この記事はPR・広告を含む場合があります。ただし、制度の説明は厚生労働省・地方厚生局の公表資料を優先して作成しています。
調剤ベースアップ評価料 2026の8月対応で、6月または7月から算定している薬局は、原則として「様式104」の賃金改善中間報告書を8月中に提出します。8月以降に算定を始める薬局は、その年度の8月中間報告の対象外です。最初に算定の開始月を確認し、対象職員、評価料収入、賃金改善額を同じ期間でそろえることが重要です。
結論:2026年8月に管理薬剤師が確認する3点
- 6月・7月に算定開始:2026年度の賃金改善中間報告を様式104で行う
- 8月以降に算定開始:今回の8月中間報告は対象外。ただし、翌年の実績報告に向けて記録を始める
- 提出期限・方法:国の資料は「毎年8月」としている。2026年は8月31日(月)までに届くよう準備し、管轄の地方厚生局の案内を必ず優先する
この記事の重要ポイント
- 様式103は、主に算定開始前の届出・確認に使う書類
- 様式104は、8月の中間報告と翌年の実績報告に使う書類
- 対象職員は「薬局で直接勤務する一定の職員」で、すべての薬剤師が対象ではない
- 薬剤師は原則40歳未満が対象だが、薬局の管理者、事業主などは除外される
- 事務職員は対象になり得る。雇用形態や主な勤務場所も確認する
- 評価料収入を対象職員の賃金改善へ充て、証拠書類を年度終了後3年間保存する


新しい制度の書類は、似た名前や様式番号が並ぶため混乱しやすいものです。とくに一人薬剤師や本部のない薬局では、レセプト請求、給与、届出の担当者が分かれておらず、「誰に何を確認すればよいか」から迷うことがあります。
この記事では、2026年8月5日に更新された厚生労働省の薬局向け報告様式を確認し、初めて担当する管理薬剤師でも手順を追えるように解説します。
本記事は2026年8月時点の公表情報をもとに作成しています。制度・通知・事務連絡は今後変更される可能性があるため、実際の算定・提出・運用時には厚生労働省や地方厚生局等の最新情報をご確認ください。
調剤ベースアップ評価料とは?
調剤ベースアップ評価料は、薬局で働く対象職員の継続的な賃上げを支えるために、保険調剤の評価として設けられた点数です。患者さんから受け取る加算を単なる収益にするのではなく、対象職員の基本給などの改善に充て、その実施状況を国へ報告する仕組みです。
「ベースアップ」とは、毎月支払う基本給や、毎月決まって支払う手当を引き上げることを中心とした賃金改善です。一時金だけを配って終える考え方とは異なり、継続的に賃金表や毎月の給与へ反映することが制度の軸になります。
2026年度改定でどうなった?
2026年度診療報酬改定では、薬局について「調剤ベースアップ評価料」が新設され、2026年6月から処方箋受付1回につき4点とされました。厚生労働省の概要資料では、2027年6月から8点へ引き上げる設計も示されています。
賃上げの目安は、対象となる薬剤師等について2026年度・2027年度にそれぞれ3.2%、事務職員についてそれぞれ5.7%のベースアップを実現するための措置として示されています。ただし、個々の職員へ機械的に同じ率を上乗せするという意味ではありません。実際の配分は、制度の対象範囲、就業規則、賃金規程、労使の取り扱いを確認して決めます。
改定内容の根拠は、厚生労働省の令和8年度調剤報酬改定の概要(調剤ベースアップ評価料)で確認できます。
8月中間報告とは何を報告するもの?
8月中間報告は、算定を始めた薬局が、評価料の収入と対象職員の賃金改善を実際に進めているかを年度途中で確認する報告です。初回の届出だけでは、算定後に得た金額や給与への反映結果までは分かりません。そのため、毎年8月に中間報告または実績報告を提出する流れが設けられています。
2026年8月は、2026年度の「中間報告」です。厚生労働省の案内では、その後は次の流れが示されています。
| 提出時期 | 主な報告 | 管理薬剤師の準備 |
|---|---|---|
| 2026年8月 | 2026年度の中間報告 | 算定開始から直近までの収入・賃金改善を確認 |
| 2027年8月 | 2026年度の実績報告+2027年度の中間報告 | 前年度確定値と当年度途中値を分ける |
| 2028年8月 | 2027年度の実績報告+2028年度の中間報告 | 様式の更新有無を再確認 |
8月中間報告は誰が提出対象?
