ロープレッサ点眼液0.02%とは?効果・副作用・使い方|グラナテックとの違いを薬剤師が解説【2026年新薬】

ロープレッサ点眼液0.02%の効果・副作用・使い方とグラナテックとの違いを薬剤師が解説するアイキャッチ画像 病気・症状から探す

「ロープレッサ点眼液って、グラナテックと何が違うの?」

「1日1回でいいって聞いたけど、いつ使えばいい?」

「目が赤くなる、かすむって本当?」

ロープレッサ点眼液0.02%は、2026年8月17日に国内発売された新しい緑内障・高眼圧症治療薬です。

有効成分はネタルスジルメシル酸塩。特徴は、Rhoキナーゼ(ROCK)阻害により線維柱帯からの房水流出を促す作用に加え、ノルエピネフリントランスポーター(NET)阻害により房水産生を抑える作用も持つことです。

一方で、ロープレッサは「緑内障なら誰でも最初から使う薬」ではありません。添付文書上の効能・効果は、他の緑内障治療薬で効果不十分、または副作用などで使用できない場合の緑内障・高眼圧症です。

この記事では、添付文書・承認審査情報・参天製薬・厚生労働省の公開資料をもとに、ロープレッサの効果、作用機序、グラナテックとの違い、副作用、コンタクト、使い方、保存方法、薬価、新薬14日処方制限まで、薬剤師目線でわかりやすく整理します。

この記事の結論

  • ロープレッサはネタルスジルを成分とする緑内障・高眼圧症治療薬
  • ROCK阻害+NET阻害という2つの作用を持つ
  • 通常は1回1滴・1日1回
  • 国内第III相試験ではリパスジル(グラナテック)に対する眼圧下降効果の優越性が確認された
  • 主な副作用は結膜充血55.9%、渦巻き角膜21.7%
  • 霧視・視力低下がある場合は受診が必要
  • ソフトコンタクトは外して点眼し、5〜10分後に再装用
  • 他の点眼薬とは5分以上あける
  • 未開封は2〜8℃・遮光。開封後は遮光袋に入れ、1か月以内なら室温保存可能
  • 2027年8月末までは1回14日分までの投薬制限あり
なぎさ
なぎさ
グラナテックもROCK阻害薬ですよね。ロープレッサは何が新しいんですか?
ゆずまる
ゆずまる
一番のポイントは、ROCK阻害だけでなくNET阻害作用も持つこと。そして用法が1日1回という点です。似ている部分と違う部分を順番に見ていきましょう。
ロープレッサ点眼液の効果、1日1回の使い方、コンタクト、充血・渦巻き角膜、保存方法をまとめた要点漫画
  1. ロープレッサ点眼液0.02%とは?
  2. なぜロープレッサが処方される?「最初から使う薬」ではない
  3. ロープレッサの作用機序|ROCK阻害+NET阻害
    1. ① ROCK阻害|房水の「出口」を通りやすくする
    2. ② NET阻害|房水が作られる量を抑える
    3. 活性代謝物AR-13503にもROCK阻害作用
  4. グラナテックとの違いは?
  5. ロープレッサはグラナテックより眼圧を下げる?
  6. ラタノプロストと一緒に使える?
  7. セタネオとの違いは?
  8. 効果はいつ判断する?「使った感じ」では分かりにくい
  9. ロープレッサの使い方|1回1滴・1日1回
    1. 1回2滴入れた方が効く?
    2. 点眼後は1〜5分閉眼・涙嚢部を圧迫
  10. 他の点眼薬と併用する場合は5分以上あける
  11. コンタクトをしたまま点眼できる?
  12. 血液中にはどのくらい入る?全身への移行
  13. ロープレッサの副作用|目の充血が多い
    1. 充血したらすぐ中止?
  14. 渦巻き角膜とは?約2割にみられる副作用
  15. 重大な副作用|角膜上皮浮腫
  16. 点眼後にかすむ|運転していい?
  17. アレルギー性結膜炎・眼瞼炎は長期使用で注意
  18. 特に注意したい人|角膜の病気・眼科手術歴
    1. 急性閉塞隅角緑内障では?
  19. 妊娠中・授乳中・子どもは使える?
    1. 妊娠中
    2. 授乳中
    3. 小児
  20. 開封前と開封後で保存方法が変わるのがポイント
  21. 保存方法が重要|未開封は冷蔵・開封後は条件付きで室温OK
  22. 1本2.5mLは何日分?「14日制限」とは別
  23. 薬価はいくら?
  24. 2027年8月末までは14日処方制限
  25. グラナテックからロープレッサへ変更されたら?
    1. 残っているグラナテックを一緒に使っていい?
  26. ロープレッサは市販で買える?
  27. ジェネリックはある?
  28. 使い忘れたときは?
  29. ロープレッサでやりがちなNG
    1. NG1.1日1回を自己判断で2回に増やす
    2. NG2.ソフトコンタクトをつけたまま点眼
    3. NG3.他の目薬をすぐ続けて点眼
    4. NG4.充血をすべて「よくある副作用」と決めつける
    5. NG5.かすんでいるのに運転する
    6. NG6.開封後の遮光を忘れる
    7. NG7.眼圧が下がったから自己判断で中止する
  30. 受診を急いだ方がよい症状
  31. 薬局での服薬指導ポイント
  32. 患者さんへの説明例|薬局ではどう伝える?
  33. よくある質問
    1. Q1.ロープレッサは何の薬?
    2. Q2.1日何回?
    3. Q3.グラナテックとの一番大きな違いは?
    4. Q4.グラナテックより効く?
    5. Q5.目が赤くなる?
    6. Q6.渦巻き角膜って何?
    7. Q7.コンタクトをしたまま使える?
    8. Q8.他の目薬とは何分あける?
    9. Q9.冷蔵庫に入れる?
    10. Q10.薬価はいくら?
    11. Q11.なぜ14日分しか処方されない?
  34. まとめ|ロープレッサはROCK+NET阻害で1日1回の新しい緑内障点眼薬
  35. 参考にした主な情報

