあります[1]。
午後に動けることは、朝の不調が嘘という証拠ではありません。ただし、学校での不安やストレスが症状に重なることもあるため、医療と学校の両方で支えることが大切です。
腹痛だけでも起立性調節障害と関係しますか?
関係することがあります。起立性調節障害では、腹痛、吐き気、食欲不振などの胃腸症状がみられることがあります[1]。
ただし、腹痛には便秘、胃腸炎、過敏性腸症候群、虫垂炎、炎症性腸疾患など、ほかの原因もあります。発熱、血便、体重減少、強い持続痛、歩くと響く痛みなどがある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
頭痛薬を飲ませてもいいですか?
一時的な頭痛に対して、年齢や体重に合った薬を医師・薬剤師の確認のもとで使うことはあります。ただし、朝の頭痛がくり返される、起き上がると悪化する、立ちくらみや吐き気を伴う、鎮痛薬の使用が増えている場合は、原因の確認が必要です。
頭痛薬だけで長期間ごまかすと、受診や診断が遅れることがあります。薬局では、使用頻度、発熱、意識障害、けいれん、頭部外傷、今までにない激しい頭痛がないかを確認します。
起立性調節障害は何科に相談すればいいですか?
まずは小児科に相談するのが基本です。必要に応じて、小児循環器、小児神経、心身医学、児童精神、睡眠外来などにつながることがあります。
症状が強い場合、失神、胸痛、運動中の失神、激しい頭痛、血便、体重減少、強い腹痛などがある場合は、起立性調節障害と自己判断せず、早めに受診してください。
薬を飲めばすぐ治りますか?
薬だけですぐに完全に治るとは限りません。起立性調節障害の治療は、疾病理解、生活調整、学校連携、必要に応じた薬物療法を組み合わせて行います[1]。
ミドドリンなどの薬が使われることがありますが、薬は生活調整を支える選択肢の一つです。自己判断で増量・中止せず、症状の記録を持って医師に相談しましょう。
水分や塩分を増やせばよいですか?
起立性調節障害では、水分や塩分の摂取が生活指導として説明されることがあります[1]。ただし、心臓や腎臓の病気、高血圧などがある場合は注意が必要です。
塩分を自己判断で極端に増やすのは避け、医師の指示に沿って行いましょう。水分は一度に大量に飲むより、1日を通して少しずつ取るほうが続けやすいです。
運動はしたほうがいいですか?
症状が強い時期に無理な運動をする必要はありません。しかし、横になっている時間が長くなると、筋力低下や活動量低下により悪循環になることがあります[1]。
最初は、布団の中で足首を動かす、座る時間を少し増やす、午後の調子がよい時間に短い散歩をするなど、段階的に行います。体育や部活動は、医師と学校に相談しながら調整しましょう。
学校にはどう説明すればいいですか?
「午前中に症状が強く、午後に軽くなることがある」「起き上がると頭痛や腹痛、立ちくらみが出る」「午後に元気なことが朝の症状の否定にはならない」と伝えるとよいです。
医師の診断書や意見書があると、遅刻登校、午後登校、保健室利用、体育の調整、テスト時間の配慮などを相談しやすくなります。文部科学省やこども家庭庁も、不登校や登校困難の子どもへの支援情報を示しています[9][10]。
スマホやゲームをやめさせれば治りますか?
スマホやゲームの使用が睡眠不足や昼夜逆転に関係している場合は、調整が必要です。ただし、スマホやゲームだけが原因と決めつけるのは適切ではありません。
起立性調節障害では、自律神経や循環調節の問題があり、心理社会的ストレスや生活リズムが重なって症状が悪化することがあります[1]。責めるよりも、就寝前の使用時間、朝の光、昼寝時間、水分摂取、学校調整を一緒に見直すことが大切です。
エナジードリンクやカフェインで朝起こしてもいいですか?
おすすめしにくい対応です。カフェインを過剰に摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などが起こることがあります[7]。
朝起きられない原因が起立性調節障害の場合、カフェインで無理に動かそうとすると、動悸や不眠によって悪循環になることがあります。子どもの朝の不調には、エナジードリンクではなく、受診と生活調整で対応することが大切です。
親の育て方が悪いから起こる病気ですか?
親の育て方だけで起こる病気ではありません。起立性調節障害は、起立に伴う循環動態の変化、自律神経の調節、水分不足、心理社会的ストレスなどが関係すると説明されています[1]。
保護者が自分を責めすぎる必要はありません。一方で、家族の理解や声かけ、学校との調整は回復を支える大切な要素です。
どのくらいでよくなりますか?
経過には個人差があります。日本小児心身医学会の解説では、日常生活に支障のない軽症例では適切な治療で2〜3か月で改善する一方、学校を長期欠席する重症例では社会復帰に2〜3年以上かかることもあると説明されています[1]。
焦って「明日から完全登校」を目標にするより、起き上がれる時間、症状の強さ、午後登校、短時間参加など、小さな変化を積み重ねることが大切です。
子どもが「消えたい」「死にたい」と言ったらどうすればいいですか?
すぐに保護者だけで抱え込まず、医療機関、学校、地域の相談窓口、緊急時は救急や警察に相談してください。こども家庭庁は、子ども自身や保護者が相談できる窓口情報を掲載しています[11]。
起立性調節障害そのものだけでなく、学校に行けないつらさ、孤立感、自己否定感が重なることがあります。命に関わる発言は、様子見にせず、すぐに大人と専門機関で支える必要があります。
⑦参考文献
- 一般社団法人 日本小児心身医学会「起立性調節障害」
https://www.jisinsin.jp/general/typical_diseases/%E8%B5%B7%E7%AB%8B%E6%80%A7%E8%AA%BF%E7%AF%80%E9%9A%9C%E5%AE%B3/
最終確認日:2026年6月27日 - 石井和嘉子「『小児起立性調節障害診療ガイドライン改訂第3版』の概説」日大医学雑誌 2026年85巻2号 p.51-57、J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/85/2/85_51/_article/-char/ja
最終確認日:2026年6月27日 - J-GLOBAL「小児起立性調節障害診療ガイドライン 改訂第3版」
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202302234729245050
最終確認日:2026年6月27日 - PMDA 医療用医薬品情報「メトリジンD錠2mg」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/2160002F2024?user=1
最終確認日:2026年6月27日 - PMDA 医療用医薬品情報「ミドドリン塩酸塩錠2mg『トーワ』」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdSearch/02/2160002F1125?user=1
最終確認日:2026年6月27日 - 田中英高「不登校を伴う起立性調節障害に対する日本小児心身医学会ガイドライン集を用いた対応」心身医学 2013年53巻3号、J-STAGE
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/53/3/53_KJ00008580921/_article/-char/ja/
最終確認日:2026年6月27日 - 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
最終確認日:2026年6月27日 - 消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/other/contents_002/
最終確認日:2026年6月27日 - 文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397802_00005.htm
最終確認日:2026年6月27日 - こども家庭庁「こども家庭庁における不登校対策」
https://www.cfa.go.jp/policies/futoko-taisaku
最終確認日:2026年6月27日 - こども家庭庁「相談窓口」
https://www.cfa.go.jp/children-inquiries
最終確認日:2026年6月27日
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薬剤師向け転職サービスの比較と特徴まとめ


