認知症の中核症状と周辺症状の違いと対応法を徹底解説

病気・症状から探す

認知症は、誰にとっても無関係ではない身近な病気となりつつあります。 家族や身近な人が認知症を発症したとき、戸惑いや不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

そんな認知症には、大きく分けて「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」という2つの症状が存在します。

この2つを正しく理解することが、本人の生活の質(QOL)向上や家族の負担軽減につながる重要なカギとなります。

この記事では、薬局薬剤師の視点から、中核症状と周辺症状の違いやそれぞれの具体的な症例、対応方法、治療の選択肢までをわかりやすく解説します。

介護中の方や認知症を学びたい方に向けて、今日からすぐに実践できる知識をお届けします。

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
「認知症って難しそう…」と思っている方にこそ、ぜひ読んでほしい内容になってます!

中核症状とは?

中核症状は脳の器質的障害によって直接引き起こされる症状で、認知症の基本的な症状です。

症状名 内容
記憶障害 新しいことが覚えられない、昔の記憶が曖昧になる
見当識障害 時間・場所・人がわからなくなる
理解・判断力の障害 状況を理解できず、判断ミスをする
実行機能障害 段取りをつけて行動することができない
言語障害(失語) 言葉が出ない、理解できない
ゆずまる
ゆずまる
中核症状は認知症の「本体」だよ。全員に必ず出る症状なんだ!

周辺症状(BPSD)とは?

周辺症状は中核症状に加えて、環境や人間関係などの要因によって現れる症状です。 個人差が大きく、患者さんごとに異なります。

症状名 内容
幻覚・妄想 盗られ妄想、幻視など
徘徊 目的なく外出し迷子になる
暴言・暴力 攻撃的になる
不安・抑うつ 気分の落ち込み、無気力
興奮・焦燥 落ち着きがなくなる
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
周辺症状は対応次第で軽減できることも多いんですね!

中核症状と周辺症状の違い

項目 中核症状 周辺症状
原因 脳の障害 環境・心理的要因
出現 全員に必ず 人により異なる
対応 薬・リハビリ 環境調整・心理的ケア

中核症状は病気の本質、周辺症状は取り巻く環境によって変わる

中核症状の具体的な症例

症状名 症例
記憶障害 毎朝「朝ごはんはまだ?」と何度も聞いてくる。食べた記憶が残らない。
見当識障害 昼間なのに「今は夜だ」と言ったり、自宅なのに「家に帰る」と言う。
理解・判断力の障害 リモコンを電話と間違える。鍋を火にかけたまま外に出る。
実行機能障害 料理を始めても手順がわからなくなり、途中でやめてしまう。
言語障害(失語) 「あれ、それ」などの指示語ばかりになり、単語が出てこない。
ゆずまる
ゆずまる
どれも身近に起こりそうなことばかりだね。家族の理解が特に大切だよ!

周辺症状(BPSD)の具体的な症例

症状名 症例
幻覚・妄想 「財布が盗られた」と訴えるが、実際には別の場所にあった。
徘徊 深夜に「母に会いに行く」と言って出ていこうとする。
暴言・暴力 介助しようとした家族に「やめろ!」と叫び、叩く。
不安・抑うつ 「迷惑ばかりかけている」と言い、食事を拒否する。
興奮・焦燥 カバンが見つからず「盗まれた!」と大声で騒ぎ、探し回る。
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
症状の裏にある不安な気持ちに寄り添うことが大切なんですね…!

中核症状に対する治療の具体例

アプローチ 具体例 解説
コリンエステラーゼ阻害薬 ドネペジル(アリセプト®)、 ガランタミン(レミニール®)、 リバスチグミン(イクセロンパッチ®) アセチルコリンの分解を抑制し、神経伝達を改善。軽度〜中等度に使用。
NMDA受容体拮抗薬 メマンチン(メマリー®) グルタミン酸の過剰作用を抑え、中等度〜重度に使用。
服薬支援 服薬カレンダー、見守り、家族のチェック 飲み忘れ防止と副作用対策。安全な服薬管理が重要。
リハビリ 作業療法、回想法、音楽療法 生活機能や認知機能を維持・改善する非薬物療法。
ゆずまる
ゆずまる
薬とリハビリ、どちらも上手に組み合わせるのがカギだね!

