この記事はPR・広告を含む場合があります。ただし、制度の説明は厚生労働省・地方厚生局の公表資料を優先して作成しています。
後発医薬品 割合 計算 薬局の実務では、「後発品の数量÷(後発品のある先発品+後発品の数量)×100」が基本です。ただし、直近3か月は月別割合の単純平均ではなく、3か月の規格単位数量を合計して計算します。出荷停止品の臨時措置は2026年9月30日までで、適用する月は対象を有利な品目だけ選ばず、別添2に基づく全対象品目を除外します。
結論:2026年の後発医薬品割合で外せない3点
- 数量で計算:処方箋枚数や採用品目数ではなく、厚生労働省のリストに基づく規格単位数量を使う
- 3か月を合算:3か月分の分子÷3か月分の分母で求め、月別%を平均しない
- 臨時措置は9月30日まで:出荷停止品を除外する月は、別添2の対象を一部だけ選ばず全て適用する

この記事の重要ポイント
- 2026年度改定で後発医薬品調剤体制加算は廃止され、新しい供給体制の加算へ再編された
- 新しい加算では、後発医薬品使用割合85%以上が基本要件の一つ
- 2026年3月31日に旧加算1~3を届け出ていた薬局には、2027年5月31日までの別の経過措置がある
- 出荷停止品の除外は、2026年4月調剤分から9月30日までの臨時措置
- 臨時措置は月ごとに使う・使わないを選べるが、使う月は全対象品目を除外する
- 2026年10月以降は延長を前提にせず、新しい事務連絡の有無を確認する


薬局の後発品割合は、レセコン画面に数字が出るため「表示された%だけ見ればよい」と思いがちです。しかし、改定月、除外対象リストの更新、臨時措置の適用月がずれると、同じデータでも結果が変わります。
数字が合わないときは、いきなり手計算で上書きせず、対象月、医薬品マスタ、公式リスト、除外設定、規格単位数量の順に原因を切り分けます。集計条件を一つずつそろえることが、最短の修正方法です。
とくに2026年は、加算の再編と出荷停止品の臨時措置が同時に動いています。管理薬剤師は「何%か」だけでなく、「どのリスト・どの3か月・どの除外条件で計算した数字か」を説明できる状態にしておく必要があります。
本記事は2026年8月時点の公表情報をもとに作成しています。制度・通知・事務連絡は今後変更される可能性があるため、実際の算定・提出・運用時には厚生労働省や地方厚生局等の最新情報をご確認ください。
後発医薬品割合とは?
後発医薬品割合は、後発医薬品が存在する成分・剤形の中で、実際にどれだけ後発医薬品を調剤したかを数量ベースで示す指標です。「ジェネリックを選んだ患者さんの割合」でも、「薬局に置いている後発品の品目割合」でもありません。
計算には、錠、カプセル、mL、gなど、薬価基準上の規格単位数量を使います。たとえば同じ1処方箋でも、1錠を7日分なら7単位、2錠を30日分なら60単位となり、処方箋1枚ずつを同じ重さでは数えません。
2026年度調剤報酬改定で何が変わった?
2026年度改定では、旧「後発医薬品調剤体制加算1・2・3」が廃止され、地域支援と医薬品の安定供給対応をまとめて評価する地域支援・医薬品供給対応体制加算へ再編されました。改定点数は、区分1が27点、2が59点、3が67点、4が37点、5が59点です。
新しい供給対応体制の要件には、後発医薬品使用割合85%以上に加え、計画的な調達・在庫管理、他薬局への医薬品融通実績、供給不足への対応、重要供給医薬品の在庫確保、地域での情報共有などが含まれます。後発品割合だけ85%を超えれば自動的に算定できる加算ではありません。
改定全体は、厚生労働省の令和8年度調剤報酬改定の概要(2026年7月1日版)で確認できます。
薬局の後発医薬品割合はどう計算する?
分子には何を入れる?
分子は、厚生労働省の「後発医薬品に係る新指標」の対象リストに載る後発医薬品の規格単位数量です。一般名処方の回数や変更調剤の件数ではありません。
後発品でも、先発品と同額または高額などの理由で、新指標の分子対象から外れるものがあります。薬局独自の「ジェネリック商品マスタ」だけで分類せず、厚生労働省の公式リストとレセコンのマスタ更新日を確認します。
分母には何を入れる?
