RSウイルスで赤ちゃんがミルクを飲まない!半分しか飲めないときの受診目安を薬剤師が解説【2026年】

RSウイルスで赤ちゃんがミルクを飲まないとき、呼吸、哺乳量、おしっこ、受診目安を薬剤師ゆずまるとなぎさが解説するアイキャッチ 子ども・家族の健康

「RSウイルスに感染した赤ちゃんがミルクを飲まない」「鼻水がひどく、飲もうとしてもすぐ口を離す」「普段は200mL飲むのに、今日は80mLしか飲めない」――保護者にとって、授乳量の低下はとても心配な症状です。

結論:RSウイルス感染症では鼻づまりや呼吸の苦しさなどで哺乳量が減ることがあります。呼吸が苦しい、水分が飲めない、ぐったりしている場合は、ミルクを飲ませる工夫よりも医療機関への相談・受診を優先してください。 呼吸が止まる、唇の色が青い、反応が極端に悪い場合は直ちに救急要請を考えます。

厚生労働省のRSウイルスQ&A(2026年4月27日改訂)でも、呼吸が苦しそうな場合や食事・水分摂取ができない場合は医療機関への受診を検討するよう説明しています。厚生労働省の公式Q&A。

なぎさ
なぎさ
先輩!RSウイルスの赤ちゃん、いつもの半分しかミルクを飲めないそうです。受診したほうがいいですか?
ゆずまる
ゆずまる
飲めた量だけでなく、呼吸の様子、おしっこの回数、月齢、赤ちゃんの反応を確認しよう。特に呼吸が苦しいなら、授乳を頑張らせず受診が先だよ。

この記事で分かること

  • ミルクがいつもの半分しか飲めない場合の受診目安
  • 「陥没呼吸」「鼻翼呼吸」「無呼吸」の見分け方
  • 哺乳量とおむつの回数を記録する方法
  • 自宅でできる鼻づまり対策・授乳の工夫
  • 生後6か月以内・早産児などで特に注意する理由
  • 薬剤師向けの電話トリアージと服薬指導フレーズ
  1. RSウイルスで赤ちゃんがミルクを飲まない!まず見るべき4つのポイント
  2. 【緊急度別】今すぐ受診すべき?赤ちゃんのRSウイルス受診目安
  3. ミルクがいつもの半分しか飲めない!何mLなら病院?
  4. RSウイルスでミルクを飲めなくなるのはなぜ?
    1. ① 鼻づまりで飲みながら息をしにくい
    2. ② 細気管支炎で呼吸に力が必要になる
    3. ③ 全身のだるさ・発熱で飲む量が減る
    4. ④ 嘔吐や咳き込みが授乳を妨げる
  5. 要点漫画|呼吸・哺乳量・おしっこを確認する
  6. 生後1か月・3か月・6か月|月齢によって何が違う?
  7. 【自宅でできるケア】鼻づまりで飲めないときは?
    1. 水で薄めたミルクにしたほうがいい?
    2. 経口補水液を飲ませれば受診しなくてよい?
  8. RSウイルスの治療は?薬や抗生物質で治るの?
    1. 鼻水・痰の薬を飲めばミルクも飲める?
    2. 抗菌薬(抗生物質)は必要?
    3. 病院では何をするの?
  9. RSウイルスの経過|何日目に悪化しやすい?
  10. 夜間・休日にミルクを飲まなくなったときは?
  11. 【薬剤師向け】RSウイルスの哺乳不良相談で確認したい7項目
    1. 薬剤師が注意したい「50~75%」の説明方法
    2. 電話で使える服薬指導フレーズ
    3. SOAPでの薬歴記載例
  12. よくある質問(FAQ)
    1. Q1.RSウイルスでミルクが半分しか飲めないときは病院に行く?
    2. Q2.鼻水でミルクを飲めないだけなら様子見でいい?
    3. Q3.RSウイルスは熱がなくても重症になる?
    4. Q4.ミルクを飲まないときは無理にでも飲ませるべき?
    5. Q5.寝ている赤ちゃんを起こして授乳するべき?
    6. Q6.おしっこが少ないとき、何時間まで待っていい?
    7. Q7.母乳ならミルクと違って様子見できる?
    8. Q8.RSウイルスで抗生物質や咳止めは必要?
    9. Q9.RSウイルスは生後何か月が特に危険?
    10. Q10.#8000に相談してから病院に行けばいい?
  13. 関連記事|RSウイルスをもっと知りたい方へ
  14. まとめ漫画|ミルクが飲めないときの対応をおさらい
  15. まとめ|RSウイルスでミルクを飲まないときは呼吸と脱水を優先
  16. 参考文献・一次資料