周辺症状(BPSD)に対する治療の具体例

アプローチ 具体例 解説
環境調整 照明の明るさ調整、時計の設置、安心できる空間作り 不安や混乱を減らし、徘徊・せん妄予防にも効果的。
コミュニケーション技術 共感的な声かけ、話題の共有、否定しない対応 幻覚や妄想に反論せず、患者の気持ちを尊重する対応が有効。
薬物療法 抗精神病薬:クエチアピン、リスペリドン 抗不安薬:ロラゼパム、エチゾラムなど 攻撃性や興奮が強い場合に使用。ただし副作用には注意。
デイサービス 日中の活動や社会交流を促す施設利用 昼夜逆転防止や孤立感の軽減につながる。
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
薬だけじゃなく、周りの対応の工夫もすごく大切なんですね!

認知症患者の家族に向けた対応アドバイス

認知症の介護では、患者さんの言動に戸惑う場面が多くあります。そんなときに役立つ、NG対応と推奨対応の具体例を紹介します。

状況 NG対応 推奨対応(アドバイス)
同じことを何度も聞いてくる 「さっき言ったでしょ!」と怒る 穏やかに何度でも答える。時計やメモで視覚的にサポート。
妄想(例:物を盗られた)を訴える 「そんなことあるわけない」と否定する 「探してみようか」と共感的に対応し、視点をずらす。
食事を拒否する 無理に食べさせる 食器や料理を変えてみる、好きな食べ物を優先する。
外に出たがる(徘徊) 無理に止める 「一緒に散歩しよう」と付き添って安心感を与える。
感情の起伏が激しい 反論する、距離を取る 気分転換や話題の切り替えで対応する。
ゆずまる
ゆずまる
正論よりも「共感」と「安心」を意識した対応が効果的だよ〜。

家族自身のストレスケアも忘れずに

方法 内容
相談機関の利用 地域包括支援センター、認知症カフェ、ケアマネなどを活用
介護サービスの活用 デイサービス、ショートステイ、訪問看護などを適切に使う
自分の時間を作る 家族以外の協力を得て、定期的にリフレッシュする
仲間を見つける 家族会やSNSで同じ悩みを共有する仲間が支えに
後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
介護する人も「休む勇気」を持っていいんだって思いました…!

まとめ

認知症には、脳の変化によって生じる中核症状と、周囲の環境や関係性の影響で生じる周辺症状(BPSD)があります。

それぞれの症状を理解し、正しく対応することで、本人の生活の質を高め、ご家族や介護者の負担も大きく軽減できます。

  • 中核症状:記憶障害・見当識障害・実行機能障害など
  • 周辺症状:妄想・幻覚・徘徊・暴言・抑うつなど
  • 治療法:薬物療法(アリセプト、メマリーなど)、環境整備、非薬物療法の活用
  • 家族の対応:「否定しない」「安心感を与える」など共感的アプローチ

認知症は「正しく知ること」で必ず対応の糸口が見えてきます。

患者さんの心に寄り添うこと、そして介護者自身が無理しすぎないこともとても大切です。

ゆずまる
ゆずまる
難しい言葉より「安心」を届けるのが、私たち薬剤師の役目かもね。

よくある質問

Q. 中核症状と周辺症状、治療で改善できるのは?

A. 中核症状は薬で進行を遅らせることができますが、周辺症状は環境調整や薬物療法で改善することが期待できます。

Q. 周辺症状が強く出る人の特徴は?

A. ストレスや不安、介護環境の影響が大きいです。元の性格も影響します。

Q. 周辺症状だけある場合、認知症と診断されますか?

A. 中核症状がないと認知症とは診断されません。必ず医師の診断が必要です。

参考文献

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