分母は、後発医薬品が存在する先発医薬品と、対象となる後発医薬品の規格単位数量の合計です。後発品が存在しない先発品まで分母へ入れるわけではありません。また、先発品の薬価が後発品と同額以下など、公式リストで対象外となるものがあります。
最新の対象品目は、厚生労働省の2026年度「後発医薬品に係る新指標」対象品目一覧を参照します。リストを手作業で転記するより、レセコンベンダーの更新内容と公式リストを突き合わせる方が安全です。

直近3か月平均はどう出す?月別%を平均しない
施設基準では直近3か月の実績を確認しますが、計算は月別割合を3で割る単純平均ではありません。3か月分の分子を合計し、3か月分の分母を合計してから割る「加重された割合」です。
| 月 | 分母 | 分子 | 月別割合 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 1,000 | 700 | 70.0% |
| 5月 | 9,000 | 8,100 | 90.0% |
| 6月 | 10,000 | 9,000 | 90.0% |
| 合計 | 20,000 | 17,800 | 89.0% |
正しい計算は17,800÷20,000×100=89.0%です。一方、月別割合を平均すると(70.0+90.0+90.0)÷3=83.3%となり、結果が大きく変わります。4月の数量が少ないのに、4月の70%を他の月と同じ重さで扱うためです。
この違いは、85%要件を満たすかどうかを逆転させることがあります。Excelで管理する場合も、月別%のセルをAVERAGE関数で平均するのではなく、3か月の分子合計を分母合計で割る式にしてください。
出荷停止品は除外できる?2026年の臨時措置
供給停止が続くと、薬局の意思だけでは後発品を調剤できず、使用割合が下がる場合があります。この影響へ対応するため、厚生労働省は2026年3月5日付の事務連絡で、一定の出荷停止品を新指標の計算から除外できる臨時措置を示しました。
対象は、事務連絡の別添2に示された品目に関係する同一成分・同一剤形の医薬品です。分母から先発品だけを外す、分子から供給できない後発品だけを外す、といった片側だけの操作ではありません。対象となるグループを分子・分母の計算から除外します。
公式の取り扱いは、関東信越厚生局の後発医薬品の出荷停止等を踏まえた臨時措置と、臨時措置の対象品目一覧(別添2)で確認できます。
一部の品目だけ除外できる?
できません。臨時措置を使う月は、別添2で示された対象を全て除外します。割合が上がる品目だけを選ぶ、在庫がない成分だけを選ぶ、あるメーカーだけを選ぶ、といった薬局に有利な選別は認められていません。
ここでいう「全て」は、別添2に記載された対象について公式ルールどおり一括適用する意味です。薬局の採用品目だけで独自リストを作り、その範囲だけを外す考え方ではありません。
臨時措置は月ごとに選べる?
月ごとに、臨時措置を使うか使わないかを選べます。そのため、直近3か月のうち、4月は臨時措置あり、5月はなし、6月はあり、といった組み合わせが生じることがあります。この場合も、各月で確定した分子・分母を3か月分合計します。
選択した理由、使用した別添2の版、レセコンの集計条件を月ごとに保存しておくと、後から数字を再現できます。
9月30日までの臨時措置はいつの調剤分まで?
臨時措置は、2026年4月調剤分から2026年9月30日までの取り扱いです。9月請求を10月に処理するから10月も同じ除外が使える、という意味ではありません。基準になるのは対象となる調剤実績です。
2026年10月1日以降について、8月15日時点で同じ措置を延長する公表は確認できません。したがって、現時点では延長を前提に在庫・加算管理を組まず、通常の公式リストで集計する準備をします。新しい事務連絡が出た場合は、その施行日・対象期間・別添リストを確認して切り替えてください。
除外すると割合はどう変わる?初心者向け計算例
臨時措置適用前の3か月合計が、分母30,000、分子25,200なら、割合は25,200÷30,000×100=84.0%です。
別添2に基づく全対象品目を公式ルールどおり除外した結果、分母から2,000、分子から400が外れたとします。残る分母は28,000、分子は24,800なので、24,800÷28,000×100=88.6%です。
(25,200-400)÷(30,000-2,000)×100=24,800÷28,000×100=88.6%
この例では85%を超えますが、除外すれば必ず割合が上がるとは限りません。対象群の分子・分母構成によっては、変化が小さい、または下がることもあります。まず臨時措置あり・なしを正しく試算し、採用する場合は全対象を除外します。
地域支援・医薬品供給対応体制加算との関係
2026年6月からの新加算では、後発医薬品使用割合85%以上が供給対応体制に関する基本要件の一つです。ただし、区分ごとに地域支援体制、在宅、夜間・休日対応、医薬品供給実績など複数の要件があります。割合だけで算定可否を判断しないでください。
| 確認場面 | 割合の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 新しい供給対応体制の基本要件 | 85%以上 | 供給・地域連携など他要件も必要 |
| 旧加算届出薬局の経過措置 | 85%要件を満たすものとみなす場合あり | 2026年3月31日に旧加算1~3を届出済みで、2027年5月31日まで |
| 後発品割合が低い薬局の減算 | 50%以下 | 月600回超などの条件下で5点減算。報告未実施にも注意 |
2027年5月31日までの経過措置と、2026年9月30日までの出荷停止品除外は別制度です。前者は旧加算届出薬局の新要件への移行、後者は新指標の計算方法に関する臨時措置です。期限を混同しないようにしてください。
割合が下がったら届出はいつ確認する?