RSウイルスで赤ちゃんがミルクを飲まない!まず見るべき4つのポイント

赤ちゃんの哺乳量が減ったとき、最初に確認したいのは呼吸・哺乳量・おしっこ・反応の4点です。体温の高さだけで重症度は判断できず、特に生後まもない赤ちゃんでは発熱が目立たないこともあります。CDC:乳幼児のRSV症状。

① 呼吸:息が苦しそうではないか

胸やみぞおちがへこむ、鼻の穴が大きく広がる、呼吸が速い、うなり声がする、哺乳中に何度も息継ぎするなどを観察します。呼吸が苦しそうな場合は、その場で授乳を無理に続けないでください。

② 哺乳量:普段に比べてどれくらい飲めたか

「1回100mL飲めたか」だけでなく、普段の1回量・回数と比べて減っているかを確認します。母乳の場合は授乳時間や吸いつき、飲み込み、授乳後の様子も参考にします。

③ おしっこ:濡れたおむつの回数が減っていないか

濡れたおむつが普段より明らかに減る、口の中が乾く、涙が少ない、目がくぼむなどは脱水のサインになることがあります。半日近く尿が出ない場合は受診の目安になりますが、その時間まで待つ必要はありません。

④ 反応:普段どおり目を合わせ、起きられるか

ぐったり、呼びかけへの反応が鈍い、普段より極端に眠そう、泣き声が弱いなどの変化がないか確認します。特に呼吸停止や反応が極端に悪い場合は緊急対応が必要です。

【緊急度別】今すぐ受診すべき?赤ちゃんのRSウイルス受診目安

すべての赤ちゃんに同じ基準が当てはまるわけではありません。月齢が低い場合、早産児、心臓や肺などに持病がある場合は、より早めの相談が必要です。厚生労働省RSウイルスQ&A。

【119番を検討】呼吸が止まる・唇が青い・反応が極端に悪い

呼吸が一時的に止まる(無呼吸)、唇や舌が青紫色になる、呼びかけても反応が乏しい、強い呼吸困難があるときは緊急の医療対応が必要です。ミルクを飲ませることを優先せず、直ちに救急要請を検討してください。

【早めに医療機関へ連絡】哺乳量が半分程度・呼吸がつらそう・尿が少ない

普段の半分~4分の3程度まで哺乳量が減った、授乳が続かない、胸がへこむように呼吸する、尿量が大きく減った場合は早めに受診を検討します。呼吸症状が進む、脱水が疑われる場合は時間を待たないでください。

【経過観察の余地】呼吸が楽で、十分に飲めて反応もよい

鼻水はあるものの呼吸は落ち着いていて、哺乳量・おむつの回数が大きく減っておらず、普段どおり反応する場合は自宅で観察できることもあります。ただし小さい月齢では症状が急に変化するため、担当医の指示に従いましょう。

英国NICEの細気管支炎診療ガイドラインでは、普段の哺乳・水分摂取が約50~75%まで低下した場合に入院や病院紹介を検討する材料となり、12時間濡れたおむつがないことも保護者向けの危険サインに挙げています。ただし、これは日本国内の一律の診断・入院基準ではなく、月齢・基礎疾患・呼吸状態を合わせた医療者の評価が必要です。NICE NG9 1.2・1.6。

ミルクがいつもの半分しか飲めない!何mLなら病院?

