薬剤師として日々行う服薬指導は、患者さんの状態に応じた適切なサポートが求められます。
この記事では、むくみの症状を訴える患者と、安定して薬を服用できている患者の2つのケースに基づいた服薬指導と薬歴記の実例を紹介します。
服薬指導のポイントを押さえつつ、患者さんの生活をサポートするためにどのようなアプローチが必要かを学びましょう。

毎日服薬指導を行ってるとだんだんと雑になってくるもの。
マンネリ化しないように初心にかえってみよう!と言うことで書いてみました。
若手からベテランまで一読してみてください。
【ケース1】むくみがある患者の服薬指導
患者背景
- 65歳男性
- 高血圧治療中
- アムロジピン5mgを6か月間服用
- 軽度の足のむくみを訴える
- 血圧は家庭での測定で130/85mmHgで安定している
服薬指導の会話例

こんにちは、◯◯さん。
アムロジピンの服用は順調ですか?何か気になる症状はありますか?。

こんにちは。服薬自体は問題ないのですが、最近足が少しむくんでいるように感じます。

それは心配ですね。
アムロジピンは、血圧を下げる効果がある反面、足のむくみが副作用として出ることがあります。
むくみがひどくならない限り、すぐに薬を中止する必要はありませんが、気になる場合は医師に相談してみてください。

今のところは軽いむくみなので、様子を見てみようと思います。

その判断で問題ないと思います。
むくみがひどくなったり、他に体調の変化があれば、すぐにご相談くださいね。
血圧の方はどうですか?

毎日測っていますが、130/85くらいで安定しています。

血圧が安定しているのは良いですね。
このまま減塩食や運動も続けてください。
むくみが気になる場合、塩分を控えると少し改善することもあります。

わかりました。気をつけます。

何か気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。

ありがとうございます。
服薬指導のポイント
このケースでは、患者がアムロジピンの副作用としてむくみを感じています。
服薬指導では、まず副作用について丁寧に説明し、軽度であれば引き続き様子を見るようにアドバイスしています。
また、症状が悪化する場合は、主治医に相談することを促しています。
生活習慣のアドバイスとして、塩分を控えることや適度な運動も勧め、むくみの軽減に役立つようなサポートを行います。

トレーシングレポートへむくみの副作用が出始めている旨を記載出来るといいですね。
SOAP形式の薬歴記載例
- S(Subjective)
患者はアムロジピン5mgを6か月間服用中。最近、軽度の足のむくみを自覚しているが、その他の副作用はなし。血圧は130/85mmHgで安定している。 - O(Objective)
血圧自己測定:130/85mmHg。足の軽度なむくみあり。 - A(Assessment)
アムロジピンの副作用による軽度なむくみ。血圧は良好に管理されており、現在の服薬を継続するが、むくみがひどくなる場合には薬剤変更を検討する。 - P(Plan)
アムロジピン5mgの継続服用を指示。むくみが悪化する場合は医師に相談するよう助言。血圧自己測定を続け、生活習慣の改善(塩分控えめと運動)を指導。
【ケース2】安定している患者の服薬指導
患者背景
- 60歳男性
- 高血圧治療中
- アムロジピン5mgを1年以上服用
- 副作用なし
- 血圧は家庭での測定で130/80mmHgで安定
服薬指導の会話例

こんにちは、◯◯さん。
アムロジピンの服用は順調ですか?薬で何か気になることはありませんか?

こんにちは。
はい、特に問題ありません。体調も変わらず元気です。

それは良かったです。
血圧はどのくらいですか?

毎日測っていますが、最近は130/80くらいで安定しています。

とても良いですね。
このままの状態を維持できるよう、引き続き減塩食や適度な運動を続けてください。

わかりました。
特にむくみや立ちくらみもないですので体調はとても良いですね。

副作用がないのは安心ですね。
引き続き、血圧の自己測定を続け、何か気になることがあればいつでもご相談ください。

ありがとうございます。
これからも続けていきます。
服薬指導のポイント
安定している患者の場合、服薬や生活習慣が順調に維持されていることを確認することが重要です。
副作用がないことを確認した上で、継続的に健康維持に向けた生活習慣を続けるようアドバイスを行います。
また、定期的な血圧測定を継続することも勧め、患者さんの自己管理をサポートします。

治療に前向きな患者様は服薬指導もやりやすいですよね。
この薬を継続でいいのか?を判断するために、安定した生活が出来ていることを確認しましょう。
SOAP形式の薬歴記載例
- S(Subjective)
患者はアムロジピン5mgを1年以上服用中。体調に変化はなく、むくみや立ちくらみなどの副作用も感じていない。血圧は家庭での測定で130/80mmHgで安定している。 - O(Objective)
血圧自己測定:130/80mmHg。副作用なし。 - A(Assessment)
高血圧管理は良好であり、患者は安定している。副作用もなく、現時点で治療内容の変更は不要。 - P(Plan)
アムロジピン5mgの継続服用を指示。血圧の自己測定と生活習慣の維持(減塩と運動)を引き続き推奨。異常があれば早めに相談するよう助言。
まとめ
服薬指導は、患者の状態に応じたアプローチが求められます。
むくみなどの副作用がある患者には、適切な対応を指導し、必要に応じて医師への相談を促します。
一方で、安定している患者に対しても、定期的な確認とサポートが重要です。
患者の生活習慣や自己管理をサポートすることで、長期的な治療効果を最大限に引き出すことが可能です。
よくある質問(Q&A)
Q. アムロジピンを服用して足がむくむ場合、どうすればいいですか?
A. アムロジピンは血圧を下げる効果がある反面、足のむくみが副作用として現れることがあります。むくみが軽度の場合は、服薬を継続し様子を見てください。ただし、むくみがひどくなる場合は、主治医に相談し、薬の変更や対応を検討してもらうことが重要です。
Q. 副作用がない場合でも定期的な服薬指導は必要ですか?
A. はい、定期的な服薬指導は必要です。副作用がなくても、薬の効果が十分に発揮されているか、生活習慣の改善が継続されているかなどを確認することは重要です。また、患者さん自身が気づいていない小さな変化に気づくこともできます。
Q. 血圧が安定していても生活習慣の改善は必要ですか?
A. はい、血圧が安定していても生活習慣の改善は継続する必要があります。減塩食や運動は、高血圧を長期的に管理し、合併症を予防するために非常に重要です。血圧が安定しているからといって、生活習慣を緩めないように注意が必要です。
Q. アムロジピンを飲み忘れた場合はどうすればいいですか?
A. アムロジピンを飲み忘れた場合、気づいた時点でできるだけ早く飲んでください。ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分を飛ばし、次の服用を通常通り行ってください。2回分を一度に服用することは避けてください。

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