【2026年度新設】かかりつけ薬剤師訪問加算230点を解説

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【2026年度新設】かかりつけ薬剤師訪問加算230点とは?対象患者・算定要件・在宅訪問との違いを解説

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
2026年度に「かかりつけ薬剤師訪問加算230点」が新しくできたと聞きました。在宅患者訪問薬剤管理指導料とは何が違うんですか?
ゆずまる
ゆずまる
名前に「訪問」と付いているから混乱しやすいよね。でも、これは定期的な在宅医療を始めるための点数ではなく、かかりつけ薬剤師が外来患者さんの家を訪問し、残薬整理や服薬管理を支援したことを評価する加算なんだ。
  1. 前書き:かかりつけ薬剤師訪問加算は「薬を届けるための点数」ではない
  2. かかりつけ薬剤師訪問加算とは?まずは全体像を確認
    1. 「6月に1回」は「6か月に1回」という意味
  3. 対象患者は誰?服薬管理指導料「1のイ」「2のイ」を理解しよう
    1. 初回来局の患者は対象になる?
    2. 通院できる外来患者でも対象になり得る
  4. フォローアップ加算50点との違い
  5. 対象患者を判断する5段階チェック
  6. かかりつけ薬剤師訪問加算の算定要件
    1. 要件1:患者または家族等から訪問の求めがある
    2. 要件2:訪問前に内容と費用を説明し、了解を得る
      1. 患者への説明例
    3. 要件3:実際に患家を訪問する
    4. 要件4:服用薬の管理方法を指導し、残薬を整理する
    5. 要件5:訪問結果を保険医療機関へ情報提供する
      1. 医療機関への情報提供例
    6. 要件6:薬剤服用歴等へ必要事項を記録する
    7. 要件7:訪問後、次に処方箋を受け付けたときに算定する
  7. かかりつけ薬剤師訪問加算と在宅患者訪問薬剤管理指導料の違い
  8. 併算定できない項目
  9. 特別調剤基本料を算定する薬局の注意点
    1. 特別調剤基本料Aの場合
    2. 特別調剤基本料Bの場合
  10. 複数の薬局でかかりつけ算定が行われていた場合
  11. 230点の患者負担はいくら?
  12. 訪問から算定までの実務チェックリスト
  13. 症例・具体例で理解するかかりつけ薬剤師訪問加算
    1. 症例1:大量の残薬がある外来患者へ訪問したケース
      1. 対応の流れ
    2. 症例2:薬を配達しただけのケース
    3. 症例3:定期的な訪問が必要な通院困難患者
    4. 症例4:訪問後の次回来局時にかかりつけ薬剤師が不在
    5. 症例5:訪問後に処方箋が来なかったケース
    6. 症例6:患者本人は希望していないが薬局判断で訪問したケース
  14. 管理薬剤師・薬局長が整えておきたい院内ルール
  15. まとめ:かかりつけ薬剤師訪問加算は外来と在宅をつなぐ評価
  16. よくある質問
    1. 「6月に1回」は、毎年6月に1回という意味ですか?
    2. 230点は訪問した日に算定しますか?
    3. 訪問後に患者が再来局しなかった場合は算定できますか?
    4. 医師の訪問指示は必要ですか?
    5. 通院できる患者でも対象になりますか?
    6. 薬剤師が必要と判断すれば、患者から希望がなくても算定できますか?
    7. 残薬が1日分しかなくても算定できますか?
    8. 訪問したところ残薬がなかった場合はどうなりますか?
    9. 薬を届けただけでも算定できますか?
    10. 患者本人ではなく家族からの依頼でもよいですか?
    11. 次回処方箋受付時にかかりつけ薬剤師が不在でも算定できますか?
    12. 在宅患者訪問薬剤管理指導料と同時に算定できますか?
    13. 居宅療養管理指導費と併算定できますか?
    14. 外来服薬支援料1と併算定できますか?
    15. 医療機関への情報提供は電話だけでもよいですか?
    16. 交通費にも1~3割の保険負担が適用されますか?
    17. 訪問時間に最低基準はありますか?
    18. 施設入居者にも算定できますか?
  17. 参考文献

前書き:かかりつけ薬剤師訪問加算は「薬を届けるための点数」ではない

2026年度の調剤報酬改定では、従来の「かかりつけ薬剤師指導料」と「かかりつけ薬剤師包括管理料」が廃止され、かかりつけ薬剤師による服薬指導は、服薬管理指導料の「1のイ」または「2のイ」として整理されました。

そのうえで、かかりつけ薬剤師が実際に行った業務を評価する項目として、次の2つの加算が新設されています。

2026年度に新設された2つの加算

  • かかりつけ薬剤師フォローアップ加算:50点(3月に1回)
  • かかりつけ薬剤師訪問加算:230点(6月に1回)

今回解説するのは、かかりつけ薬剤師が患者宅を訪問し、服用薬の管理方法の指導や残薬整理などを行う「かかりつけ薬剤師訪問加算230点」です。【4】

ここで最初に押さえておきたいのは、薬を自宅へ届けただけでは算定できないという点です。

実際に患家を訪問し、患者さんの服薬状況や薬の保管状況を確認したうえで、服用薬の管理方法を指導し、残薬を整理するなどの薬学的支援を行う必要があります。さらに、その結果を保険医療機関へ情報提供しなければなりません。【3】

