※本記事は2026年10月1日時点の厚生労働省の正式資料をもとに更新しています。OTC類似薬の一部保険外療養は、健康保険法等の改正、施行期日政令、療担規則・薬担規則の改正省令、関係告示・通知が公表され、2027年3月1日施行が正式に決まりました。対象医薬品リストや対象外となる効能・効果、妊婦・授乳婦の対象外リストも厚生労働省から公表されています。
この記事の結論
- OTC類似薬の新制度は2027年3月1日から開始します。
- 対象となる医療用医薬品には、原則として薬剤費の4分の1に相当する「別途の負担」が加わります。
- 「保険から完全に外れる」のではなく、薬剤費の一部を保険給付外とする一部保険外療養という仕組みです。
- 施行時点の対象は77成分・1042品目。ロキソプロフェン、フェキソフェナジン、ヘパリン類似物質、ラメルテオンなど身近な成分も含まれます。
- こども、生活保護の医療扶助、がん・指定難病等に関連する治療、国の公費負担医療、入院・退院時処方、一定の長期使用などは、要件を満たす場合別途負担の対象外です。
- 薬局では「対象薬か」だけで判断せず、処方箋上の対象・対象外情報、年齢・医療扶助等を確認し、患者へ料金を説明する実務が想定されています。

「OTC類似薬が保険から外れるらしい」「ロキソニンやアレグラが急に全額自己負担になるの?」という話を見かけて、不安になった方もいるかもしれません。
2026年8月以降、厚生労働省ではOTC類似薬の保険給付見直しについて制度設計が具体化し、9月30日までに施行期日政令、省令、告示、関係通知、対象医薬品リスト等が公表されました。処方箋様式の「一部保険外療養」欄も正式化され、2027年3月1日の施行に向けて薬局実務の準備段階に入っています。

「OTC類似薬は保険外し」って聞いたんですが、2027年3月から薬代が全部自費になるんですか?

そこが一番誤解しやすいところ。確定した制度は「全額自費」ではなく、対象薬の薬剤費の一部を保険給付外にして、別途「特別の料金」を支払う仕組みだよ。
- OTC類似薬の「特別の料金」とは?
- いつから始まる?2027年3月1日から施行
- 処方箋に「一部保険外療養」欄が追加|様式改正が正式化
- 実際いくら増える?厚労省が3割負担の例を提示
- 2026年10月時点で薬局が優先して準備したい5つ
- 対象は77成分|どんな薬が含まれる?
- 特別の料金がかからない可能性がある人・療養
- 院外処方では薬局は何をする?実務フローを超初心者向けに整理
- 長期収載品の選定療養と二重に払う?
- 具体例で理解|この患者さんはどうなる?
- 患者さんへの説明例
- 薬局が2027年3月までに準備したいこと
- よくある間違い5つ
- 既存の「OTC類似薬追加負担」記事との違い
- FAQ|OTC類似薬の特別の料金
- まとめ|「保険外し」ではなく、対象・対象外を見分ける制度へ
- 参考文献・一次情報
OTC類似薬の「特別の料金」とは?
