2026年10月6日更新
「今流行っているインフルエンザはA型?B型?」「今年はH1N1って本当?」「熱がなくてもインフルエンザのことはある?」——2026年は例年より早い時期からインフルエンザの患者報告が増えており、すでに秋の段階で注意が必要な状況です。
結論からいうと、2026年10月5日時点ではA型が中心で、とくにA(H1N1)pdm09=AH1pdm09の検出が目立っています。ただし、病原体サーベイランスは全患者を調べたものではなく、地域差もあります。「全国でH1N1だけが流行している」と断定するのは正確ではありません。
この記事では薬局薬剤師の立場から、2026年10月の流行状況、現在目立っている型、A型・B型の違い、症状、検査、治療薬、ワクチン、学校を休む期間までまとめて解説します。
- この記事の結論
- 2026年10月、インフルエンザはもう流行している?
- 今流行っているインフルエンザは何型?
- AH1pdm09とは?新型インフルエンザなの?
- A型インフルエンザにはH1N1とH3N2がある
- H1N1・H3N2・B型の違いを整理
- A型とB型で症状は違う?
- インフルエンザ・新型コロナ・普通の風邪は症状で見分けられる?
- 2026年のインフルエンザはどんな症状が多い?
- 熱がなくてもインフルエンザの可能性はある?
- 喉が痛いだけでもインフルエンザ?
- インフルエンザは感染してから何日で症状が出る?
- こんな症状なら「様子見」より受診を考える
- A型に一度かかったら今シーズンはもう大丈夫?
- このあとB型が流行する可能性は?
- 「一度かかったからワクチンはいらない」とは限らない
- 2026/27シーズンのワクチンはH1N1にも対応している?
- もう流行しているけど、今からワクチンを打っても遅い?
- インフルエンザの検査はいつ受ければいい?
- インフルエンザ検査が陰性でも安心できない理由
- インフルエンザの治療薬は何を使う?
- 抗インフルエンザ薬はどう使い分ける?
- 家族がインフルエンザになったら予防薬を飲める?
- インフルエンザのとき解熱剤は何を使えばいい?
- 子どもがインフルエンザになったときの注意点
- 仕事は何日休む?大人の出勤再開はどう考える?
- インフルエンザになったら学校は何日休む?
- 学校へ戻る前に陰性証明は必要?
- インフルエンザのとき市販薬を使ってもいい?
- 家庭内感染を減らす5つの基本
- 家族がインフルエンザになったときの生活はどうする?
- 「A型=重症」「B型=軽症」は本当?
- よくある質問
- 薬剤師からひとこと
- まとめ|2026年10月はA型、とくにAH1pdm09が目立つ
- 参考資料・一次情報
この記事の結論
- 2026年は例年より早くインフルエンザ流行が始まっています。
- 現時点ではA型が中心です。
- 東京都の病原体サーベイランスでは、2026/27シーズン序盤にAH1pdm09の検出が目立っています。
- ただし検体数はまだ限られ、今後H3N2やB型が増える可能性があります。
- 「A型だから高熱」「B型だから胃腸症状」と症状だけで型を見分けることはできません。
- インフルエンザでも高熱が出ない場合があります。



※流行状況は地域・時期によって変わります。最新の公的情報もあわせて確認してください。
2026年10月、インフルエンザはもう流行している?
はい。2026年は「まだ秋だからインフルエンザには早い」とは言いにくい状況です。
神奈川県では、2026年第33週(8月10日〜16日)の時点で定点当たり患者報告数が流行開始の目安となる1.00を超え、その後も増加しました。第38週(9月14日〜20日)には14.71となり、注意報基準の10.00を超えています。
横浜市でも8月に流行期入りが発表され、9月には流行注意報が出されました。2026年は、冬を待たずにインフルエンザ対策を始める必要があるシーズンといえます。
今流行っているインフルエンザは何型?