この記事の重要ポイント

「家まで行った」という事実ではなく、患家で服薬管理上の問題を確認し、残薬整理・管理方法の指導を行い、その結果を医療機関へつないだことが評価される加算です。

かかりつけ薬剤師訪問加算とは?まずは全体像を確認

確認項目 内容
点数 230点
制度上の位置付け 服薬管理指導料に対する加算
算定回数 6月に1回
対象患者 服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定している患者
訪問のきっかけ 患者または家族等からの求め
主な実施内容 服用薬の管理方法の指導、残薬の整理など
訪問後 結果を保険医療機関へ情報提供
薬歴記録 訪問した事実、残薬状況、実施した指導内容などを記録
交通費 実費を患者負担とする
算定時期 訪問した日ではなく、訪問後に同一薬局で再度処方箋を受け付けたとき

厚生労働省の調剤報酬点数表では、服薬管理指導料の注14として、かかりつけ薬剤師訪問加算230点が規定されています。【2】

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
「6月に1回」ということは、毎年6月だけ算定できるんですか?
ゆずまる
ゆずまる
ここは初心者が特に間違えやすいところだね。「6月」は6月という月の名前ではなく、6か月という期間を意味しているよ。

「6月に1回」は「6か月に1回」という意味

調剤報酬で使われる「月」は、期間を表す表現です。

  • 「月1回」=1か月に1回
  • 「3月に1回」=3か月に1回
  • 「6月に1回」=6か月に1回

したがって、かかりつけ薬剤師訪問加算は、毎年6月だけ算定する点数ではありません。

同じ患者について、6か月に1回を限度として算定できるという意味です。ただし、6か月が経過すれば自動的に算定できるわけではなく、患者または家族等から訪問の求めがあり、実際に必要な業務を行った場合に限られます。

対象患者は誰?服薬管理指導料「1のイ」「2のイ」を理解しよう

かかりつけ薬剤師訪問加算の対象は、服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定している患者です。【3】

つまり、「かかりつけ薬剤師を決めていない一般の患者さん」へ訪問しただけでは、原則としてこの加算の対象にはなりません。

区分 点数 対象患者のイメージ
服薬管理指導料1のイ 45点 原則3か月以内に再度処方箋を持参し、手帳を提示した患者で、選択したかかりつけ薬剤師が継続的・一元的に服薬管理している場合
服薬管理指導料2のイ 59点 3か月を超えて再来局した患者、または3か月以内に再来局したものの手帳を提示しなかった患者で、かかりつけ薬剤師が継続的・一元的に服薬管理している場合

服薬管理指導料1のイ・2のイを算定するためには、患者または家族等が特定の保険薬剤師を選択し、かかりつけ薬剤師の業務内容や役割について説明を受け、同意している必要があります。

また、対象となる薬剤師・薬局は、所定の要件を満たしたうえで、地方厚生局等への届出を行っていなければなりません。【3】

初心者向けの判断次のような患者さんが基本的な対象です。

  • すでに特定のかかりつけ薬剤師を選んでいる
  • かかりつけ薬剤師による継続的・一元的な服薬管理を受けている
  • 服薬管理指導料1のイまたは2のイの算定対象である
  • 患者本人または家族が「家に来て薬を確認してほしい」と希望している
  • 自宅での薬の管理方法や残薬状況を確認する必要がある

かかりつけ薬剤師制度全体の2026年度改定については、次の記事で詳しく整理しています。

関連記事:2026年度改定でかかりつけ薬剤師制度はどう変わった?完全解説

初回来局の患者は対象になる?

初めて来局した患者は、通常、服薬管理指導料1のイまたは2のイには該当しません。

かかりつけ薬剤師の同意取得は、原則として、その薬局に複数回来局している患者に対して行います。そのため、初回来局した患者から「今日、家にも来てほしい」と依頼されたとしても、ただちにかかりつけ薬剤師訪問加算を算定できるとは限りません。

患者の状況によっては、外来服薬支援料1、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導など、別の評価が適切な場合があります。

通院できる外来患者でも対象になり得る

かかりつけ薬剤師訪問加算の通知には、在宅患者訪問薬剤管理指導料のような「通院が困難な患者」という要件は明記されていません。

そのため、普段は患者本人や家族が処方箋を薬局へ持参できる外来患者であっても、自宅内の残薬や薬の保管状況を現場で確認する必要があり、患者または家族から訪問を求められた場合には、対象となり得ます。【3】

対象になり得る具体例

  • 家族が毎回薬局へ来るが、自宅には大量の残薬があるらしい
  • 患者が複数の場所に薬を保管し、何を飲んでいるか分からない
  • 一包化しているが、服薬カレンダーへの配置方法が合っていない
  • 朝・昼・夕の薬が混ざり、家族も整理できなくなっている
  • 複数医療機関の薬、OTC医薬品、健康食品が自宅に散在している