ロープレッサ点眼液0.02%とは?

ロープレッサ点眼液0.02%は、参天製薬が製造販売するRhoキナーゼ/ノルエピネフリントランスポーター阻害薬です。

販売名:ロープレッサ点眼液0.02%
一般名:ネタルスジルメシル酸塩
効能・効果:他の緑内障治療薬で効果不十分または使用できない場合の緑内障・高眼圧症
用法・用量:1回1滴・1日1回
承認:2026年6月19日
発売:2026年8月17日

製剤は無色澄明の無菌水性点眼剤で、1本2.5mLです。

ここで大切なのは適応の条件です。添付文書では、プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬など、他の緑内障治療薬で十分な効果が得られない、または副作用などで使えない場合に使用を検討するとされています。

つまり、「新薬だから最初から全員に使う」という位置づけではありません。

参考:PMDA ロープレッサ点眼液0.02%承認審査情報

なぜロープレッサが処方される?「最初から使う薬」ではない

ロープレッサでまず押さえたいのは、適応の「条件」です。

添付文書では、プロスタグランジン関連薬やβ遮断薬など、他の緑内障治療薬で効果が不十分、または副作用などの理由で使用できない場合に使用を検討するとされています。

たとえば、すでにラタノプロストなどを使っていても目標眼圧に届かない、複数薬を使う必要がある、既存薬で副作用が問題になる、といった場面が想定されます。

そのため、「新しい薬=従来薬より全員に向く」という意味ではありません。緑内障治療では、眼圧、視野障害の進行、角膜の状態、全身疾患、点眼を続けられるかなどを総合して薬を選びます。

なぎさ
なぎさ
新薬だから、今使っている目薬から全員切り替えるわけではないんですね。
ゆずまる
ゆずまる
その通りです。今の治療で十分にコントロールできているなら、単に「新しいから」という理由だけで変更する薬ではありません。

