【2026年版】子どものインフルエンザ脳症とは?初期症状・けいれん・異常言動と119の目安を薬剤師が解説

子どものインフルエンザ脳症の初期症状・けいれん・異常言動と119の目安を薬剤師ゆずまるとなぎさが解説するアイキャッチ画像 子ども・家族の健康

2026年10月12日更新

「インフルエンザで子どもがぼーっとしている」「意味不明なことを言う」「けいれんしたけど熱性けいれん?それとも脳症?」——インフルエンザ流行期に、保護者が最も怖いと感じる症状の一つがインフルエンザ脳症です。

2026年は例年より早い時期からインフルエンザが流行しており、神奈川県では第39週にインフルエンザウイルス感染を原因とする急性脳炎の届出が1例報告されています。

インフルエンザ脳症はまれですが、発症すると短時間で状態が悪化することがあります。

まず覚えてほしい危険サイン

  • 呼びかけに答えない・目が合わない
  • けいれんが長く続く、またはけいれん後も意識が戻らない
  • 普段では考えられない意味不明な言動が続く
  • ぐったりして反応が鈍い
  • 繰り返し嘔吐し、意識もおかしい
  • 呼吸が苦しい、顔色が悪い

これらがある場合は「薬の副作用かな?」と様子を見すぎず、すぐ医療機関へ。意識障害や長いけいれんでは119も考えてください。

なぎさ
なぎさ
インフルで変なことを言ったら、全部脳症なんですか?
ゆずまる
ゆずまる
そうとは限らないよ。高熱で一時的に変な言動が出る「熱せん妄」や熱性けいれんもある。でも、家庭で完全に見分けるのは難しいから、意識がおかしい・けいれんが長いなどの危険サインを見逃さないことが大切です。
子どものインフルエンザ脳症で注意する危険サイン、すぐ受診・119の目安、家庭での対応、自己判断しないことをまとめた要点漫画

※意識がない、けいれんが止まらない、呼吸が苦しい場合は画像の内容だけで判断せず119を考えてください。

  1. インフルエンザ脳症とは?
  2. どんな年齢に多い?
  3. インフルエンザ脳症はなぜ起こる?
  4. 脳症の初期症状は「熱の高さ」だけでは分からない
  5. 「眠っているだけ」と「意識障害」の見分け方
    1. 眠っているだけの可能性が高い状態
    2. 意識障害を疑う状態
  6. いつ起こる?発症初期ほど注意
  7. 最重要|すぐ受診すべき3つの症状
    1. ① 呼びかけに答えない・意識がおかしい
    2. ② けいれんが長く続く・けいれん後も意識が戻らない
    3. ③ 普段はみられない意味不明な言動
  8. インフルエンザ脳症と熱せん妄の違い
  9. 熱性けいれんとインフルエンザ脳症の違い
  10. けいれん時にやってはいけないこと
  11. けいれんの動画は撮った方がいい?
  12. けいれんしたとき家庭でやること
  13. 119を考える目安
  14. 異常行動=タミフルの副作用?
  15. 異常行動と脳症の違いを家庭で完全に見分けるのは難しい
  16. 異常行動があるときの家庭内安全対策
  17. インフルエンザ脳症と「異常行動」は同じ?
  18. 解熱剤は何を使う?
  19. アセトアミノフェンなら絶対安全?
  20. 解熱剤を使う目的は「平熱にすること」ではない
  21. ロキソニンは使っていい?
  22. タミフルを飲めば脳症を予防できる?
  23. 脳症が疑われたら病院で何を調べる?
  24. 入院になることはある?
  25. 後遺症は残る?
  26. インフルエンザワクチンで脳症を防げる?
  27. フルミストでも脳症は防げる?
  28. 夜間に判断に迷ったら?
  29. #8000と119の使い分け
  30. 救急受診するときに持っていくもの
  31. 受診時に伝えるとよい情報
  32. 家で一人にしない方がいい?
  33. 兄弟もインフルエンザなら同じように注意する?
  34. 夜に一人で寝かせても大丈夫?
  35. 受診後に「自宅で様子を見て」と言われたら
  36. 登校再開は脳症の有無だけで決めない
  37. 保護者がメモしておくとよい項目
  38. インフルエンザ脳症が心配なときのチェックリスト
  39. 脳症を完全に防ぐ方法はある?
  40. 2026年10月はインフルエンザ流行が早い
  41. こんなケースならどうする?具体例
    1. ケース1|高熱だが、会話できて水分も取れる
    2. ケース2|熱は38℃台だが、呼んでも反応が鈍い
    3. ケース3|けいれんが1〜2分で止まり、その後泣いている
    4. ケース4|けいれん後も目を開けない
    5. ケース5|夜中に意味不明なことを言ったが数分後に元に戻った
  42. よくある質問
    1. Q1.インフルエンザ脳症は何歳に多い?
    2. Q2.高熱だけで脳症?
    3. Q3.変なことを言ったら全部脳症?
    4. Q4.熱性けいれんと脳症は同じ?
    5. Q5.けいれんしたら何分で救急車?
    6. Q6.タミフルを飲んだから異常行動が出た?
    7. Q7.脳症は予防できる?
    8. Q8.解熱剤で脳症になる?
    9. Q9.夜中にぼーっとしている。朝まで待っていい?
    10. Q10.#8000と119どちら?
    11. Q11.脳症はA型だけ?B型でもなる?
    12. Q12.ワクチンを打っていても脳症になる?
    13. Q13.発熱初日だけ注意すればいい?
    14. Q14.寝言と異常言動はどう違う?
    15. Q15.吐いただけでも脳症?
  43. 家族が迷わないための「受診ルール」を決めておく
  44. まとめ|「普段と違う意識・けいれん・意味不明な言動」を見逃さない
  45. 参考資料・一次情報