RSウイルスで「ミルクを半分しか飲めない」は、比較的よく見られる心配事です。例えば普段の授乳量が1回180mLの赤ちゃんが90mLしか飲めなかった場合、普段の50%に相当します。

ただし、1回だけの授乳量で重症度や必要水分量を決定できません。 その後に複数回飲めたか、1日全体の摂取量が大きく減っていないか、おしっこが出ているか、呼吸が苦しくないかを合わせて確認する必要があります。

例① いつも180mL→今回90mL

1回あたり50%に減少。ただし、1回のみの変化か、複数回続いているのかを確認します。呼吸が苦しい、尿が減ったなどの症状があれば早めに受診しましょう。

例② いつも160mL×6回→今日は80mL×6回

1日合計が960mLから480mLに減った計算で、普段の50%です。これはあくまで記録例です。こうした低下が続く場合は、NICEの目安に照らしても医療機関への相談が必要な状況です。

例③ 完全母乳で何mL飲めたか分からない

母乳では正確なmL数が分からないことがあります。授乳中の飲み込み音、吸いつく時間・回数、授乳後の満足度、おむつの濡れ方、普段との違いを整理して、医師・助産師に相談しましょう。

注意:年齢・体重によって必要量が違うため、「1日に何mL飲めたら安全」という一律の数字は設定できません。哺乳量が急に減っている場合は、数値の計算を終えるまで受診を待たないでください。

RSウイルスでミルクを飲めなくなるのはなぜ?

RSウイルス感染症では、鼻水、咳、発熱などから始まり、場合によって細気管支炎や肺炎へ進むことがあります。特に乳児はもともと気道が細く、鼻づまりや下気道の炎症が哺乳しづらさにつながりやすいのです。

① 鼻づまりで飲みながら息をしにくい

赤ちゃんは授乳中に呼吸と飲み込みを協調させます。鼻が詰まると、乳首をくわえ続けられない、すぐ離す、何度も休むなどの様子がみられることがあります。

② 細気管支炎で呼吸に力が必要になる

ウイルスにより細い気道に炎症が起こり、息を吐くときのゼーゼー音や、胸がへこむような呼吸が起こることがあります。呼吸に力を使うと授乳のための余力が減り、哺乳量が落ちることがあります。

③ 全身のだるさ・発熱で飲む量が減る

発熱や不機嫌、睡眠の乱れでも飲む量が減る場合があります。一方でRSウイルスでは発熱しない乳児もいるため、「熱がないから重症ではない」と決めつけないことが大切です。CDC:RSV in Infants and Young Children。

④ 嘔吐や咳き込みが授乳を妨げる

咳き込みの後に吐いたり、飲みかけで苦しそうになったりする場合もあります。「毎回吐く」「水分も保持できない」という場合は脱水が進む可能性があり、早めに医療機関に相談してください。

要点漫画|呼吸・哺乳量・おしっこを確認する

RSウイルスで赤ちゃんがミルクを飲まないとき、呼吸の状態・哺乳量・おしっこの回数を確認し、危険サインではすぐ受診する要点4コマ漫画
呼吸の苦しさ、ミルクを飲めた量、濡れたおむつの回数を確認。呼吸停止・顔色不良などは緊急対応を優先しましょう。

鼻づまりや咳があっても、まずは呼吸の状態を優先して判断します。呼吸停止、唇が青い、意識が悪いときには直ちに救急対応を考えてください。

生後1か月・3か月・6か月|月齢によって何が違う?

厚生労働省は生後6か月以内の乳児でRSウイルス感染症が重症化する場合があると説明しています。非常に小さい乳児では、発熱や激しい咳が目立たないまま無呼吸や哺乳不良が現れることもあります。厚生労働省Q&A。

生後1か月前後(特に生後6週未満)

哺乳不良・無呼吸のリスクに特に注意。急に飲めなくなった、呼吸や反応がおかしい場合は早急に受診してください。38℃以上の発熱がある生後3か月未満の赤ちゃんも、別の重い感染症を含め評価が必要です。

生後2~3か月

普段より飲めない、呼吸が速い、尿が少ないなどを軽視せず、早めに相談します。家庭での自己判断だけで長時間様子を見続けないことが大切です。

生後4~6か月

比較的月齢が進んでも、RSウイルス感染症では細気管支炎や肺炎を起こす場合があります。普段の哺乳量と比較し、症状が悪化していれば再受診が必要です。

早産児・先天性心疾患・慢性肺疾患などの持病がある赤ちゃん

月齢が比較的大きくても重症化リスクが高い場合があります。基礎疾患の主治医から説明された受診基準を優先してください。

【自宅でできるケア】鼻づまりで飲めないときは?