ロープレッサの作用機序|ROCK阻害+NET阻害

ロープレッサを理解するうえで重要なのが、2つの作用です。

① ROCK阻害|房水の「出口」を通りやすくする

眼圧は、目の中で作られる房水がどれだけ作られ、どれだけ外へ流れるかのバランスによって決まります。

ネタルスジルはRhoキナーゼ(ROCK-1、ROCK-2)を阻害し、主に線維柱帯流出路からの房水流出を促進すると考えられています。

線維柱帯は房水の主要な出口の1つです。ここから房水が流れやすくなることで、眼圧を下げます。

② NET阻害|房水が作られる量を抑える

ネタルスジルはノルエピネフリントランスポーター(NET)も阻害します。

この作用を介して房水産生を抑制し、眼圧下降に寄与すると考えられています。

超シンプルに言うと:
ROCK阻害=「房水の出口を通りやすくする」
NET阻害=「房水が作られる量を抑える」
この2方向から眼圧下降を狙うのがロープレッサの特徴です。

活性代謝物AR-13503にもROCK阻害作用

ネタルスジルは体内で活性代謝物AR-13503に代謝されます。

このAR-13503にもROCK阻害活性が認められており、ロープレッサの眼圧下降作用に関与すると考えられています。

グラナテックとの違いは?

検索で最も気になるポイントの1つが、同じROCK阻害薬であるグラナテック点眼液0.4%(リパスジル)との違いです。

ロープレッサ(ネタルスジル)

作用:ROCK阻害+NET阻害

用法:1日1回

特徴:主流出路からの流出促進に加え、房水産生抑制作用も持つ

グラナテック(リパスジル)

作用:ROCK阻害

用法:通常1日2回

特徴:線維柱帯流出路からの房水流出を促進

大きな違いは、作用機序と点眼回数です。

ロープレッサは1日1回、グラナテックは通常1日2回。点眼回数の少なさは、長期治療での継続しやすさという観点では重要です。

ロープレッサはグラナテックより眼圧を下げる?

国内第III相試験では、原発開放隅角緑内障または高眼圧症の患者245例を対象に、ロープレッサとリパスジルが直接比較されました。

ロープレッサは1日1回・21時、リパスジルは1日2回・9時と21時に4週間点眼しています。

ロープレッサ群

開始時の平均日中眼圧:20.48mmHg
4週後:15.79mmHg

リパスジル群

開始時の平均日中眼圧:20.83mmHg
4週後:17.77mmHg

4週後の群間差は−1.74mmHgで、ロープレッサのリパスジルに対する統計学的な優越性が検証されました。

ただし、この結果から「すべての患者で必ずロープレッサの方が強い」とは言えません。

臨床試験は集団平均の比較であり、実際の効果、副作用、目標眼圧、病型、既存治療によって適した薬は異なります。

ラタノプロストと一緒に使える?

ロープレッサは、ラタノプロストで眼圧下降が不十分な患者を対象にした国内第III相試験でも検討されています。

0.005%ラタノプロストを6週間以上使用した患者に、ロープレッサまたはプラセボを1日1回追加しました。

4週後の平均日中眼圧は、

ロープレッサ+ラタノプロスト:15.38mmHg
プラセボ+ラタノプロスト:17.51mmHg

群間差は−2.36mmHgで、ロープレッサ追加群はプラセボ追加群に対して有意な眼圧下降を示しました。

つまり、既存のプロスタグランジン関連薬だけでは十分に下がらない場合に、作用機序の異なるロープレッサを追加するという使い方が臨床試験で検討されています。

セタネオとの違いは?

2025〜2026年には新しい緑内障点眼薬が続いており、セタネオとの違いも気になるところです。

ロープレッサ:ROCK阻害+NET阻害。1日1回。他剤で効果不十分または使用できない場合に使用を検討。
セタネオ:活性代謝物がFP受容体+EP3受容体に作用。1日1回。