2026年10月5日時点で公開されている病原体検出状況では、A型、とくにAH1pdm09が目立っています。
東京都感染症情報センターが公表している2026/27シーズンの病原体サーベイランスでは、シーズン序盤に検出された病原体定点検体でAH1pdm09が確認されています。また、集団発生例でもAH1pdm09が多く、AH3亜型も一部で確認されています。
ここで大切なのは、これは「日本全国の患者すべてを調べた結果」ではないことです。インフルエンザの流行株を把握するために一部検体を詳しく調べたサーベイランスなので、現時点では「A型が中心、その中でもH1N1系統が目立つ」程度に理解するのが適切です。
AH1pdm09とは?新型インフルエンザなの?
「H1N1」「AH1pdm09」と聞くと、2009年の新型インフルエンザを思い出す方もいるかもしれません。
AH1pdm09は2009年に世界的流行を起こしたウイルスにつながる系統ですが、現在は季節性インフルエンザの一つとして扱われています。
したがって、2026年にAH1pdm09が検出されているからといって、「新しいパンデミックが始まった」という意味ではありません。
A型インフルエンザにはH1N1とH3N2がある
一般には「A型」「B型」という分類がよく知られていますが、A型はさらに亜型に分かれます。
- A(H1N1)pdm09
- A(H3N2)
H3N2は「A香港型」と呼ばれることもあります。一方、B型では近年、主にVictoria系統が確認されています。
通常の医療機関で使われる迅速抗原検査では「A型陽性」「B型陽性」までは分かっても、H1N1かH3N2かまで判定しないことが一般的です。
H1N1・H3N2・B型の違いを整理
「A型」とひとまとめにされがちですが、季節性インフルエンザA型には主にH1N1とH3N2があります。さらにB型もあり、シーズンの途中で主流が入れ替わることがあります。
| 分類 | 一般的な呼ばれ方 | 2026年10月時点の見方 |
|---|---|---|
| A(H1N1)pdm09 | 2009年に新型として流行した系統 | 東京都の病原体サーベイランスで現在目立つ |
| A(H3N2) | A香港型と呼ばれることがある | 今後増える可能性がある |
| B型 Victoria系統 | B型 | 現時点では目立っていないが、シーズン後半に増えることがある |
ここで注意したいのが、型・亜型と重症度を単純に結びつけないことです。「H1N1なら軽い」「H3N2なら必ず重い」「B型なら高熱は出ない」といった判断はできません。
また、医療機関で「A型陽性」と言われても、通常の迅速検査ではH1N1かH3N2まで分からないことがあります。詳しい亜型の把握は病原体サーベイランスなどで行われます。
2026年10月の検索では「今は何型?」が気になりますが、患者さん個人にとって重要なのは、型を当てることより、症状の重さと受診の必要性を見極めることです。
A型とB型で症状は違う?
「A型は高熱」「B型はお腹にくる」といった説明を見かけますが、症状だけでA型とB型を正確に見分けることはできません。
インフルエンザでは一般に、次のような症状がみられます。
- 発熱
- 頭痛
- 強いだるさ
- 筋肉痛・関節痛
- 咳
- 鼻水
- のどの痛み
普通の風邪と比べると、発熱や倦怠感、筋肉痛などの全身症状が強く出やすいのが特徴です。ただし全員が典型的な症状になるわけではありません。
インフルエンザ・新型コロナ・普通の風邪は症状で見分けられる?
秋から冬は、インフルエンザだけでなく新型コロナウイルス感染症や一般的なかぜ症候群も増えます。「高熱ならインフル」「喉が痛ければコロナ」と決めつけたくなりますが、実際には症状がかなり重なります。
| 症状 | インフルエンザ | 新型コロナ | 一般的な風邪 |
|---|---|---|---|
| 発熱 | 急に高くなることがある | 出ることがある | 軽度〜発熱することも |
| 強い倦怠感 | 比較的目立ちやすい | みられることがある | 比較的軽いことが多い |
| 筋肉痛・関節痛 | みられやすい | みられることがある | 目立たないことが多い |
| のどの痛み | あり | あり | あり |
| 咳 | あり | あり | あり |
| 鼻水 | あり | あり | あり |
| 症状だけで確定 | できない | ||
この表はあくまで「よくある傾向」です。インフルエンザでも熱が高くない人はいますし、新型コロナでも高熱や強い倦怠感が出ることがあります。普通の風邪でも38℃以上になる場合があります。
したがって、本人の症状だけで感染症名を決めるのではなく、周囲の流行状況、発症までの経過、接触歴、検査、診察所見を組み合わせて判断します。
薬剤師ポイント:「家族がインフルA型」「学校で学級閉鎖」「職場でコロナが複数人」などの情報は診断の参考になります。受診時には、症状だけでなく周囲の感染状況も伝えましょう。
2026年のインフルエンザはどんな症状が多い?
