関節リウマチの処方監査では、ケアラム錠25mg(一般名:イグラチモド)の増量スケジュール、肝機能・血算の検査履歴、そしてワルファリンとの併用禁忌が重要です。特に循環器科の処方を他院で受けている患者では、薬歴上の漏れが重大なリスクにつながることがあります。
今回は薬剤師・薬学生向けに、PMDA公開のケアラム電子添文(2022年8月改訂版)と製造販売元エーザイの医療関係者向けQ&Aを根拠として、「なぜ禁忌?」「INRだけ確認すればよい?」「何週間後に増量する?」「メトトレキサートと併用できる?」「検査はいつ必要?」を体系的に整理します。[1] PMDA電子添文 [2] エーザイ相互作用Q&A
先に結論:ケアラムとワルファリンは併用禁忌です。INRをこまめに測れば併用可能という意味ではなく、添付文書ではワルファリンの治療を優先し、ケアラムを投与しないと明記されています。



- この記事でわかること|処方監査の重要ポイント
- 1.ケアラム(イグラチモド)とは?適応と作用機序
- 2.用法・用量|開始4週間は朝食後25mg、増量後は朝夕25mg
- 3.なぜワルファリンとの併用が禁忌なのか?
- 4.ワルファリン以外の相互作用|NSAIDs・シメチジン・フェノバルビタール
- 5.投与前・投与中の検査|最初の2か月は2週に1回など
- 6.肝障害と消化性潰瘍|なぜ「禁忌」と「要注意」を分ける?
- 7.メトトレキサート(MTX)とケアラムは併用できる?
- 8.重大な副作用と患者への確認質問
- 9.疑義照会5症例|薬局で迷いやすい場面
- 10.疑義照会の伝え方と薬歴記載テンプレート
- 11.服薬指導|患者さんにはどう説明する?
- 12.禁忌・注意・通常使用をどう見分ける?監査の判断表
- 13.よくある質問FAQ|現場での疑問に回答
- 14.まとめ|「併用禁忌」「4週間」「最初の2か月の検査」を押さえる
- 関連記事|関節リウマチの処方監査を深める
- 参考資料・一次情報
この記事でわかること|処方監査の重要ポイント
- ケアラム(イグラチモド)25mgの効能・用法・増量タイミング
- ワルファリンとの併用禁忌の根拠と疑義照会例
- 投与前検査と、開始後2か月は2週に1回などの検査スケジュール
- メトトレキサート(MTX)併用時の「8mg/週超」の注意を正しく解釈
- 低体重・腎機能低下・肝機能障害・消化性潰瘍・妊娠の患者背景
- 肝障害、血液障害、間質性肺炎、感染症等の早期発見と服薬指導

※図は添付文書の監査ポイントを要約したものです。禁忌・投与量・検査計画は最新の製品情報と患者背景で確認してください。
1.ケアラム(イグラチモド)とは?適応と作用機序
ケアラム錠25mgは、関節リウマチを効能・効果とする従来型合成抗リウマチ薬(csDMARD)の一つです。いわゆる鎮痛薬のように痛い時だけ服用する薬ではなく、リウマチの炎症や疾患活動性に対して一定期間継続して評価する薬剤です。[1] 電子添文4・18項
薬効薬理には炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α等)の産生抑制やB細胞の免疫グロブリン産生抑制等が記載されています。また、COX-2への作用等も報告されており、NSAIDsとの併用で胃腸障害の増加が観察されている点は実務上重要です。
メトトレキサート(MTX)とは作用機序も用法も異なり、同一薬剤として置き換えることはできません。ケアラムの作用機序とリウマチ治療全体の位置付けは、既存のケアラムの作用機序と治療上の位置付けで詳しく解説しています。
リウマチ治療薬だから、すぐに痛みが消えるとは限らない
電子添文7.3は「効果は通常、投与開始後16週までに発現するので、16週までは継続投与し、効果を確認することが望ましい」としています。これは「16週間絶対に効果が出ない」という意味でも、「どのような副作用があっても必ず継続する」という意味でもありません。効果判定には、関節症状、腫脹、朝のこわばり、炎症反応等、診療上の情報が必要です。