インフルエンザ脳症とは?

インフルエンザ脳症は、インフルエンザに伴って急激な意識障害やけいれんなどの中枢神経症状が現れる重い合併症です。

厚生労働省も、インフルエンザでは子どもにまれに急性脳症が起こることがあると注意喚起しています。

「脳にインフルエンザウイルスが直接大量に入り込む病気」と単純に考えるのではなく、感染に対する体の過剰な炎症反応などが関与すると考えられています。

どんな年齢に多い?

インフルエンザ脳症は主に小児で問題になります。特に乳幼児では注意が必要です。

ただし年齢だけで完全に予測できるわけではありません。

インフルエンザにかかった子ども全員が脳症になるわけではなく、まれな合併症です。

インフルエンザ脳症はなぜ起こる?

インフルエンザ脳症の詳しい発症メカニズムは完全には解明されていませんが、単純に「ウイルスが脳に直接入り込んで炎症を起こす」というだけではなく、感染に対する体の強い炎症反応が関与すると考えられています。

そのため、インフルエンザウイルスの量だけで発症を予測できるわけではありません。

また、一般的なインフルエンザ症状が軽そうに見えても、神経症状が急に出ることがあります。

脳症の初期症状は「熱の高さ」だけでは分からない

高熱が出ると「脳症になるのでは?」と不安になる方も多いですが、高熱だけで脳症とは判断できません。

重要なのは、熱の高さよりも、

  • 意識状態
  • けいれん
  • 言動の変化
  • 反応の悪さ
  • 呼吸状態

です。

40℃近い発熱でも意識がはっきりして水分が取れる子もいれば、38℃台でも意識状態が悪い子もいます。

「眠っているだけ」と「意識障害」の見分け方

高熱の子どもはよく眠ります。そのため、保護者が一番迷うのが「ただ眠っているだけなのか、意識がおかしいのか」です。

眠っているだけの可能性が高い状態

  • 声をかけると目を開ける
  • 親の顔を見て反応する
  • 嫌がる、泣くなど普段に近い反応がある
  • 水分を勧めると飲める

意識障害を疑う状態

  • 強く呼びかけても目を開けない
  • 目は開くが視線が合わない
  • 質問に答えられない
  • 起こしてもすぐ意識が落ちるように眠り込む
  • 普段の性格や反応と明らかに違う