同じ「1日1回」の緑内障点眼薬でも、作用する場所・受容体は異なります。

関連記事:セタネオ点眼液0.002%とは?効果・副作用・使い方

効果はいつ判断する?「使った感じ」では分かりにくい

緑内障点眼薬は、鎮痛薬やアレルギー薬のように「効いた感じ」を自覚しやすい薬ではありません。

ロープレッサを点眼しても、視野が急に広がる、見え方がすぐ良くなるといった体感が出るとは限りません。

国内第III相試験では、主な有効性評価として4週後の平均日中眼圧が用いられています。

実際の診療では、眼科で眼圧を測り、目標眼圧に到達しているか、視野やOCTで進行が抑えられているかを確認して治療効果を判断します。

「何も感じないから効いていない」と自己判断で中止しないことが大切です。

ロープレッサの使い方|1回1滴・1日1回

通常は1回1滴、1日1回点眼します。

国内臨床試験では21時に使用されていますが、添付文書の承認用法は「1日1回」であり、すべての患者に21時使用を指定しているわけではありません。

処方医から「寝る前」「夜」など時間を指定されている場合は、その指示を優先してください。

1回2滴入れた方が効く?

いいえ。1回1滴が基本です。

目の結膜嚢に保持できる液量には限りがあり、多く入れてもその分だけ効果が強くなるわけではありません。

滴数を増やすと薬液が目からあふれ、局所副作用や全身移行を増やす可能性があります。

点眼後は1〜5分閉眼・涙嚢部を圧迫

点眼後は1〜5分間目を閉じ、目頭の涙嚢部を軽く圧迫します。

薬液が鼻や喉へ流れるのを抑え、目に薬をとどめやすくするためです。

他の点眼薬と併用する場合は5分以上あける

他の点眼剤を併用する場合は、少なくとも5分以上間隔をあけてください。

続けて点眼すると、後から入れた薬によって先に入れた薬が流されることがあります。

関連記事:複数処方の点眼薬|正しい順番と5分空ける理由

コンタクトをしたまま点眼できる?

ロープレッサにはベンザルコニウム塩化物が含まれています。

ベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着することがあるため、点眼前にソフトコンタクトレンズを外し、点眼後5〜10分あけてから再装用します。

覚え方:他の目薬との間隔は「5分以上」、ソフトコンタクトの再装用は「5〜10分」。似ていますが意味が違います。

血液中にはどのくらい入る?全身への移行

点眼薬でも一部は鼻涙管を通って全身へ移行する可能性があります。

ロープレッサを健康成人12例の両眼に、1回1滴・1日1回、8日間反復点眼した試験では、ネタルスジルと活性代謝物AR-13503の血漿中濃度はいずれも全測定時点で定量下限未満でした。

この結果は全身曝露が非常に低かったことを示しますが、「目薬だから全身のことは何も気にしなくてよい」という意味ではありません。

妊娠中、授乳中、他の病気で治療中の場合は、点眼薬も含めて使用薬として医師・薬剤師へ伝えてください。

また、点眼後に1〜5分閉眼して涙嚢部を圧迫する基本操作は、薬液を目にとどめやすくするうえでも重要です。

ロープレッサの副作用|目の充血が多い

ロープレッサで特に知っておきたい副作用は結膜充血です。

添付文書上、その他の副作用として結膜充血55.9%が記載されています。

国内第III相のリパスジル比較試験でも、ロープレッサ群122例中72例(59.0%)に副作用が認められ、主な副作用は結膜充血54.1%でした。

ラタノプロストへの追加試験でも、副作用は122例中75例(61.5%)、結膜充血53.3%でした。

充血したらすぐ中止?

充血は比較的よくみられますが、すべての充血が「薬のせいだから問題ない」とは限りません。

添付文書では、感染症などによる結膜充血との鑑別にも注意するよう記載されています。

眼痛、目やに、強い違和感、急な視力低下などを伴う場合は、自己判断で放置せず眼科へ相談してください。

渦巻き角膜とは?約2割にみられる副作用

ロープレッサで特徴的な副作用の1つが渦巻き角膜です。

添付文書では21.7%と記載されています。

角膜上皮に渦巻き状の沈着・変化が見られる状態で、必ずしも自覚症状が出るわけではありません。

一方、霧視や視力低下など見え方の異常を伴う場合は受診が必要です。

なぎさ
なぎさ
「渦巻き角膜」って名前だけ聞くとかなり怖いです……。
ゆずまる
ゆずまる
名前だけで慌てなくて大丈夫ですが、かすみ・視力低下などがある場合は別です。定期診察で角膜の状態を確認してもらいましょう。

重大な副作用|角膜上皮浮腫

重大な副作用として角膜上皮浮腫(頻度不明)が記載されています。

角膜実質浮腫がある人や、角膜内皮機能に影響する可能性のある眼科手術歴がある人では、角膜上皮浮腫とそれに伴う視力低下が報告されています。

急にかすむ、見えにくい、視力が落ちた感じがする場合は、次の定期受診まで待たず眼科へ相談してください。

点眼後にかすむ|運転していい?