SNSなどでは「今年は喉が痛い」「咳がひどい」「熱が出ない」など、さまざまな体験談が出ています。
しかし現時点で、2026年のH1N1だけに特有の新しい症状があると断定できる公的データはありません。
基本的には、従来から知られている発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛、咳、鼻水、のどの痛みなどに注意します。子どもでは嘔吐や下痢など消化器症状がみられることもあります。
熱がなくてもインフルエンザの可能性はある?
あります。
インフルエンザというと「突然39℃の高熱」というイメージがありますが、高熱が出ないケースもあります。高齢者、ワクチン接種後、解熱鎮痛薬を使用している場合などでは典型的な高熱にならないことがあります。
そのため、周囲でインフルエンザが流行していて、急なだるさ、咳、頭痛、関節痛などがある場合は「37℃台だからインフルではない」と決めつけない方がよいでしょう。
喉が痛いだけでもインフルエンザ?
可能性はあります。ただし、のどの痛みだけではインフルエンザ、新型コロナ、一般的な風邪、溶連菌感染症などを区別できません。
「今年のインフルは喉から始まる」といった情報だけで自己判断せず、周囲の流行状況や全身状態も含めて考えることが大切です。
関連:2026年秋の新型コロナはどんな症状?インフルとの違い
インフルエンザは感染してから何日で症状が出る?
インフルエンザは、ウイルスに感染してすぐ症状が出るわけではありません。一般に1〜4日程度の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが比較的急に現れます。
そのため「昨日会った人が今日インフルエンザと診断された」という場合、自分がその場で元気でも数日後に症状が出る可能性があります。
発症前から人にうつす可能性がある
厚生労働省の2026年度Q&Aでは、インフルエンザは発症前日から発症後3〜7日間、鼻やのどから感染性のあるウイルスを排出すると説明されています。特に発症後1〜3日間は平均的なウイルス排出量が多いとされています。
つまり「熱が出てから隔離すれば完全に防げる」というわけではありません。家族や学校、職場で流行が始まったら、症状がない人も手洗い、換気、咳エチケットなど基本的な対策を意識する意味があります。
典型的な経過のイメージ
- 感染:感染者の飛沫・接触などを通じてウイルスに感染
- 潜伏期:1〜4日程度。症状がなくても発症直前には感染性を持つことがある
- 発症:発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが急に出ることがある
- 発症後1〜3日:症状が強く、周囲へ感染させるリスクにも特に注意
- 回復期:解熱後も咳・倦怠感が残ることがある。ウイルス排出がすぐゼロになるわけではない
個人差は大きいため、上記の日数どおりに必ず回復するわけではありません。いったん熱が下がっても、息苦しさや意識状態の変化などがあれば受診が必要です。
こんな症状なら「様子見」より受診を考える
インフルエンザの多くは回復しますが、肺炎や脳症など重い合併症を起こすことがあります。特に次のような症状がある場合は、「インフルだから寝ていればよい」と自己判断しないでください。
- 呼吸が苦しい、息が速い、胸が痛い
- 顔色や唇の色が明らかに悪い
- 意識がぼんやりする、呼びかけへの反応がおかしい
- けいれんが続く
- 水分がほとんど取れず、尿が極端に少ない
- 一度改善したあとに高熱や呼吸症状が再び悪化した
- 乳幼児でぐったりしている、機嫌が極端に悪い
- 高齢者で急に食事や水分が取れなくなった、普段より反応が鈍い
乳幼児、高齢者、妊婦、呼吸器疾患・心疾患・糖尿病などの基礎疾患がある方、免疫機能が低下している方は、重症化リスクを考えて早めに医療機関へ相談することがあります。
A型に一度かかったら今シーズンはもう大丈夫?