2.用法・用量|開始4週間は朝食後25mg、増量後は朝夕25mg
ケアラム錠は1錠25mg。通常、成人には1回25mgを1日1回朝食後に4週間以上投与し、その後、1回25mgを1日2回(朝食後、夕食後)に増量します。1日50mgを超えて投与しないとされています。[1] 6・7項
| 投与段階 | 通常の処方イメージ | 1日量 | 監査の着眼点 |
|---|---|---|---|
| 開始後4週間以上 | 25mg錠 1回1錠、1日1回朝食後 | 25mg | 初回から50mg/日になっていないか |
| 4週間経過後の増量 | 25mg錠 1回1錠、1日2回朝夕食後 | 50mg | 増量日・直近の検査値・症状を確認 |
| 上限超の例 | 25mg錠 1回2錠、1日2回 | 100mg | 添付文書の上限を超えるため確認が必要 |
7.1には、初回から50mg/日で開始すると25mg/日開始時よりAST・ALT増加が多かったとあります。したがって「25mgで効果が不十分だから3日後に50mg」という安易な増量を標準用法としません。
「4週間たてば必ず増量する」ではない
患者の症状と検査値を踏まえて増量が検討されます。増量前の肝機能異常、血球減少、消化器症状等がある場合には、処方意図を確認する必要があります。服用開始日が不明な継続処方では、前回薬歴・持参薬・病院の診療情報等から投与歴を確認しましょう。


3.なぜワルファリンとの併用が禁忌なのか?
ケアラム電子添文2.5および10.1は、ワルファリン服用中の患者を禁忌としています。製造販売後に、ワルファリン作用の増強、PT-INRの異常上昇、重篤な出血、さらに死亡に至った症例が報告されており、相互作用の機序は不明と記載されています。[1] 2.5・10.1項 [2] エーザイQ&A
この相互作用で大切なのは、「INRを頻回に測れば併用してよい」という添付文書の解釈にはならない点です。10.1では、患者がワルファリン治療を必要とする場合には、ワルファリンの治療を優先し、ケアラムを投与しないと説明されています。
| 薬剤名・組み合わせ | ケアラムとの扱い | 薬局での対応 |
|---|---|---|
| ワルファリン(ワーファリン、後発品等) | 併用禁忌 | 調剤前に使用実態を確認して処方医へ照会 |
| DOAC(アピキサバン等) | 電子添文10.1にワルファリンと同じ併用禁忌としての記載はない | 出血リスクや併用薬は個別に評価。無条件に安全とはしない |
| 抗血小板薬(アスピリン等) | 薬剤・処方目的により評価が必要 | 消化管出血等のリスク、既往、症状を確認 |
ワルファリンは別の病院から処方されていることも
関節リウマチは整形外科・リウマチ科、ワルファリンは循環器科というように、受診科が異なることがあります。お薬手帳の更新漏れ、残薬、入院後の再開、在宅訪問での薬袋の相違などに注意してください。薬剤師が独断でワルファリンを中止させるのではなく、処方医間の確認と治療方針の調整につなげます。
「ケアラム錠25mgの新規処方を確認しております。患者さんは他院よりワルファリンを継続中で、ケアラムの電子添文2.5・10.1では併用禁忌とされています。ワルファリン治療を優先する旨の記載もあるため、今回の抗リウマチ薬についてご確認をお願いします。」
4.ワルファリン以外の相互作用|NSAIDs・シメチジン・フェノバルビタール
電子添文10.2には、NSAIDs、シメチジン、フェノバルビタールが併用注意として記載されています。ワルファリンの併用禁忌と同じカテゴリに入れてしまわないことが重要です。[1] 10項
| 相手薬 | 電子添文上の扱い | 主な理由と確認事項 |
|---|---|---|
| 非ステロイド性消炎鎮痛薬(ナプロキセン等) | 併用注意 | 消化性潰瘍を含む胃腸障害の発現率が増える。胃痛・黒色便・既往を確認 |
