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薬局薬剤師が解説!抗原検査キット比較~研究用と医療用とは?信頼おけるものは?

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コロナ
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皆さまこんにちは薬局薬剤師のゆずまると申します。

オミクロン株が猛威をふるい、いよいよ大変な状況になってまいりました。

新型コロナウイルス第6波が到来したとも言われております。

医療現場や経済活動も目まぐるしく環境も変わるため状況を把握するのも大変ですよね。

今回は新型コロナウイルスの抗原検査キットについて解説したいと思います。

追記

ついに医療用の抗原検査キットもインターネット解禁されました。

そこだけ読めればいいよと言う方はこちらから

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抗原検査って何?

最近よく耳にする抗原検査ってそもそも何でしょうか。

聞きなれない人も多いかと思いますのでまずは基本から解説。

  • 抗原検査とは、新型コロナウイルスの構成成分であるタンパク質を、ウイルスに特異的な抗体を用いて検出する検査方法です。
  • ウイルスの遺伝子を特異的に増幅するPCR検査(核酸検出検査)と同様に、陽性の場合はウイルスが検体中に存在することを示します。
  • 特別な検査機器を使わず、自宅で簡単に検査ができます。短時間(15から30分程度)で陽性・陰性の判定結果がでます。

鼻水や唾液の検体の中にウイルスが存在しているかを判断するために使われます。

発症2日目から9日以内の有症状者については、抗原検査キットとPCR検査の結果の一致率が高いことが確認されており検査結果が陰性でも確定診断が行えるようになりました。

精度はPCR検査と遜色なく、検査時間も短時間であるため医療現場でもコロナウイルスの検査によく使われています。

自己検査で確定診断に使えるようになった?

令和4年1月24日に厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部より通達がありました。

発熱等の症状がある場合でも、重症化リスクが低いと考えられる方については、医療機関の受診前に、抗原定性検査キット等で自ら検査していただいた上で受診することを呼びかけること。この場合に、医師の判断で、受診時に再度の検査を行うことなく、本人が提示する検査結果を用いて確定診断を行って差し支えない。

ただし、本人が希望する場合には検査前でも医療機関への受診は可能であることや、症状が重い場合や急変時等には速やかに医療機関を受診するよう、併せて呼びかけること。また、重症化リスクが高い方については、これまでどおり医療機関を受診していただき、適切な医療が受けられるようにすること。

※地域の感染状況に応じて、診療・検査医療機関への受診に一定の時間を要する状況となっている等の場合

新型コロナウイルス感染症の感染急拡大時の外来診療の対応について 事務連絡 令和4年1月24日

原文はこちらから

https://www.mhlw.go.jp/content/000886501.pdf

地方自治体の対応方針によっての条件付きではあるが、軽症の場合には自分で測定した結果を確定診断に使っても良いと言うことになりました。

医師の判断にもよりますが、患者自身が検査したその結果を信じて診断することも増えてきそうですね。

自分で日々の健康管理を行うことが大切になったといえそうです。

2種類ある?抗原検査キットについて

研究用と医療用の抗原検査キット。それぞれの言葉が急に出始めてきました。

聞きなれない人にとっては何が異なるのか分からない人も多いことと思います。

今まで新型コロナウイルスの抗原検査キットは医療機関や自治体でしか使用できませんでした。

新型コロナウイルス感染の不安等に対して一般家庭でも扱ってよい抗原検査キットが販売されることになりました。

これが「研究用」の抗原検査キットです。

素早く確認する一つの目安として利用されており多くの人の不安解消に役立っておりました。


ですが、ある時期のほんの一部の商品で精度が低く粗悪なキットが出回りました。

その後、医療用の抗原検査キットも一般用として販売が解禁されました。

そこでこの両者が分かるように便宜的に「研究用」と「医療用」の表記がつくようになりました。

消費者庁からの注意喚起

消費者庁のホームページを確認すると以下のような注意喚起が記載されている。

「研究用」として市販されている抗原検査キットは、国が承認した「体外診断用医薬品」ではなく、性能等が確認されたものではありません。

また、「研究用」は、新型コロナウイルス感染の有無を調べることを目的としているものではありません。「研究用」については、あたかも国が承認したものであるかのような表示をしていた事業者に対し、景品表示法に基づく行政指導がされた例もあります。