まず押さえたいのは、今回の見直しが単純な「保険適用除外」ではないことです。2026年6月5日に公布された健康保険法等の一部を改正する法律では、要指導医薬品・一般用医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養などについて、費用の一部を保険給付の対象としない一部保険外療養が創設されました。
つまり、診察・調剤そのものがすべて自費になる制度ではありません。対象となる医療用医薬品を保険診療の中で使用しつつ、その薬剤費の一部について患者が通常の一部負担とは別に支払う構造です。
特別の料金は「薬剤料の4分の1」が基本
正式な制度では、対象となる場合の別途負担は対象薬剤の薬剤費の4分の1です。通常の保険診療の一部負担とは別枠で支払います。
ここで重要なのは、「窓口で今まで払っていた3割に25%を足す」という単純な意味ではないことです。通常の定率負担と、保険給付外となる特別の料金は別枠で計算されます。また、実際の負担額は薬価や消費税などによって異なる場合があります。
| 項目 | 見直し前 | 見直し後の考え方 |
|---|---|---|
| 診察・調剤の技術料 | 通常の保険診療 | 基本的に通常の保険診療 |
| 対象薬の薬剤費 | 通常の定率負担 | 通常の負担+薬剤料の4分の1の特別料金 |
| 制度の位置づけ | 療養の給付 | 一部保険外療養 |
| 対象外措置 | なし | こども・生活保護・一定の疾病や長期使用等を検討 |
なぜ4分の1なのか。厚労省資料では、医療用医薬品の処方を保険で受ける人と、OTC医薬品を自費で購入する人との公平性、保険料負担の抑制を制度目的として示しています。一方で、患者負担が急激に増えすぎないようにする必要もあるため、薬剤費全額を保険外にするのではなく、一部を別途負担とする設計になっています。
いつから始まる?2027年3月1日から施行
厚生労働省は、OTC類似薬の一部保険外療養を2027年3月1日から施行すると正式に定めました。2026年9月30日時点で、施行期日政令、省令、告示、制度詳細の通知、請求・明細書・費用計算に関する資料まで公表されています。
現在は「制度案を追う段階」から、正式ルールをもとに現場準備を進める段階へ移っています。対象医薬品リスト、対象外となる効能・効果や傷病名、妊婦・授乳婦の対象外リストも公開されています。今後は厚労省Q&Aや広報資材、レセコン・電子処方箋の実装情報を随時確認することが重要です。
処方箋に「一部保険外療養」欄が追加|様式改正が正式化
薬局にとって今回の最新情報で最も重要なのが、処方箋様式の変更です。改正後の処方箋には「一部保険外療養」欄が追加されます。2027年3月以降に対象医薬品を処方する場合、別途負担の対象であれば「○」、対象外であれば「-」を記載する取扱いが正式化されました。なお、処方箋様式には当面の間、旧様式を使用できる経過措置も設けられます。
この仕組みが重要なのは、対象外となる理由の中には「がん治療との関連」「指定難病」「年間を通じた長期使用が医療上必要か」など、薬局の窓口だけでは判断しにくいものが含まれるためです。厚労省は、がん・指定難病・長期使用など医学的判断が必要な項目について、電子カルテやレセコンが自動で最終判定するのではなく、必要な情報や選択肢を示したうえで医師が最終判断することを基本としています。
電子カルテ・レセコンでは何が変わる?
厚労省は制度開始までに、対象医薬品の薬剤コード、医療用医薬品とOTC医薬品で効能・効果が対応しない傷病名の一覧、レセプトに記載する「別途負担を求めない理由」の標準例などを公表する方針を示しています。これをもとに、ベンダー各社が対象薬を処方した際に注意表示を出したり、対象外理由を選択したりできる仕組みを構築する想定です。
紙カルテを使用する医療機関向けには、対象成分か、OTCで対応できる効能か、患者・療養が対象外要件に該当するかを順番に確認できる簡易チェックシートを厚労省が作成する案も示されています。薬局向けにも全国共通のQ&A、具体例、処方箋・レセプト記載方法、患者説明用資料を順次公表する方針です。
実際いくら増える?厚労省が3割負担の例を提示
「4分の1の特別料金」と聞いても、実際の窓口負担がどのくらい変わるのか分かりにくいですよね。9月9日の中医協資料では、自己負担3割の患者を想定した薬剤料のみの試算例が示されています。
| 例 | 見直し前 | 見直し後 | 参考:OTC価格 |
|---|---|---|---|
| 解熱鎮痛薬 5日分 | 50円 | 70円 | 約500円 |
| 去痰薬 5日分 | 50円 | 70円 | 約1,500円 |
| 便秘薬 30日分 | 360円 | 550円 | 約2,000円 |
| 抗アレルギー薬 30日分 | 540円 | 790円 | 約1,000円 |