「いつもの眠り方と違う」と感じたら、その感覚を軽視しないことが大切です。

インフルエンザ脳症は主に小児で問題になります。特に乳幼児では注意が必要です。

ただし年齢だけで完全に予測できるわけではありません。

インフルエンザにかかった子ども全員が脳症になるわけではなく、まれな合併症です。

いつ起こる?発症初期ほど注意

インフルエンザ脳症は、インフルエンザ発症後比較的早い時期に中枢神経症状が出ることがあります。

日本小児科学会の過去の調査では、けいれんや異常言動などの中枢神経症状は第1〜第2病日に集中していたと報告されています。

つまり、発熱初日〜翌日あたりに、

  • 急に反応が悪くなる
  • 意味不明な言動が続く
  • けいれんする
  • 意識が戻らない

といった変化があれば特に注意が必要です。

最重要|すぐ受診すべき3つの症状

厚生労働省や日本小児科学会では、インフルエンザ様症状に加えて次の症状がある場合、インフルエンザ脳症の早期症状として注意するよう示しています。

① 呼びかけに答えない・意識がおかしい

「名前を呼んでも目を開けない」「目は開くけど視線が合わない」「何度もすぐ眠ってしまう」「普段より明らかに反応が鈍い」といった状態です。

ただ眠いだけなのか判断が難しいこともありますが、普段の眠り方と明らかに違う場合は注意してください。

② けいれんが長く続く・けいれん後も意識が戻らない

熱性けいれんは小児でみられることがありますが、長時間続くけいれんや、けいれんが止まっても意識が戻らない場合は緊急性が高くなります。

時間を測る余裕があれば、けいれんが始まった時刻を確認してください。

③ 普段はみられない意味不明な言動

例えば、

  • 突然存在しないものを怖がる
  • 意味の通らない言葉を繰り返す
  • 家族が誰か分からない
  • 見えていないものが見えると言う
  • 会話が成立しない

などです。

短時間で元に戻る熱せん妄との区別が難しいこともあるため、続く場合や意識状態がおかしい場合は受診します。

インフルエンザ脳症と熱せん妄の違い

高熱が出ると、子どもが「怖いものが見える」「誰もいないのに話す」「急に泣き叫ぶ」などの異常言動を示すことがあります。

これは熱せん妄と呼ばれる状態のことがあります。

項目 熱せん妄 インフルエンザ脳症を疑う状態
意識 一時的に混乱することがある 呼びかけへの反応が悪い・意識障害が続く
異常言動 高熱時に一時的 意味不明な言動が持続・悪化
けいれん 通常は主症状ではない けいれんを伴うことがある
経過 短時間で改善することも 短時間で悪化することがある

ただし、家庭で完全に区別することはできません。

「いつもの熱せん妄かな」と自己判断して長時間様子を見るのは避け、反応がおかしい場合は医療機関へ相談してください。

熱性けいれんとインフルエンザ脳症の違い

熱性けいれんは、主に生後6か月〜5歳頃の子どもで、発熱に伴って起こるけいれんです。

多くは短時間で止まり、その後意識が戻ります。

一方で、

  • けいれんが長い
  • 繰り返す
  • けいれん後も意識が戻らない
  • 片側だけ強くけいれんする
  • 普段と違う神経症状が続く

などの場合は、単純な熱性けいれん以外も考えます。

けいれん時にやってはいけないこと

  • 口に箸・スプーン・指などを入れる
  • 無理に体を押さえつける
  • 水や薬を無理に飲ませる
  • 激しく揺さぶる

舌を噛むのを防ぐ目的で口に物を入れると、歯や口の中を傷つけたり、窒息につながる危険があります。

けいれんの動画は撮った方がいい?