今日は、特徴をわかりやすく整理しつつ、読んでくださる方が自分の働き方を見つめ直しやすいようにまとめていきましょう。
働く中で、ふと立ち止まる瞬間は誰にでもあります
薬剤師として日々働いていると、忙しさの中で気持ちに余裕が少なくなり、
「最近ちょっと疲れているかも…」と感じる瞬間が出てくることがあります。
- 店舗からの連絡に、少し身構えてしまう
- 休憩中も頭の中が業務のことでいっぱいになっている
- 気づけば仕事中心の生活になっている
こうした感覚は、必ずしも「今の職場が嫌い」というわけではなく、
「これからの働き方を考えてもよいタイミングかもしれない」というサインであることもあります。
無理に変える必要はありませんが、少し気持ちが揺れたときに情報を整理しておくと、
自分に合った選択肢を考えるきっかけになることがあります。
薬剤師向け転職サービスの比較表
ここでは、薬剤師向けの主な転職サービスについて、それぞれの特徴を簡潔に整理しました。
各サービスの特徴(概要)
ここからは、上記のサービスごとに特徴をもう少しだけ詳しく整理していきます。ご自身の希望と照らし合わせる際の参考にしてください。
・薬剤師向けの転職支援サービスとして、調剤薬局やドラッグストアなどの求人を扱っています。
・面談を通じて、これまでの経験や今後の希望を整理しながら話ができる点が特徴です。
・「まずは話を聞いてみたい」「自分の考えを整理したい」という方にとって、利用しやすいスタイルと言えます。
・全国の薬局・病院・ドラッグストアなど、幅広い求人を取り扱っています。
・エリアごとの求人状況を比較しやすく、通勤圏や希望地域に合わせて探したいときに役立ちます。
・「家から通いやすい範囲で、いくつか選択肢を見比べたい」という方に向いているサービスです。
・調剤薬局の求人を多く扱い、条件の調整や個別相談に力を入れているスタイルです。
・勤務時間、休日日数、年収など、具体的な条件について相談しながら進めたい人に利用されています。
・「働き方や条件面にしっかりこだわりたい」方が、検討の材料として使いやすいサービスです。
・調剤系の求人を取り扱う転職支援サービスです。
・職場の雰囲気や体制など、求人票だけではわかりにくい情報を把握している場合があります。
・「長く働けそうな職場かどうか、雰囲気も含めて知りたい」という方が検討しやすいサービスです。
・薬剤師に特化した職業紹介サービスで、調剤薬局・病院・ドラッグストアなど幅広い求人を扱っています。
・公開されていない求人(非公開求人)を扱っていることもあり、選択肢を広げたい場面で役立ちます。
・「いろいろな可能性を見比べてから考えたい」という方に合いやすいサービスです。
・調剤薬局を中心に薬剤師向け求人を取り扱うサービスです。
・研修やフォロー体制など、就業後を見据えたサポートにも取り組んでいる点が特徴です。
・「現場でのスキルや知識も高めながら働きたい」という方が検討しやすいサービスです。
気持ちが揺れるときは、自分を見つめ直すきっかけになります
働き方について「このままでいいのかな」と考える瞬間は、誰にでも訪れます。
それは決して悪いことではなく、自分の今とこれからを整理するための大切なサインになることもあります。
転職サービスの利用は、何かをすぐに決めるためだけではなく、
「今の働き方」と「他の選択肢」を比較しながら考えるための手段として活用することもできます。
情報を知っておくだけでも、
「いざというときに動ける」という安心感につながる場合があります。


「転職するかどうかを決める前に、まずは情報を知っておくだけでも十分ですよ」ってお伝えしたいです。
自分に合う働き方を考える材料が増えるだけでも、少し気持ちがラクになることがありますよね。
無理に何かを変える必要はありませんが、
「自分にはどんな可能性があるのか」を知っておくことは、将来の安心につながることがあります。
気になるサービスがあれば、詳細を確認しながら、ご自身のペースで検討してみてください。



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