消費者庁 ホームページより抜粋

私たちが承認してないものは使わないでと言うことでしょう。

研究用抗原検査キット

研究用の抗原検査キットは新型コロナウイルス感染に先駆けて一般用として販売されたものです。

医薬品医療機器等法に基づく承認を受けたものではないため、国で性能が確認されたものではありません。

そのため臨床診断には用いることができません。

医療用抗原検査キット(体外診断用医薬品)

医療用の抗原検査キットは体外診断用医薬品に分類されます。

感染拡大にともない医療現場で用いられている抗原検査キットも個人で購入が可能になりました。

医薬品医療機器等法に基づく承認を受けたものですので精度は問題なし。

承認された製品の情報は厚労省HPに掲載されています。

新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報

体外診断用医薬品とは

体外診断用医薬品について薬機法では以下のように定義されています。

体外診断用医薬品」とは、専ら疾病の診断に使用されることが目的とされている医薬品のうち、人又は動物の身体に直接使用されることのないものをいう。

薬機法第2条14号

これだけ読んでも今一つピンとこない。

もう少し詳しく見ていくと下記のような通達を出していた。

興味ある人は体外診断用医薬品の定義をご確認ください。

体外診断用医薬品のより詳しい定義・範囲については、厚労省の通達により定められており、①目的、②対象、③形態の3つの観点から該当性が判断されます。

下記の基準に該当するものが体外診断用医薬品として扱うことができます。

①目的
  • 各種生体機能(各種器官の機能、免疫能、血液凝固能等)の程度の診断
  • 罹患の有無、疾患の部位又は疾患の進行の程度の診断
  • 治療の方法又は治療の効果の程度の診断
  • 妊娠の有無の診断
  • 血液型又は細胞型の診断

②検出又は測定対象
  • アミノ酸、ペプチド、蛋白質、糖、脂質、核酸、電解質、無機質、水分等
  • ホルモン、酵素、ビタミン、補酵素等
  • 薬物又はその代謝物等
  • 抗原、抗体等ウイルス、微生物、原虫又はその卵等
  • pH、酸度等細胞、組織又はそれらの成分等
③形態
  • 複数の試薬(試薬を含有する紙、布等を含む。)により、上記の物質又は項目を検出若しくは測定する形態(いわゆるキット)
  • なお、キットから標準試薬(例、標準血清)を除いたものは、これに含まれる。
  • 単試薬により、上記の物質又は項目を検出若しくは測定する形態

体外診断用医薬品の承認を得るメリット

上記に記載の通り、色々と条件が整っていないと体外診断用医薬品の承認は得られないと言うのは分かった。

では承認をとることのメリットは何かあるのであろうか?

とりあえず思い付くことを記載しました。

臨床的有用性のある体外診断用医薬品の製品として、「研究用試薬と差別化を図ることができます。

また、体外診断用医薬品の承認を得た製品は、承認後に所定の手続きを経ることで保険適用が可能となります。

保険適用が通れば使用頻度も増えるので購入されやすくなりますよね。

体外診断用医薬品の承認を得るメリット
  • 臨床的有用性が認められたものとして市場に流通させることができる
  • 保険適用が可能になる

医療用と研究用の抗原検査キットの違いはあるの?

承認状況以外に何がちがうのだろうか?

ポイントごとでまとめてみました。

精度

医療用と研究用で精度の違いはあるのだろうか?