安全確保ができている場合、けいれんの様子を動画に残すと診断の参考になることがあります。

ただし、撮影を優先して救急要請が遅れるのは本末転倒です。

呼吸が悪い、けいれんが止まらない、意識が戻らない場合は、まず119や受診を優先してください。

熱性けいれんは、主に生後6か月〜5歳頃の子どもで、発熱に伴って起こるけいれんです。

多くは短時間で止まり、その後意識が戻ります。

一方で、

  • けいれんが長い
  • 繰り返す
  • けいれん後も意識が戻らない
  • 片側だけ強くけいれんする
  • 普段と違う神経症状が続く

などの場合は、単純な熱性けいれん以外も考えます。

けいれんしたとき家庭でやること

  1. 安全な場所に寝かせる
  2. 横向きにする(嘔吐したときに詰まらせにくくする)
  3. 口に物を入れない
  4. けいれん開始時刻を確認
  5. 可能なら動画を撮る(安全確保を優先)
  6. 呼吸・顔色を確認

昔は「舌を噛まないよう口に物を入れる」と言われることがありましたが、危険なので行いません。

119を考える目安

厚生労働省の救急受診案内では、子どもで意識障害やけいれん、呼吸が弱いなどは救急車を呼ぶ目安とされています。

以下では119を考えてください。

  • けいれんが止まらない
  • けいれん後も意識が戻らない
  • 呼びかけに反応しない
  • 呼吸が弱い・苦しそう
  • 唇が紫、顔色が明らかに悪い
  • ぐったりして動かない

「救急車を呼んでいいのかな」と迷っている間に状態が悪化することがあります。

異常行動=タミフルの副作用?

インフルエンザの異常行動について「タミフルが原因」と思われることがありますが、抗インフルエンザ薬を使っていない患者でも異常行動は報告されています。

つまり、インフルエンザそのものでも異常行動が起こる可能性があります。

薬を飲んだかどうかだけで安全とは判断できません。

→子どものインフル異常行動は薬が原因?いつ起きる・どう防ぐか

異常行動と脳症の違いを家庭で完全に見分けるのは難しい

「突然走り出した」「窓を開けようとした」「意味不明なことを言った」という異常行動があっても、必ず脳症とは限りません。

一方で、インフルエンザ脳症の初期症状として異常言動がみられる場合もあります。

家庭では、次のポイントを見ます。

  • 数分で元に戻るか
  • 会話が成立するか
  • 自分の名前や家族が分かるか
  • 歩けるか
  • けいれんがないか
  • 呼びかけへの反応が悪化していないか

「何となく変」ではなく、時間とともに悪化している場合は受診を急ぎます。

異常行動があるときの家庭内安全対策

  • できるだけ一人にしない
  • 窓・ベランダ・玄関を施錠する
  • 階段や高所へ近づかせない
  • 浴室で一人にしない
  • 危険物を手の届く場所に置かない

特に発熱初期は、本人が突然動き出しても対応できるようにしておくと安心です。

インフルエンザの異常行動について「タミフルが原因」と思われることがありますが、抗インフルエンザ薬を使っていない患者でも異常行動は報告されています。

つまり、インフルエンザそのものでも異常行動が起こる可能性があります。

薬を飲んだかどうかだけで安全とは判断できません。

→子どものインフル異常行動は薬が原因?いつ起きる・どう防ぐか

インフルエンザ脳症と「異常行動」は同じ?

同じではありません。

インフルエンザに伴う異常行動の中には、短時間で改善し脳症に至らないものもあります。

一方で、脳症の初期症状として異常言動が現れることもあります。

家庭では、

  • 反応が戻るか
  • 会話が成立するか
  • けいれんがないか
  • 意識が悪化していないか

を見ることが重要です。

解熱剤は何を使う?