赤ちゃんの呼吸が安定していることを確認したうえで、自宅では次の工夫が考えられます。呼吸が苦しい子に無理にミルクを飲ませることはしないでください。

① 一度に大量に飲ませず、少量ずつ回数を増やす

呼吸が落ち着いていて飲み込める場合、いつもの1回量に固執せず、少量ずつこまめに授乳する方法があります。英国NHSやオーストラリアの小児臨床ガイドラインでも、軽症の細気管支炎における少量頻回の授乳が示されています。

② 授乳前に鼻づまりをやさしくケアする

鼻水が哺乳を妨げる場合、医療者の指導に従って生理食塩水の点鼻や表面の鼻汁をやさしく除去する方法が考えられます。強く吸いすぎたり、鼻の奥へ器具を入れたりすることは避けてください。

③ 起きている間は呼吸しやすい姿勢を保つ

抱っこで上体を起こして落ち着かせることはありますが、寝かせるときは乳幼児突然死症候群などの予防のため、基本的に平らで安全な寝床で仰向けにしてください。枕やタオルで頭を高くしたまま寝かせることは勧めません。

④ 授乳量・おむつ・呼吸をメモする

飲めたmL数や授乳の開始・終了時刻、濡れたおむつの回数、咳き込みや呼吸の変化を記録します。再受診時に役立ちます。

海外の小児診療指針:NHS:Bronchiolitis、Children’s Health Queensland:Bronchiolitis。いずれも国内の個別の医師の指示より優先されるものではありません。

水で薄めたミルクにしたほうがいい?

通常の粉ミルクを自己判断で薄めることは避けてください。粉ミルクは製品に指定された濃度で調乳する必要があります。また、月齢の低い赤ちゃんに水やイオン飲料をミルク代わりに大量に与えることも避けましょう。飲めない場合は補液などの医療的対応が必要なことがあります。

経口補水液を飲ませれば受診しなくてよい?

経口補水液の適否は月齢・状態・医師の指示によります。呼吸が苦しい、哺乳できない、尿が少ない状況を経口補水液だけで解決しようとせず、受診してください。特に乳児は必要な評価が異なります。

RSウイルスの治療は?薬や抗生物質で治るの?

厚生労働省Q&Aでは、RSウイルス感染症に一般的な特効薬はなく、治療は基本的に対症療法と説明されています。重症の場合には酸素投与、点滴、呼吸管理などが必要になることがあります。厚生労働省Q&A Q8。

鼻水・痰の薬を飲めばミルクも飲める?

鼻づまりや呼吸障害の程度によっては、内服薬の追加より呼吸状態や脱水の評価が必要です。乳児の市販の総合感冒薬・咳止めなどを自己判断で使用しないでください。

抗菌薬(抗生物質)は必要?

RSウイルスそのものに抗菌薬は効きません。細菌性合併症が疑われるなど、別の適応がある場合に医師が判断します。NICEの細気管支炎ガイドラインでは、合併症のない細気管支炎に抗菌薬・気管支拡張薬・ステロイド等を routine に使用しない方針が示されています。NICE NG9 1.4.3。

病院では何をするの?

医師は呼吸状態や酸素飽和度、脱水の程度などを評価し、必要に応じて酸素投与や経鼻胃管からの栄養・補液、点滴などを行います。点滴を希望するかどうかではなく、赤ちゃんの状態に基づいて必要な治療が決まります。NICE NG9:Admission and Management。

RSウイルスの経過|何日目に悪化しやすい?

RSウイルス感染症は、鼻水や発熱などのかぜ症状から始まり、数日後に咳や呼吸症状が強くなることがあります。CDCも発病の数日後に悪化しうることを説明しています。CDC RSV in Infants。

「熱が下がったから、もう安心」とは限りません。熱が軽くても呼吸が苦しい、ミルクが飲めなくなった、尿が減った場合は再受診が必要になることがあります。

RSウイルスの症状・感染経路・登園の考え方は、ゆずまるブログのRSウイルスの症状・潜伏期間・感染対策の記事でも解説しています。

夜間・休日にミルクを飲まなくなったときは?