直近3か月実績によって届出区分が変わる、または施設基準を満たさなくなる場合は、必要な変更手続きを確認します。「次の定例報告まで待てばよい」と自己判断せず、最新の施設基準通知と管轄の地方厚生局の届出案内を確認してください。臨時措置の事務連絡も、区分変更や基準未達が生じたときは必要な届出を行うよう示しています。
実務では、月初に前月分を確定し、直近3か月割合、該当する加算区分、経過措置の有無を同じ確認票に記録します。基準付近なら、本部の診療報酬担当へその日のうちに共有し、提出書類と算定変更日を確認します。届出の締日や適用月はケースと地域案内で異なるため、本記事では一律の日付を断定しません。
算定を落とさないために毎月見る数字
- 当月と直近3か月の分子・分母・割合
- 臨時措置あり・なし両方の試算
- 85%までの余裕幅
- 50%以下の減算水準までの距離
- 処方箋受付回数が月600回を超えるか
- 供給停止による先発品調剤の増加量
- レセコンの医薬品マスタと公式リストの更新日
- 施設基準の届出区分と経過措置の該当性
85.1%のように余裕が小さい月は、翌月の処方構成や出荷停止で簡単に下回ります。「今月は達成した」で終わらず、分母が多い上位成分を確認し、供給可能な後発品の在庫、患者説明、処方医との情報共有を進めます。
翌月を予測する具体例
6月が分母8,000・分子7,000、7月が分母8,000・分子7,040、8月見込みが分母10,000・分子8,400なら、直近3か月見込みは22,440÷26,000×100=86.3%です。この時点では85%以上ですが、余裕は大きくありません。
もし8月に、供給不足で対象先発品の数量が見込みより1,000増え、後発品の数量が増えないとします。分母は27,000、分子は22,440となり、割合は83.1%まで下がります。割合を維持するために必要のない変更調剤を行うことはできませんが、供給可能な同成分・同剤形の後発品があるか、採用メーカーを増やせるか、処方医・地域薬局と供給情報を共有できるかは事前に検討できます。
予測表には「確定値」と「見込み値」を混在させず、列や色を分けます。施設基準の最終判定は確定した実績で行い、見込み値は在庫・採用・情報共有を早めるために使います。
Excelで管理する場合の確認項目
Excelは、月ごとに1行、集計条件ごとに列を固定すると再現しやすくなります。
| 列 | 記録内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 対象月 | 2026年4月など | 調剤月と請求処理月を混同しない |
| 通常分子・通常分母 | 除外前の規格単位数量 | 元データを保存 |
| 臨時措置 | あり・なし | 月ごとの選択を記録 |
| 除外後分子・分母 | 全対象除外後の数量 | 一部選択になっていないか |
| リスト版 | 公式ページの公表・更新日 | 後から再計算できるようにする |
| 3か月割合 | 分子合計÷分母合計 | AVERAGE関数を使わない |
集計を再現できる5段階の保存方法
- 元データ:レセコンから出した当月の対象薬、規格単位数量、分子・分母を保存する
- 公式リスト:使用した新指標リストと別添2を、更新日が分かる状態で保存する
- 条件メモ:臨時措置の有無、除外フィルター、集計期間、レセコンのマスタ更新日を記録する
- 計算表:通常値、除外後値、直近3か月合計を分け、計算式を保護する
- 確認記録:管理薬剤師と本部担当者が確認した日、修正箇所、確定値を残す
割合だけをPDFや画面キャプチャで保存しても、後から「なぜこの数字になったか」を再計算できません。少なくとも分子・分母、使用リスト、臨時措置の選択をセットで残します。小数点以下の表示桁や端数処理は、手計算で都合よく丸めず、最新の施設基準様式・レセコン仕様に合わせてください。
本部と店舗はどう分担する?