インフルエンザの発熱時、特に子どもでは解熱鎮痛薬の選択に注意が必要です。

日本小児科学会などでは、インフルエンザ時の解熱鎮痛薬として一般にアセトアミノフェンが使用されます。

一方、ジクロフェナクやメフェナム酸など一部のNSAIDsは、小児のインフルエンザ脳症との関連から注意が必要です。

家庭に残っている大人用の鎮痛薬を自己判断で子どもへ使わないでください。

→インフルの解熱剤は何が安全?大人・子ども別の選び方

アセトアミノフェンなら絶対安全?

アセトアミノフェンは小児の発熱でよく使われますが、用量を守ることが前提です。

市販の総合感冒薬にもアセトアミノフェンが入っている場合があり、処方薬と重複すると過量になるおそれがあります。

薬を複数使う場合は、成分名を薬剤師に確認してください。

解熱剤を使う目的は「平熱にすること」ではない

解熱剤は、体温を数字上完全に正常化することが目的ではありません。

高熱でつらくて眠れない、水分が取れない、頭痛や全身痛が強いといった場合に、苦痛を和らげる目的で使います。

熱があること自体より、子どもの全身状態を見ることが大切です。

インフルエンザの発熱時、特に子どもでは解熱鎮痛薬の選択に注意が必要です。

日本小児科学会などでは、インフルエンザ時の解熱鎮痛薬として一般にアセトアミノフェンが使用されます。

一方、ジクロフェナクやメフェナム酸など一部のNSAIDsは、小児のインフルエンザ脳症との関連から注意が必要です。

家庭に残っている大人用の鎮痛薬を自己判断で子どもへ使わないでください。

→インフルの解熱剤は何が安全?大人・子ども別の選び方

ロキソニンは使っていい?

「ロキソニン=インフルエンザ脳症を必ず起こす」という単純な話ではありません。

ただし小児に使う解熱鎮痛薬は年齢・体重・病状に応じて選ぶ必要があります。

子どもでは自己判断で成人用ロキソニンを使わず、医師・薬剤師へ相談してください。

タミフルを飲めば脳症を予防できる?

抗インフルエンザ薬を飲めばインフルエンザ脳症を必ず予防できる、ということは証明されていません。

一方で、インフルエンザ自体の治療として抗ウイルス薬が使われます。

脳症が疑われる場合は、一般的な外来治療ではなく医療機関での評価・管理が必要です。

脳症が疑われたら病院で何を調べる?

インフルエンザ脳症が疑われる場合、意識状態やけいれんの有無を確認しながら、必要に応じて血液検査、画像検査、脳波などが行われます。

検査内容は症状や重症度によって異なり、すべての患者に同じ検査をするわけではありません。

大切なのは、家庭で「脳症かどうか」を確定しようとせず、意識障害など危険サインがあれば早く医療機関につなぐことです。

入院になることはある?

意識障害、けいれん、呼吸状態の悪化などがある場合は、入院管理が必要になることがあります。

重症例では集中治療室での管理が必要になることもあります。

一方で、一時的な熱せん妄や短い熱性けいれんで、その後しっかり回復している場合は、必ず脳症として入院するわけではありません。

後遺症は残る?

インフルエンザ脳症は重症度に幅があります。

回復するケースもありますが、重症例では神経学的な後遺症が残ることがあります。

だからこそ、「様子がいつもと違う」と感じた初期の段階で、必要な医療につなげることが大切です。

抗インフルエンザ薬を飲めばインフルエンザ脳症を必ず予防できる、ということは証明されていません。

一方で、インフルエンザ自体の治療として抗ウイルス薬が使われます。

脳症が疑われる場合は、一般的な外来治療ではなく医療機関での評価・管理が必要です。

インフルエンザワクチンで脳症を防げる?

インフルエンザワクチンは、感染・発症・重症化のリスクを下げる目的があります。

ただし、接種すれば100%インフルエンザにも脳症にもならない、というものではありません。

2026年は流行が早いため、未接種で対象年齢の場合は接種時期を医療機関へ相談してください。

→2026年インフルエンザ予防接種はいつ打つ?