フォローアップ加算50点との違い

2026年度には、かかりつけ薬剤師訪問加算と同時に「かかりつけ薬剤師フォローアップ加算50点」も新設されました。

比較項目 フォローアップ加算 訪問加算
点数 50点 230点
回数 3月に1回 6月に1回
方法 電話等による双方向の確認・指導 患家を実際に訪問
主な目的 次回来局までの服薬状況・残薬状況の継続確認 自宅の薬を直接確認し、管理方法の指導や残薬整理を行う
過去6か月の介入要件 所定の介入歴が必要 通知上、同じ介入歴要件は設けられていない

フォローアップ加算では、直近6か月以内に外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1・2、調剤時残薬調整加算、薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定し、その問題が解消していないことが対象要件です。

一方、かかりつけ薬剤師訪問加算については、実施上の留意事項上、同じ「直近6か月以内の介入歴」は要件として明記されていません。【3】

混同注意

「直近6か月以内に残薬調整加算などを算定していないから、訪問加算も算定できない」と判断しないようにしましょう。この過去の介入歴は、主にフォローアップ加算側の要件です。

あわせて読みたい:調剤時残薬調整加算とは?旧制度との違いと疑義解釈を解説

対象患者を判断する5段階チェック

チェック1:かかりつけ薬剤師の算定体制があるか

薬局・薬剤師が所定の要件を満たし、必要な届出を行っているか確認します。

チェック2:患者が特定のかかりつけ薬剤師を選択しているか

患者または家族へ役割を説明し、同意を得ている必要があります。

チェック3:服薬管理指導料1のイまたは2のイの対象か

単に同じ薬局へ通っているだけではなく、かかりつけ薬剤師による継続的・一元的な管理が必要です。

チェック4:患者または家族から訪問の求めがあるか

薬局側が一方的に訪問を決めるのではなく、患者または家族等の求めに応じて訪問します。

チェック5:患家で実施すべき薬学的課題があるか

残薬、保管方法、服薬カレンダー、飲み間違い、複数医療機関の薬など、家の中を確認しなければ解決しにくい課題があるかを検討します。

かかりつけ薬剤師になるための勤務経験、在籍期間、研修認定、地域活動などの要件は、次の記事も参考にしてください。

詳しくはこちら:かかりつけ要件の地域活動とは?通りやすい実例を解説

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
対象患者が分かっても、訪問前の説明や、訪問後に何を記録すればよいのかが不安です。
ゆずまる
ゆずまる
訪問した事実だけを残すのでは不十分だよ。「なぜ訪問したか」「家で何を確認したか」「どのように整理したか」「医療機関へ何を伝えたか」を一連の流れで残そう。

かかりつけ薬剤師訪問加算の算定要件

厚生労働省の実施上の留意事項を、初心者向けに分解すると、次の7項目に整理できます。【3】

要件1:患者または家族等から訪問の求めがある

かかりつけ薬剤師訪問加算は、患者またはその家族等の求めに応じて患家を訪問した場合に算定します。

薬剤師が服薬状況を聞き取った結果、「ご自宅で薬を確認したほうがよさそうです」と提案すること自体は可能です。しかし、薬剤師の判断だけで一方的に訪問するのではなく、最終的には患者または家族が訪問を希望していることを確認しておく必要があります。

薬歴記載例

長女より「自宅に薬が多数残っており、本人も何を服用すればよいか分からないため、家に来て確認してほしい」と訪問希望あり。

単に「薬剤師が必要と判断したため訪問」とだけ記録するのではなく、患者・家族の希望が分かる形で記録すると、算定根拠が明確になります。

要件2:訪問前に内容と費用を説明し、了解を得る

訪問前には、患者または家族等に対して、少なくとも次の事項を説明し、了解を得ます。

  • 患家を訪問して実施する指導等の内容
  • かかりつけ薬剤師訪問加算により発生する患者自己負担額
  • 交通費が別途実費負担となること

交通費を含めた費用説明が要件として示されているため、訪問後に初めて費用を伝える運用は避けましょう。【3】

注意

「保険が使えるので費用はかかりません」という説明は不適切です。230点に応じた一部負担金に加え、交通費の実費が発生する可能性があります。

患者への説明例

「ご自宅へ伺い、残っている薬の種類や数量、保管方法、実際の飲み方を確認します。必要に応じて服薬カレンダーへの整理や、飲み間違いを防ぐ方法をご提案します。訪問結果は処方元の医療機関へお伝えします」

「この訪問には、かかりつけ薬剤師訪問加算230点がかかります。230点は医療費として2,300円に相当し、実際のご負担は保険の負担割合によって異なります。また、交通費として○○円をご負担いただきます」

「内容と費用をご確認いただいたうえで、訪問を希望されますか?」

要件3:実際に患家を訪問する

電話で残薬状況を聞き取っただけでは、かかりつけ薬剤師訪問加算は算定できません。

患者の生活場所を実際に訪問し、薬の保管状況、残薬の種類と数量、服薬方法などを直接確認します。

厚生労働省の概要資料には「自宅・施設等」と示されていますが、実施上の留意事項では「患家に訪問」と記載されています。施設入居者については、服薬管理指導料3、施設連携加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費などとの関係が生じるため、患者区分と算定中の項目を個別に確認しましょう。【4】