複数店舗の法人では、本部が公式リストとExcelひな型を配布し、店舗が在庫・出荷停止・調剤実績の差異を確認する分担が効率的です。本部だけでは、代替メーカーが入荷している、卸から供給再開の連絡があった、といった現場情報を把握できません。一方、店舗ごとに異なる計算式を作ると、法人内で判定基準がずれます。
本部はマスタ版、計算式、施設基準届出、経過措置期限を管理し、管理薬剤師は月別元データ、臨時措置の適用、供給状況、疑義照会や患者説明の実態を確認します。確定前に相互確認する締日を毎月決めておくと、届出変更が必要になったときにも慌てません。
よくある失敗
- 処方箋枚数で計算する:規格単位数量を使う
- 月別%を単純平均する:3か月の分子・分母を合計する
- 割合が上がる品目だけ除外する:適用月は別添2に基づく全対象を除外する
- 先発品だけ分母から外す:同一成分・同一剤形の対象を公式ルールどおり分子・分母から処理する
- 9月請求を10月処理したので除外を続ける:対象となる調剤実績の期間で判断する
- 85%だけ見て新加算を算定する:供給対応・地域支援など他要件も確認する
- 旧加算の経過措置と9月30日期限を混同する:目的も期限も別に管理する
管理薬剤師向け毎月チェックリスト
- □ レセコンの医薬品マスタ更新日を確認した
- □ 厚生労働省の新指標リストの更新有無を確認した
- □ 当月の分子・分母を規格単位数量で保存した
- □ 臨時措置の対象期間内か確認した
- □ 臨時措置を使う月は全対象品目を除外した
- □ 使用した別添2の版を保存した
- □ 直近3か月の分子合計÷分母合計で割合を出した
- □ 85%要件と50%以下の減算水準を確認した
- □ 経過措置の該当性と終了日を確認した
- □ 本部と店舗で同じ集計条件になっている
- □ 10月以降の新しい事務連絡を確認する担当者を決めた

後発医薬品割合のFAQ
Q1.後発医薬品割合は患者数で計算しますか?
患者数や処方箋枚数ではなく、対象医薬品の規格単位数量で計算します。
Q2.直近3か月平均は月別割合を平均すればよいですか?
いいえ。3か月の分子を合計し、3か月の分母を合計してから割ります。月別%の単純平均は数量の違いを反映できません。
Q3.在庫がない出荷停止品だけ除外できますか?
できません。臨時措置を適用する月は、別添2に基づく全対象品目を公式ルールどおり除外します。
Q4.臨時措置は毎月使わなければなりませんか?
月ごとに使う・使わないを選べます。ただし、使う月だけ有利な一部品目を選ぶことはできません。
Q5.9月30日を過ぎても同じ除外を続けられますか?
2026年8月15日時点で延長の公表は確認できません。10月以降は通常ルールへ戻す準備をし、新しい事務連絡が出た場合のみ内容と施行日を確認して対応します。
Q6.85%を超えれば地域支援・医薬品供給対応体制加算を算定できますか?
85%は基本要件の一つです。区分に応じた地域支援、在宅、休日夜間、供給対応、情報共有など他の施設基準も満たす必要があります。
Q7.旧後発医薬品調剤体制加算を届け出ていた薬局はどうなりますか?
2026年3月31日に旧加算1~3を届け出ていた薬局は、一定の条件下で2027年5月31日まで85%要件を満たすものとみなす経過措置があります。9月30日までの出荷停止品除外とは別です。
まとめ:割合の根拠を月ごとに再現できるようにする
薬局の後発医薬品割合は、対象となる後発品の規格単位数量を、対象先発品と後発品の規格単位数量合計で割って求めます。直近3か月は月別%を平均せず、分子・分母をそれぞれ合計します。
2026年9月30日までの臨時措置を使う月は、別添2に基づく全対象品目を一括して除外します。10月以降は延長を決めつけず、厚生労働省・地方厚生局の新しい通知を確認してください。

読者が次にやること
- レセコンから直近3か月の分子・分母を月別に出す
- Excelが月別%の平均になっていないか数式を確認する
- 臨時措置あり・なしの2通りを試算する
- 使った公式リストの版と集計条件を保存する
- 10月1日以降の通知確認を月末業務へ組み込む
関連記事
参考文献・公的情報
- 厚生労働省「令和8年度調剤報酬改定の概要」(2026年7月1日版)
- 厚生労働省「後発医薬品に係る新指標の取扱いについて」(2026年3月5日)
- 厚生労働省「後発医薬品に係る新指標の対象品目一覧」(2026年4月1日以降)
- 厚生労働省「後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱い」(2026年3月5日)
- 関東信越厚生局「後発医薬品の出荷停止等を踏まえた臨時措置」
- 関東信越厚生局「臨時措置の対象品目一覧(別添2)」
- 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等(後発医薬品減算関係)」



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