「高齢者」とは何歳以上を指すのでしょうか?また、高齢者における薬物療法にはどのような注意が必要なのでしょうか?
この記事では、高齢者の定義や薬剤使用のポイント、注意点についてわかりやすく解説します。
高齢者の定義は?
一般的に、高齢者は以下のように定義されます:
- 65歳以上:WHO(世界保健機関)や日本の政策に基づく一般的な基準。
- 75歳以上:「後期高齢者」と呼ばれ、さらに注意が必要な年齢層。
ただし、薬剤使用の文脈では単に年齢だけでなく、個々の健康状態や臓器機能が重要視されます。

添付文書には
高齢者には〇mgまで
と記載されてることがよくあります。
高齢者って何歳からでしょうか。
高齢者における薬物療法の注意点
高齢者では、薬の効果や副作用が若年者と異なる場合があり、以下の点に注意が必要です。
1. 薬物の効果と副作用のバランス
加齢による体の変化により、薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)が変化します。特に次の点に注意が必要です:
- 腎機能の低下:腎臓で排泄される薬剤(例:抗菌薬、利尿薬)は用量調整が必要。
- 肝機能の低下:肝臓で代謝される薬剤(例:抗てんかん薬、抗不安薬)は副作用のリスクが増加。
- 中枢神経系への影響:睡眠薬や抗不安薬は転倒や認知機能低下のリスクが高まるため慎重投与。
2. ポリファーマシー(多剤併用)の問題
高齢者は複数の疾患を抱えていることが多く、複数の薬を同時に服用する「ポリファーマシー」が問題となることがあります。これにより:
- 薬同士の相互作用が増加。
- 不要な薬剤による副作用のリスクが高まる。
定期的に服用薬を見直し、不要な薬を減らすことが重要です。
3. 高齢者向けの薬剤選択
日本老年医学会や高齢者薬物治療ガイドラインでは、以下のような基準が示されています:
- 高齢者に避けるべき薬剤(抗コリン作用を持つ薬、ベンゾジアゼピン系薬など)。
- 推奨される薬剤や優先すべき治療。
これらのガイドラインに基づき、患者ごとに最適な薬物治療が行われます。
高齢者の薬物療法で工夫すべきポイント
高齢者の薬物療法を安全に進めるためには、以下の工夫が役立ちます:
- 腎機能や肝機能を確認:eGFRやクレアチニンクリアランスを基に投与量を調整。
- 副作用リスクを常にチェック:転倒、認知機能低下、消化器症状などに注意。
- 薬剤師の活用:医師と薬剤師が連携して処方適正化を進める。

効能が似ている薬が複数の病院から出てしまうことは多々あります。
いつの間にかポリファーマシー(多剤併用)になってしまうことも…
今こそ薬剤師の腕の見せ所。
患者さんとよく相談の上、不要な薬を削って行きましょう。
まとめ
薬剤使用における「高齢者」とは、一般的に65歳以上を指しますが、特に75歳以上の後期高齢者では、薬剤の選択や用量調整に慎重な対応が必要です。
高齢者特有の身体的変化を考慮し、ポリファーマシーの問題を解消するため、医師や薬剤師と連携して安全な薬物治療を行いましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. すべての高齢者が薬の調整を必要としますか?
いいえ。年齢だけでなく、腎機能や健康状態、服用している薬剤の種類によって個別に判断されます。
Q2. 高齢者が避けるべき薬剤は何ですか?
抗コリン作用を持つ薬やベンゾジアゼピン系薬など、高齢者で副作用リスクが高い薬は避けるべきとされています。
Q3. ポリファーマシーを解消するにはどうすればいいですか?
医師や薬剤師と相談し、必要のない薬を減らす処方適正化を行うことが有効です。



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