要件4:服用薬の管理方法を指導し、残薬を整理する

訪問時には、単に残薬の数を数えるだけでなく、今後の適切な服薬管理につながる支援を行います。

訪問時に確認したい項目

  • 処方薬の品名、規格、用法、処方元
  • 実際に服用している薬と服用していない薬
  • 残薬の数量、発生した理由、保管状態
  • 中止薬や処方変更前の薬が残っていないか
  • 同じ成分・同じ薬効の薬が複数ないか
  • 朝・昼・夕・眠前の薬が混ざっていないか
  • 一包化薬の印字と実際の服用方法が合っているか
  • 服薬カレンダーや薬箱の使い方
  • 家族、介護者、訪問看護師などの管理状況
  • OTC医薬品、サプリメント、健康食品の使用状況
  • 副作用が疑われる症状や体調変化
  • 飲み忘れ、重複服用、自己調整の有無

訪問後も同じ問題が繰り返されないよう、残薬が生じた原因まで確認することが大切です。

例えば、「薬が多いから残った」という表面的な判断だけでなく、次のような背景を探ります。

  • 昼の薬を持ち歩けず服用できない
  • 食事を取らない日は薬もすべて中止している
  • 眠前薬を飲むとふらつくため、本人が避けている
  • 家族が複数いて、それぞれ別の場所に薬を保管している
  • 処方変更前の一包化薬を捨てられず保管している
  • 受診間隔と処方日数が合っていない

評価されるのは「整理作業」だけではない

残薬の原因を薬学的に評価し、患者の生活に合う管理方法を提案し、必要な情報を医療機関へつなぐところまでが重要です。

要件5:訪問結果を保険医療機関へ情報提供する

患家で薬を整理して終了ではありません。訪問結果を保険医療機関へ情報提供することが算定要件です。

少なくとも、次の情報を分かりやすくまとめるとよいでしょう。

  • 訪問日と訪問理由
  • 確認した処方薬・他院薬・OTC医薬品等
  • 残薬の品目、数量、発生理由
  • 実際の服薬状況
  • 副作用や体調変化
  • 実施した整理・服薬支援
  • 患者・家族へ説明した内容
  • 処方調整や用法変更等を検討してほしい事項
  • 次回以降の支援方針

通知上は「保険医療機関に情報提供」と規定されています。監査可能性と医療安全の観点から、情報提供した内容、送付先、送付日、方法を記録し、後から確認できる状態にしておくことが重要です。

医療機関への情報提供例

訪問理由:長女より、自宅に残薬が多数あり服用状況が不明との相談を受け訪問。

確認結果:降圧薬28日分中12日分、睡眠薬28日分中18日分の残薬を確認。睡眠薬は服用翌朝のふらつきを理由に、患者判断で週1~2回程度のみ服用していた。

実施内容:現在服用する薬と中止薬を分別し、朝薬を服薬カレンダーへ配置。家族と管理方法を共有した。中止薬は誤服用防止のため別に分け、処分方法を説明した。

提案事項:睡眠薬服用後のふらつきがあり、服用頻度も処方指示と大きく異なるため、継続の必要性、用量、薬剤変更についてご検討をお願いしたい。

今後の対応:次回来局時に残薬数と服薬状況を再確認予定。

関連記事:薬学的有害事象等防止加算とは?旧加算との違いを解説

要件6:薬剤服用歴等へ必要事項を記録する

薬剤服用歴等には、次の事項を記載します。

  • 患家を訪問したこと
  • 患家における残薬状況
  • 実施した指導等の内容

実務上は、これに加えて、訪問を希望した人、訪問前の説明内容、了解を得たこと、費用説明、医療機関への情報提供内容なども残しておくと、業務の流れを再現しやすくなります。

薬歴テンプレート例【訪問依頼】長女より、自宅残薬の確認・整理を希望。

【事前説明】訪問内容、加算230点に係る一部負担金、交通費○○円、医療機関への情報提供について説明し了解を得た。

【訪問日時】2026年○月○日 ○時○分~○時○分。

【残薬状況】○○錠○日分、△△錠○日分。保管場所は居間、寝室、台所の3か所。

【発生理由】昼薬の持参忘れ、眠気を理由とした自己中断、処方変更前薬の混在。

【実施内容】現行薬と中止薬を分別。服薬カレンダーへ配置。長女へ管理方法と飲み忘れ時の対応を説明。

【医療機関への情報提供】2026年○月○日、○○医院○○医師宛てに情報提供。

【今後の方針】次回来局時に残薬と服薬状況を再評価する。

要件7:訪問後、次に処方箋を受け付けたときに算定する

かかりつけ薬剤師訪問加算は、訪問を行った当日に単独で請求するものではありません。

厚生労働省の疑義解釈では、患家への訪問後に、その患者から再度処方箋を受け付けたときに算定すると示されています。【5】

算定までの時系列

  1. 患者の処方箋を受け付け、かかりつけ薬剤師として服薬管理を行う
  2. 患者または家族から患家訪問の求めを受ける
  3. 訪問内容、自己負担額、交通費を説明し了解を得る
  4. 後日、患家を訪問する
  5. 服用薬の管理方法の指導、残薬整理等を行う
  6. 結果を保険医療機関へ情報提供する
  7. 薬歴へ一連の内容を記録する
  8. その後、同一薬局で再度処方箋を受け付けたときに230点を算定する