別に精度が一緒ならいいよなとと思いつつ研究用の精度は実際には劣るのか分からないためメーカーへ問合せした。

某メーカーに質問してみたところ以下のような返答をうけた。

メーカーが公式文ではないのであくまでも参考程度に

Q 医療用と比べて精度は劣るのか?
A 検査試薬は医療用と同じものを使用してる。精度は見劣りするものではない。
Q 今から医療用の承認は受けないのか?
A 医療用標記の承認を受けるだけで膨大な時間とコストがかかる。そのため現時点では考えていない。

承認を取っていないだけで精度に関してはメーカーの主張では同等みたい。

測定方法の違い

測定方法は医療用と研究用で違いが出てきそう。

医療用抗原検査キット
・「口咽頭」または「鼻咽頭」
研究用抗原検査キット
・「口咽頭」「鼻咽頭」または「唾液」

医療用は鼻や喉の粘膜

研究用は鼻や喉の粘膜に加え、唾液でも採取可能なタイプも存在します。

唾液で検査出来るのは大きなメリット!

自分で鼻に入れて検体をとるのはなかなか難しい。

薬局で医療用抗原検査キットを販売するようになって「上手く測定結果が出なかった。不良品じゃないか?」と言うものが多いです。

それほどしっかりと鼻の粘膜から検体を採取するのは難しい。

唾液で検体がとれる研究用抗原検査キットは特に高齢者や子供にはメリット多い気がする。

購入場所

医療用抗原検査キットは薬局で可能。

研究用抗原検査キットは制限はないためドラッグストアなどで購入可能。

まとめ販売について

医療用抗原検査キットは薬局での位置付けは薬局用医薬品として扱われます。

購入者へ適正使用のための説明が必要になります。

そしてただ売るだけはダメ。販売記録の作成が必要になります。

そのため使用者個人へ適正な使用方法の説明が必要なので企業などへのまとめ売りは不可と言われています。

明確な上限の規定はないけど原則1個販売、多くても家族分くらいまでにしておいた方が無難な気がする。

ちなみに研究用の抗原検査キットは普通に制限はないので大量販売は問題ありません。

抗原検査キットをいくつか紹介

抗原検査キットには検体の採取方法もいくつかあるので紹介

調べてみると「研究用」の抗原検査キットだけがインターネット販売可能みたいなので研究用を紹介。

医療用と違う唾液でも採取可能なタイプを紹介!

追記

医療用の抗原検査キットがついにインターネット販売を解禁されました。

そちらも紹介致しますのでぜひこちらもご覧ください

研究用抗原検査キット

まずはインターネット販売として先駆けて発売開始になった「研究用」の抗原検査キットを紹介します。

ペン型タイプ

ペン型タイプは見た目もスッキリ。

細かいパーツがすべて一体型になっており子供や高齢者でも視覚的に簡単に使えるのがメリット。

使い方は…

ペンから抜く→唾液をとる→ペンに差し込む

これだけです。

使い方が簡単なので難しい作業が心配な方などに是非ともオススメしたい商品です。

ペン型タイプ抗原検査キット

Icheck

Icheckのメリットはなんといってもネームブランドがあること。

とりあえず迷ったらこれ

その他にも様々なサービスも行っているようでオススメです。

  • 無料医療相談
  • PCR無償提供
  • IcheckカルテとIcheckナビ

すこし聞きなれないIcheckオリジナルサービスがあったためあわせて紹介

Icheckカルテ

【ICheckカルテ】

抗体・抗原検査の結果を閲覧・提示・管理ができる新型コロナ対策システム。

Maintenance

詳しくみるなら一度公式ホームページに行ったほうが分かりやすい。簡単に書くと下記の通り

  • プロジェクト参加者がスマートフォンから検査結果の確認ができる
  • 仕事を発注する企業が下請けや関連会社の結果を一括管理ができる(クライアントに対してのコロナ対策として状況を報告できる)
  • 統計データを企業・プロジェクトごとに管理することが出来る