2026年度の8月中間報告は、原則として2026年6月または7月から調剤ベースアップ評価料を算定している薬局が対象です。法人で複数店舗を運営している場合は、法人用の報告様式が用意されています。店舗ごとにばらばらの基準で集計せず、本部と店舗で同じ集計ルールを共有してください。
| 算定開始月 | 2026年8月中間報告 | 実務上の考え方 |
|---|---|---|
| 6月 | 対象 | 6月・7月分を中心に、様式の指定期間で集計する |
| 7月 | 対象 | 算定開始後の実績を入力する。対象期間は様式と管轄局の案内を確認 |
| 8月以降 | 今回のみ対象外 | 翌年の実績報告に備え、算定月・収入・給与資料を保存する |
「8月に算定を開始したから、8月中にすぐ中間報告も出す」とは限りません。厚生労働省の書き方資料では、8月以降に算定を開始する場合、その年の8月中間報告は対象外と整理されています。ただし、算定開始前の施設基準の届出や、翌年の実績報告まで免除されるわけではありません。

提出期限はいつまで?2026年は8月中に対応
国の施設基準資料は「毎年8月」に報告するとしています。したがって、2026年度中間報告は2026年8月中に提出します。2026年8月31日は月曜日です。郵送する場合の消印扱い、メールの受信時刻、閉庁日の扱いは管轄局ごとに運用が異なる可能性があるため、31日ぎりぎりではなく、遅くとも1週間前には完成させるのが安全です。
地方厚生局が別途、具体的な締切やファイル名を指定している場合は、その案内が優先です。期限を「8月31日必着」と一律に断定せず、自局の所在地を管轄する地方厚生局・都道府県事務所のページを確認してください。
様式104とは?様式103との違い
様式番号が似ていますが、役割は明確に違います。
| 比較項目 | 様式103 | 様式104 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 算定開始前の施設基準届出・確認 | 算定後の中間報告・実績報告 |
| 提出時期 | 原則、算定開始月の前月まで | 毎年8月 |
| 見る数字 | 対象職員、賃金改善計画など | 評価料収入、給与実績、ベースアップ率など |
| 法人区分 | 届出単位に沿う | 個人薬局用・法人用のシートがある |
2026年8月5日更新版の報告ファイルには、個人事業所向けの別添1と、法人向けの別添2などが含まれています。古いファイルを使い回さず、厚生労働省の最新の薬局向け報告様式(Excel)をダウンロードしてください。
対象職員は誰?薬剤師と事務職の扱い
対象職員は、薬局に直接勤務する職員のうち、制度が定める範囲に入る人です。「薬局で給与をもらっている人は全員」と考えると誤りやすいため、職種、年齢、役割、主な勤務場所、雇用関係を一人ずつ確認します。
薬剤師は対象になる?
薬剤師は一律に対象ではありません。薬局向け様式では、原則として40歳未満の薬剤師が対象となり得ます。一方、薬局の管理者、事業主、開設者などは除外対象として示されています。管理薬剤師は報告書を作成する担当者になっても、本人の賃金が制度上の対象になるとは限らない点が重要です。
年齢の判定時点や、兼務する役職が「管理者」に当たるか判断しにくい場合は、社内の労務担当だけで決めず、管轄の地方厚生局へ確認してください。
事務職は対象になる?
調剤事務などの事務職員は対象になり得ます。2026年度の資料では、事務職員の賃上げも制度設計に含まれています。ただし、薬局で直接勤務していることが前提です。主たる勤務先が本部や別事業所で、薬局では管理業務だけを行う人などは対象外となる可能性があります。
対象外になりやすい人
- 事業主、開設者
- 薬局の管理者
- 40歳以上の薬剤師
- 業務委託・請負など、薬局が直接雇用していない人
- 主な勤務場所が他の薬局・本部・別事業で、当該薬局では管理業務だけを行う人
法人本部のエリアマネージャーが店舗応援に入る、複数店舗を兼務する、派遣職員がいるなど、境界事例は実態によって変わります。「名前がシフト表にあるから対象」と決めず、雇用契約と主たる勤務実態を確認してください。
賃金改善はどう考える?