訪問後に患者が再来局せず、同一薬局で次の処方箋を受け付けなかった場合、訪問したという事実だけで加算を単独請求することはできません。

かかりつけ薬剤師訪問加算と在宅患者訪問薬剤管理指導料の違い

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
どちらも患者さんの家に行くなら、同じように見えてしまいます。
ゆずまる
ゆずまる
一番大きな違いは、定期的な在宅療養の管理なのか、外来患者の残薬問題などに対するスポット的な訪問なのかという点だよ。
比較項目 かかりつけ薬剤師訪問加算 在宅患者訪問薬剤管理指導料
制度の性格 服薬管理指導料への加算 継続的な訪問薬剤管理指導を評価する独立した管理料
主な対象 服薬管理指導料1のイ・2のイを算定するかかりつけ患者 在宅療養中で通院が困難な患者
通院困難要件 通知上、明記されていない 必要
訪問のきっかけ 患者または家族等からの求め 医師の指示に基づく
医師の指示 明示的な算定要件としては規定されていない 必要
薬学的管理指導計画 明示的な算定要件としては規定されていない 策定が必要
実施イメージ 残薬や管理上の問題に対するスポット訪問 計画に基づく継続的・定期的な訪問
点数 230点 単一建物診療患者1人:650点
2~9人:320点
それ以外:290点
回数 6月に1回 原則として月4回まで。末期悪性腫瘍等には別の上限あり
医療機関への報告 訪問結果の情報提供が必要 指示医へ必要な情報を文書で提供
算定時期 訪問後、次に処方箋を受け付けたとき 訪問薬剤管理指導を実施したとき
両者の併算定 同一患者について併算定不可

在宅患者訪問薬剤管理指導料は、在宅で療養しており、通院が困難な患者に対して、医師の指示に基づき薬学的管理指導計画を作成し、継続的に訪問する制度です。【2】

一方、かかりつけ薬剤師訪問加算は、普段は外来で管理しているかかりつけ患者について、自宅の残薬や服薬管理上の問題を現場で確認するために訪問する場面を想定しています。

判断の目安今後も定期的な訪問管理が必要なら、在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養管理指導の対象を検討します。

外来管理を続けながら、今回の残薬問題を解決するために自宅を確認するのであれば、かかりつけ薬剤師訪問加算が候補になります。

薬学管理料全体の位置付けを整理したい方は、次の記事も参考にしてください。

あわせて読みたい:薬学管理料は何を評価?最新改定・算定要件と実務のコツ

併算定できない項目

かかりつけ薬剤師訪問加算は、次の項目を算定している患者については算定できないとされています。【3】

  • 外来服薬支援料1
  • 施設連携加算
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • 服薬情報等提供料
  • 居宅療養管理指導費
  • 介護予防居宅療養管理指導費

特に注意したいのが、服薬情報等提供料です。

かかりつけ薬剤師訪問加算そのものに医療機関への情報提供が含まれているため、同じ情報提供を別途、服薬情報等提供料として重複評価することはできません。

また、要介護・要支援患者の訪問では、介護保険の居宅療養管理指導費または介護予防居宅療養管理指導費との関係を確認する必要があります。

現場での確認ポイント

「同じ日に算定していないから大丈夫」と安易に判断せず、患者が現在どの訪問管理・服薬支援を受けているかを確認してください。判断が難しい事例は、最新の疑義解釈や審査支払機関、地方厚生局等への確認が安全です。

特別調剤基本料を算定する薬局の注意点

特別調剤基本料Aの場合

特別調剤基本料Aを算定している薬局が、その薬局と不動産取引等その他の特別な関係を有する保険医療機関へ情報提供した場合、かかりつけ薬剤師訪問加算は算定できません。

特別調剤基本料Bの場合

特別調剤基本料Bを算定している薬局は、かかりつけ薬剤師訪問加算を算定できません。【3】

複数の薬局でかかりつけ算定が行われていた場合

複数の保険薬局で、同一患者に対して服薬管理指導料1のイまたは2のイを算定していた場合、いずれの薬局もかかりつけ薬剤師訪問加算を算定できません。

本来、1人の患者について服薬管理指導料1のイ・2のイを算定できるのは、1か所の薬局に所属する1人のかかりつけ薬剤師です。

訪問前には、手帳、薬歴、患者・家族への聞き取りなどを通じて、他薬局のかかりつけ薬剤師が登録されていないか確認しましょう。

230点の患者負担はいくら?