フルミストでも脳症は防げる?

フルミストもインフルエンザワクチンの一つで、発症予防を目的に使用されます。

ただし脳症を完全に防ぐものではありません。

→フルミストの副反応はいつまで?接種後の注意点

夜間に判断に迷ったら?

夜間・休日に「救急車を呼ぶほどか分からない」と迷う場合は、小児救急電話相談#8000を利用できます。

ただし、意識がない、けいれんが止まらない、呼吸が苦しいなど明らかに緊急性が高い場合は相談窓口を待たず119です。

#8000と119の使い分け

状況 目安
高熱だが意識ははっきり、水分も取れる #8000などで相談可
短いけいれん後に意識が戻っている 年齢・既往により#8000や受診相談
けいれんが止まらない 119
けいれん後も意識が戻らない 119
呼びかけに反応しない 119
唇が紫、呼吸が弱い 119

迷ったときは、子どもの「普段との違い」を具体的に伝えると相談しやすくなります。

救急受診するときに持っていくもの

  • 健康保険証・医療証など
  • 母子健康手帳
  • お薬手帳
  • 使用した解熱剤・抗インフルエンザ薬
  • けいれんや異常行動の動画があればその記録
  • 発症時刻・けいれん時刻のメモ

夜間・休日に「救急車を呼ぶほどか分からない」と迷う場合は、小児救急電話相談#8000を利用できます。

ただし、意識がない、けいれんが止まらない、呼吸が苦しいなど明らかに緊急性が高い場合は相談窓口を待たず119です。

受診時に伝えるとよい情報

  • インフルエンザの発症日
  • 最高体温
  • 異常言動が始まった時刻
  • けいれんの開始・終了時刻
  • けいれんが全身か片側か
  • 意識が戻ったか
  • 嘔吐回数
  • 使った解熱剤・抗インフルエンザ薬

動画を安全に撮影できた場合は、診察時に役立つことがあります。

家で一人にしない方がいい?

インフルエンザの小児では、発熱初期に異常行動がみられることがあります。

特に発熱から2日程度は、できるだけ一人にせず、窓・ベランダ・玄関などから飛び出さないよう安全対策をしてください。

兄弟もインフルエンザなら同じように注意する?

はい。家庭内で複数の子どもがインフルエンザにかかった場合、それぞれ別々に状態を観察します。

「上の子が軽かったから下の子も大丈夫」とは限りません。

特に年齢が低い子では、発熱だけでなく反応、呼吸、水分摂取、けいれんの有無をよく確認してください。

夜に一人で寝かせても大丈夫?

高熱が出始めたばかりで異常行動が心配な時期は、可能なら保護者が近くで様子を確認できる環境にした方が安心です。

何分おきに必ず起こす、という一律の決まりはありませんが、呼吸や顔色、汗のかき方、呼びかけへの反応が普段と違わないかを時々確認します。

明らかに反応が悪い場合は、「寝ているから朝まで待つ」とせず受診してください。

インフルエンザの小児では、発熱初期に異常行動がみられることがあります。

特に発熱から2日程度は、できるだけ一人にせず、窓・ベランダ・玄関などから飛び出さないよう安全対策をしてください。

受診後に「自宅で様子を見て」と言われたら

診察の結果、脳症を疑う所見がなく自宅療養となることもあります。

その場合でも、発熱初期は状態が変化する可能性があるため、次の点を観察します。

  • 呼びかけに普段どおり反応するか
  • 会話が成立するか
  • 水分が取れているか
  • 尿が出ているか
  • 呼吸が苦しくないか
  • 新たなけいれんがないか
  • 異常言動が繰り返していないか