基本は、調剤ベースアップ評価料による収入を対象職員の賃金改善へ充てることです。様式104では、評価料収入と賃金改善への充当状況を照合し、不足がないかを確認します。
賃金改善額には、基本給や毎月決まって支払う手当の引き上げを中心に、ベースアップによって増えた賞与、時間外手当、法定福利費の事業主負担分など、様式で認められる関連額を整理します。一方、基本給等の月額欄には、賞与や一時的な手当を混ぜないよう注意します。
6月算定開始の薬局で考える具体例
ここでは、制度の考え方をつかむための単純な例を示します。6月の対象処方箋が3,100回、7月が1,900回で、すべて調剤ベースアップ評価料4点を算定できたとします。合計は5,000回×4点=20,000点、1点10円として評価料収入の単純計算は20万円です。
対象職員が、40歳未満で管理者ではない薬剤師2人と、直接雇用の調剤事務2人だったとします。基準となる給与と比べた毎月のベースアップ合計が9万円なら、6月・7月の2か月で18万円です。さらに、ベースアップによって増えた法定福利費の事業主負担分など、様式で算入できる額が2万円なら、賃金改善への充当額は合計20万円となります。
この例は「20万円を4人へ5万円ずつ配ればよい」という意味ではありません。職種別の賃上げ目標、勤務時間、賃金規程、既に行ったベースアップを反映し、様式の各欄へ分けて入力します。また、実務の評価料収入は返戻・査定・月遅れ請求などの影響を受けるため、単純な受付回数ではなく、レセコンと請求・入金資料から確定します。
中間時点で評価料収入に対して賃金改善額が不足する場合は、数値を合わせるために対象外の職員や一時的な支給を無理に混ぜてはいけません。今後の賃金改善計画を給与担当と見直し、最新様式の判定と地方厚生局の案内に沿って対応します。判断が分かれるときは、提出前に照会した記録も残しましょう。
常勤換算はどう計算する?
非常勤職員は、所定労働時間を常勤職員の所定労働時間で割って常勤換算します。
常勤の所定労働時間が週40時間、パート職員が週20時間なら、20÷40=0.5人です。1人について常勤換算が1を超えないようにします。
月によってシフトが変わる場合は、様式の注記と社内の所定労働時間を照合してください。単に実出勤日数を人数で割る方法ではありません。
様式104はどう書く?具体的な記入ポイント
1.「中間報告」にチェックする
2026年8月は2026年度の中間報告です。翌年8月の前年度分は実績報告になります。報告区分を取り違えると、入力すべき期間や確定値の考え方が変わります。
2.賃金改善期間と評価料の算定期間をそろえる
給与の締日とレセプトの集計月がずれる薬局は多いものです。6月算定開始なのに給与側は7月支給から反映している場合など、期間の不一致が生じやすくなります。開始月、給与反映月、締日、支給日をメモにし、様式の注記に沿って入力してください。
3.評価料収入を確認する
レセコンや請求データから、対象期間の調剤ベースアップ評価料の算定回数と点数を確認します。受付回数だけを手計算せず、返戻・査定・月遅れ請求の扱いを経理担当と合わせます。
4.対象職員を職種別に分ける
様式には、事務職員と薬剤師を分けて入力する欄があります。氏名一覧、年齢、職種、管理者該当性、常勤・非常勤、所定労働時間を整理した作業表を先に作ると安全です。
5.基準となる賃金と現在の賃金を混同しない
2026年3月時点の賃金体系を適用した場合の額など、比較の基準となる欄があります。現在の給与総額を両方の欄へコピーすると、ベースアップ額がゼロまたは過大になります。賃金台帳と賃金規程の改定履歴を突き合わせてください。
6.自動判定を最後まで確認する
Excelには、評価料収入が賃金改善へ充てられているかを確認する表示があります。「賃金改善額充当済み」になっているか、不足表示がないかを確認します。数式セルを上書きすると判定が壊れるため、入力指定セル以外は編集しないでください。
提出方法と提出先は?
提出先は、薬局所在地を管轄する地方厚生局・都道府県事務所です。提出方法や専用メールアドレスは、各地方厚生局の案内に従います。
たとえば東海北陸厚生局は、専用メールアドレスへExcelのまま提出し、PDF化、ZIP化、ファイル共有リンク、独自に加工したExcel、パスワード付きファイルを避けるよう案内しています。ファイル名やメール本文にも指定があります。これは他地域へそのまま当てはめるのではなく、自局の案内を探す際のチェック項目として参考にしてください。詳しくは東海北陸厚生局のベースアップ評価料報告ページで確認できます。
メール提出前の確認
- 最新のExcel様式を使っている
- 個人薬局用・法人用を間違えていない
- 数式セルやシート名を変更していない
- 指定されたファイル名になっている
- メール本文に薬局名、連絡先、担当者名を記載した
- 送信先が自薬局を管轄する窓口である
- 送信済みメールと提出ファイルを保存した
よくある入力ミスと防ぎ方
| よくあるミス | 起きる原因 | 防止策 |
|---|---|---|
| 様式103を再提出して終える | 様式番号の混同 | 8月報告は様式104と覚える |
| 40歳以上の薬剤師や管理者を含める | 全職員が対象と思い込む | 年齢・役割・雇用関係を一覧化 |
| 賞与を基本給等の月額へ混ぜる | 賃金改善総額との混同 | 入力欄の注記を1行ずつ読む |
| 収入期間と給与期間がずれる | 締日・支給月の違い | 期間対応表を作る |
| 数式セルを上書きする | コピー貼り付け | 入力セルだけを手入力し、原本を別保存 |
| PDFで送る | 改変防止のつもり | 管轄局の指定どおりExcelで送る |
管理薬剤師が8月中にやることチェックリスト
- □ 算定開始月が6月・7月・8月以降のどれか確認した
- □ 厚生労働省の2026年8月5日更新版様式を取得した
- □ 個人薬局用・法人用のシートを選んだ
- □ 対象職員の年齢、職種、役割、主な勤務先、雇用関係を確認した
- □ 非常勤職員を所定労働時間で常勤換算した
- □ 評価料の算定回数・収入を請求データで確認した
- □ 2026年3月時点の基準賃金と現在の賃金を分けた
- □ 基本給等と賞与・時間外手当・法定福利費を入力欄どおり分けた
- □ Excelの充当判定に不足がないことを確認した
- □ 本部・経理・給与担当のダブルチェックを受けた
- □ 管轄局の提出先、ファイル名、メール本文、期限を確認した
- □ 提出ファイル、送信済みメール、根拠資料を保存した
来年の実績報告まで何を残す?