診療報酬は1点=10円で計算するため、230点は医療費として2,300円に相当します。

負担割合 訪問加算230点分の負担目安
1割負担 約230円
2割負担 約460円
3割負担 約690円

これは、かかりつけ薬剤師訪問加算だけを単純計算した目安です。実際の窓口負担には、調剤基本料、薬剤調製料、調剤管理料、服薬管理指導料、薬剤料なども含まれます。

さらに、訪問に要した交通費は実費負担です。交通費については、薬局内で距離や移動手段に応じた取扱いを定め、訪問前に患者へ分かりやすく説明しておくとよいでしょう。

訪問から算定までの実務チェックリスト

訪問前

  • □ 服薬管理指導料1のイまたは2のイの対象患者である
  • □ かかりつけ薬剤師の同意・登録状況を確認した
  • □ 他薬局のかかりつけ薬剤師がいないことを確認した
  • □ 患者または家族から訪問の求めがあった
  • □ 訪問の目的と実施内容を説明した
  • □ 加算に係る一部負担金を説明した
  • □ 交通費の金額・算定方法を説明した
  • □ 患者または家族の了解を得た

訪問時

  • □ 処方薬、他院薬、OTC医薬品等を確認した
  • □ 残薬の品目・数量・保管状態を確認した
  • □ 残薬が発生した理由を確認した
  • □ 実際の服用方法を確認した
  • □ 服薬カレンダーや薬箱などの使用状況を確認した
  • □ 中止薬や変更前薬の混在を確認した
  • □ 副作用や体調変化を確認した
  • □ 必要な残薬整理と管理方法の指導を行った

訪問後

  • □ 訪問した事実を薬歴へ記録した
  • □ 残薬状況と実施内容を記録した
  • □ 保険医療機関へ情報提供した
  • □ 情報提供日・相手・方法・内容を記録した
  • □ 次回来局時の確認事項を設定した
  • □ 併算定できない項目を確認した
  • □ 次回処方箋受付時に算定するよう管理した
  • □ 前回算定から6か月以内でないことを確認した

症例・具体例で理解するかかりつけ薬剤師訪問加算

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
実際の患者さんを想定すると、算定できるケースとできないケースを区別しやすそうです。
ゆずまる
ゆずまる
そうだね。特に「訪問日に算定しない」「定期在宅の患者には使わない」「患者・家族の求めが必要」という3点を意識して見てみよう。

症例1:大量の残薬がある外来患者へ訪問したケース

患者:79歳女性、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症

薬局利用状況:月1回来局。かかりつけ薬剤師を選択済み

算定区分:服薬管理指導料1のイ

相談者:同居していない長女

相談内容:「母の家に薬がたくさん残っている。本人は飲んでいると言うが、何が正しいのか分からないので見に来てほしい」

対応の流れ

  1. 長女から訪問の希望を確認した
  2. 訪問内容、加算に係る自己負担、交通費を説明し了解を得た
  3. 後日、かかりつけ薬剤師が自宅を訪問した
  4. 居間、寝室、台所の3か所から薬を回収し、現行薬と中止薬を分別した
  5. 降圧薬12日分、糖尿病薬8日分、骨粗鬆症薬2回分の残薬を確認した
  6. 朝薬を服薬カレンダーへ配置し、長女と管理方法を共有した
  7. 残薬量、飲み忘れの原因、支援内容を処方医へ情報提供した
  8. 訪問内容と情報提供内容を薬歴に記録した
  9. 翌月、同一薬局で次の処方箋を受け付けた際に230点を算定した

判断

対象患者、患者・家族からの求め、事前説明、患家訪問、管理方法の指導、残薬整理、医療機関への情報提供、薬歴記録、次回処方箋受付時の算定という一連の要件を満たすため、算定を検討できるケースです。

症例2:薬を配達しただけのケース

患者:72歳男性

状況:体調不良で薬局へ来られないため、家族から薬の配達を依頼された

実施内容:玄関先で薬を渡し、通常の服薬説明を行った

残薬確認:なし

このケースでは、服用薬の管理方法の指導や残薬整理など、患家で行うべき業務を実施していません。

判断

薬の配達だけでは算定できません。薬剤を届けたことと、かかりつけ薬剤師訪問加算の業務を実施したことは区別する必要があります。

症例3:定期的な訪問が必要な通院困難患者

患者:88歳女性、要介護3

状況:歩行困難で自力通院できず、医師が訪問診療を実施

薬剤師への依頼:医師から定期的な訪問薬剤管理指導の指示あり

必要な支援:毎回の残薬確認、服薬カレンダーへのセット、家族・訪問看護師との情報共有

この患者は、通院が困難で、医師の指示に基づく継続的な訪問管理が必要です。

判断

かかりつけ薬剤師訪問加算ではなく、医療保険の在宅患者訪問薬剤管理指導料または介護保険の居宅療養管理指導費等を検討するケースです。

症例4:訪問後の次回来局時にかかりつけ薬剤師が不在

かかりつけ薬剤師が患家を訪問して必要な業務を行いましたが、次に処方箋を受け付けた日は、そのかかりつけ薬剤師が休みでした。

厚生労働省の疑義解釈では、この場合でもかかりつけ薬剤師訪問加算は算定可能とされています。

ただし、服薬管理指導料1のロまたは2のロと併せて算定する場合には、通常の記録に加え、訪問を実施したかかりつけ薬剤師の氏名を薬剤服用歴等へ記載する必要があります。【5】