| シメチジン | 併用注意 | ケアラムの血漿中濃度上昇・副作用増加のおそれ |
| フェノバルビタール | 併用注意 | ケアラムの血漿中濃度が低下するおそれ |
| ワルファリン | 併用禁忌 | PT-INR増加、重篤な出血例。原則併用しない |
例えば、ケアラム服用中の患者がOTCロキソプロフェンを連用していれば、NSAIDs併用による消化器リスク、患者の症状、服用日数を確認します。特に消化性潰瘍がある患者は、ケアラム自体の禁忌にも該当します。
NSAIDsや胃薬については、薬剤性腎障害のリスクの記事とも併せて確認してください。処方薬以外の市販薬や他院処方の共有が安全対策につながります。
5.投与前・投与中の検査|最初の2か月は2週に1回など
ケアラムでは、肝機能に加え、血算や腎機能等の検査も重要です。電子添文8.1・8.2は、投与前の検査を求めたうえで、投与開始後最初の2か月は2週に1回、以降は1か月に1回など、定期的な検査を行うことと記載しています。[1] 8.1・8.2項 [3] エーザイ検査Q&A
| タイミング | 肝機能 | 血液・腎機能 | 薬剤師が確認すること |
|---|---|---|---|
| 投与前 | AST・ALTなど | 血算・血小板・腎機能等 | 直近の検査情報と異常の有無 |
| 開始後最初の2か月 | 2週に1回など | 2週に1回など | 処方継続・増量の前に検査予定や結果を確認 |
| 以降 | 1か月に1回など | 1か月に1回など | 症状・検査推移・併用薬変更を確認 |
監査で「検査結果が確認できない」はどう扱う?
薬局が院内システムの検査値を閲覧できない場合もあります。しかし、検査結果が見えないことと、検査自体が行われていないことは別です。患者への聞き取り、検査票、医師・病院薬剤師への情報提供依頼等を通して状況を確認します。
検査予定が不明なまま初回増量を迎えた場合は、必要に応じて疑義照会・情報提供で確認します。「肝機能だけ測っていればよい」ではなく、血球と腎機能も確認することが大切です。
AST・ALTが上昇していたら?
11.1.1では、肝機能異常を認めた場合は投与継続を検討し、特に目安としてASTまたはALTが100 IU以上に増加した場合には投与を中止する旨が記載されています。これは薬剤師が検査値だけを見て独断で処方内容を書き換える基準ではなく、医師へ速やかに共有して判断を促すための重要な安全情報です。
6.肝障害と消化性潰瘍|なぜ「禁忌」と「要注意」を分ける?
禁忌欄の2.2は重篤な肝障害、2.3は消化性潰瘍のある患者です。また、過去の肝障害・消化性潰瘍は電子添文9.1、9.3で個別に注意する背景とされています。「既往歴=必ず禁忌」と機械的に扱うのではなく、現在の病状と添付文書の記載を確認します。
低体重(40kg未満)の患者への注意
ケアラムの電子添文9.1.2では、40kg未満の低体重患者で副作用の発現率が高かったとされます。また、MTX併用試験では低体重患者での使用経験がなく、安全性が検討されていません。高齢・低体重の患者では、体重、腎機能、処方量、肝機能・血算の検査結果を多面的に確認します。
消化器症状を「いつもの胃痛」で済ませない
消化性潰瘍のある患者への投与は禁忌です。投与中に持続する胃痛、吐血、黒色便等の症状が現れたときは、速やかな医療評価が必要です。NSAIDsが追加されている場合は、重複や胃腸障害のリスクを見直します。
妊娠・授乳・小児について
妊婦または妊娠している可能性のある女性は禁忌です。授乳婦については治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して授乳の継続または中止を検討します。小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。薬剤師が独自に安全を保証せず、個別の処方判断につなげます。
7.メトトレキサート(MTX)とケアラムは併用できる?