たとえば抗アレルギー薬30日分では、厚生労働省の最終資料の例で薬剤料の患者負担が540円から790円へ増えるイメージです。ただし、これは特定の医薬品を使った薬剤料だけの試算です。実際の窓口では初診料・再診料、調剤基本料、薬学管理料などの技術料が加わり、薬価や処方日数によっても金額は変わります。
さらに、特別の料金は保険給付外の負担であり、消費税の課税対象になる点にも注意が必要です。「薬剤費の25%をそのまま足せば終わり」と単純計算しない方が安全です。施行時にはレセコンでの自動計算が前提になると考えられますが、薬剤師も患者から質問されたときに仕組みを説明できるようにしておきましょう。
「3割+25%=55%負担」ではない
この制度を説明するときによく起こる誤解が、「3割負担の人は25%追加されて55%になるの?」というものです。そうではありません。対象薬剤について、薬剤費の一部を保険給付の対象から外し、その部分を「特別の料金」として別途支払う構造です。通常の定率負担と特別の料金では計算の土台が異なるため、単純な足し算ではありません。
「保険が全部使えなくなるわけではありません。対象のお薬では、今までの保険の自己負担とは別に、薬剤費の一部を『特別の料金』としてご負担いただく仕組みです。」
2026年10月時点で薬局が優先して準備したい5つ
- 「保険適用外になる」という誤説明をやめる
制度は一部保険外療養です。全額自費化ではありません。 - 処方箋の新しい「一部保険外療養」欄を理解する
正式な取扱いでは「○」が別途負担の対象、「-」が対象外です。 - 患者説明文を短く統一する
窓口で説明が人によって変わるとトラブルにつながります。30秒程度の共通説明を作っておくと安心です。 - レセコンベンダーからの案内を確認する
対象薬コード、計算、処方箋表示、レセプト対応が必要になるため、施行直前ではなく早めに確認しましょう。 - 厚労省のQ&A・チェックシート公開後に薬局手順書を更新する
今は制度の骨格を理解する段階です。正式資料が出たら、疑義照会基準や患者説明を最終版に更新します。
じゃあ、患者さんに「あなたは絶対にいくら上がります」と今の時点で言い切るのは危ないんですね。
その通り。今わかっている原則と、まだ検討中の部分を分けて説明するのが大事だよ。
対象は77成分|どんな薬が含まれる?
厚生労働省の最終公表では、OTC医薬品と成分・投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品を対象とし、2027年3月1日の施行時点で77成分・1042品目が対象です。
身近な例では、ロキソプロフェンナトリウム水和物、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジン、ヘパリン類似物質、テルビナフィン塩酸塩、ベタメタゾン吉草酸エステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物、ピコスルファートナトリウム水和物、ラメルテオンなどが一覧に含まれます。
ただし、ここで「77成分に入っている=どんな処方でも必ず特別料金」と覚えるのは誤りです。実際の判定では、効能・効果、患者属性、治療目的、長期使用の必要性などを確認する仕組みが検討されています。
77成分のリストだけでは判定できない理由
同じ成分でも、医療用医薬品とOTC医薬品で認められている効能・効果が完全に同じとは限りません。例えばフェキソフェナジン塩酸塩では、医療用医薬品はアレルギー性鼻炎だけでなく、蕁麻疹や皮膚疾患に伴うそう痒にも使われます。一方、OTC側で対応できない効能・効果に使用するケースまで「OTCで代替できる」と扱うのは合理的ではありません。
このため厚労省は、処方対象の疾患がOTC医薬品では対応していない効能・効果であれば、別途負担の対象外とする方向を示しています。
特別の料金がかからない可能性がある人・療養
制度の正式化に伴い、別途負担の対象外となるケースも整理されました。薬局実務では、成分だけでなく患者属性・使用目的・医療上の必要性を確認することが重要です。
| ケース | 2026年9月30日時点の正式な取扱い | 薬局での注意 |
|---|---|---|
| 18歳到達後最初の3月末まで | 対象外 | 年齢確認 |
| 生活保護受給者 | 対象外 | 医療券等の確認 |
| OTCでは対応できない効能・効果 | 対象外 | 処方箋上の情報・国の一覧を確認 |
| がん・指定難病に関連する治療 | 対象外 | 医師判断・記載内容を確認 |
| 公費負担医療 | 対象外 | 対象となる公費情報を確認 |
| 入院中・退院時処方 | 対象外 | 退院時処方も対象外 |
| 処置・手術・検査に伴う14日以内の処方 | 対象外 | 処方目的の確認 |
| 年間を通じた使用等が医療上必要 | 対象外 | 医師判断が重要 |
| 特定成分で妊婦・妊娠可能性・授乳婦 | 対象外となる場合あり | 対象成分・医師判断を確認 |
こどもは何歳まで?