残念ながら、一度かかったからといって今シーズン中に二度と感染しないとは限りません。
インフルエンザには複数の型・亜型があるため、たとえば1回目にA(H1N1)pdm09、その後A(H3N2)やB型に感染する可能性があります。
そのため「9月にインフルになったから、この冬はもう大丈夫」とは考えない方がよいでしょう。
このあとB型が流行する可能性は?
十分あります。インフルエンザはシーズンを通して同じ型だけが流行するとは限りません。
前半はA型、後半にB型が増える年もあります。2026年10月時点でAH1pdm09が目立っていても、今後H3N2やB型が増えてくる可能性があります。
「一度かかったからワクチンはいらない」とは限らない
今シーズンすでにA型インフルエンザにかかった人から、「もう免疫がついたからワクチンは不要ですか?」と相談されることがあります。
しかし、インフルエンザA型にはH1N1とH3N2があり、さらにB型もあります。感染した型・亜型に対する免疫ができても、別の型・亜型への感染を完全に防げるわけではありません。
例えば秋にA(H1N1)へ感染し、その後冬にA(H3N2)やB型へ感染することはあり得ます。ワクチン接種の必要性は年齢、持病、既往歴、接種時期なども含めて判断するため、「一度かかった」という理由だけで自己判断して接種を中止しないようにしましょう。
2026/27シーズンのワクチンはH1N1にも対応している?
はい。2026/27シーズンのインフルエンザワクチンには、A(H1N1)、A(H3N2)、B(Victoria系統)が含まれます。
つまり、現在目立っているH1N1も今シーズンのワクチンで想定されている型の一つです。ただし、ワクチンを打てば100%感染しないわけではありません。発症や重症化のリスクを下げることが大きな目的です。
関連:フルミストと注射はどっち?2026/27インフルエンザワクチンを薬剤師が比較
もう流行しているけど、今からワクチンを打っても遅い?
「もう流行しているから打っても意味がない」とは限りません。
インフルエンザの流行は冬から翌春まで続くことがあり、途中で別の亜型やB型が増えてくる場合もあります。接種対象でまだ受けていない場合は、医療機関へ相談してください。
インフルエンザの検査はいつ受ければいい?
インフルエンザの迅速抗原検査は便利ですが、症状が出た直後など、ウイルス量が少ない時期には実際にはインフルエンザでも陰性になることがあります。
そのため「陰性=100%インフルではない」とは限りません。発症からの時間、症状、周囲の流行状況などを医師が総合して判断します。
関連:インフルエンザ検査は発熱から何時間後?早すぎると陰性?
インフルエンザ検査が陰性でも安心できない理由
「検査は陰性だったのに、翌日もう一度調べたら陽性だった」というケースは珍しくありません。迅速抗原検査は便利ですが、どのタイミングでも100%検出できる検査ではないためです。
特に発症して間もない時期は鼻やのどのウイルス量が十分に増えておらず、感染していても陰性になる可能性があります。一方で、時間がたてば必ず陽性になるというわけでもありません。
大切なのは「何時間たてば必ず検査すべき」と機械的に考えるのではなく、発症時刻、症状、周囲の流行、重症化リスクを医療機関へ伝えることです。
受診時に伝えると役立つ情報:「症状が始まった時刻」「最高体温」「家族・学校・職場のインフル発生」「ワクチン接種日」「使用した解熱剤」「持病・妊娠の有無」をメモしておくと説明しやすくなります。
インフルエンザの治療薬は何を使う?
代表的な抗インフルエンザ薬には、オセルタミビル(タミフルなど)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、ペラミビル(ラピアクタ)、バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)などがあります。
どの薬を選ぶかは、年齢、体重、重症度、妊娠、腎機能、基礎疾患、吸入ができるかなどによって変わります。「H1N1だから必ずタミフル」「A型だからゾフルーザ」という単純な使い分けではありません。
抗インフルエンザ薬はどう使い分ける?