休日や夜間に判断に迷った場合は、#8000(子ども医療電話相談)で相談できます。ただし無呼吸やチアノーゼ、反応が悪いなどの緊急症状では#8000の回答を待たずに119番を検討してください。実施時間は都道府県で異なります。厚生労働省:#8000。

電話相談前に用意する情報

赤ちゃんの月齢・体重、RSウイルスと診断された日、今の呼吸の様子、普段と今日の哺乳量、おしっこの回数、発熱や嘔吐の有無、基礎疾患や早産歴をメモしましょう。

【薬剤師向け】RSウイルスの哺乳不良相談で確認したい7項目

薬局では「薬が飲めない」「ミルクの飲みが悪い」という相談を受けたとき、服薬方法の工夫だけで終わらせず、呼吸不全・脱水・重症化リスクの確認へつなげることが重要です。

1.年齢・修正月齢・基礎疾患

生後6か月以内、特に生後まもない乳児、早産児、慢性肺疾患・先天性心疾患・免疫不全の有無を確認。重症化リスクがあれば相談の閾値を下げます。

2.症状が始まった日と変化

発熱、鼻汁、咳、喘鳴、哺乳量低下が何日目から始まったか確認。呼吸症状が急に悪化していないか、悪化傾向を聞き取ります。

3.呼吸の観察

陥没呼吸、鼻翼呼吸、呻吟、無呼吸、顔色、息の速さ、哺乳中に息切れするかを確認。呼吸停止・チアノーゼ・意識異常なら緊急対応。

4.実際の哺乳量の変化

母乳・ミルクの種類と普段の量、直近の哺乳量と回数、飲み込みづらさ、授乳を中断する理由を確認。『半分』という情報は参考にしますが、状態を最優先します。

5.脱水の兆候

濡れたおむつが最後に確認できた時刻・回数、口腔内の乾燥、涙、嘔吐の有無を確認。尿が極端に少ない場合や水分摂取が難しい場合は受診勧奨。

6.処方薬・OTC・ホームケア

解熱剤、去痰薬、鼻汁への対策、服薬困難の有無などを確認。抗菌薬を自己判断で使用したり、市販咳止めを追加したりしていないかも確認します。

7.保護者への伝達と記録

受診を勧めた理由、伝えた緊急サイン、相談先、保護者の理解、薬歴への記録まで確認。『飲めないから薬だけ変更』で終わらせないことが重要です。

薬剤師が注意したい「50~75%」の説明方法

NICEの50~75%は、細気管支炎で病院への紹介や入院を検討する臨床上の判断材料です。日本のすべての乳児に当てはめる「70%を切ったら必ず入院」「80%飲めていれば絶対安全」という線引きではありません。呼吸、脱水、月齢、基礎疾患、家庭での観察可能性などを総合的に考慮する必要があります。

電話で使える服薬指導フレーズ

① 情報の確認:「いつもよりミルクが少ないとのことですね。普段は何mLくらい、今日は何回・何mL飲めましたか? おむつは何回濡れましたか?」

② 呼吸の確認:「胸やみぞおちがペコペコへこむような呼吸や、息が止まる感じ、唇の色が悪い様子はありませんか?」

③ 受診勧奨:「飲める量が大きく減っていて心配です。赤ちゃんの呼吸と脱水を確認する必要があるので、今日中に医療機関へ相談してください。息が苦しい、反応が悪い場合は直ちに救急対応をお願いします。」

なぎさ
なぎさ
ミルクが減っているとき、薬の飲ませ方より先に呼吸と脱水を確認するのが重要なんですね。
ゆずまる
ゆずまる
そう!月齢の低い赤ちゃんほど悪化に注意。おうちで様子をみるかどうかも、呼吸・飲めた量・尿量・反応をセットで考えよう。

SOAPでの薬歴記載例

S:「生後4か月、RSウイルスと診断。いつもの半分程度しかミルクを飲まない」と保護者から相談。

O:呼吸の状況、陥没呼吸有無、哺乳量・回数、最終排尿、発熱・嘔吐、基礎疾患などを確認。

A:哺乳量低下あり。脱水および細気管支炎の増悪に注意。診察での評価が必要と判断。

P:小児科への早期相談を勧奨。呼吸停止、顔色不良、反応低下などの緊急サインを説明し、対応内容を記録。

よくある質問(FAQ)

Q1.RSウイルスでミルクが半分しか飲めないときは病院に行く?

普段の半分程度まで飲む量が減った場合は、医療機関に早めに相談することを勧めます。NICEの細気管支炎指針も、普段の50~75%に減った場合を受診検討材料としています。ただし、呼吸や尿量、月齢も合わせて判断します。

Q2.鼻水でミルクを飲めないだけなら様子見でいい?