こどもの対象外範囲は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までと正式に定められています。単純な「18歳未満」ではない点に注意してください。いわゆる高校生年代までが目安です。
背景には、成長過程にあるこどもは医療の必要性や受診行動が成人と異なること、多くの自治体でこども医療費助成が行われていることがあります。
低所得者は全員対象外になる?
生活保護受給者が医療扶助を受ける場合は別途負担の対象外です。一方、住民税非課税世帯など生活保護以外の低所得者を一律に対象外とする制度ではありません。
長期使用なら何でも対象外?
いいえ。患者が「ずっと使っています」と申告するだけで自動的に対象外になる仕組みではありません。厚労省資料では、医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、長期使用等が医療上必要と認める状態を想定しています。
内服薬では、50週(1年)を超える長期使用が基本的な目安です。少なくとも半年の使用実績があり、今後も年間を通じた処方が必要と医師が判断する場合も対象外となり得ます。外用薬は、年間を通じた使用があり、診療ガイドライン等で長期使用の有効性・必要性が示されている場合などを総合的に判断します。なお、重度の変形性膝関節症への湿布や、アトピー性皮膚炎以外への皮膚保湿剤など一部は、長期使用実態を踏まえ2028年度末までの経過措置として別途負担の対象外とされています。
ヘパリン類似物質を何年も使っている患者さんなら、薬局で「長期だから対象外」にしていいですか?
薬局だけで自己判断するのは危険。正式ルールでは、医師が診察を踏まえて対象・対象外を判断し、その結果が処方箋へ反映される仕組みだよ。薬局では処方箋の表示と患者情報を確認して対応しよう。
院外処方では薬局は何をする?実務フローを超初心者向けに整理
正式な院外処方の実務では、医療機関側が対象性・対象外理由を判断し、その結果を処方箋へ反映します。薬局側は処方箋の「一部保険外療養」欄や患者情報を確認し、対象の場合は患者へ説明した上で別途の負担を受け取る流れです。
STEP1:対象77成分かを確認
まず処方薬が対象成分に該当するか確認します。対象外なら通常の保険調剤として進みます。対象候補なら次の判定へ進みます。
STEP2:外形的な対象外条件を確認
18歳年度末までのこどもか、生活保護の医療扶助か、OTCで対応していない効能・効果かなどを確認します。年齢や医療扶助は、マイナ保険証や医療券等で把握できる情報もあります。
STEP3:医師が医療上の必要性を確認
がん・指定難病に関連する治療、公費負担医療、処置・手術・検査に伴う短期処方、年間の服用等が医療上必要な場合、特定成分で妊婦等に該当する場合など、診察を踏まえた医師判断が必要になる項目があります。
STEP4:処方箋の情報を薬局で確認
対象医薬品を処方する場合、処方箋の「一部保険外療養」欄には、別途負担の対象なら「○」、対象外なら「-」を記載します。旧様式の処方箋は当面使用できる経過措置がありますが、薬局では対象・対象外の情報を確認できるよう院内・院外の運用を整理しておく必要があります。
STEP5:患者へ特別の料金を説明
対象であれば、薬局は患者に別途負担が生じることを説明します。ここでは「保険が使えなくなりました」ではなく、「保険診療の中で薬剤費の一部に別途負担が加わる制度です」と説明する方が制度を正確に伝えられます。
STEP6:必要に応じて疑義照会
処方箋情報と患者情報が食い違う、対象外理由が不明、医師判断が必要と思われるのに記載がないなど、判断に迷う場合は疑義照会が必要になる可能性があります。正式な運用通知が出たら、薬局内で疑義照会基準を統一しておくと混乱を減らせます。
長期収載品の選定療養と二重に払う?