大量販売のできない医療用の抗原検査キットと異なり、大量販売が可能な研究用だからこその強みを生かした施策ですね。

企業向けサービスとしてはとても良さそう。

Icheckナビ

Icheckナビ

【ICheckNAVI】とは

PCR検査・抗原検査・抗体検査が受けられる全国の医療機関をお住まいの地域から簡単に探すことができるサービス。

万一陽性が出た後の話になるだろうか。

普段から病院にかかり慣れていない若者にとって、どの医療機関で正式な検査をやってもらえるのかを調べることも大変なこと。

対応してる医療機関全て載っているわけではなさそうだけど、抗原検査やPCR検査を見てもらえる医療機関が分かるのはいいですね。

かかりつけ医がいればそこにまずは電話がいいだろうけど、普段から病院へ行かない若者世代には良いツールであることは間違いない

Maintenance

そしてIcheckの使い方解説はこちら(内部リンク)から↓あわせてご覧ください。

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毎年大流行するインフルエンザ。

インフルエンザに罹ると発熱や倦怠感がでるなどの体調変化をもたらします。

熱が出てももしかしたらコロナではなくインフルエンザに罹っていたと言うこともあるのかも?

どうせ検査するのであればどちらも検査できるマルチタイプがオススメです。

インフルエンザも新型コロナウイルスもどちらも検査できる複数タイプはこちら↓

医療用抗原検査キット

医療用の抗原検査キットは薬局用医薬品から市販薬の第一類医薬品として承認されました。

それに伴ってインターネット販売も解禁されました。

承認状況に関しては下記リンクを参照ください。

新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報

医療用抗原検査キットとして見るべきポイント

インターネットに出回っている抗原検査キットには「研究用」と「医療用」の2種類があります。

見るべきポイントとして「第1類医薬品」の表記があり「体外用診断医薬品」もしくは「一般用検査薬」の表記がしっかり載っているかを確認しましょう!

ようやく「医療用」の抗原検査キットがインターネット販売開始されたため「研究用」と表記されているものはなるべく選ばないようにしましょう。

クリニテストCOVID-19 抗原迅速テスト(一般用) 【シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社】

令和4年8月26日に承認。

厚労省より2番目に承認された抗原検査キットで承認後、販売開始まで最短で駆け抜けた製品。恐らく一番最初に発売開始になった製品ではないでしょうか。

鼻腔ぬぐい方法で両鼻から採取します。

インターネット解禁された医療用の抗原検査キットに当たるためぜひこちらの製品を日々の健康管理にお使いください。

HEALGEN COVID-19 抗原迅速テスト(一般用) 【タカラバイオ株式会社】

令和4年8月30日に承認された製品。

タカラバイオ社製品。

こちらも両鼻の鼻腔から採取する製品。

こちらも厚労省承認の医療用の抗原検査キットのため安心安全製品です。

アンスペクトコーワ SARS-CoV-2(一般用) 【株式会社医学生物学研究所】

令和4年9月5日に承認された製品。

医療用の抗原検査キットでありながら唾液で検体を採取するタイプであるため、子供や高齢者に使いやすい製品です。

鼻に綿棒を入れなくてすむため使いやすいのが最大のメリット。私の中で一番のおすすめの抗原検査キットてす。

万一陽性が出たら?

医療用にしろ、研究用にしろ陽性反応がでたらすぐに電話して専門家の判断を仰ぐようにしましょう。

まずは発熱相談センターやかかりつけ医に連絡するのが良いでしょう。

陽性の場合

原則、速やかに医療機関を受診してください。

いきなり受診されても感染拡大のリスクあるためまずは電話して判断を仰ぐこと。

かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医に電話で御相談ください。

かかりつけ医がいない場合は各都道府県の発熱相談センターへ連絡すること。

 陰性の場合

測定結果が陰性であったとしても100%陰性とは言いきれる訳ではありません。

疑陰性(誤って陰性と判定されること。)の可能性も考慮し、症状がある場合には、医療機関を受診してください


症状がない場合であっても、油断せずに引き続き、外出時のマスク着用、手指消毒等の基本的な感染対策は続けるようにしてください。

さいごに

「医療用」と「研究用」の表記の違いや意味合いについて本記事で解説いたしました。

「研究用」表記であるにも関わらず惑わせるような表記をしているものもあります。

「医療用」や「研究用」それぞれの特性を正しく理解した上でケースバイケースで使い分けるのがオススメであると思います。

そしてその検査結果を盲信せず、体調が悪ければ医療機関へ受診することを忘れないようにしてください。

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