補菌と育菌とバイオジェニックス【腸内フローラ】

腸内フローラ

みなさまこんにちは

薬局薬剤師のゆずまるです。

【薬剤師歴】 8年目
【管理薬剤師歴】4年目
【勤務場所】調剤&ドラッグストア
【実績】地域支援体制加算・後発3・健康サポート薬局を無実績状態から3年以内に達成
【目指す薬局】地域に根ざした薬局

腸内の環境を整えるために必要な考え方である補菌と育菌

今回の話は両方を兼ね揃えたシンバイオティスクスのお話をさせて頂きます

食生活上のアドバイスを中心にお話が出来たらと思います

腸の働きを良くするために

腸内環境は食事や運動、睡眠などの影響で変化します

腸内環境を整えるには腸内の善玉菌を増やすことを考えていく必要があります

対策方法は色々とありますが、まずは食生活を工夫することが近道です

現在、腸内の健康に関わってくる機能性食品は、大きく分けて「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「バイオジェニックス」の3つのいずれかから成り立ちます

シンバイオティクスとは

腸内環境を整える考え方には「シンバイオティクス」という考え方があります

これは善玉菌を食事から直接体内へ取り込む「プロバイオティクス」の考え方と、腸内に住む善玉菌のエサとなるオリゴ糖・食物繊維を摂取することで腸内環境を元気にする「プレバイオティクス」の考え方を同時に取り入れるものです

その2つの考え方を踏まえ、プロバイオティクス食品とプレバイオティクス食品をバランスよく摂取する「シンバイオティクス」と言う考え方が近年注目されております

この2つの考え方を同時に取り入れることで腸内環境を整えるため、相乗効果が期待でき理想の腸内環境へ近づける事ができます

それでは少し掘り下げてプロバイオティクスとプレバイオティクスの考え方を見ていきましょう

プロバイオティクスとは

プロバイオティクス(Probiotics)とは「腸内フローラのバランスを改善することにより人に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されています

善玉菌などのヒトの体に影響を与える微生物をが入った製品や食品のことを指します

難しい表現をしていますが、良い菌を体に取り入れて腸内環境を整えることです

ヨーグルトや納豆などが代表格です

プロバイオティクスの条件

プロバイオティクスとして使える菌にはいくつか条件があります

  • 安全性が高いこと
  • もともと宿主の腸内フローラとして存在していること
  • 胃液や胆汁などに耐え生きたまま腸に到達できること
  • 下部消化管で増殖可能であること
  • 宿主に対して腸内環境改善など有用効果を発揮できること
  • 病原細菌の抑制作用を有していること
  • 食品などの形でも有効な菌数が維持できること
  • 安価かつ簡単に取り扱えること など

安全で気軽に使えるのと腸内でしっかり効くことなどが条件ですね

プロバイオティクスと食事

プロバイオティクスとして使われる食事を一部紹介します

プロバイオティクスに使われる食品例

プロバイオティクスとして用いるためには胃酸の影響や熱の影響を考え、生きたまま腸内へと届かせなくてはなりません

そのため食事の際には胃酸の影響が少なくなる空腹時の食事は避けたほうがよいでしょう

なるべく直接胃酸の影響を受けないように食べる順番を意識すると良いですね

また加熱し過ぎも菌が死滅してしまうので注意が必要です

市販のものは自家製のものに比べて加熱殺菌しているためプロバイオティクスにはあまり向きません

また、腸内へ届いたとしても外部からの菌であるため腸内で定着することは難しいです

プロバイオティクスは一時的に善玉菌を取り入れるため即効性はありますが、腸内フローラの環境改善まで時間かかるのは特徴です

毎日こまめに食べるのがベター

〜ポイント〜

  • 胃酸に強い菌株を選ぶ
  • なるべく食後に食べる
  • 漬物を常備しておく
スポンサーリンク

プレバイオティクス

プレバイオティクス(prebiotics)とは「有用細菌の増殖を促進あるいは、有害菌を抑制することによって、宿主の健康に有利に働く非消化性食品成分」と定義されています

この定義も分かりづらいですが、良い菌を増やすための食品を取り入れることで、菌を育てることです

代表格はオリゴ糖や食物繊維のことです

プレバイオティクスの定義

プレバイオティクスにも定義があります

  • 消化管上部で分解、吸収されないこと
  • 大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌の選択的基質であり、細菌の増殖を促進し代謝を活性化すること
  • 大腸の腸内細菌叢を健康的な構成に効率的に改変できること
  • 宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導すること

腸内で分解されるもので、善玉菌のエサとなること。そして善玉菌を効率よく増やしてくれる食品のことですね

プレバイオティクスと食事

プレバイオティクスに用いられる食事について一例ですが紹介します

プレバイオティクスと食事の一例

プレバイオティクスに用いられる食事は基本的にヒトの消化能力では吸収や消化されにくく、腸内細菌のエサになるものを指します

〜ポイント〜

  • 麦ごはんにする
  • 海藻入の味噌汁にする
  • おやつは洋菓子より和菓子を食べる

オリゴ糖

オリゴ糖は糖質のうち、最小単位である糖が2個から10個程度結びついたものです

甘みがあるため甘味料としても使われることがあります

小腸で消化されず大腸まで届くため整腸作用や腸内細菌を増やす作用などが知られている

血糖の急な上昇も抑えるとも言われロカボなどにも用いられています

レジスタントスターチ

レジスタントスターチは、冷えたご飯やパスタ、穀類などに多く、通常の消化酵素では分解されにくいでんぷんのこと。

血糖の上昇を抑える他、小腸で分解されにくく大腸まで届くため腸内細菌のエサになりやすい

糖アルコール

糖アルコールは糖分の一種で糖質を還元し、化学的に安定させたもの

甘みがあり小腸で分解されにくい上、低カロリーなため人工甘味料に用いられることも多い

とりすぎはお腹緩くなることもあります

ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水あめ、キシリトール、エリスリトールが一般的です

合成したもの以外にも天然物も存在する

食物繊維

食物繊維とは「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」と定義されています

食物繊維には大きく分けて2つ、水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維とあります

基本的には食物繊維は消化されないためエネルギー源にはなりません

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は水に溶けるとゼリー状になります。胃腸内をゆっくり移動するためお腹がすきにくくなり食べすぎを防ぐ効果があります