関節リウマチの診療では、MTXが中心的な治療薬として使われ、ケアラムを組み合わせることもあります。電子添文7.4は、MTXの投与量が8mg/週を超える場合、またはMTX以外の抗リウマチ薬と併用する場合、有効性・安全性が確立していないため特に注意すると記載しています。[1] 7.4項
| 状況 | 監査での解釈 | 行動例 |
|---|---|---|
| MTX 6mg/週+ケアラム | 8mg/週を超える条件には当たらない | 肝・血液・腎機能、患者背景は通常どおり確認 |
| MTX 8mg/週+ケアラム | 「8mg/週を超える」には該当しない | 検査値と副作用徴候を確認 |
| MTX 10mg/週+ケアラム | 7.4の特に注意する条件に該当 | 医師の併用意図、検査計画、治療反応を確認 |
| MTX以外の抗リウマチ薬+ケアラム | 組み合わせごとの確立した情報に注意 | 薬剤名・治療目的・専門医管理を確認 |
重要:8mg/週を超えるMTXとの併用を、添付文書2項・10.1項の「併用禁忌」と同一視しないでください。逆に、禁忌ではないからといって安全性が十分確認済みとも言えません。病院の治療方針と検査計画を確認することが大切です。
MTXは毎日服用する薬ではなく、週単位の服用管理が必要な薬です。ケアラムは毎日の内服です。患者が両者の服用スケジュールを取り違えていないかも確認しましょう。関連記事:リウマトレックスの作用と休薬理由


8.重大な副作用と患者への確認質問
電子添文11.1に示される主な重大な副作用には、肝機能障害・黄疸、汎血球減少症、無顆粒球症、白血球減少、消化性潰瘍、間質性肺炎、感染症などがあります。薬局で早期に拾い上げたい症状と組み合わせて整理します。
| 懸念する副作用 | 患者への確認例 | 確認後の対応 |
|---|---|---|
| 肝機能障害・黄疸 | 「普段と違うだるさ、食欲低下、目や皮膚の黄ばみは?」 | 検査歴と症状を確認し、疑いがあれば速やかに医師へ連絡 |
| 血球減少・骨髄抑制 | 「出血しやすい、青あざ、発熱、口内炎は?」 | 血算・感染兆候・重症度を評価 |
| 消化性潰瘍 | 「強い胃痛、黒色便、吐血は?」 | 緊急性を評価し、必要なら早急に受診 |
| 間質性肺炎 | 「新しい乾いた咳、息切れ、発熱は?」 | 薬剤性肺障害や感染症等を鑑別する医療評価につなぐ |
| 感染症 | 「原因がはっきりしない熱が続いていませんか?」 | 免疫抑制状態と併用薬を確認 |
薬剤性間質性肺炎は一般的な風邪や感染症とも症状が重なるため、自己診断で決めつけず、症状・経過・併用薬を医師に伝えて評価につなげます。関連:薬剤性間質性肺炎の原因薬と初期症状
また「重大な副作用=多くの患者に必ず起こる」ではありません。頻度、観察計画、早期発見のための問診と検査をバランスよく説明することが重要です。
9.疑義照会5症例|薬局で迷いやすい場面
症例1:循環器科のワルファリンが薬歴に残っていた
架空症例:70代の関節リウマチ患者。整形外科よりケアラム25mgが初回処方。以前の薬歴にはワルファリンが記載されているが、現在も飲んでいるか不明。
対応:まず最終服用・現在の内服状況を確認。継続が判明すれば併用禁忌として処方医へ照会。中止していた場合も、いつ・誰の指示で中止したかを確認し、記録します。
症例2:初回からケアラム25mgを朝夕2錠/日
架空症例:50代、今回が初めてケアラム処方。1日2回朝夕食後25mgずつ、30日分。
対応:電子添文では最初の4週間は25mg/日。初回処方であることを確認し、増量計画・肝機能検査予定を医師に照会します。「通常量だから可」と判断しません。
症例3:ケアラム開始後、2か月間採血なし
架空症例:患者申告で「飲み始めて6週間だけど採血はしていない」とのこと。
対応:まず実際の採血の有無を病院情報で確認。8.1・8.2に基づく検査計画の確認が必要です。自己判断で治療を中断するよう一律に告げず、情報を整理して医師へ共有します。
症例4:MTX12mg/週とケアラムが併用
架空症例:リウマトレックス12mg/週とケアラムを専門外来で併用中。
対応:添付文書7.4で特に注意する条件に当たります。自動的な「併用禁忌」ではありません。肝機能・血算・腎機能の検査、治療反応、副作用、処方医の意図を確認し、必要に応じて問い合わせます。
症例5:低体重の高齢者、食欲低下と口内炎