鼻水だけが原因と決めつけることはできません。呼吸が苦しい、いつもより飲めない、おしっこが少ない、元気がない場合は医療機関に相談してください。

Q3.RSウイルスは熱がなくても重症になる?

はい。特に月齢の低い乳児では発熱が目立たず、哺乳不良や無呼吸などが現れる場合があります。熱がないことだけで安全とは判断できません。

Q4.ミルクを飲まないときは無理にでも飲ませるべき?

無理に飲ませないでください。呼吸が苦しいときはむせ込みなどの危険もあります。呼吸が落ち着いている場合には少量頻回の授乳を試せることがありますが、飲めない状態が続けば受診が必要です。

Q5.寝ている赤ちゃんを起こして授乳するべき?

月齢や医師の指示、哺乳状況によります。起こしても反応が弱い、ぐったりしている場合は、授乳を優先せず緊急の医療対応を考えてください。

Q6.おしっこが少ないとき、何時間まで待っていい?

NICEでは12時間濡れたおむつがないことを危険サインの1つとしていますが、12時間まで待ってよいという意味ではありません。月齢が低い、哺乳量が減っている、呼吸が苦しい場合は早めに相談してください。

Q7.母乳ならミルクと違って様子見できる?

母乳でも脱水や呼吸障害の危険はあります。哺乳量を正確に測れなくても、授乳の様子、おむつ、反応、呼吸から判断し、心配があれば医療機関に相談してください。

Q8.RSウイルスで抗生物質や咳止めは必要?

RSウイルスそのものに抗菌薬は効きません。細気管支炎の治療は支持療法が中心で、合併症や個別の事情によって医師が治療を判断します。赤ちゃんに市販咳止めを自己判断で使用しないでください。

Q9.RSウイルスは生後何か月が特に危険?

厚生労働省は生後6か月以内の乳児への感染に特に注意するよう説明しています。とくに月齢の低い乳児や早産児、持病のある子では早めの相談が大切です。

Q10.#8000に相談してから病院に行けばいい?

夜間・休日に判断に迷う場合は#8000が利用できます。ただし呼吸停止、唇が青い、反応が悪いなどの緊急症状がある場合は、#8000を待たず119番を検討してください。

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まとめ漫画|ミルクが飲めないときの対応をおさらい

RSウイルスによる赤ちゃんの哺乳不良を、薬局への相談、哺乳・排尿記録、医療機関での再評価、救急受診のサインで解説するまとめ4コマ漫画
哺乳量や排尿を記録し、飲めない・呼吸が苦しいときは早めに受診。無呼吸・チアノーゼ・反応低下は救急要請を考えます。

まとめ|RSウイルスでミルクを飲まないときは呼吸と脱水を優先

  • 最優先は「呼吸・哺乳量・おしっこ・反応」の4項目。
  • 普段のミルク量が半分程度まで減った場合は、早めに医療機関に相談する目安になります。
  • 呼吸が止まる、唇が青い、反応が極端に悪い場合は直ちに救急対応を考えます。
  • 生後6か月以内、早産児、基礎疾患のある赤ちゃんは特に注意が必要です。
  • 呼吸が落ち着いている場合には少量頻回授乳などの工夫が考えられますが、無理に飲ませず、飲めない状態が続けば受診してください。

保護者が「いつもと違う」と感じる変化も大切です。受診を迷うときは#8000やかかりつけの小児科へ相談してください。

参考文献・一次資料

  1. 厚生労働省「RSウイルス感染症に関するQ&A」(2026年4月27日改訂)
  2. 厚生労働省「RSウイルス感染症」
  3. NICE NG9「Bronchiolitis in children: diagnosis and management」(海外ガイドライン)
  4. CDC「RSV in Infants and Young Children」
  5. NHS「Bronchiolitis」(海外患者向け資料)
  6. Children’s Health Queensland「Bronchiolitis Clinical Guideline」(海外臨床指針)
  7. 厚生労働省「子ども医療電話相談 #8000」

最終確認:2026年11月1日。この記事は一般的な情報提供であり、医師の診断や個別の指示に代わるものではありません。呼吸が苦しい、水分が取れない、反応が悪いなどの場合は速やかに医療機関へ相談してください。

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