ロープレッサの点眼後、一時的に霧視が現れることがあります。

そのため、見え方が元に戻るまでは、車の運転や機械操作を避ける必要があります。

特に夜に点眼して、その直後に運転する生活パターンの人は注意してください。

アレルギー性結膜炎・眼瞼炎は長期使用で注意

添付文書では、アレルギー性結膜炎も10%以上の区分に記載されています。

また、長期投与ではアレルギー性結膜炎や眼瞼炎の発現頻度が高くなる傾向が示されています。

使い始めは問題なくても、数週間〜数か月後にかゆみ、まぶたの腫れ、目やに、赤みなどが出た場合は相談が必要です。

特に注意したい人|角膜の病気・眼科手術歴

添付文書では、角膜実質浮腫がある人や、角膜内皮機能に影響する可能性のある手術歴がある人では注意が必要とされています。

これらの患者では、角膜上皮浮腫や、それに伴う視力低下が起こる可能性があります。

白内障手術を含め、これまでに眼科手術を受けている場合は、いつ・どのような手術を受けたかを眼科医へ伝えてください。

急性閉塞隅角緑内障では?

急性閉塞隅角緑内障では、薬物療法だけではなく手術療法などを考慮する必要があります。

強い眼痛、頭痛、吐き気、急な視力低下などがある場合は、通常の定期受診を待つのではなく、早急な眼科受診が必要です。

妊娠中・授乳中・子どもは使える?

妊娠中

妊婦または妊娠している可能性のある人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用します。

授乳中

治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮し、授乳継続または中止を検討します。

小児

小児を対象とした臨床試験は実施されていません。

いずれも自己判断ではなく、眼科医の指示に従って使用してください。

開封前と開封後で保存方法が変わるのがポイント

ロープレッサは、患者さんから「冷蔵庫にずっと入れるの?」「持ち歩いていいの?」と聞かれやすい薬です。

未開封時と開封後で扱いが変わるため、ここは服薬指導で明確に説明しておくと混乱が減ります。

保存方法が重要|未開封は冷蔵・開封後は条件付きで室温OK

ロープレッサは保存方法を間違えやすい薬です。

未開封:2〜8℃で保存、遮光
開封後:添付の遮光用投薬袋に入れ、1か月以内であれば室温保存可能

「冷蔵庫に戻さなければ絶対ダメ」というわけではなく、点眼容器開封後は1か月以内なら遮光して室温保存できると添付文書に明記されています。

ただし、外箱開封後も遮光が必要です。

関連記事:目薬の開封後はいつまで使える?処方薬・市販薬の期限と保存方法

1本2.5mLは何日分?「14日制限」とは別

ロープレッサは1本2.5mLですが、「1本=14日分」という意味ではありません。

1滴の量、片眼か両眼か、点眼時にこぼれる量などによって実際に使用できる日数は変わります。

一方、後述する14日処方制限は、新医薬品に対する保険上の投薬期間制限です。

「ボトルが14日で使えなくなる」「開封14日後に捨てる」という意味ではないため、ここは混同しないようにしましょう。

薬価はいくら?

2026年8月の薬価収載時点で、ロープレッサ点眼液0.02%の薬価は1mLあたり987.80円です。

1本2.5mLなので、薬価換算では1本2,469.5円相当です。

実際の窓口負担は、保険負担割合、処方本数、調剤料などによって異なります。

薬価算定では、グラナテック点眼液が最類似薬とされました。

2027年8月末までは14日処方制限

ロープレッサは新医薬品のため、2027年8月末日までは1回14日分を限度として投薬期間が制限されています。

この「14日」は開封後の使用期限とは別の話です。

薬局実務ポイント:「なぜ2週間分しか出ないの?」と聞かれたら、薬が14日で劣化するのではなく、新薬にかかる保険上の投薬期間制限であることを説明すると分かりやすいです。

グラナテックからロープレッサへ変更されたら?