架空症例:体重38kg、ケアラム継続中。数日前から食欲低下・口内炎が続いている。
対応:低体重での有害事象リスク、血液障害、感染や消化器症状等を意識します。症状の程度と緊急性を確認し、検査・受診につなげます。
10.疑義照会の伝え方と薬歴記載テンプレート
「ケアラム錠25mgについて確認です。他院のワルファリンが現在も継続されており、PMDA電子添文2.5・10.1に併用禁忌とあります。患者さんの抗凝固療法継続が必要と伺っているため、ケアラムの処方方針についてご確認いただけますでしょうか。」
「ケアラムの初回処方を確認しております。電子添文7.1では投与開始後4週間は25mg/日とされますが、今回50mg/日の指示です。服用開始時期と用量をご確認いただけますか。」
「ケアラム開始後の肝機能・血算・腎機能検査について確認させてください。当薬局では最近の検査結果が確認できておらず、電子添文8.1・8.2の定期検査スケジュールを踏まえてお伺いしています。」
薬歴は「確認した内容」を残す
- 処方目的(関節リウマチ)、開始日、投与週数・1日量
- ワルファリンの有無と確認した医療機関・現在の服用実態
- MTX投与量(週量mg)と他の抗リウマチ薬の有無
- 肝機能・血算・腎機能の検査値と測定日、次回検査予定
- 消化器症状、発熱、咳、息切れ、易出血性の有無
- 照会した内容、医師の回答、実際の処方変更と患者説明
「併用薬なし」だけで終わらせず、処方薬・市販薬・他院処方の確認方法も含めて薬歴を残すことで、次回の確認負担を減らせます。
11.服薬指導|患者さんにはどう説明する?
ケアラムは痛み止めの頓服ではなく、関節リウマチに対する疾患修飾薬です。患者説明は「何のために飲むか」「飲み方」「検査」「相談すべき症状」をセットにすると理解しやすくなります。
初回服薬指導の例
「関節リウマチの炎症をおさえるためのお薬です。はじめの4週間は朝食後に1錠、医師の指示でその後に朝夕2回へ増えることがあります。効果の確認には時間がかかるので、自己判断で量を増減せず、定期的に血液検査を受けてください。」
相互作用の説明例
「血液を固まりにくくするワルファリンというお薬とは、一緒に使ってはいけない組み合わせです。別の病院や以前にもらったお薬、市販薬を含めて使っているものを教えてください。」
副作用確認の説明例
「強い胃痛・黒い便、いつもと違う発熱や口内炎、空せき・息苦しさ、皮膚や白目が黄色いなどの症状があれば、早めに医療機関へ連絡してください。息苦しさや大量出血など急を要する症状では速やかな救急受診が必要です。」
飲み忘れたら2回分まとめて飲む?
患者向医薬品ガイドには、飲み忘れた分を飛ばして次の時間に1回分服用し、2回分を一度に飲まないよう記載されています。実際の飲み忘れ対応は処方指示や本人の状況に従い、不安があれば薬剤師へ相談してもらいます。
12.禁忌・注意・通常使用をどう見分ける?監査の判断表
| 状況 | 位置付け | 薬剤師の確認 |
|---|---|---|
| ワルファリンの継続内服 | 併用禁忌 | 投与しないという電子添文の規定を踏まえ照会 |
| 妊婦・妊娠可能性あり | 禁忌 | 処方前に確認 |
| 重篤な肝障害・消化性潰瘍あり | 禁忌 | 病態・診療情報を確認して照会 |
| MTX 10mg/週との併用 | 7.4:特に注意 | 併用意図と検査を確認。ワルファリンとは区別 |
| NSAIDsとの併用 | 併用注意 | 胃腸障害・重複状況を確認 |
| 低体重40kg未満、腎障害あり | 患者背景として注意 | 副作用兆候と検査値に注意 |
| 開始4週間以内の50mg/日 | 通常用法との不一致 | 服用開始日・処方意図を確認 |
| 開始後1か月で検査歴不明 | 検査計画を確認 | 実際の検査実施状況を照会 |
判断表は電子添文の条文を薬局実務に読み替えた整理であり、患者固有の用量調整や処方変更を薬剤師が独断で確定するためのものではありません。
13.よくある質問FAQ|現場での疑問に回答
Q1.ケアラムとワルファリンはINRを頻回に測れば併用できますか?
いいえ。電子添文上の併用禁忌です。INR管理を行えば併用が認められるとの規定はありません。ワルファリン治療を必要とする場合は、ワルファリンを優先しケアラムを投与しないと記載されています。
Q2.ケアラムとDOACも併用禁忌ですか?