抗インフルエンザ薬には内服薬、吸入薬、点滴薬があり、「一番強い薬」を選ぶというより、患者さんが確実に使える剤形や年齢、持病、重症度などを考えて選択します。
| 代表薬 | 剤形 | 特徴の一例 |
|---|---|---|
| オセルタミビル | 内服 | 幅広い年齢で使用される代表的治療薬。用量は年齢・体重・腎機能などで確認 |
| ザナミビル | 吸入 | 吸入操作が必要。小児や高齢者では正しく吸えるか確認 |
| ラニナミビル | 吸入 | 吸入回数が少ない利点がある一方、吸入手技の確認が重要 |
| ペラミビル | 点滴 | 内服・吸入が難しい場合など、医療機関で使用されることがある |
| バロキサビル | 内服 | 単回投与が特徴。年齢・体重や耐性の問題などを踏まえて選択 |
抗ウイルス薬は処方された用法・用量を守ることが重要です。家族に余った薬を渡したり、昨シーズンの残薬を自己判断で使ったりしないでください。
薬を飲めば翌日から外出していい?
薬で熱が早く下がっても、感染性が即座になくなるわけではありません。厚生労働省は、発症前日から発症後3〜7日間は感染性のあるウイルスを排出するとしています。学校では出席停止期間の基準があるため、解熱した日だけで復帰日を決めないようにします。
水分補給も治療の一部
発熱時は汗や食欲低下によって脱水になりやすくなります。水、お茶だけでなく、食事が取れない場合は経口補水液などを少量ずつ摂る方法もあります。ただし、心臓や腎臓の病気などで水分量の指示を受けている人は、その指示を優先してください。
家族がインフルエンザになったら予防薬を飲める?
抗インフルエンザ薬の一部には「治療」だけでなく「予防」の適応があります。ただし、家族が感染したからといって同居家族全員が自動的に予防薬を飲むわけではありません。重症化リスクなどを踏まえて医師が必要性を判断します。
治療用に処方された薬を家族に分けることは避けてください。
関連:家族がインフルエンザに|タミフル・ゾフルーザは予防で飲める?
インフルエンザのとき解熱剤は何を使えばいい?
発熱がつらい場合には解熱鎮痛薬を使うことがありますが、とくに子どもでは薬の選択に注意が必要です。「家に残っている痛み止めだから」という理由だけで自己判断で使わず、年齢や病状に合う薬を確認してください。
子どもがインフルエンザになったときの注意点
子どものインフルエンザでは、発熱や脱水だけでなく異常行動にも注意が必要です。突然走り出す、窓やベランダへ向かう、意味の分からないことを言う、反応がおかしいなどの変化がないか観察してください。
また、呼吸が苦しそう、意識がおかしい、けいれんが続く、水分がほとんど取れない、尿が極端に少ない、顔色が悪い、ぐったりして反応が悪いなどの場合は速やかに医療機関へ相談してください。
関連:子どものインフル異常行動は薬が原因?いつ起きる・どう防ぐか
仕事は何日休む?大人の出勤再開はどう考える?
学校では法律に基づく出席停止期間がありますが、一般の会社員に学校とまったく同じ一律の「出勤停止日数」が法律で定められているわけではありません。勤務先の就業規則や職場の感染対策ルール、医師の指示を確認します。
ただし、厚生労働省はインフルエンザについて、発症前日から発症後3〜7日間は感染性のあるウイルスを排出すると説明しています。特に発症後1〜3日間はウイルス排出量が多いため、熱が下がった直後に無理をして出勤するのは避けたいところです。
「解熱した=感染させない」ではない
抗インフルエンザ薬を使うと、比較的早く解熱することがあります。しかし、解熱後もウイルスを排出することがあるため、体温だけを基準に出勤再開を決めないことが重要です。
咳やくしゃみが残っている場合は、不織布マスクを着用するなど周囲へうつさない配慮が推奨されています。
職場に陰性証明書は必要?