栄養素の吸収を穏やかにするため、糖質の吸収を穏やかにし、食後血糖値の急な上昇を抑えたり、胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄するのを助けます

大腸内では菌のエサとなり、発酵・分解されることで、増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります

水溶性食物繊維を多く含む食品には、昆布やわかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦などに含まれています

  • ペクチン(柑橘系などの果物)
  • グルコマンナン(こんにゃく類)
  • アルギン酸(海藻類)

〜商品紹介〜

賢者の食卓はトウモロコシから作られた難消化性デキストリンが主成分

水溶性食物繊維と同じ働きをします

不溶性食物繊維

不溶性の食物繊維は保水性が高く胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみます。そのため腸を刺激し、蠕動運動が活発、便通を促進します

大腸内での働きは水溶性食物繊維と同様、善玉菌のエサとなり、発酵・分解され腸内環境を整える作用があります。

水溶性食物繊維より発酵性は低い

主に野菜などに多く含まれるが形は多様で糸状のものや多孔質のものとあり、食感はボソボソ、ザラザラとしているのが特徴です

不溶性食物繊維を多く含む食品には穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻にも含まれています。

  • セルロース(野菜など植物全般)
  • リグニン(野菜などの植物、カカオなど)
  • キチン(甲殻類)

バイオジェニックス

バイオジェニックス(biogenic)「生物により生成された」という意味があります

腸内フローラを介することなく身体に直接作用するもののこといいます

乳酸菌などの善玉菌が、腸内で作り出した物質を直接体に取り入れる方法です

大胆にも「生きた菌を取り入れる」「菌を育てる」ということを省いてしまい、出来たものだけを取り入れてしまおうということです

サプリメントに活用されていることが多いです

代表格としてはビタミン、ポリフェノール、DHAや植物性フラボノイドなどがあげらます

死んだ菌でも効く?

プロバイオティクスの考え方では生きた菌を取り入れる必要があると言われていました

でも死んだ菌でも効くと言うことも聞いたことある人もいるかもしれません

乳酸菌などの善玉菌がヒトの免疫力をアップさせるためには、菌の代謝産物だけでなく菌体成分も関係していると言われています

これらは小腸の絨毛と絨毛の間にあるパイエル板と呼ばれる場所を通過することで免疫系に作用します

生きた乳酸菌は体内で菌同士が凝集するためサイズが大きくなるとパイエル板の穴を通過することができません

それに対して死んだ菌では菌数をたくさん確保できるので有効であると言われています

パイエル板を通過しないかぎり、免疫力の向上は期待できないため、菌が生きているか死んでいるかは関係ないと言われています

この考え方はバイオジェニックスの1つでもあります

シンバイオティクスとバイオジェニックス

シンバイオティクスとバイオジェニックス

イメージ図を作成しました

通常の流れを分けて考えてみると

  1. 菌を取り込む
  2. 腸内へ届かせる
  3. 腸内で定着させる
  4. 菌を育てる
  5. いい成分を生産させる
  6. 腸内環境改善
  7. 免疫力アップなどカラダへいい影響をもたらす

と腸内細菌が期待される効果を発揮するまでの道のりは長そうですよね

プロバイオティクスとプレバイオティクスをそれぞれ別々に行うよりも一緒に行ったほうが効率よく菌は育ちます(シンバイオティクス)

また、シンバイオティクスの概念を取り入れたとしても十分に善玉菌が定着し育っていくのにも時間がかかります

しかしながら、バイオジェニックスの考え方では菌を育てるという概念はありません

善玉菌が作った良い成分を直接取り入れるためすぐに効果が期待されます

効率重視の考え方ですね

シンバイオティクスオススメ商品

私のオススメ商品であるマイビオはシンバイオティクスの考え方か盛りだくさんのサプリメントです

医療用の整腸剤なんて要らないのでは?と思えるくらい腸内環境を整えるための理にかなった商品と言えます

食欲低下の人、腸内環境が乱れた人、バランスよく献立をたてるのが面倒な人には是非とも続けて欲しい商品です

まとめ

腸内環境を整える上で必要な考え方であるシンバイオティクスについて説明しました。

シンバイオティクスはプロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に取り入れる考え方です

両方の考え方を実践することでより効率良く理想な腸内フローラへ近づくことに繋がります

またバイオジェニックスは腸内細菌を介することなく腸内環境を整えようという考え方です

普段の健康はシンバイオティクスを意識し腸内環境を整え、不足分などは必要に応じてバイオジェニックスを取り入れるのがオススメです

ぜひシンバイオティクスを意識した食生活を心がけてみてください

  • もしよかったらTwitterやっておりますので下記アイコンより登録していただけると嬉しいです♪

シェアも歓迎です♪

他にもたくさん記事を書いていく予定ですのでよろしければご覧いただけてたら幸いです★

参考文献

Systematics and Function of Lactic Acid Bacteria as Probiotics

Prebiotics and Intestinal Flora Tomotari MITSUOKA

公益財団法人日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会

コメント

タイトルとURLをコピーしました