電子添文10.1で明記されている併用禁忌はワルファリンです。ただし、他の抗凝固薬との併用を自動的に安全と断定せず、出血リスク・患者背景・各剤の添付文書を確認します。
Q3.初回処方から朝夕2回で飲んでもよい?
標準用法は開始後4週間以上25mg/日、その後25mgを朝夕に増量です。開始時から50mg/日であれば処方歴を確認し、必要に応じて照会します。
Q4.ケアラムは週1回服用ですか?
いいえ。ケアラムは毎日服用する薬です。MTXなどの週単位用法と混同しないよう、薬袋・服薬カレンダーの説明を確認します。
Q5.ケアラムとMTXは併用禁忌?
一律の併用禁忌ではありません。ただしMTX8mg/週超との併用や他の抗リウマチ薬との併用時は、電子添文7.4に「有効性・安全性が確立していないため特に注意」の記載があります。
Q6.肝機能だけ確認すれば大丈夫?
いいえ。血算や腎機能等の投与前・定期検査も必要です。開始後2か月は2週に1回、以降は1か月に1回などの頻度が示されています。
Q7.4週間経過したら必ず50mg/日に増量する?
医師が患者の症状と検査値を確認して判断します。肝障害や血球減少などが疑われる場合には安全性評価が優先です。
Q8.いつ効き始めますか?
電子添文7.3では、効果は通常16週までに発現し、16週まで継続投与して効果確認することが望ましいとされています。効果の実感と疾患活動性の評価は必ずしも同じではありません。
Q9.ASTやALTが100IU以上ならどうする?
電子添文11.1.1では特に目安として100IU以上への増加で投与を中止するよう記載されています。薬局で検査値に気づいた場合は速やかに処方医へ連絡し、個別の医療判断につなげます。
Q10.風邪や発熱でケアラムは自己判断で休む?
発熱・空咳・息切れ等は間質性肺炎や感染症などの兆候にもなり得ます。重症度と経過を確認し、自己判断の再開や漫然継続を避けて処方医に相談するよう説明します。
Q11.体重38kgでもケアラムは使える?
40kg未満の患者で副作用発現率が高かったという情報があり、十分な観察が必要です。40kg未満が一律に禁忌とは書かれていません。検査と症状を重視します。
Q12.飲み忘れたら2錠まとめて飲む?
いいえ。2回分の一度の服用は避けます。患者向医薬品ガイドでは忘れた分を飛ばして次回に1回分服用するよう案内されています。
14.まとめ|「併用禁忌」「4週間」「最初の2か月の検査」を押さえる
ケアラム錠25mgの処方監査では、単に「関節リウマチの薬」と認識するだけでなく、併用禁忌の見落とし防止・段階的な増量・定期検査をひとまとまりで確認することが重要です。
- ワルファリン:併用禁忌。重篤な出血例が報告され、必要ならワルファリン治療を優先。
- 用法:最初の4週間以上は25mg/日、増量後も50mg/日を超えない。
- 検査:肝機能・血液・腎機能を投与前に確認。最初の2か月は2週に1回、以降1か月に1回など。
- MTX:8mg/週を超える併用では特に注意。ただし併用禁忌とは異なる。
- 副作用:黄疸、血球減少、潰瘍、間質性肺炎、感染症などの兆候を患者に説明。



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- 関節リウマチとは?病態・症状・治療の基礎
- 薬剤性間質性肺炎|原因薬と早期徴候
- 薬剤性腎障害|原因薬とリスク因子
参考資料・一次情報
- [1] PMDA:ケアラム錠25mg 電子添文(2022年8月改訂・第1版)
- [2] PMDA:ケアラム錠25mg 製品情報・インタビューフォームへの入口
- [3] エーザイ:ケアラムの相互作用(併用禁忌)Q&A
- [4] エーザイ:ケアラムの定期検査に関するQ&A
※本記事は2026年10月時点で公開されている国内一次資料をもとに作成した教育記事です。最新の改訂情報はPMDAを確認し、患者ごとの投与可否・増量・休薬等の判断は医師の指示、検査結果、患者背景を踏まえて行ってください。本文中の症例は架空の教育用例です。



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