厚生労働省の2026年度Q&Aでは、職場がインフルエンザにかかった従業員へ罹患証明書や陽性証明書の提出を求めることは望ましくなく、提出は不要としています。
復帰条件は会社ごとに異なるため、勤務先の規定を確認してください。「陰性になるまで毎日検査する」といった対応を自己判断で行う必要は通常ありません。
インフルエンザになったら学校は何日休む?
学校保健安全法では、インフルエンザの出席停止期間は「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」です。幼児では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後3日を経過するまで」とされています。
抗インフルエンザ薬で早く解熱しても、すぐに登校できるとは限らないので注意しましょう。
学校へ戻る前に陰性証明は必要?
原則として、出席停止期間を経過して学校へ復帰するために、改めてインフルエンザ検査を受けて「陰性」を確認する必要はありません。ただし学校や園ごとに必要な書類や連絡方法が定められている場合があります。
インフルエンザのとき市販薬を使ってもいい?
発熱、頭痛、鼻水、咳がつらいと、市販の総合感冒薬や解熱鎮痛薬を使いたくなることがあります。ただし、年齢、妊娠、持病、処方薬との重複によって適否が変わります。
特に注意したいのが、処方された解熱剤と市販の風邪薬に同じ成分が重複することです。アセトアミノフェンは複数の市販薬に含まれることがあり、成分名を見ずに併用すると過量になるおそれがあります。
子どもでは、成人用の解熱鎮痛薬を自己判断で使わないことが重要です。家庭に残っている薬を兄弟間で使い回すのも避けましょう。
薬局で伝えてほしいこと:年齢、体重、妊娠・授乳、持病、普段飲んでいる薬、すでに使用した解熱剤、インフルエンザ治療薬の名前が分かると、市販薬との重複を確認しやすくなります。
家庭内感染を減らす5つの基本
- 手洗い:帰宅後、食事前、看病後、鼻をかんだ後などに手を洗います。
- 咳エチケット:咳・くしゃみがある人は周囲へ飛沫を広げないよう配慮します。
- 換気:定期的に空気を入れ替えます。
- タオルやコップの共用を避ける:家庭内での接触機会を減らします。
- 体調不良時は無理に外出しない:登校・出勤を無理に続けると感染を広げる可能性があります。
家族がインフルエンザになったときの生活はどうする?
家族内で完全に感染を防ぐことは難しいですが、感染者とそれ以外の家族が同じ空間で過ごす時間を減らし、基本的な感染対策を重ねることでリスクを下げられます。
可能なら休む部屋を分ける
部屋に余裕がある場合は、感染した家族が休むスペースを分けます。特に高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患がある家族がいる場合は、長時間近距離で過ごす場面をできるだけ減らします。
ただし、小さな子どもの看病などで完全に分けるのが難しい家庭もあります。「隔離できないから全部無意味」と考える必要はなく、換気、手洗い、咳エチケットなど、できる対策を組み合わせることが現実的です。
食事はどうする?
感染した本人が食欲を保てていれば、特別な「インフルエンザ食」が必要なわけではありません。食べられるものを無理なく取り、水分を確保することが優先です。
高熱やのどの痛みがあると一度に多く飲めないことがあるため、水分は少量ずつ回数を分けて摂る方法もあります。嘔吐がある場合は一気飲みを避けます。
食器や洗濯物は全部別にする?
食器やタオルの共用は避けた方がよいですが、「感染者の洗濯物を触ったら必ず感染する」という意味ではありません。鼻をかんだティッシュなどを処理した後や看病後に、手洗いを丁寧に行うことが大切です。
お風呂は入っていい?
高熱や強いだるさがあるときに無理して入浴する必要はありません。体調が安定し、本人がつらくなければ短時間で済ませるなど負担を減らします。脱水や立ちくらみに注意してください。
看病する人も体調を記録する
家庭内でインフルエンザが出た後は、同居家族も数日間は発熱、倦怠感、咳、のどの痛みなどがないか確認します。症状が出た場合、受診時に「同居家族がインフルエンザA型と診断された」など具体的に伝えると参考になります。
「A型=重症」「B型=軽症」は本当?