薬局実務では非常に重要です。正式な取扱いでは、OTC類似薬の一部保険外療養の別途負担対象となる場合、同じ薬について長期収載品の選定療養の特別料金は求めません。
つまり、同じ薬にOTC類似薬の特別料金と長期収載品の選定療養の特別料金を二重に課す仕組みではありません。処方箋では、OTC類似薬の別途負担対象なら「一部保険外療養」に○が付き、長期収載品の選定療養は対象外となります。
長期収載品の仕組み自体を確認したい方は、長期収載品の選定療養は2026年6月にどう変わる?薬局説明例も参考にしてください。
具体例で理解|この患者さんはどうなる?
例1:成人が風邪で対象の鎮痛薬を短期処方
対象77成分に該当し、OTCでも対応可能な効能・効果で、特別な対象外条件がなければ、原則として別途負担の対象です。薬局では処方箋の対象表示を確認し、料金について説明します。
例2:高校2年生に対象薬が処方
18歳に達する日以後の最初の3月31日までのこどもは、制度上の別途負担の対象外です。自治体の医療費助成とは別に、新制度そのものの対象外として扱われます。
例3:生活保護受給者
医療扶助を利用する生活保護受給者は、別途負担の対象外です。薬局では医療券等を含めた資格情報確認が重要になります。
例4:対象の抗アレルギー薬を蕁麻疹に使用
医療用とOTCで効能・効果が異なり、OTCでは対応できない効能に該当する場合は別途負担の対象外です。「成分が対象リストにあるから徴収」と機械的に処理しないことが重要です。
例5:慢性疾患で年間を通じて継続使用
医師が年間を通じた治療の必要性を確認し、国が示す基準を満たす場合は対象外となる可能性があります。内服薬では概ね50週という目安も示されていますが、正式運用では対象成分や記載方法を必ず確認してください。
患者さんへの説明例
初心者向け説明例
「2027年3月1日から、OTCでも代替しやすい一部の医療用医薬品について、通常の保険の自己負担とは別に薬剤費の一部をご負担いただく制度が始まります。すべての薬・患者さんが対象になるわけではなく、年齢や治療内容、医療上の必要性などによって対象外になる場合があります。今回の処方が対象になるかは処方箋の情報を確認してご案内します。」
患者さんから「じゃあ病院でもらう意味がないの?」と聞かれることも想定されます。その場合、医師の診察が必要な病態、OTCでは対応できない効能、継続的な医学管理が必要なケースがあることを説明し、「OTCでよいか、受診が必要か」を一律に決めつけないことが大切です。
薬局が2027年3月までに準備したいこと
実務チェックリスト
- □ 最新の対象成分・対象品目リストを確認する
- □ 処方箋の「対象/対象外」表示方法を確認する
- □ レセコンが特別料金の計算に対応しているか確認する
- □ 18歳年度末・医療扶助など外形的情報の確認方法を決める
- □ 医師判断が必要なケースの疑義照会ルールを決める
- □ 患者説明文を薬局内で統一する
- □ 特別料金と消費税の表示・領収書対応を確認する
- □ 長期収載品の選定療養と混同しないよう研修する
- □ 施行直前の厚労省通知・疑義解釈を再確認する
よくある間違い5つ
- 「77成分は全部保険適用外」
違います。薬剤費の一部を保険給付外とする制度で、対象外となる人・療養も検討されています。 - 「自己負担3割が4割になる」
単純な窓口負担割合の変更ではありません。通常の定率負担とは別に特別料金が生じる構造です。 - 「対象成分なら薬局で必ず徴収」
効能・効果や患者属性、医療上の必要性による対象外判定があります。 - 「長く使っていれば自動的に無料」
医師が医療上の必要性を確認する考え方で、自己申告だけでは判断できません。 - 「長期収載品の特別料金も両方取る」
正式な取扱いでは、OTC類似薬の一部保険外療養の別途負担対象となる場合、長期収載品の選定療養の特別料金は求めません。
既存の「OTC類似薬追加負担」記事との違い
ゆずまるブログでは、制度全体を初心者向けに整理したOTC類似薬の追加負担とは?2027年3月開始を初心者向け解説を公開しています。
本記事は、2026年9月30日に厚生労働省が公開した正式資料まで反映し、「別途の負担はいくらか」「誰が対象外か」「薬局は何を確認するか」という実務に絞って更新しています。
制度の歴史や保険外し議論の背景を知りたい方は、OTC類似薬の保険外しとは?影響と薬剤師の対応を徹底解説、薬局でのOTC販売については調剤薬局で勝てる!OTC販売の実践テクもあわせてどうぞ。
FAQ|OTC類似薬の特別の料金
Q1. 2027年3月からロキソプロフェンは全部自費になりますか?