「受診したからもう大丈夫」と決めつけず、明らかな悪化があれば再受診してください。

登校再開は脳症の有無だけで決めない

インフルエンザでは、学校保健安全法上の出席停止期間があります。

原則として「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」です。

脳症が疑われた、けいれんがあった、全身状態が悪かった場合は、一般的な日数だけでなく医師の指示を優先してください。

→インフルエンザで学校は何日休む?発症日・解熱日の数え方

保護者がメモしておくとよい項目

記録すること 例
発症時刻 10/11 18時ごろ発熱
最高体温 39.4℃
異常言動 22時10分ごろ、存在しない人の話をした
けいれん 22時20分〜22時23分、全身
意識 けいれん後5分で会話可能など
服用薬 オセルタミビル、アセトアミノフェンなど

「何となく変だった」だけでなく、いつ・どのくらい続いたかを記録すると診察の参考になります。

インフルエンザ脳症が心配なときのチェックリスト

  • □ 呼びかけに答えない
  • □ 視線が合わない
  • □ 意味不明な言動が続く
  • □ けいれんが長く続く
  • □ けいれん後も意識が戻らない
  • □ 繰り返しけいれんする
  • □ ぐったりして起きない
  • □ 嘔吐が続き、反応も悪い
  • □ 呼吸が苦しい
  • □ 顔色・唇の色が悪い

強く当てはまる場合は、様子を見すぎずすぐ受診してください。

脳症を完全に防ぐ方法はある?

残念ながら、インフルエンザ脳症を100%防ぐ方法はありません。

ただし、インフルエンザそのものにかかるリスクや重症化リスクを下げることは重要です。

  • インフルエンザワクチンを検討する
  • 手洗い・換気など基本的な感染対策
  • 流行期に体調不良者との密接な接触を避ける
  • 発症したら無理をさせず休ませる
  • 危険サインを早く見つける

「脳症が怖いから熱をすぐ下げなければ」と解熱剤を過剰に使うのではなく、全身状態をみることが大切です。

2026年10月はインフルエンザ流行が早い

神奈川県では2026年第33週に流行開始の目安を超え、第39週でも定点当たり報告数8.59が報告されています。

同週にはインフルエンザを原因とする急性脳炎の届出も1例ありました。

「まだ秋だから重症合併症は先」とは考えず、発熱初期から子どもの様子をよく観察してください。

→2026年10月、今流行っているインフルエンザは何型?

こんなケースならどうする?具体例

ケース1|高熱だが、会話できて水分も取れる

高熱だけで脳症とは言えません。解熱剤を適切に使いながら、水分・呼吸・意識状態を観察します。症状が強い場合は医療機関へ相談します。

ケース2|熱は38℃台だが、呼んでも反応が鈍い

熱の高さより意識状態が重要です。普段と明らかに反応が違う場合は早めに受診してください。

ケース3|けいれんが1〜2分で止まり、その後泣いている

熱性けいれんの可能性もありますが、初回けいれんや年齢、既往によって対応が異なります。#8000や医療機関へ相談してください。

ケース4|けいれん後も目を開けない

緊急性があります。119を考えてください。

ケース5|夜中に意味不明なことを言ったが数分後に元に戻った

熱せん妄の可能性もあります。ただし、再び同じ症状が出る、意識が悪化する、けいれんがある場合は受診します。

よくある質問

Q1.インフルエンザ脳症は何歳に多い?

主に小児、特に乳幼児で問題になります。ただし年齢だけで安全とは判断できません。

Q2.高熱だけで脳症?

高熱だけでは脳症とは言えません。意識障害、けいれん、意味不明な言動など中枢神経症状が重要です。

Q3.変なことを言ったら全部脳症?

いいえ。熱せん妄など一時的な異常言動もあります。ただし家庭で完全に区別するのは難しいため、持続する場合や反応が悪い場合は受診します。

Q4.熱性けいれんと脳症は同じ?

違います。熱性けいれんは発熱に伴うけいれんで、多くは短時間で回復します。長時間続く、意識が戻らない場合は別の原因も考えます。

Q5.けいれんしたら何分で救急車?

けいれんが止まらない、意識が戻らない、呼吸が苦しい場合は時間だけにこだわらず119を考えてください。

Q6.タミフルを飲んだから異常行動が出た?

