
ねぇねぇ、なぎさちゃん。薬局ってなんでいつも閉店後まで明かりがついてるんだろうね?

ほんとですね、先輩。閉店時間過ぎてるのにレジ締めしてたり、棚卸してたり…いろいろ大変そうです。

それってつまり「残業」だよね。今日は薬局で働くうえで覚えておきたい残業の知識を詳しく解説していくね!
薬局では閉店時間を過ぎても薬剤師が働いている姿を見かけることが多く、「なんであんなに遅くまで?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
それは多くの場合、日中に終わらなかった業務をこなすための残業によるものです。
この記事では、薬局薬剤師が知っておきたい「残業」の基本知識を分かりやすく解説します。
労働基準法に基づくルール、管理薬剤師の立場、残業代の計算方法、そして実際の現場での残業実態とその解決策まで詳しく取り上げます。
働き方改革が進む中、正しい知識を身につけてトラブルを防ぎ、効率よく働くためのヒントをお届けします。

残業の定義とは?
「残業」とは、労働者が法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えて働くことを指します。
日本では「労働基準法」に基づき、これを実施するためには36(さぶろく)協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
重要なポイント
36協定がない状態で残業を命じると、企業側に罰則が科される可能性があります。

薬局で発生しやすい残業の原因とは?
- 閉店後の棚卸やレジ締め処理
- 在宅業務での訪問後の記録整理
- 薬歴記載や疑義照会への対応
- 緊急の処方箋対応や急患の応対
特に中小薬局では人員が限られているため、1人あたりの業務量が多く、残業につながりやすいです。

残業代の計算方法と法的リスクは?
残業代の基本的な計算式は以下の通りです:
時給 × 1.25(法定時間外)または1.5(深夜)または1.35(休日)
例えば時給2000円の薬剤師が2時間残業した場合:2000 × 1.25 × 2 = 5000円の残業代が発生します。
重要なポイント
残業代を支払わないことは「未払い賃金」となり、労基署の是正指導や訴訟リスクがあります。
管理薬剤師と一般薬剤師の残業の違いとは?
管理薬剤師は「店舗の責任者」としての業務があるため、名目上は「管理職」として扱われることがありますが、実態として残業代の支払いが必要なケースも多いです。
管理職扱い=残業代不要と誤解されがちですが、労働時間の裁量がない管理職は残業代対象になります。

残業削減の工夫と時短テクニックとは?
- ICTツール導入(薬歴の電子化、音声入力など)
- ルーチン業務の標準化・マニュアル化
- タスクの見える化とチーム分担
- 閉店1時間前の「締め準備タイム」設定
特に電子薬歴の音声入力機能や、クラウド型在庫管理システムの活用は、入力作業や棚卸の効率化に大きく貢献します。
重要なポイント
日々の「少しの改善」が、月末の残業時間を大きく変えます!

働き方改革と薬局への影響は?
2019年から順次施行されている「働き方改革関連法」により、時間外労働の上限規制や有給取得義務などが強化されました。
- 36協定による残業の上限は「原則月45時間・年360時間」
- 年間720時間超えや複数月平均80時間超の残業は禁止
- 有給休暇の取得義務(年5日以上)

症例や具体例:実際の薬局での残業事情
ケース1:閉店後に残った薬歴記載
ある地方都市の調剤薬局では、1日平均80枚以上の処方箋が持ち込まれており、患者応対や服薬指導に追われる時間帯には薬歴記載がどうしても後回しにされていました。結果として、営業時間終了後に30〜60分間の残業が常態化していました。
【問題点】:
・薬歴がその場で記録されず、記憶に頼った記載になることで精度低下のリスク
・スタッフ間で記載ルールのばらつきが生まれ、監査で指摘される事例も
【対応策】:
音声入力機能を備えた薬歴支援システム「Musubi」を導入。患者対応と同時に音声で下書き記録を作成し、後から確認・修正する形式へ移行。これにより1人あたり30分の時短を実現。定時退社ができる日が増加しました。
ケース2:在宅訪問後の記録作業の長時間化
在宅業務を担当する薬剤師は、17時以降に訪問予定が組まれることが多く、訪問先での応対が長引いた場合、記録作業が帰局後20時近くに及ぶこともありました。
【問題点】:
・在宅の報告書が翌日にずれ込み、施設とのやりとりが遅延
・家庭と仕事の両立が困難に
【対応策】:
モバイル端末を活用して訪問直後に音声で症状・対応内容を録音。その音声を帰局後に自動文字起こしするアプリを導入。さらに、チーム制を導入し、記録作業を訪問担当・記録担当で分担。効率化と負担分散を同時に達成しました。
ケース3:管理薬剤師の業務が集中してサービス残業に
新店舗の開局直後、スタッフ教育・発注・薬機法対応・行政書類作成・トラブル対応などすべての業務を管理薬剤師が一手に引き受けていました。結果として、業務終了後も1〜2時間のサービス残業が常態化していました。
【問題点】:
・管理薬剤師が疲弊し、離職を検討する状態に
・現場のマネジメントが属人化し、代替が効かない
【対応策】:
店舗内に業務分担表を掲示し、「週次でのローテーション制」と「属人化しないマニュアル化」を実施。特に行政書類のテンプレート化、在庫管理の自動化システム導入で工数を削減。これにより残業は週2時間未満に抑えられるようになりました。

まとめ
- 36協定を正しく結ぶ
- 残業代の正当な支払い
- 業務改善・ICT導入の活用
- 働き方改革の反映
スタッフ全員が安心して働ける環境が、患者さんへのサービス向上にもつながります。
よくある質問
残業代は出ないと言われたのですが?
管理職でも労働時間の裁量がなければ残業代は必要です。
36協定がないのに残業させられています
労基署に相談しましょう。
ICTでおすすめのツールは?
Musubi、Pharnes、Medicom-HRfなどが実用的です。
サービス残業の証拠は?
タイムカード、メール記録、業務日報、スクリーンショットなど。
参考文献



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