同じROCK阻害に関係する薬なので、「グラナテックの強い版に変わったの?」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、単純な「上位互換」と考えるのは適切ではありません。

ロープレッサにはNET阻害作用が加わり、用法も1日1回です。国内試験ではリパスジルに対する眼圧下降効果の優越性が示されましたが、個々の患者で副作用や眼圧反応は異なります。

変更後は、充血、かすみ、目の痛み、目やになどの変化を観察しつつ、眼科で実際の眼圧を測定して評価します。

残っているグラナテックを一緒に使っていい?

処方変更後に残薬があっても、自己判断でロープレッサと併用しないでください。

緑内障点眼薬は作用が重なることがあり、処方全体として治療計画が組まれています。残薬の扱いは眼科または薬局へ確認しましょう。

ロープレッサは市販で買える?

ロープレッサは処方箋医薬品です。

ドラッグストアやインターネット通販で一般用医薬品として購入することはできません。

緑内障では眼圧だけでなく、視野検査や眼底・OCTなどによる定期評価が必要です。

ジェネリックはある?

2026年9月時点で、ネタルスジルを有効成分とするロープレッサにジェネリック医薬品はありません。

グラナテックなど他のROCK阻害薬は、作用が近い部分はあってもロープレッサのジェネリックではありません。

使い忘れたときは?

ロープレッサは1日1回の薬です。

使い忘れに気づいた場合の具体的対応は、処方時の指示や気づいた時間によって変わるため、2回分をまとめて点眼することは避け、分からない場合は薬局または眼科へ確認してください。

「昨日忘れたから今日は2回」は自己判断で行わないようにしましょう。

ロープレッサでやりがちなNG

NG1.1日1回を自己判断で2回に増やす

効果を強くしたいからと回数を増やさず、処方どおり1日1回使用します。

NG2.ソフトコンタクトをつけたまま点眼

点眼前に外し、5〜10分あけて再装用します。

NG3.他の目薬をすぐ続けて点眼

少なくとも5分以上あけます。

NG4.充血をすべて「よくある副作用」と決めつける

眼痛、目やに、強い充血が続く場合は感染症などとの鑑別も必要です。

NG5.かすんでいるのに運転する

霧視が回復するまで運転や機械操作は避けます。

NG6.開封後の遮光を忘れる

開封後も添付の遮光用投薬袋に入れて保存します。

NG7.眼圧が下がったから自己判断で中止する

緑内障は慢性的に管理する病気です。中止・変更は眼科医の判断で行います。

受診を急いだ方がよい症状

ロープレッサ使用中に、次のような症状が出た場合は「次の定期受診まで様子見」で済ませず、眼科へ連絡してください。

  • 急に見えにくくなった
  • 霧視が強い、または長く続く
  • 強い眼痛がある
  • 目やにを伴う強い充血
  • まぶたの腫れ・強いかゆみが続く
  • 片眼だけ急に症状が悪化した

結膜充血自体は比較的多い副作用ですが、感染症や角膜障害など別の原因もあり得ます。症状の組み合わせで判断することが重要です。

薬局での服薬指導ポイント

ロープレッサ初回交付時は、次のポイントを短く整理すると伝わりやすくなります。

  1. 1回1滴・1日1回
  2. 他剤で効果不十分または使用困難な場合に使う薬であること
  3. 充血が比較的多いこと
  4. 渦巻き角膜、霧視・視力低下に注意
  5. 霧視中は運転しない
  6. ソフトコンタクトは外し、5〜10分後に再装用
  7. 他の点眼薬とは5分以上あける
  8. 点眼後は1〜5分閉眼し涙嚢部を圧迫
  9. 未開封は2〜8℃・遮光
  10. 開封後は遮光袋に入れ、1か月以内なら室温保存可
  11. 2027年8月末までは14日処方制限

特に、「1日1回」「目が赤くなりやすい」「かすむときは運転しない」「冷蔵保存と開封後の扱い」の4点は、患者さんの生活に直接影響するため優先して説明したいポイントです。

患者さんへの説明例|薬局ではどう伝える?