2027年8月には、2026年度の実績報告が必要です。中間報告を出した後も、月ごとの評価料収入、対象者一覧、賃金台帳、給与明細、賃金規程の改定日、賞与、法定福利費の計算根拠を継続して保存します。
施設基準資料では、関係書類を当該年度の終了後3年間保存する扱いが示されています。2026年度分なら、年度終了後から3年間を見据えて保管します。人事情報を含むため、店舗の共有フォルダーへ無制限に置かず、閲覧権限とバックアップも決めてください。

調剤ベースアップ評価料のFAQ
Q1.6月から算定しています。8月は何を出しますか?
2026年度の賃金改善中間報告を様式104で提出します。6月・7月の実績を中心に、最新様式と管轄局の案内に沿って入力してください。
Q2.7月から算定した薬局も対象ですか?
対象です。算定開始後の期間を入力します。給与反映月とのずれがある場合は、様式の注記を確認し、判断できなければ地方厚生局へ照会してください。
Q3.8月から算定した場合も今月中に様式104を出しますか?
厚生労働省の書き方資料では、8月以降に算定開始する薬局は、その年度の8月中間報告の対象外です。ただし、算定開始の届出と、翌年の実績報告へ向けた記録は必要です。
Q4.管理薬剤師の給与も賃金改善に含められますか?
薬局向け様式では薬局の管理者は対象外として示されています。店長職と法令上の管理者が別のケースや兼務など、役割が複雑な場合は管轄局へ確認してください。
Q5.調剤事務は対象ですか?
薬局に直接勤務する事務職員は対象になり得ます。業務委託、主な勤務先が本部・別事業所、店舗では管理業務のみといった場合は除外される可能性があります。
Q6.メールではPDFにして送った方が安全ですか?
管轄局がExcel提出を指定している場合はPDFに変換しません。ZIP化、パスワード設定、共有リンクも受理されないことがあるため、地域の案内をそのまま守ってください。
Q7.提出後に誤りへ気づいたら?
自己判断で別ファイルを重ねて送らず、送信先の地方厚生局へ連絡し、差替え方法を確認してください。連絡日時、担当者名、指示内容も記録します。
まとめ:8月は様式104、対象者と期間を先に固める
2026年6月または7月から調剤ベースアップ評価料を算定している薬局は、8月中に様式104で中間報告を行います。8月以降の算定開始なら今回の中間報告は対象外ですが、翌年の実績報告に備えた記録は開始時点から残します。
最も多い落とし穴は、様式103と104の混同、対象外職員の混入、収入期間と給与期間のずれです。管理薬剤師だけで完成させず、レセコン担当、給与担当、本部の数字を同じ期間で照合してください。
読者が次にやること
- 自薬局の算定開始月を確認する
- 厚生労働省から2026年8月5日更新版のExcelを取得する
- 管轄の地方厚生局ページで提出先・期限・ファイル名を確認する
- 対象職員一覧と評価料収入を給与担当へ共有する
- 提出後の控えと根拠資料を権限管理して保存する
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参考文献・公的情報
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について(ベースアップ評価料)」(薬局向け報告様式の更新日:2026年8月5日)
- 厚生労働省「令和8年度調剤報酬改定の概要」(2026年3月5日)
- 厚生労働省「調剤ベースアップ評価料 賃金改善報告書(様式103・104を含むExcel)」(2026年8月5日更新)
- 厚生労働省「基本診療料及び特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱い」
- 東海北陸厚生局「ベースアップ評価料に係る届出・報告」(2026年8月10日更新)


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