薬歴追記例

2026年○月○日の患家訪問は、かかりつけ薬剤師○○○○が実施。訪問時の残薬状況、指導内容、医療機関への情報提供内容は前回記録参照。

症例5:訪問後に処方箋が来なかったケース

訪問を実施し、残薬整理と医療機関への情報提供まで行ったものの、その後、患者が入院したため、同一薬局で次の処方箋を受け付けませんでした。

疑義解釈では、訪問後に患者から再度処方箋を受け付けたときに算定するとされているため、訪問当日に230点を単独請求することはできません。

判断

実際に訪問業務を行っていても、次の処方箋受付がなければ算定時点が到来しません。訪問実績とレセプト請求時期を別々に管理する必要があります。

症例6:患者本人は希望していないが薬局判断で訪問したケース

薬剤師が残薬の存在を疑い、「一度、家を見たほうがよい」と考えて訪問しました。しかし、患者本人や家族から明確な訪問希望は確認していませんでした。

かかりつけ薬剤師訪問加算は、患者または家族等の求めに応じて訪問することが要件です。

判断

薬剤師が必要性を認めただけで自動的に要件を満たすとは考えないほうが安全です。訪問の必要性を説明し、患者または家族が訪問を希望したことを確認・記録しましょう。

管理薬剤師・薬局長が整えておきたい院内ルール

かかりつけ薬剤師訪問加算は、訪問した薬剤師だけが制度を理解していても、請求漏れや重複算定を防ぎにくい項目です。

薬局内では、次の運用をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

  • 訪問希望を受け付けた際の記録場所
  • 対象患者を確認する担当者
  • 訪問内容と費用の説明書
  • 交通費の計算方法
  • 訪問記録の様式
  • 残薬数量の記録方法
  • 医療機関への情報提供様式
  • 次回処方箋受付時にアラートを出す方法
  • 過去6か月の算定履歴の確認方法
  • 併算定不可項目の確認担当
  • 担当薬剤師不在時の薬歴記載方法

レセコン・薬歴システムへの登録例

  • 訪問実施日
  • 算定可能となる次回受付待ち
  • 前回算定日
  • 6か月以内の再算定防止アラート
  • 訪問実施薬剤師名
  • 情報提供完了日
  • 併算定不可項目の確認欄

制度運用だけでなく、管理薬剤師や薬局長として必要な業務を体系的に整理したい方は、ゆずまるの著書・執筆した本一覧も参考にしてください。

まとめ:かかりつけ薬剤師訪問加算は外来と在宅をつなぐ評価

後輩薬剤師なぎさ
後輩薬剤師なぎさ
在宅訪問を始めるための点数ではなく、普段は外来で管理しているかかりつけ患者さんの自宅を確認する加算なんですね。
ゆずまる
ゆずまる
その理解で大丈夫。残薬の原因は薬局のカウンターだけでは見えないことがあるから、生活の場を確認して医療機関へつなぐ役割が評価されたんだね。

かかりつけ薬剤師訪問加算の要点

  • 2026年度に新設された服薬管理指導料の加算
  • 点数は230点
  • 「6月に1回」は6か月に1回という意味
  • 対象は服薬管理指導料1のイまたは2のイを算定する患者
  • 患者または家族等からの訪問の求めが必要
  • 訪問内容、自己負担額、交通費を事前説明する
  • 患家で服用薬の管理方法の指導、残薬整理等を行う
  • 訪問結果を保険医療機関へ情報提供する
  • 訪問した事実、残薬状況、指導内容等を薬歴へ記録する
  • 訪問日ではなく、その後に再度処方箋を受け付けたときに算定する
  • 次回受付時にかかりつけ薬剤師が不在でも、所定の記録により算定可能
  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料や居宅療養管理指導費等とは併算定できない
  • 薬の配達だけでは算定できない
  • 交通費は実費を患者負担とする

かかりつけ薬剤師訪問加算は、点数を取ること自体が目的ではありません。

残薬や飲み間違いの背景にある生活上の問題を見つけ、患者に合う服薬管理方法を考え、処方医や他職種へつなぐことが本来の目的です。

「対象患者だから訪問する」のではなく、「患家で確認しなければ解決できない薬学的課題があり、患者・家族も訪問を希望しているから訪問する」という順序を大切にしましょう。

よくある質問

「6月に1回」は、毎年6月に1回という意味ですか?

いいえ。「6月」は6か月という期間を表します。同一患者について、6か月に1回を限度として算定します。

230点は訪問した日に算定しますか?

訪問した日に単独で算定するのではありません。患家への訪問後に、同一薬局でその患者から再度処方箋を受け付けたときに算定します。【5】

訪問後に患者が再来局しなかった場合は算定できますか?

疑義解釈では、訪問後に再度処方箋を受け付けたときに算定するとされています。そのため、次の処方箋受付がなければ、訪問したという事実だけで230点を単独請求することはできません。

医師の訪問指示は必要ですか?

かかりつけ薬剤師訪問加算の規定では、在宅患者訪問薬剤管理指導料のような「医師の指示に基づく」という要件は明記されていません。

ただし、訪問結果を保険医療機関へ情報提供することは必須です。また、訪問後の情報から処方変更が必要と判断した場合は、処方医へ適切に照会・提案します。

通院できる患者でも対象になりますか?