初回交付時の説明例

「この目薬は眼圧を下げる緑内障のお薬で、1日1回使います。目が赤くなることが比較的多い薬です。点眼後にかすむ場合があるので、見え方が戻るまでは運転しないでください。ソフトコンタクトは外して点眼して、5〜10分たってからつけ直してください。未開封は冷蔵保存ですが、開封後は遮光袋に入れて1か月以内なら室温で保管できます。」

すべてを一度に詰め込むと覚えにくいため、初回は「1日1回」「充血」「かすみと運転」「コンタクト」「保存」の5点を優先し、必要に応じて追加説明すると実践的です。

よくある質問

Q1.ロープレッサは何の薬?

他の緑内障治療薬で効果不十分、または使用できない場合の緑内障・高眼圧症に使う眼圧下降薬です。

Q2.1日何回?

通常は1回1滴、1日1回です。

Q3.グラナテックとの一番大きな違いは?

ロープレッサはROCK阻害に加えてNET阻害作用も持ち、用法は1日1回です。グラナテックはROCK阻害薬で通常1日2回です。

Q4.グラナテックより効く?

国内第III相直接比較試験では、4週後の平均日中眼圧でロープレッサのリパスジルに対する統計学的優越性が確認されています。ただし、個々の患者で必ず同じ差になるわけではありません。

Q5.目が赤くなる?

結膜充血は添付文書上55.9%と比較的多い副作用です。眼痛・目やに・強い充血が続く場合は受診してください。

Q6.渦巻き角膜って何?

角膜に渦巻き状の変化がみられる副作用で、添付文書では21.7%です。霧視や視力低下がある場合は眼科へ相談します。

Q7.コンタクトをしたまま使える?

ソフトコンタクトは外して点眼し、5〜10分あけてから再装用します。

Q8.他の目薬とは何分あける?

少なくとも5分以上あけます。

Q9.冷蔵庫に入れる?

未開封は2〜8℃で遮光保存です。開封後は添付の遮光用投薬袋に入れ、1か月以内であれば室温保存できます。

Q10.薬価はいくら?

1mLあたり987.80円です。1本2.5mLなので薬価換算では2,469.5円相当です。

Q11.なぜ14日分しか処方されない?

新医薬品の保険上の投薬期間制限によるもので、2027年8月末までは1回14日分が限度です。

ロープレッサ点眼液の特徴、副作用、使い方、コンタクト、保存方法、14日処方制限をまとめた漫画

まとめ|ロープレッサはROCK+NET阻害で1日1回の新しい緑内障点眼薬

  • ロープレッサ点眼液0.02%の成分はネタルスジル
  • 他剤で効果不十分または使用できない緑内障・高眼圧症に使用
  • ROCK阻害で房水流出を促進
  • NET阻害で房水産生を抑制
  • 1回1滴・1日1回
  • 国内第III相試験でリパスジルに対する優越性を確認
  • 結膜充血55.9%、渦巻き角膜21.7%に注意
  • 霧視・視力低下がある場合は受診
  • ソフトコンタクトは外し、5〜10分後に再装用
  • 未開封は2〜8℃・遮光、開封後は遮光袋で1か月以内なら室温保存可
  • 2027年8月末までは1回14日分まで

ゆずまるのまとめ

ロープレッサは「グラナテックと同じROCK阻害薬」とだけ覚えるより、ROCK+NETの2つの作用・1日1回・充血・渦巻き角膜・保存方法をセットで押さえると実務で使いやすくなります。新薬なので、2027年8月末までの14日処方制限も忘れず確認しましょう。

参考にした主な情報

※この記事は2026年9月時点の添付文書・公的資料をもとに作成しています。実際の使用方法は、処方した医師・薬剤師の指示を優先してください。

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