抗インフルエンザ薬を使っていない患者でも異常行動は報告されています。薬だけが原因とは言えません。

Q7.脳症は予防できる?

完全に予防する方法はありません。ワクチンでインフルエンザ発症・重症化リスクを下げることは重要です。

Q8.解熱剤で脳症になる?

一部の解熱鎮痛薬は小児インフルエンザで注意が必要です。子どもには自己判断で成人用鎮痛薬を使わず、処方された薬や薬剤師が確認した薬を使ってください。

Q9.夜中にぼーっとしている。朝まで待っていい?

呼びかけへの反応が悪い、視線が合わない、すぐ眠り込むなど普段と違う意識状態なら朝まで待たず相談・受診してください。

Q10.#8000と119どちら?

判断に迷う場合は#8000が利用できますが、意識がない、けいれんが止まらない、呼吸が苦しいなど緊急性が高い場合は119です。

Q11.脳症はA型だけ?B型でもなる?

A型だけに限りません。型だけで「脳症にならない」と判断することはできません。

Q12.ワクチンを打っていても脳症になる?

可能性はゼロではありません。ワクチンは感染や重症化のリスクを下げる目的で使われますが、100%防ぐものではありません。

Q13.発熱初日だけ注意すればいい?

初期に症状が出ることが多いですが、日数だけで安全と判断しないでください。意識やけいれんなどの変化をみます。

Q14.寝言と異常言動はどう違う?

寝言は睡眠中に一時的に話しても、起こせば普段どおり反応します。呼びかけへの反応が悪い、会話が成立しない状態は注意が必要です。

Q15.吐いただけでも脳症?

嘔吐だけで脳症とは言えません。ただし繰り返し嘔吐し、意識もおかしい場合は早めに受診してください。

家族が迷わないための「受診ルール」を決めておく

インフルエンザ流行期は、夜間に急に高熱が出ることがあります。いざというときに慌てないよう、家庭内で次のようなルールを決めておくと安心です。

  • 意識が悪い・けいれんが止まらない・呼吸が苦しい → 119
  • 高熱や異常言動があるが反応はある → #8000や医療機関へ相談
  • 薬の使い方が分からない → 医師・薬剤師へ確認
  • 症状が軽くても悪化傾向 → 再受診

「何分待てば受診」「何度になったら救急」という数字だけでなく、普段と比べた反応の違いを見ることが大切です。

インフルエンザ脳症のチェックポイント、受診時に伝える情報、#8000と119の使い分けをまとめた漫画

※「いつもと違う」と感じたら、発症時刻・けいれん時間・使用薬を記録して早めに医療機関へ相談してください。

まとめ|「普段と違う意識・けいれん・意味不明な言動」を見逃さない

  • インフルエンザ脳症はまれだが重い合併症
  • 発症初期、とくに第1〜2病日に中枢神経症状が出ることがある
  • 呼びかけに答えない・意識が戻らないは危険サイン
  • 長いけいれん、けいれん後の意識障害も要注意
  • 意味不明な言動が続く場合も受診
  • 熱せん妄・熱性けいれんとの区別は家庭では難しい
  • 異常行動はタミフル使用の有無に関係なく起こりうる
  • 子どもの解熱剤は自己判断せず確認する
  • 明らかな意識障害・けいれん・呼吸苦では119を考える
  • 迷う場合は小児救急電話相談#8000も利用できる

保護者が感じる「いつもと何か違う」という違和感は大切です。

インフルエンザで高熱がある子どもが、普段では考えられない反応を示した場合は、薬の副作用かどうかを悩み続けるより、早めに医療機関へ相談してください。

参考資料・一次情報

※本記事は2026年10月12日時点で確認できる公的情報をもとに作成しています。緊急性の判断は個々の状態で異なります。意識障害、長いけいれん、呼吸苦などがある場合は迷わず医療機関へ相談してください。

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