単純には言えません。A型でも軽症の人はいますし、B型でも強い症状が出ることがあります。とくに高齢者、乳幼児、妊婦、呼吸器疾患・心疾患・糖尿病などの基礎疾患がある方、免疫機能が低下している方は重症化に注意が必要です。
型だけでなく、本人の全身状態を見ることが大切です。
よくある質問
Q1.今流行っているのはA型?B型?
2026年10月5日時点ではA型が中心で、AH1pdm09の検出が目立っています。ただし地域差があり、今後H3N2やB型が増える可能性があります。
Q2.今年のインフルエンザはH1N1?
「H1N1が目立っている」が正確です。全国すべての患者がH1N1という意味ではありません。
Q3.AH1pdm09は新型インフルエンザ?
2009年に「新型インフルエンザ」と呼ばれたウイルスにつながる系統ですが、現在は季節性インフルエンザとして扱われています。
Q4.A型とB型は症状で見分けられる?
基本的には見分けられません。高熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、咳、鼻水など多くの症状が重なります。
Q5.熱がなくてもインフルエンザの可能性はある?
あります。発熱の程度だけでインフルエンザを否定することはできません。
Q6.一度かかったら今シーズンはもう感染しない?
いいえ。異なる亜型やB型に感染する可能性があります。
Q7.検査が陰性ならインフルエンザではない?
必ずしもそうとは限りません。発症直後などでは、実際には感染していても陰性になることがあります。
Q8.タミフルとゾフルーザはどちらがいい?
一概には決められません。年齢、体重、基礎疾患、重症度、服用しやすさなどを踏まえて医師が選択します。
Q9.インフルエンザA型にかかったあとB型にもかかる?
可能性があります。A型に感染したことでB型への免疫が十分につくわけではありません。同じシーズンに複数回インフルエンザへ感染するケースはあり得ます。
Q10.熱が下がった翌日から仕事へ行っていい?
解熱だけで感染性がなくなったとは言えません。発症からの日数、症状、勤務先の規定、医師の指示を確認してください。咳やくしゃみが続く場合は周囲への配慮も必要です。
Q11.家族がA型なら自分もA型?
家庭内で同じウイルスが広がっている可能性はありますが、症状だけで確定はできません。別の感染症が同時に流行していることもあるため、必要に応じて医療機関へ相談します。
Q12.インフルエンザとコロナに同時感染することはある?
あります。どちらか一方の検査が陽性だからといって、もう一方を必ず否定できるわけではありません。呼吸苦や強い全身症状がある場合は自己判断せず受診してください。
Q13.発症して何日目が一番うつしやすい?
厚生労働省は、発症後1〜3日間は感染性のあるウイルスの平均的な排出量が多いと説明しています。発症前日から排出する可能性がある点にも注意が必要です。
薬剤師からひとこと
毎年インフルエンザが流行すると、「今年は○○型だから症状はこれ」「今年は熱が出ない」といった情報がSNSで広がります。しかし、同じウイルスでも年齢、免疫状態、ワクチン接種歴、基礎疾患などによって症状は大きく変わります。
「今年の型ならこの症状のはず」と決めつけないことが大切です。周囲でインフルエンザが流行している中で急に体調が悪くなった場合は、発熱の高さだけで判断せず、必要に応じて医療機関へ相談してください。

※症状だけでA型・B型を判別することはできません。強い症状や体調悪化がある場合は自己判断せず医療機関へ相談してください。
まとめ|2026年10月はA型、とくにAH1pdm09が目立つ
- 2026年は例年より早くインフルエンザが流行しています。
- 現時点ではA型が中心です。
- とくにAH1pdm09の検出が目立っています。
- H3N2も一部で確認されています。
- 今後B型が増える可能性もあります。
- A型・B型を症状だけで見分けることはできません。
- 高熱が出ないインフルエンザもあります。
- 一度感染しても別の型に再感染する可能性があります。
2026年は「まだ秋だから大丈夫」と考えるより、すでにインフルエンザシーズンに入っていると考えて備えるのがおすすめです。
参考資料・一次情報
※本記事は2026年10月5日時点で公表されている情報をもとに作成しています。感染症の流行状況は随時変化します。個別の診断・治療については医師・薬剤師などの医療専門職へご相談ください。


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