いいえ。「全部自費」とは限りません。対象となる療養では薬剤費の一部に別途負担が生じる仕組みで、こどもや一定の治療など対象外となるケースも検討されています。
Q2. 特別の料金はいくらですか?
正式な制度では、対象薬剤の薬剤費の4分の1が別途の負担です。実際の金額は薬価、処方量、消費税等で異なります。
Q3. 3割負担の人は合計55%負担ですか?
「3割+25%=55%」と単純に考える制度ではありません。保険給付外となる部分を差し引いた上で保険外併用療養費等を計算する仕組みで、特別料金は別枠です。
Q4. こどもは対象ですか?
18歳に達する日以後の最初の3月31日までのこどもは、別途負担の対象外です。
Q5. 生活保護の患者さんは?
生活保護受給者が医療扶助を受ける場合は、別途負担の対象外です。
Q6. がん患者ならどんな薬でも対象外ですか?
「がん患者だから全処方が自動的に対象外」と単純化しない方が安全です。資料では、がん・指定難病に関連する治療かどうかを医師が確認する実務フローが示されています。
Q7. 1年間使う薬なら対象外ですか?
医師が年間を通じた使用等を医療上必要と判断することが前提です。内服薬では年間概ね50週という目安が示されています。
Q8. 長期収載品の選定療養と両方払いますか?
正式な取扱いでは、OTC類似薬の一部保険外療養の別途負担対象となる場合、長期収載品の選定療養の特別料金は求めません。
Q9. 対象77成分はもう確定ですか?
はい。2027年3月1日の施行時点では77成分・1042品目が対象として正式に公表されています。厚生労働省は対象品目リストを公開しているため、実務では成分名だけでなく品目コードまで確認できます。
Q10. 薬局は今すぐ患者に案内すべきですか?
はい。開始日は2027年3月1日で確定しており、対象成分・対象外条件・処方箋様式など主要ルールも公表済みです。患者さんには「全額自費化ではない」「対象外になるケースがある」「実際の金額は処方内容で変わる」の3点を中心に説明すると分かりやすいでしょう。

まとめ|「保険外し」ではなく、対象・対象外を見分ける制度へ
OTC類似薬の見直しは、単純に「ロキソニンやアレグラが保険から外れる」という話ではありません。2027年3月1日から、OTC医薬品との代替性が特に高い医療用医薬品について、原則として薬剤費の4分の1を別途負担とする一部保険外療養が始まります。
一方で、18歳年度末までのこども、生活保護受給者、OTCでは対応できない効能、がん・指定難病に関連する治療、公費負担医療、処置等に伴う短期処方、医療上必要な長期使用など、別途負担を求めない仕組みも具体化しています。
薬局にとって大切なのは「対象成分を暗記すること」だけではありません。なぜ対象なのか、なぜ対象外なのかを処方箋・患者情報・医師判断から確認し、患者にわかりやすく説明できることです。
2026年9月30日までに、処方箋の「一部保険外療養」欄、対象医薬品リスト、対象外となる効能・効果や傷病名、妊婦・授乳婦の対象外リスト、請求・明細書・費用計算に関する通知まで公表されました。今後はQ&Aや広報資材、レセコン・電子処方箋の実装情報を確認し、2027年3月1日の施行に備えましょう。
参考文献・一次情報
- 厚生労働省|OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しについて(2026年9月30日更新)
- 厚生労働省|OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について(医療保険部会とりまとめ)
- 厚生労働省|OTC類似薬の一部保険外療養制度に係る法令上の措置について
※本記事は2026年10月1日時点の厚生労働省資料をもとに更新しています。対象医薬品リストや運用Q&Aは今後も更新される可能性があるため、実務では厚生労働省の最新情報をご確認ください。



コメント