対象になり得ます。かかりつけ薬剤師訪問加算には、「通院困難」という要件は明記されていません。

普段は外来で管理していても、自宅の残薬や保管状況を確認する必要があり、患者または家族等から訪問の求めがある場合には算定を検討できます。

薬剤師が必要と判断すれば、患者から希望がなくても算定できますか?

通知では「患者又はその家族等の求めに応じて」と規定されています。薬剤師から必要性を説明することはできますが、訪問前に患者または家族が訪問を希望していることを確認し、記録しておく必要があります。

残薬が1日分しかなくても算定できますか?

算定要件には「残薬が○日分以上」という数量基準は示されていません。

ただし、わずかな残薬を数えただけで自動的に算定できるわけではありません。患家で服用薬の管理方法の指導や残薬整理等を実際に行い、医療機関への情報提供まで行う必要があります。

訪問したところ残薬がなかった場合はどうなりますか?

残薬の一定量が必須とは明記されていませんが、かかりつけ薬剤師訪問加算は服用薬の管理方法の指導や残薬整理等を評価する項目です。

残薬がなく、一般的な説明だけで終了した場合に当然に算定できるとは考えず、患家で実施した薬学的支援が算定要件を満たす内容だったかを個別に確認してください。

薬を届けただけでも算定できますか?

できません。単なる配送ではなく、患家で服用薬の管理方法を指導し、残薬整理等を行う必要があります。

患者本人ではなく家族からの依頼でもよいですか?

はい。規定では「患者又はその家族等の求め」とされているため、家族等からの依頼も対象になり得ます。

誰から、どのような理由で訪問を求められたのかを薬歴へ記録しましょう。

次回処方箋受付時にかかりつけ薬剤師が不在でも算定できますか?

算定可能です。

服薬管理指導料1のロまたは2のロと併せて算定する場合は、訪問した事実、残薬状況、指導内容等に加え、訪問を実施したかかりつけ薬剤師の氏名を薬剤服用歴等へ記載します。【5】

在宅患者訪問薬剤管理指導料と同時に算定できますか?

できません。在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者については、かかりつけ薬剤師訪問加算を算定できないとされています。

居宅療養管理指導費と併算定できますか?

できません。居宅療養管理指導費または介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については、かかりつけ薬剤師訪問加算を算定できません。

外来服薬支援料1と併算定できますか?

できません。外来服薬支援料1を算定している患者については、かかりつけ薬剤師訪問加算の対象外とされています。

医療機関への情報提供は電話だけでもよいですか?

規定上、訪問結果を保険医療機関へ情報提供することが必要です。媒体の扱いは最新通知や個別事例を確認しつつ、実務上は内容、提供先、提供日、提供方法を薬歴等に記録し、後から確認できる状態にすることが重要です。

残薬数量、発生理由、服薬状況、実施した支援、処方上の提案などを整理した文書や安全な電子的方法による情報提供が、医療連携の観点から分かりやすいでしょう。

交通費にも1~3割の保険負担が適用されますか?

交通費は、加算点数とは別に実費を患者負担とします。訪問前に交通費を含めた患者負担について説明し、了解を得てください。

訪問時間に最低基準はありますか?

通知には「○分以上」という最低訪問時間は示されていません。

ただし、短時間訪問で薬を渡しただけでは要件を満たしません。服用薬の管理方法の指導、残薬整理等、医療機関への情報提供、薬歴記録まで、必要な業務を実質的に行う必要があります。

施設入居者にも算定できますか?

厚生労働省の概要図では「自宅・施設等」と示されていますが、施設入居者では、服薬管理指導料3、施設連携加算、在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費等との関係が生じます。

施設へ行ったという理由だけで算定せず、患者区分、基礎となる服薬管理指導料、現在算定中の管理料、併算定不可項目を個別に確認してください。

参考文献

  1. 厚生労働省|令和8年度診療報酬改定について
    最終確認日:2026年7月17日
  2. 厚生労働省|令和8年厚生労働省告示第69号 別表第三 調剤報酬点数表
    最終確認日:2026年7月17日
  3. 厚生労働省|調剤報酬点数表に関する事項(令和8年6月19日訂正後)
    最終確認日:2026年7月17日
  4. 厚生労働省|令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】2026年7月1日版
    最終確認日:2026年7月17日
  5. 厚生労働省|疑義解釈資料の送付について(その2)令和8年4月1日事務連絡
    最終確認日:2026年7月17日
  6. 厚生労働省|保険調剤の理解のために(令和8年度)
    最終確認日:2026年7月17日
  7. 厚生労働省|令和8年度診療報酬改定の概要【全体概要版】
    最終確認日:2026年7月17日

制度運用上の注意

本記事は2026年7月17日時点の厚生労働省資料を基に作成しています。個別事例の算定可否は、患者の状態、届出状況、他の算定項目、最新の疑義解釈等によって異なる場合があります。実際の請求時は、最新の告示・通知・事務連絡を確認し、判断が難しい場合は地方厚生局や審査支払機関等へ確認してください。

 

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